優れたEメールマーケティングの実例12選

    著者: Shohei Toguri

    Date

    2016年01月13日

    メールを見て欲しい!とアピールする女性。

    百戦錬磨のマーケターにせよ、大学を出たての新人マーケターにせよ、優れたコンテンツの実例を見ることは、新たなインスピレーションにつながります。また、マンネリを打破したり、上司に実験的な試みのお伺いを立てたり、マーケティングセンスに磨きをかけたりするうえでも、お手本になるコンテンツは有益です。

    マーケティングのコンテンツは、そのほとんどが広く公開されていますから、ヒントの種はあちこちで見つかります。ネットをくまなく探すのもよいでしょうし、SNSでつながった人達の会話をチェックするのもよいでしょう。

    しかし、メールに関しては、お手本を探すのはかなり厄介です。参考になりそうなメールがあったとしても、通常はそのメールの配信サービスに登録している人しか読めないからです。また、実際に登録していたとしても、毎日にように届く膨大なメールから珠玉の1通を見つけ出すのは至難の業です(関連記事はこちら:Leave My Inbox Alone! How to Drive Customer Away With Email Overload)。

    そこでこの記事では、優れたEメールマーケティングの実例を集めてみました。細かく読み進めてその技を分析するのもよいですし、全体をざっと眺めて感じをつかむだけでもプラスになると思います。 

    インバウンドなEメールを含むインバウンドマーケティングに必要な5つの要素を図解した日本語eBookはこちらから。

    効果的なEメールマーケティングの12の実例

    1)Warby Parker(メガネ/サングラスメーカー)

    眼鏡処方箋とメガネは、切っても切れない間柄です。Warby Parkerから 私の上司に届いたメールは、その関係性をうまく生かしていました。件名は「あれっ、処方箋がもうすぐ期限切れですよ」。トリガーとして実に気が利いています。それに、処方箋の更新時期を思い出させてくれたことも好印象です。

    好印象といえば、メールの末尾にある補足説明もそうです。新しい処方箋をどこでもらったらよいかわからない人のために、検眼医についての情報が書いてあるからです。これで、新しいメガネの購入へと動かす力が俄然高まります。

     Warby Parkerの綺麗なデザインのメールの実例

    2)charity: water(慈善団体)

    Eメールマーケティングについて説明する中で、トランザクションメールが話題になることはあまりありません。トランザクションメールとは、利用者がウェブサイト上で特定の行動を取った後で、その人に自動的に届くメールのことです(関連記事はこちら:What Is a Transactional Email? [FAQs])。

    たとえば、フォームを入力したときや商品を購入したときに届くメールがそうですし、注文の処理状況について通知するメールもそうです。たいていは、単なるテキスト形式のメールで、Eメールマーケティングに大きく活用されることはあまりありません。

    そのような自動メールをうまく利用しているのが、慈善団体のcharity: waterです。通常、国際的な慈善団体にお金を寄付しても、それが世界のどこでいつどのように使われたのか、明確には教えてもらえません。しかしcharity: waterは違います。寄付したプロジェクトがどの段階にあり、自分のお金がどう役立ったかを、自動メールで教えてもらえます。

    しかも、細かな文章を必ずしも読む必要はありません。メールに書かれた時間軸と表で一目瞭然だからです。これなら、忙しい人にも見てもらえます。

    charity: waterの綺麗なデザインのメールの実例

    3)BuzzFeed(コンテンツ配信サイト)

    私はBuzzFeedのコンテンツが大好きです。ハロフィーンのためにコスプレした犬の写真などかわいくてたまりません(参照記事はこちら:The 70 Best Costumes At New York City's Most Important Dog Costume Competition)。そして、BuzzFeedのメールにも夢中です。しかしそれは、サイト自体が好きだからという理由だけではありません。

    まず、BuzzFeedのメールは、受信箱で見える件名と本文冒頭が秀逸です。どちらも、短くパンチが効いていて、サイトのコンテンツ全体とうまくマッチしています。特に、件名と本文冒頭との関係が絶妙です。コピーライティングについての記事はこちらからどうぞ(関連記事はこちら:Copywriting 101 : The Principles of Irresistible Content

    たとえば、件名が質問の形のときには、本文の冒頭はその答えになっています。また、下の例のように、件名が命令形のときには、本文の冒頭は、その続きとして自然につながる表現になっています。

    BuzzFeedからのメールの実例

    さらに、メールを開いたときの構成も見事です。たとえば、画像を表示しない状態で開いても、BuzzFeedのロゴと最初の画像があるべき部分が、altテキストでうまく補われています。これなら、画像なしでもきちんと意味が伝わりますし、見た目も自然です。この構成は称賛に値します(関連記事はこちら:How to Add Alt Text to Yout Email Images [Quick Tip])。

    画像なしの場合:

    BuzzFeedからのメールの実例

    画像ありの場合:

    BuzzFeedからのメールの実例

    4)Canva(デザイン作成サービス)

    Canvaのメールの特長は、そのシンプルさです。Canvaで作成できるデザインに新しいラインナップが加わると、次のようなメールが届きます。それぞれのメールでは、簡単な説明とプレビューを確認でき、そのまま実際に試すこともできます。

    私の同僚のメールマーケターであるNitiは、Canvaのメールの大ファンです。これまでに見てきたメールキャンペーンの中でも、Canvaほどメールとサービスがうまく結び付いている例はないとのことです。

    Canvaの綺麗なデザインのメールの実例

    5)Birchbox(化粧品サンプルの定期配送サービス)

    Birchboxは、化粧品などの美容商品のサンプルを宅配するサービスです。そのBirchboxから届いたメールの件名を見て、Pamは思わず開いてしまったそうです。「2月のお届け品の入れ忘れについて」という件名だったからです。

    実際にメールを読んでみると、化粧品を入れ忘れたという話ではなく、割引コードを追加でもらえるという話だとわかるのですが、会員の注意をうまく引いているのは間違いありません。また、メールの中に書かれた割引コードは、レンタルドレス企業Rent the Runwayのもので、Birchbox会員の関心とも合致する可能性が高いですから、会員が不満に思うことはないはずです。

    Birchboxの綺麗なデザインのメールの実例

    6)Cook Smarts(料理情報サイト)

    私が以前から大ファンなのが、Cook Smartsのメールマガジンです。食欲をそそるレシピを献立表の形式で毎週送ってくれるというものですが、レシピそのものだけでなく、メールの構成がよくできています。

    献立、キッチンのハウツー、料理のヒントという3つのセクションに分かれていて、メールのどこに目を向ければよいかが簡単にわかります。興味があるブログ記事を自分で探し出す手間がかかりません。 

    また、メールの右上にある「友達に転送」というCall-To-Action(CTA)もうまい手です。メールの内容を誰かに教えてあげるとしたら、やはりメールを使うのが簡単です。友達や同僚、家族に向けたメール転送をぜひ奨励しておきましょう。 

    Cook Smartsの綺麗なデザインのメールの実例

    7)Dropbox(オンラインストレージサービス)

    製品やサービスの利用から遠ざかっている人に送るメールで好感を持ってもらうのは、ハードルが高そうに思えるかもしれません。しかし、Dropboxはそれをうまく実現しました。一風変わったイラストと顔文字を使って、ユーモラスで可愛らしいメールに仕上げています。

    また、全体を簡潔にまとめることで、Dropboxという存在とその利便性を思い出してくれたらうれしいという控えめな姿勢を明確にしています。こうしたメールでは、たとえば期間限定のクーポンなど、もう1度使ってみようと思わせるためのインセンティブを加えるのもよいかもしれません。

    Dropboxの綺麗なデザインのメールの実例

    8)Paperless Post(カードや招待状の作成/送信サービス)

    ホリデー関連のEメールマーケティングと聞くと、すぐにクリスマスを連想するかもしれませんが、祝祭日や記念日にまつわるキャンペーンは年間を通していろいろと実施できます。

    たとえば、Paperless Postから届いた次のメールはその好例です。「何はさておき、お母さんにカードを送りましょう」という見出しが、切迫感を漂わせる明確なCTAになっています。そして、そのすぐ下にある「母の日を忘れていませんよね?」という小見出しを見た読み手は、「母の日っていつだっけ?カードは買ってあったっけ?」と自問することになります。

    その下に整然と並んだカードの画像は、デザインが見やすくて印象的です。画像をクリックすると購入ページに飛ぶことから、それぞれがCTAにもなっています。 

    Paperless Postの綺麗なデザインのメールの実例

    9)Stitcher(ポッドキャスト/ラジオのストリーミングサービス)

    自分だけの特別な体験を求めるのは、人間として当然の心理です。自分のためだけに用意されたようなメールを受け取ったら、特別な思いになります。メールの送り主の企業について、旧知の仲のような気分になり、自分の好みや満足感を大事にしてくれる企業だと認識するかもしれません(関連記事はこちら:パーソナライズの心理学:カスタマイズされたユーザーエクスペリエンスが求められる理由)。 

    その意味で私が気に入っているのが、Stitcherから届く「あなたへのお勧め」メールです。Stitcherとは、ポッドキャストやラジオ番組のストリーミングアプリです。通常私は、あえて新しいポッドキャストを開拓せずに、なじみのあるポッドキャストの新しい回を聴くことが多いのですが、Stitcherのメールで知ったポッドキャストやラジオは、登録してみようという気になります。

    また、このメールはレスポンシブデザインを実にうまく活用しています。色が明確なうえ、スクロールやクリックもしやすいデザインです。CTAが大きいことから、親指で簡単に押すことができます(関連記事はこちら:レスポンシブデザインを絶対推奨する6つの理由)。

    また、モバイル環境向けのメールに適した機能も組み込まれています。たとえば、末尾にある「Stitcher Radioを開く」というボタンから、スマートフォンのStitcherアプリを開くことができます。

    Stitcherの綺麗なデザインのメールの実例

    10)Turnstyle Cycle(バイクエクササイズ)

    バイクエクササイズの専門スタジオであるTurnStyle Cycleから届いたこのメールを見たときには、信頼できる友人からメールをもらったかのような気分になりました。

    デザインはあくまでシンプルです。会社のロゴをヘッダーにあしらい、テキストのメール本文の後に、簡単なフッターが付いているだけです。

    しかし、私はその本文に魅了されました。「お忙しいことと思いますが、代金を支払い済みの分をぜひご活用いただければと思っています」「調整にも可能な限り対応しますので、ご相談ください」「お問い合わせはお気軽にどうぞ。ぜひお力になれればと思います」など、親しみやすさの中に誠実さが感じられるからです。加えて、申し込んだ内容と時期、有効期限、電話番号など、私が必要とする情報が過不足なく記載されています。

    このメールで唯一欠けているのは、クラスの開催日程のページに飛ぶためのCTAボタンです。しかしそれ以外は、メール本文の誠実さが実に印象的で、この会社の好感度が上がりました。

    Turnstyle Cycleの綺麗なデザインのメールの実例

    11)Poppin(オフィス用品販売)

    限定で提供されるお得情報の類は、利用者としては大歓迎です。メールでクーポンや割引サービスを提供することは、顧客獲得の面でも顧客ロイヤルティの面でも効果があります。オフィス用品販売のPoppinから届いた、15%オフのプロモーションを告知するメールは素晴らしいと思います。

    派手めの色合いと柔らかいフォントは、クールでモダンな同社のイメージとうまく合っています。また、シンプルな構成ながら4つのCTAが明確なデザインもいいですし、見出しもシャレが利いています。

    Poppinの綺麗なデザインのメールの実例

    12)Drybar(ブロー専門店)

    とことんシンプルなデザインで効果を上げているメールもあります。デザインという面では、Drybarから届いた新商品紹介メールは断トツです。パッと見て、何のメールなのかが簡単につかめます。

    メールの文面はシンプルながらも絶妙で、同社のイメージと完全に合致しています。しかも、新商品についての情報が過不足なく盛り込まれています。このメールの目的は、リード(見込み客)やカスタマー(顧客)へのコンバージョンではなく、新商品の認知度を高めることです。

    このデザインなら、読み手の意識はまさに新商品そのものに向けられます。デザインの力でメッセージをうまく伝えたDrybarには脱帽です。

    Drybarの綺麗なデザインのメールの実例

    今回ご紹介した以外に、皆さんが知っているメールでお気に入りのものがありましたら、ぜひコメントで教えてください。同じような記事を今後書くときに参考にしたいと思います。

    the anatomy of inbound marketing(インバウンドマーケティングを徹底図解)のCTA

    編集メモ:この記事は、2015年3月に投稿した内容に加筆・訂正したものです。Lindsay Kolowichによる元の記事はこちらからご覧いただけます。

    著者情報  Shohei Toguri

    HubSpot Japanのマーケティングマネージャー。ローカリゼーションやマーケティングストラテジーなども担当。趣味で国外のマーケティングイベント、スポーツイベント、ボランティアなどに参加している。LinkedInは こちら。Twitterはこちら@ShoheiToguri

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