世界のベストスピーカーたちに学ぶ、パブリックスピーキングの7つのコツ[SlideShare]

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Lauren Hintz
Lauren Hintz

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一月のサンフランシスコの凍えるような寒さの中、何千人もの人たちと一緒にモスコーニセンター前に並ぶ。この寒さの中、前日からテントを張って待っている強者たちもいる。会場は民主党全国委員会並みのセキュリティだ。中に入って心地よい椅子に腰を下ろせるようになるまでには、まだあと1時間ある。

 943分。いよいよ待ちに待った瞬間だ。痩せた、穏やかな物腰の男が、トレードマークのタートルネックとジーンズ姿で優雅に壇上に姿を現す。軽く咳払いをすると、ボトルから水を一口飲む。そしてたっぷり12秒間の間をおいた後、こう切り出した。

「2年半、この日を待ち続けてきました。数年に一度、すべてを変えてしまうような革新的な新製品が現れます。」

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200719日、スティーブ・ジョブズがiPhoneを発表した日です。かつてないほど人々を魅了した製品ローンチでした。もちろんiPhone自体が非常に革新的な製品であったわけですが、寒空の中徹夜までして並んだ何千もの人たちが魅了されたのは、iPhoneではありません。彼らが夢中になったのはジョブズのユニークなプレゼンテーションスタイルでした。アップルファンが敬意をこめて「スティーブノート(Stevenote)」と呼ぶこの独特のプレゼンスタイルで、ジョブズは人々の記憶に強烈に残る伝説のキーノート(Keynote)を成し遂げたのです。

『スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン―人々を惹きつける18の法則』の著者カーマイン・ガロは、その著書の中でこう述べています。ジョブズは「従来の、単調で技術用語だらけの長ったらしいスライドショーを、ヒーローや悪玉、脇役、それに素晴らしい背景が揃った一大ドラマへと変えてしまった。彼のプレゼンテーションを初めて目のあたりにした人は、驚くべき体験だったと口を揃える

時は変わり、201212月、パリ。ウェブ系カンファレンス「LeWeb」でも、素晴らしいプレゼンテーションがありました。今回は製品ローンチではありません。チャリティ団体chartiy:waterの創設者兼CEOのスコット・ハリソンのキーノートです。スコットは自分の半生を語りました。

ニューヨークでファッショナブルなナイトクラブやイベントのプロモーターをしていた時代、いかに自分が「精神的に破綻」していたか。西アフリカの最貧地域を旅し、ボランティア活動を行ったことで、どんなふうに人生の目的と意義を見つけるに至ったか。とても個人的で感動的なストーリーでした。 

charity: waterのCEO スコット・ハリソン氏のプレゼンの様子

スコットのプレゼンは人々の心を動かし、涙を誘いました。最後はスタンティングオベーションでした。テック系のカンファレンスではなかなか見られない光景です。

さらに同2012年、ボストン。世界最大のインバウンドマーケティングカンファレンス「INBOUND」で、2800人の聴衆を前にゲイリー・ヴェイナーチャックが凡人には想像も及ばないプレゼンを行いました。著者がここで「想像も及ばない」と表現したのは、何もゲイリーが、英語圏でタブーであるFワードを76回も連発したからではありません。

彼は情熱的で印象的な45分のキーノートを、1枚のパワーポイントスライドも使わずにやってのけたのです。それも朝9時から聴衆を笑わせ、喝采させ、ツイートさせまくりました。最後はやはりスタンディングオベーションでした。

ゲイリー・ヴェイナーチャックのプレゼンの様子 
ジョブズ、スコット、ゲイリーは世界で最も魅力的なコミュニケーターたちです。人々に影響を及ぼし、楽しませ、聴衆を魅了する能力は群を抜いています。しかしそのプレゼンテーションスタイルは三者三様で全く違います。

一体この3人に共通点はあるのでしょうか?私たちが彼らから学ぶことのできるプレゼンテーションスキルはあるのでしょうか? 

結論から言うと、たくさんあります。

確かに、私たちは、世界の注目を集める企業のカリスマでもなければ、チャリティの概念を覆したCEOでもなく、45分間に76回もF**Kを連発する起業家でもありません。けれど誰しもその職業人生において、多かれ少なかれプレゼンテーションを行わなければならない機会というのはあるはずです

備えあれば憂いなし。世界屈指のコミュニケーターたちから、そのコツを学びましょう。今回は上記3氏のプレゼンから7つのポイントをまとめましたので、次回のプレゼンに是非活用してください。以下のSlideShareでもこれらのポイントを10項目に分けて簡潔に説明していますので、参考にしてください。

ジョブズならどうするか?世界で最も人々を惹きつけるプレゼンターたちから
学ぶ10のレッスン(HubSpot オールインワン マーケティングソフトウェアより)
 

世界屈指のプレゼンターたちに学ぶパブリックスピーキングの7つのコツ

 その1:まずはパワーポイントではなく紙を使う

 前回プレゼンを準備したときのことを思い返してみてください。まず話そうと思うストーリーを紙に書いてみましたか?そこから徐々に意味のあるデータ、例、根拠などを織り込んでいきましたか?聴衆が後から記録やスライドを見返さなくても思い出せるような、しっかりと統一されたメッセージを発信できたと思いますか?

おそらく「いいえ」という答えの人が大部分ではないでしょうか。多くの人は、プレゼンの前日になってパワーポイントを開き、自分や同僚が過去に作成した古いプレゼン資料からスライドを寄せ集め、ウェブから素材を引っ張ってきて味付けし、あとは当日「即興」でうまくやれることを祈るといったところではないかと思います。

「プレゼンテーションを飛躍的に改善するために最も重要なことは、パワーポイントファイルを作り始める前に、伝えるべきストーリーを準備することである」

―クリフ・アトキンソン『Beyond Bullet Point(箇条書きのその先へ)』

 優れたコミュニケーターたちはこの点をよく承知しています。まるで銀幕を飾る作品を細部まで丁寧に制作する映画監督のごとく、彼らは慎重に、労を惜しむことなく、プレゼンテーションをプランニングし、ストーリーボードを書き、台本を作り、デザインし、リハーサルします。

慎重に組み立てられたストーリーが聴衆にどれほどの影響を与えることができるか分かっているからです。十分な準備こそが、凡庸なプレゼンテーションと並外れたプレゼンテーションの決定的な別れ目だと知っているのです。

アル・ゴア元米副大統領の『不都合な真実』をサポートした、コミュニケーションエキスパートのナンシー・デュアーテによれば、1時間のプレゼンテーションの場合、約30時間をリサーチ、資料整理、草稿作成、ストーリーボート作成、台本作成、ストーリーの見直しに費やすべきだそうです(さらにスライドの作成に30時間、リハーサルに30時間かけるべきとのこと)。

HubSpotのお勧めするワールドクラスのプレゼンーションを作成するのにかかる時間の割合 

ここからの教訓:いきなりパワーポイントを開くのはやめましょう。スライド作成を始める前に、十分に時間をとって紙の上でじっくりとストーリーを構築することが重要です。

その2:三幕構成でストーリーを語る

プレゼンテーションにありがちなのは、以下のような構成です。

  1. 自己紹介(Who I am
  2. 職務あるいは自社の事業内容(What I do
  3. 自分あるいは自社の製品/アイデアの差別化(How my product/company/idea is different
  4. 購入/投資/支援すべき理由(Why you should buy/invest/support me know

 一方、優れたコミュニケーターたちは三幕構成を活用しています。ストーリーを「設定(set-up)」、「対立(confrontation)」、「解決(resolution)」の三幕で構成する手法で、企業のカンファレンスルームよりは、舞台や映画でよく見られる手法です。ストーリーにはもちろん、生き生きとした人物、英雄、悪役たちもかかせません。

以下の画像は三幕構成の概要を示したものです。それぞれの幕で、聴衆にとって最も重要な疑問に対する答えが提示されています。

 HubSpotのお勧めするプレゼンの構成の仕方 

通常のプレゼンテーションと比べてみてください。まったく逆の流れになっているのが分かりますよね。 

スティーブ・ジョブズのようなトップコミュニケーターたちは、WHO > WHAT > HOW > WHYという流れでなく、WHY > HOW > WHATという形式を好みます。聴衆の前に立った時、最初にしなければならないことは関心を持たせることだと気付いているからです。ですから口に出さずとも皆が抱いている疑問「なぜ関心を持つべきなのかWhy should I care?)」に答えるところからプレゼンを始めるわけです。

次に「そのアイデア/製品で暮らしがどう変わるのか(How will your idea/product make my life better?)」という点を描き出し、最後に「どんなアクションを取るべきなのか(What action do I need to take?)」という答えを導き出します。

ここからの教訓: プレゼンテーションを序盤、中盤、終盤にはっきりと分け、説得力のある内容で聴衆を心躍る旅路へと誘いましょう。アクションを呼び起こし、製品を売り上げ、ビジネスに資金をもたらすような旅路へ。

 その3:1000の言葉より、1枚の画像

世界中の言語で「百聞は一見にしかず」とか「1枚の絵は1000の言葉に匹敵する」といったことわざが見られますが、これにはちゃんと科学的根拠があります。

大規模な研究で明らかになったところによると、人間は言葉で示された情報よりも画像で示された情報のほうが覚えやすく思い出しやすいのだそうです。この現象は画像優位性効果と呼ばれています。

ある実験では、それぞれ口頭と画像で被験者に情報を伝えました。72時間後、口頭で情報を伝えられた被験者は、内容の約10%しか覚えていられなかったのに対し、画像で情報を伝えられた被験者は内容の約60%を思い出すことができました。

 画像とテキストの情報伝達の度合いの違い

また画像による情報は人間にとって覚えやすいだけでなく、文字による情報に比べ6万倍以上速く処理されます。

例えば、以下の2つだったらどちらが早く認識できますか?

画像とテキストの情報伝達の度合いの違い

もちろん、テキストの代わりに素晴らしい画像を探して選び出すのには時間も手間もかかります。しかしトップコミュニケーターたちは、聴衆へのインパクトとリテンションを最大化できるのであれば、それだけの手間をかける価値があることを理解しているのです。

ここからの教訓: 画像の効果は強烈です。最大限に活用しましょう。

その4:感情に訴えかける

プレゼンテーションでは要点を説明、強調するために、かならず何らかのデータを使用します。スティーブ・ジョブズのようなトップコミュニケーターたちもデータを巧みに活用しています。ただ一方で彼らはデータだけでは十分でないことも理解しています。

考えてもみてください。もしデータだけで人々の考えや行動を変えられるのであれば、誰もタバコなんて吸わないでしょうし、明らかに妙な宗教組織を信じる人もいないでしょう。ほとんど知らない人と避妊もせずに性行為をするなんてこともあり得ません。

お分かりですね。理論だけでは人を動かすことはできないのです。

なぜこの事実がそんなに重要なのでしょうか。科学者の助けを借りてみましょう。『ブレイン・ルール』の著者である分子生物学者のジョン・メディナは、人間の脳において感情が果たす役割をこのように述べています。 

「感情的な出来事(通常「感情誘発刺激:ECS」と呼ばれる)というのは、およそ測定できるもののうち、最もよく処理されている外部刺激である。感情的な出来事というのは、淡々として出来事に比べ、かなり長く記憶に残り、かなり正確に思い出すことができる」

プレゼンテーションでの感情への訴えかけることの重要性 

チップ・ヒースとダン・ヒースも著書『Made to Stick: Why Some Ideas Survive and Others Die(記憶に残るには:生き残るアイデアと死にゆくアイデア)』の中で、説得力のあるコミュニケーションにおいて感情が果たす役割を詳しく述べています。チップはスタンフォード大学で学生たちと一緒にある実験を行いました。まず学生たちは1分間の説得力のあるプレゼンを行うように指示されます。全員同じトピックでプレゼンをしますが、クラスの半分はある立場を支持し、残り半分はその意見に反対する立場を取らなければなりません。 

全員が1分間のプレゼンを終えた後、学生たちはお互いのプレゼンの効果を評価し、それぞれのプレゼンの要点を書き出すように指示されます。

この実験で収集されたデータは以下の通りです。 

  • 1分間のプレゼンで使用された統計データの数は平均して2.5でした
  • 1/10の学生が、主張を伝えるのに個人的なストーリーを用いました
  • 63%の学生が、ストーリーを用いたプレゼンの詳細を覚えていました
  • プレゼンで使用された統計データを覚えていた学生は5%だけでした

このデータからヒース兄弟は、以下のように結論づけています。

「学生たちの記憶に最もよく残ったのは、ストーリーを使ったプレゼン、言い換えれば感情に訴えたプレゼン、複数のポイントではなく一つのポイントだけを強調したプレゼンだった」

 聴衆に感情を呼び起こすことの重要性については、ピューリツァー賞ノミネート作家のマヤ・アンジェロウがズバリ簡潔に表現しています。

 「人はあなたが言ったことやしたことは忘れてしまうけれど、あなたの言動でどんな気持ちになったかは忘れないものよ」

ここからの教訓:プレゼンテーションの内容が、単なる「事実」を伝えるだけのものに終始しないようにしましょう。聴衆の感情を呼び起こすのは、コアメッセージの効果とリテンションを高める確実な方法です。

その5:分かりやすい言葉を使う 

スティーブ・ジョブズが世にiPodを送りだしたとき、彼はこんなふうに言うこともできたはずです。 

「本日、新しいポータブル音楽プレイヤーを発表いたします。重さはたったの185g、オイルサーディン缶ほどの大きさで、大容量、長時間のバッテリー寿命、超高速転送スピードを誇ります」

でも実際にはジョブズはこう言いました。「iPod1000曲をポケットに」

MacBook Airも同様です。「MacBook Proをより小さく軽量化、13.3インチで1280×800ピクセルのLED画面、キーボードはフルサイズです」こんなふうに説明することもできたでしょう。

でも代わりにジョブズは、A4サイズのマニラ封筒からおもむろにMacBook Airを取り出して見せ、こう言いました。「MacBook Airとは何か?一言で言えば、世界一薄いノートPCです」

ジョブスのMacBookAir発表の様子

同年代の他のスピーカーたちと違い、ジョブズは複雑な言い回しや技術的なデータ、バズワード、業界用語などは避ける傾向がありました。代りにシンプルでダイレクトな分かりやすい言葉を好みました。理解しやすく、覚えやすく、そして何といってもツイートしやすい言葉を使っています。また頻繁にメタファーや比喩を用い、単なる数字に意味付けをしています。例えばiPodであれば「容量5GB」という代わりに「1000曲をポケットに」と表現するといった具合です。 

ジョブズの最も有名なキーノートのいくつかを見てみると、まるで「見出し」だけで構成されているかのようです。どのセンテンスもパワフルで、記憶に残り、説得力があり、140文字以下に収まっているのですから

最近自分が作成したプレゼンテーションを振り返ってみてください。シンプルで的を射たツイートしやすい「見出し」のような文で構成されていますか?台本は7才の子が読んでも理解できるような分かりやすい文章で書かれていますか?データや統計に意味づけし、聞き手が消化しやすいようにしていますか?「統合された」「プラットフォーム」「最先端」「相乗効果」といった使い古された業界用語はバッサリと切り捨てていますか?

ここからの教訓:聴取を説得する力を身につけたければ、スティーブ・ジョブのマネをしてみることです。業界用語は使わずシンプルな言葉を使いましょう。一番伝えたいメッセージをしっかりと一貫して伝えなければなりません。また数字や複雑なアイデアを説明するときには、生き生きとしたメタファーや比喩を使うことで意味づけし、理解しやすくしましょう。

その6:箇条書きを使わない

信じられないかもしれませんが、スティーブ・ジョブズはプレゼンテーションで一度も箇条書きを使ったことがありません。ただの一度もです。彼のスライドは驚くほどあっさりとしていて、いくつかの効果的な画像と、慎重に選択されたフレーズだけで構成されています。

新製品の利点を説明しデモンストレーションする製品デモにおいても、ジョブズのスライドには箇条書きがありません。見ていて清々しいほどです。 

プレゼンテーションで箇条書きを使うべきではない理由

2007年発行の電子書籍『Really Bad PowerPoint(とってもダメなパワーポイント)』の中で、著者のセス・ゴーディンはこう言っています。「箇条書きにするということは、〈ここはメモしておいてくださいね、でも今は考えてなくていいですよ〉と言っているのと同じなんです。でも例えば記憶に残るようなオペラに行ってメモを取っている人なんていませんよね」

セスの言い分には科学的な根拠もあります。重要な情報を伝えるのに、テキストと箇条書きというのは最も効果が低い方法だと、多くの研究で実証されているのです。それにも拘わらず、平均的なパワーポイントスライドには40単語も含まれているのが現実です。

SlideRocketによると、パワーポイントプレゼンテーション中に居眠りをする人の割合は32%、もう一つプレゼンを見なければならないよりは歯医者に行くほうがマシという人は20%もいるそうです!

ここで一つの事実をお知らせしましょう。人間の脳には「短期記憶」という機能があります。これは少量の情報を処理して短期的に保持する機能です。

短期記憶と長期記憶との関係とプレゼンテーションとの関係

短期記憶を脳の付箋と考えれば分かりやすいかもしれません。短期記憶は、付箋と同じように大きなキャパシティはありません。保持できる内容は平均して7項目以下、保持できる時間は1015秒ほどです。 

これを踏まえた上で、あなたが世界で最も薄いノートPCを紹介するとしましょう。箇条書きで長々と仕様を書く代わりに、マニラ封筒の画像を使うほうが得策だと思いませんか。

あるいは、世界の飲み水問題を解決すべく取り組んでいるNPOとして支援を募るとしましょう。統計データを箇条書きにするよりも、印象的な短い動画を見せるほうが効果的だと思いませんか。 

一枚のスライドにいくつもの事実を盛り込みそうになったら、スティーブ・ジョブズが頻繁に引用していたレオナルド・ダ・ヴィンチのこの言葉を思い出してください。

「シンプルさは究極の洗練である」

あるいはゲイリー・ヴェイナーチャックに倣って、スライドを全く使わないという手もあります!

ここからの教訓:人を殺すのが銃ではなく銃弾(bullet)であるように、プレゼンを殺すのは箇条書きの黒点(bullet)です。

その7:これでもかというほどリハーサルする

その1.でコミュニケーションエキスパートのナンシー・デュアーテが言っていたように、聴衆に情報を提供し、楽しませ、さらにインスピレーションを与えるプレゼンテーションを作成するには多くの時間がかかります。最初の30時間で、リサーチ、草稿作成、プランニング、ストーリーの見直しを行います。次の30時間でシンプルなスライドを作成します(テキストは少なく、ビジュアル素材は多く、箇条書きは入れずに!)。 

そして最後の30時間でプレゼンの練習を何度も行います。

あなたはプレゼンのリハーサルに30時間も費やしたことはありますか?

紹介した7つのコツの中でも、この点は一番見逃されてやすいものです。せっかく万全の準備をしたのに、練習不足だったために本番で大失敗ということのないようにしましょう。 

ここからの教訓:30時間もリハーサルをするのはうんざりするかもしれません。時間のかかる作業です。しかし卓越への近道はないのです。

おわりに 

1997928日、Appleは有名な「Think Different」広告キャンペーンでデビューしました。このCMではアルバート・アインシュタイン、マーティン・ルーサー・キング・ジュニア、アメリア・イアハートといった偉人たちの白黒写真を映しつつ、以下のようなナレーションが流されました。

「クレージーな人たちがいる。反逆者、厄介者と呼ばれる人たち。四角い穴に丸い杭を打ちこむように。物事をまるで違う目で見る人たち。彼らは規則を嫌う彼らは現状を肯定しない。彼らの言葉に心をうたれる人がいる。反対する人も賞賛する人もけなす人もいる。しかし、彼らを無視することは誰もできない。なぜなら、彼らは物事を変えたからだ。彼らは人間を前進させた。彼らはクレージーと言われるが私たちは天才だと思う。自分が世界を変えられると本気で信じる人たちこそが、本当に世界を変えているのだから」

「Think Different」キャンペーンのゴールはもちろんコンピューターを売ることです。でも見てください、台本には一言も「コンピューター」なんて入っていません。 

最後に、スティーブ・ジョブズ、スコット・ハリソン、ゲイリー・ヴェイナーチャックを含む世界で最も魅力的なコミュニケーターたちに共通する素晴らしい資質に触れてまとめとしたいと思います。彼らのプレゼンテーションスタイルはそれぞれ大きく異なりますが、全員が共通していることは:

単に「情報」を提供するだけでなく、意味を伝えているということです。それも情熱を持って。 

彼らは単にそれが「何であるか」を伝えるのではなく、それがどんな意味を持つのかを鮮やかに描いてみせているのです。そしてそこにたどり着くにはどうすればよいのか、聴衆を導きます。

ジョブズ、ハリソン、ヴェイナーチャックという世界クラスのプレゼンターは、コンピューターや飲料水やワインを売っているのではありません。より良い未来という夢を売っているのです

ここでまとめた7つのコツを活用すれば、あなたにもそれが可能かもしれません。

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画像クレジット:iphonsavior.com, Inc.com

編集メモ:この記事は、2013年3月に投稿した内容に加筆・訂正したものです。Marta Kaganによる元の記事はこちらからご覧いただけます。

トピック: 自己啓発

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