私たちはみな、より華々しいことに注意を向けがちです。インバウンドマーケティングで言えば、モバイルに最適化されたセンスの良いウェブサイトデザイン、洗練されたランディングページと魅力的なCall-To-Action(CTA)、幅広いソーシャルメディアへのプレゼンスなど、人々の注目を集めやすい目標に重点が置かれます。
これらはいずれも、インバウンドマーケティングで訪問者をリードに変換することを目的とした要素です。
では、リードを獲得したあと、そのリードをどうしますか?
訪問者やリードが増えれば、ファネルの入り口は広がります。しかし、リードをファネルの下の方へ上手くナーチャリングできなければ、獲得したリードが無駄になってしまいます。
そこで重要になるのがMOFU(Middle-Of-The-Funnel)マーケティングです。Eメールナーチャリング、スマートなCTA、リターゲティングなどがこれに含まれます。そして、MOFUマーケティングの効果を高めるための秘策とも言えるのが、コンタクトのセグメント化です。
セグメント化はマーケティングのトピックとしてそれほど華々しいものではありませんが、非常にパワフルであることは間違いありません。今回はその理由について解説します。
リストセグメンテーションとは?
基本的には、セグメンテーションとはその言葉のとおり、コンタクトリストをいくつかのセグメントに分割することを言います。サイコグラフィックス、デモグラフィックス、業種、企業規模、ウェブページへのアクセス数、コンテンツをダウンロードした回数など、あらゆる情報を使用し、さまざまな方法でセグメントを分割したり組み合わせたりします。
このように方法は自由ですが、もちろん制限もあります。どのコンタクト情報を使ってリストをセグメント化するかは、リードがフォームから何を入力したかによって決まります。
たとえば、コンタクトがフォームに名前と年齢、電話番号しか入力しなければ、ほぼ間違いなく、それ以外の重要な情報を入手してセグメント化に使用することが必要になるでしょう。勤務先や部署名、ビジネスの内容といった詳細な情報を入手し、それらをリストに追加してセグメント化を適切に行うことが必要です。
コンタクトリストをセグメント化するのに十分なデータが入手できたら、次はそれぞれに対してパーソナライズされたコンテンツを送信できるよう、セグメントを効果的に構成することが必要になります。
リストセグメンテーションが重要である理由とは?
リストセグメンテーションを行うと、最も妥当なコンテンツを、妥当な相手に、理想的なタイミングで送ることが可能になります。
コンタクトやリードのリストをセグメント化する際には、リードがフォームに入力した情報を使用するほか、特定のCTAのクリック、企業のTwitterハンドルでのツイート、ウェブサイトの特定のページへのアクセスなど、リードがマーケティングデータベースに登録された後に行ったアクションに関するデータを使用することもあります。これによって、セグメント化の効果はより高くなります。
たとえばリードが単価表のページにアクセスしたとすると、その人は購入に積極的であることが考えられます。その判断を引き金として、ナーチャリングを目的としたEメールを自動的に送信するように設定すれば、対話を続けることができ、製品を購入する段階までリードを導ける可能性が高くなります。
高機能なマーケティングプラットフォームであれば、条件をほぼ制限なく追加することができるため、詳細なリストを自在に作成することが可能です。たとえばHubSpotであれば、以下のすべての条件を満たすリードだけでリストを作成することができます。
- 米国在住であること
- 社員数が200~1,000人規模の企業で働いていること
- ソーシャルメディアに関するオファーでコンバートしたこと
- コンテンツを6つ以上ダウンロードしていること
- 過去一年以内に何らかのリアクションがあったこと
これらの条件を満たすリードを抽出し、ターゲットを明確に定めたメールを、たとえば『How to get 1000+ followers on Twitter』のようなオファーと一緒に送信すれば、エンゲージメントが高まるとともに、リードを購入の最終段階に向けてナーチャリングすることができます。
リストセグメンテーションの効果とは?
リストをセグメント化し、リードを適切にナーチャリングできれば、リードをマーケティングファネルの下の方へと大きく移動させ、結果として顧客化させることができます。
たとえば、HubSpotの調査から、明確にターゲティングされたEメールを適切なバイヤーペルソナに送信すれば、クリックスルー率が16%向上することがわかっています(関連記事はこちら:Targeting Email Marketing by Persona Improves Clickthrough Rate 16% [New Data])。その理由には、セグメント化によってオーディエンスを複数のグループに分類することで、各グループが本当に興味を示すコンテンツを送信できることが挙げられます。
たとえば、ソーシャルメディアの活用方法で悩んでいるB2B企業がいたとします。マーケティングインテリジェンスを利用し、そのB2B企業が過去にダウンロードしたコンテンツから何を課題にしているかを推測することができれば、その企業にメールを送信して、Facebookのフォロワーを増やす方法や、LinkedInのプロファイルを最適化することについて書かれたコンテンツをオファーすることができます。
場合によっては、あなたの会社の製品とリードの要件が一致せず、購入にいたらないこともありますが、それでもセグメント化を有効に利用できます。購入には到達しないがメールを開封してくれる人のリストを作成してください。そして興味深い内容のコンテンツをそのグループに送れば、各自のネットワークでシェアしてくれるかもしれません。
あるいは、エンゲージメントが高く、ターゲットの定まったリードを、メールをまったく開封しないリードと分離しておくのも効果的です。その目的は、メールの送信頻度をグループごとに調整することで、エンゲージメントを向上させ、購読解除率を減少させることにあります。
たとえば、エンゲージメントが高いリードに対しては、メールの送信回数を減らします。反対に、エンゲージメントが下がってきたと思われるリードには、より頻繁にメールを送るようにするとよいでしょう。
セグメンテーションを利用するタイミングは?
セグメント化は、たとえばメール送信やマーケティングオートメーション(指定した条件に応じてメールの自動送信を行うリードナーチャリングワークフロー)など、コンタクトリストに基づいて行われるものであれば、どのマーケティング機能でも利用できます。
また、セグメント化したリストを他のチャネルで利用して、リードナーチャリングの機能を拡張することもできます。たとえば、ブログに配置するCall-To-Action(CTA)をセグメントごとに変えるというのもその一つです。
ブログを新しく読み始めた人には「On-Page SEO Template」のようなオファーをダウンロードするCTAを表示し、その他の人にはデモを案内するCTAを表示します。あるいは、Social Inboxのようなツールを使用すると、リストに含まれるリードによるソーシャルメディア上の行動をモニタリングできるため、見込みの高いリードのエンゲージメントを1対1で高めることができます。
重要なのは、リストセグメンテーションの目標が、リードの獲得ではなく、顧客の獲得であるということです。つまり、マーケティングファネル全体に対して利用を考えることが必要になります。
リストをセグメント化し、最も妥当なコンテンツを、妥当な相手に、理想的なタイミングで送ることが、インバウンドマーケティングを成功に導くための鍵となることを覚えておいてください。
マーケティング活動において、リストセグメンテーションを効果的に利用した経験はありますか?下のコメント欄でぜひお聞かせください。
編集メモ:この記事は、 2014年1月に投稿した内容に加筆・訂正したものです。Niti Shahによる元の記事はこちらからご覧いただけます。