マーケティング業務に関わる方であれば、『マーケティングオートメーション』という言葉を耳にしたことがある方は多いのではないでしょうか。
「マーケティングオートメーション」は2014年頃から、北米の主力ベンダーが日本に進出してきたことにより、認知度が一気に広がりました。
しかし、マーケティングオートメーションは、マーケティングという概念が当たり前である北米の商習慣を元に作られたため、日本企業が容易に扱えるものではありませんでした。
数多くの企業が「オートメーション」という魔法の言葉に魅了され導入をしたものの、ただEメールを一方的に送信するツールと化していたり、現場担当の人間が全く使いこなせなかったりして失敗に終わるケースは少なくありません。
一方、近年では国内のベンダーが独自開発を行い、日本特有の商習慣に合ったマーケティングオートメーションも数多く現れてきました。
しかしながら、これほどマーケティングオートメーションと謳っているツールが世の中に溢れかえってしまったため、これから導入検討している企業としては、非常に分かりづらいものとなってしまいました。
そこで今回は、「何を基準に選べば良いのか?それぞれのベンダーの違いは一体何なのか?」とお悩みの担当者の方々のために
- マーケティングオートメーションの基礎知識
- マーケティングオートメーションの選定基準
- 導入方法/注意点
- 代表的なマーケティングオートメーションツール
というポイントに絞って、ご紹介していきたいと思います。是非とも自社の状況や課題をイメージしながら読み進めてみてください。
- マーケティングオートメーションとは?
- なぜマーケティングオートメーションが必要なのか
- マーケティングオートメーションは、当たり前の概念に
- マーケティングオートメーションの効果
- マーケティングオートメーションの活用方法
- マーケティングオートメーションに求められる機能
- マーケティングオートメーションのメリット・デメリット
- マーケティングオートメーションで解決できる問題
- マーケティングオートメーションを導入するための目的と目標
- マーケティングオートメーションの運用方法(設計編)
- マーケティングオートメーションの導入スケジュール
- マーケティングオートメーション運用における注意点
- マーケティングオートメーション導入費用
- 代表的なマーケティングオートメーションツール
- マーケティングオートメーションに対する誤解
- マーケティングオートメーション関連用語集
- マーケティングオートメーションをさらに理解するために
- 《結論》導入前に『目的』と『課題』をハッキリさせよう
マーケティングオートメーション実践ガイド
〜マーケティングオートメーション戦略の最適化方法を徹底解説〜
1.マーケティングオートメーションとは?
1:マーケティングオートメーション(MA)とは何か、その定義
マーケティングオートメーション(MA)とは、簡単にいうと「マーケティング活動の自動化を目標とするソフトウェア」のことです。
例えば、企業のマーケティング活動の一例をみてみると
- 見込み顧客1人ひとりのニーズにマッチしたマーケティングEメールの送付
- Webサイト/企業ブログなどの更新
- ソーシャルメディアの投稿
- 各キャンペーンのROI測定
- 経営層へのレポート作成とデータ計測
- キャンペーン用のクリエイティブ(動画やイラストなど)作成
といったように、膨大な量のタスクが発生します。
また、実際にマーケティング活動によって、獲得した見込み客の情報を管理し、成約度が高まった見込み客を営業担当に引き渡すという作業も必要です。
このような一連の作業やデータ管理を、別々のシステムでオペレーションすることが困難であるため、マーケティングオートメーション(MA)は主に企業のマーケティング部におけるインフラ的な役割として活用されています。
2:SFA、CRMとの違い
マーケティングオートメーションは、SFA(セールス・フォース・オートメーション)やCRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)と混同されがちなので、その違いに関して、少し触れておきたいと思います。
インバウンドマーケティングの方法論において、マーケティングオートメーションが得意な領域は、「Attract(惹きつける)」と「Convert(転換する)」の部分です。
「Attract(惹きつける)」は、潜在顧客(個人情報が分からない)にウェブサイト上のコンテンツなどにアクセスしてもらい訪問者になってもらうステージです。
「Convert(転換する)」のステージでは、訪問者に対してホワイトペーパーやEbookなどの付加価値の高い情報を提供することで、リードに転換(情報取得の代価として個人情報を明かしてもらう)させます。
つまり、いかに自社の製品/サービスに興味が高い人たちに見つけてもらい、その人たちの個人情報を明かしてもらう部分、さらにその人たちの興味を高めるという部分までがマーケティングオートメーションの役割となります。
そのため、マーケティングオートメーションの主な機能としては、
- ウェブサイト上に訪問者を集めるためのブログ、広告連携機能
- 訪問者をリードに転換させるためのLP、フォーム、CTA、チャットボットなどの機能
- 転換したリードの見込み度を判定するためのスコアリング機能
- リードの見込み度を引き上げるためのEメールマーケティング機能
などが備わっています。
一方、CRMは、見込み客および顧客の情報を一元管理するため、マーケティング、営業、もしくはカスタマーサポートなどのフロント業務と呼ばれる部署に関わる全ての人が利用をします。
自社とのあらゆる情報を1つの場所で管理することで、見込み客がどのように顧客となったのかなどの情報が時系列で確認できるようになり、部署間での引き継ぎなどが容易となります。
また、SFAは、その名のとおり営業担当者が実施する業務を効率化させることを目的としているため、マーケティング部から引き継がれたリードを顧客にする「Close(成約する)」ステージにおいて活用されるべきものです。
CRMとSFAの違いを更に詳しく知りたい方は、以下のブログを参考にしてみてください。
なお、HubSpotでは前述したインバウンドマーケティングをインバウンドという概念の中に含まれる1つの手法としています。詳しくは、以下のブログに記載させて頂いておりますので、興味のある方は是非とも読んでみてください。
3:BtoC特化、またはBtoB特化の違い
マーケティングオートメーションには、「BtoC」特化型のものと、「BtoB」特化型ものがある点に注意してください。
主な違いは以下です。
BtoB | BtoC | |
取得できるリードの情報 | 企業名、担当者名、企業のメールアドレスなど | 個人のメールアドレス、SNSのアカウント、電話番号など |
管理できるリードの数 | 多い | 少ない |
機能のゴール | 商談の創出 | サイトや店舗への誘導 |
決済に必要な人数 | 複数人が関与 | 1人 |
アプローチの手段 | Webでの情報発信、メール、電話、セミナーなど | メール、電話、SNS |
BtoBの場合はSFAと連携ができると、商談創出後の営業活動もスムーズに行えます。
2.なぜマーケティングオートメーションが必要なのか
1:売り手と買い手の地位が逆転
電話営業や飛び込み営業のように、企業側から積極的にアプローチする「アウトバウンドマーケティング」は、インターネットネットやモバイルデバイスの普及によって通用しなくなりつつあります。
顧客が求めているのは企業側からの一方的な情報提供ではなく、「知りたい情報を最適なタイミングで得ること」です。
マーケティングオートメーションは、このような購買行動の変化に対応します。多彩な機能を活用すれば、ユーザーの行動履歴を分析して効率的なアプローチを行い、最適なタイミングで情報を送信することが可能です。
購買行動の変化は不可逆的なものと思われるため、今後もマーケティングオートメーションの導入は加速していくでしょう。
2:労働人口の減少(日本国内特有の課題)
マーケティングの本場アメリカで誕生したマーケティングオートメーションですが、日本で必要とされている理由としては、日本が抱える人口減少の問題と深く関わっています。
2030年には、日本の労働人口は644万人不足すると言われています。(労働市場の未来推計 2030 - パーソル総合研究所)すなわち、日本にとって本課題を解決するための手法は、①働く人口を増やす(外国人、女性、シニアなど)、②生産性を上げる、という2つに限られます。
生産性を上げる施策としては、AIやRPAなどによる業務の自動化が期待されています。
同様に、効率的な営業活動実現やマーケティング活動自体の自動化を担うマーケティングオートメーションも生産性向上に有効的な施策の1つとして大きな注目を集めています。
分析技術の向上
自社サイトを訪れた企業名や個人名、資本金や従業員数などの詳細なデータを取得できるため、正確で効率的な分析が実現します。
レポート機能で分析結果を可視化すれば、新規マーケティング施策に対するヒントにもなるでしょう。
3.マーケティングオートメーションは、当たり前の概念に
1:誕生から認知、そして普及段階へ
マーケティングオートメーションが誕生したのは、1992年のことです。
マーケティング先進国であるアメリカのUnica社が最初にリリースしましたが、インターネットの普及率も低く、その有効性が一般にまで浸透することはありませんでした。
本格的に注目を集めたのは、1999年。Eloqua社がマーケティングに必要な機能をワンパッケージにして世の中に提供し、大きな成功を収めました。
このことにより、他社もマーケティングオートメーション市場に次々と参入し、拡大していきました。
2005年頃より、光回線など高速インターネットの普及も増加したため、クラウドで数々のツールが誕生したのです。先に述べたようにマーケティングの変化による必要性が高まったことで、2010年以降、マーケティングオートメーション市場がさらに拡大しました。
2:マーケティングオートメーションの国内市場
近年、日本でも国内ベンダーによるマーケティングオートメーション関連のソフトウェアの提供が増えたことにより、日本人向けの操作性を考慮したツールが開発されています。
民間調査機関の株式会社矢野経済研究所が行った「2017年版 DMP/MA市場 ~デジタルマーケティング市場の現状とビジネス展望」の調査概要によると、2016 年の MA サービスの市場規模は 245 億 4,500 万円で、2022年までには倍以上の530億まで到達すると予測されています。
4.マーケティングオートメーションの効果
マーケティングオートメーションの導入効果は、ただ単にマーケティング業務における諸々の煩雑な作業を自動化するだけではありません。
マーケティングオートメーションの解説などで、よく挙げられている統計情報がありますので、ここでも少し紹介しておきましょう。
1:マーケティング業務の効率化
マーケティング業務では反復的な作業が良く発生します。
例えば、セミナー案内のEメールを送付したり、キャンペーン毎のパフォーマンスをレビューしたりなどが挙げられます。そのような業務を手作業で実施すると人的ミスが発生したり、工数がかかったりするため、反復的な作業はマーケティングオートメーションでテンプレート化することが可能です。
- リードナーチャリングが得意な企業は、商談数を1.5倍に増やしながら、マーケティングコストは33%削減
2:商談の質と量が向上
「アウトバウンド」によって獲得したリードと「インバウンド」によって獲得リードでは、興味関心度が圧倒的に違うため、営業担当が接触した際の商談化率が格段に向上します。そのため、商談の質と量両方の向上が期待できます。
- マーケティングオートメーションを活用し成果を出している企業は、商談数が約4.5倍に増加(出典:The Annuitas Group)
- リードナーチャリング(見込み客を育成すること。次章参照)を行った見込み客は、通常の見込み客に比べ、購入金額が47%アップ(出典:The Annuitas Group)
3:営業生産性向上
やみくもに企業のWebサイトを見てコールドコールをかけたり、購買意欲が高いリードなのかを判定するために営業担当が直接電話でヒアリングをしていては、効率が悪いです。
営業担当がリソースを集中すべき案件は、クロージングまでの期間が短く、受注金額が大きく、購買までのハードルが低い ようなものが望ましいので、マーケティングオートメーションは案件を可視化させるために重要な役割を担います。
- マーケティングオートメーション導入で、営業の生産性が14.5%向上しながら、マーケティング人件費は12.2%削減(出典:Nucleus Research)
5.マーケティングオートメーションの活用方法
では、マーケティングオートメーションで具体的に何ができるのかを紹介します。マーケティングオートメーションの機能を分類すると、以下の4点になります。
- 見込み客を創出すること(リードジェネレーション)
- 見込み客を育成すること(リードナーチャリング)
- 見込み客を分類すること(リードクオリフィケーション)
- 見込み客のリストを管理すること(リードマネジメント)
※アメリカ生まれの「マーケティングオートメーション」の解説記事などでは、「見込み客」を「リード」などと表現するなど、しばしばカタカナ表記されますが、マーケティングオートメーションを本質的に活用するために、非常に重要となるため、理解をしておいてください。
1:見込み客の創出(リードジェネレーション)
リードジェネレーションとは、「あなたの会社やその製品/サービス自体、もしくはその領域に何かしらの形で興味を示している人」を「創出する(ジェネレーション)過程」という意味なので、「リードを獲得することとその過程」と捉えていただければと思います。
具体的な手法としては、下記の3つに大きくは分類されます。
- 展示会やセミナーを開催した際に集めた名刺
- 営業担当が交換をした名刺
- Webサイトなどのオンライン上から得られる個人情報(問い合わせや資料請求など)
マーケティングオートメーションで効率化が図れる領域は、おもにWebサイト経由でリードジェネレーションを行う場合です。
Webサイト経由でリードを獲得するための具体的な手法としては
- コンテンツマーケティングの実施(SEO)
- SNS運用(Facebook、Twitter、Instagramなど)
- Web広告
等になります。
※リードジェネレーションに関して、詳しく知りたい方は、以下のブログを参考にしてみてください。
リードジェネレーションとは? 効果が高い7つの手法とHubSpotが実践する戦略
そのため、マーケティングオートメーションには、Webサイトやブログ、またランディングページを構築するためのコンテンツ管理システム(CMS)機能が搭載されていることが望ましいです。
また、SEO機能、SNS連携、Web広告(GoogleやFacebook)連携機能などが搭載されているか確認する必要もあります。
マーケティングオートメーション導入を検討する上で、まずファーストステップになるのが、このリードジェネレーションです。
ツールを安易に導入するのではなく、自社がリードを獲得する体制が整っているのか、ぜひ考えてみてください。
2:見込み客の育成(リードナーチャリング)
リードナーチャリングとは、リードジェネレーションにより獲得した見込み客の購買意欲を高めるためのマーケティング活動をいいます。
マーケティングオートメーションを使えば、「あるWebサイトページを何度も閲覧した」や「特定のイベントに参加した」といった条件で見込み客を抽出、見込み客の購買意欲の高さをスコアなどによって推測することが可能となります。
また、見込み客の条件や特定のアクションに応じたステップメールを送信するといった機能などもあります。
ステップメールとは? 効果的なシナリオを作るコツとおすすめ事例3選
相手に合わせた有益なコンテンツ(ブログ記事、セミナー、ホワイトペーパーなど)を継続的に提供し続けることで、見込み客からの信頼を獲得し、引いては自社製品やサービスへの興味を高めてもらうプロセスになります。
リードナーチャリングとは? 効果的な手法とHubSpotの成功事例
3:見込み客の分類(リードクオリフィケーション)
「リードクオリフィケーション」とは、見込み客(リード)の中から顧客に転換する可能性が高い層を選定していくプロセスです。
選定の手法としては、以下のようなものがあります。
- インサイドセールス導入
インサイドセールスでは実際に獲得したリードに対してEメールや電話などで継続的なアプローチを実施することによりリードナーチャリングを行います。
さらに、商談を実施する営業担当へ引き継ぎをする前には、「決裁権を持つ担当者なのか?自社が提供するソリューションと顧客の課題は一致しているのか?」などの購買意欲の有無を確認します。
- ライフサイクルステージの導入
インバウンドマーケティングでは、リード(Lead)という1単語だけで「あなたの会社やその製品自体、もしくはその領域に何かしらの形で興味を示している人」を効率的に管理するのは難しいので、リードを状態別に分類します。
例えば、メルマガ登録したリードとセミナーに申し込んだリードでは購買意欲に違いがあるので、それぞれの状態に別の名前を付けておくという具合です。
気になる方は下記のブログを参考にしてみてください。
ライフサイクルステージとは?インバウンドマーケティングにおけるファネル - ネコと学ぶインバウンド用語集
- リードスコアリングの利用
特定のWebページの閲覧(価格ページなど)やEメールの開封数などに応じてスコアを付けてリードクオリフィケーションを実施することもあります。
しかし、現在おいてさまざまなマーケティングチャンネルが現れたことにより見込み客の行動は多岐に渡ります。
そのため、リードスコアリングの設計が複雑となったり、スコアリング自体が活用できる状態になっていなかったりする、というケースは良くありますので、この方法はあまりオススメはしません。
4:見込み客の管理(リードマネジメント)
マーケティングオートメーションにおける「見込み客管理」では、見込み客の情報が正確に保持されていることは当然ですが、リードジェネレーション、リードナーチャリング、リードクオリフィケーションなどの各プロセスにおいてデータが一元管理されていることが必要です。
またCRM/SFAなどの営業管理システムとも連携し、営業部門にタイムリー(リアルタイムが望ましい)に情報を提供するなど、戦略的な管理を行う必要性があります。
いかがでしたか?マーケティングオートメーションの機能が上記4つのカテゴリに分かれていると認識をしながら、各プロセスにおける機能をベンダー毎にチェックしてみると自社に本当に最適なマーケティングオートメーションがわかってくるはずなので、必ずこのプロセスを頭に入れた上で、次の機能を読み進めてみてください。
6.マーケティングオートメーションに求められる機能
自社のマーケティング活動における課題点を洗い出した後は、どの段階における機能が充実しているマーケティングオートメーションを選択するのかが、導入成功の大きな要因となります。
1:リードジェネレーションにおける機能
- SEO対策機能
- CMS機能(ブログ、ランディングページ、Webサイト作成支援)
- ソーシャル連携機能(情報拡散)
- Web広告連携
- 問い合わせフォーム作成
- チャットボット作成やウェブチャット対応
- ウェビナーツール連携
筆者は、マーケティングオートメーション導入を検討する企業の中で最も課題が多いのは、リードジェネレーションにあると考えています。
自社の営業体制がアウトバウンド(ダイレクトメールやコールドコールなど)であり、その体制を一新したいという方は、このリードジェネレーション機能が拡充しているマーケティングオートメーションを選択することをおすすめ致します。
なぜなら、SEO施策だけでは、充分なリードを創出できない場合もあるからです。
例えば、競合他社が膨大なリソース(特にヒトとカネ)を投下してSEO対策を実施している中で、月にブログ1~2本ほど投稿する行為は、F1マシンに対して軽自動車でレースに挑んでいるようなものです。
そのため、自社サイトに対してトラフィックを集めることも重要ですが、集まったトラフィックのリード転換率を向上させるための機能も必要となってきます。
具体的には、訪問者に対してポップアップやチャットを表示するなど、動的に訪問者の情報を収集できるような機能も活用していきたいところです。
2:リードナーチャリングにおける機能
- Eメール配信
- ワークフロー(シナリオ化)
- パーソナライズ機能
マーケティングオートメーションに必要なメール機能は、一斉送信メールとの違いは、リスト化され条件によって抽出された見込み客に応じ、パーソナライズされたメールの送り分けができることが大切です。
また、見込み客がメールを開封したかどうか、どのURLをクリックし、どのページを閲覧したかをトラッキングする機能も必要です。
上記のように見込み客の状態や特定のアクションに応じて、シナリオを分ける必要があるので、ワークフロー(タスクの流れ)を自動化する機能が搭載されていることが望ましいでしょう。
リードナーチャリングについては、こちらの記事で詳しくご紹介しています。
リードナーチャリングとは? 効果的な手法とHubSpotの成功事例
3:リードクオリフィケーションにおける機能
- 営業への通知
- リードスコアリング
- 各マーケティングチャネルの統合機能
- レポート&アナリティック機能
購入意欲の高い見込み客を検知した場合、営業担当に自動的に通知を出す機能も必要です。
マーケティング活動の作業に日々追われているマーケターがキャンペーン毎に獲得できたリードを都度営業担当に通知していたら大変ですよね?
また、現代では企業内におけるコミュニケーション方法もメールだけではく、Slackなどのサービスが用いられることも増えてきました。社内で利用しているコラボレーションツールと標準で連携可能なのかを事前にチェックしておくと良いでしょう。
リードスコアリングは、見込み客のアクションや属性情報から、購入見込み度を数値化する機能です。
サイトへの訪問頻度、展示会/セミナーなどイベントへの参加履歴などを見込み度として重み付けをします。
近年ではAI技術が発達し、蓄積された膨大なリード情報から自動で質の高いスコアリングを実施するマーケティングオートメーションも存在します。
月間の顧客獲得数に応じてAIが搭載されているマーケティングオートメーションを検討に入れることも検討してみてください。
4:リードマネジメントにおける機能
- リスト作成
- アクセスログ取得
- 各マーケティングチャネルの統合機能
- フォーム連携
- CRM連携
最後に、リードマネジメントにおける機能ですが、最も大事なのは見込み客(リード)とのコミュニケーションがすべて1つのプラットフォーム可能であることです。
マーケティング側で獲得したリードの情報や行動履歴(Webサイト内のアクションやマーケティングEメールの開封履歴)が、マーケティングオートメーションへ蓄積されていたとしても、営業担当がリアルタイムで確認できる状態でなければ、せっかくの営業機会を損失してしまうかもしれません。
例えば、サービスの価格ページを閲覧し始めたリードに対して、営業が何もせずに放置していた場合、競合他社からアプローチされて魅力的な割引などを提示されては、「サービス内容は気になっていたが、良い条件を出してくれたB社を導入しよう(色んな会社の話しを聞くのも面倒くさいし・・・・)」となってしまうかもしれません。
リードの状態を管理する機能は標準で備わっているマーケティングオートメーションは多数なるので、CRM連携のリアルタイム性やマーケティングオートメーション自身にCRM機能が搭載されており営業担当も1つのプラットフォームで営業活動を実施できるものを選んでみてください。
7.マーケティングオートメーションで解決できる問題
マーケティングオートメーションの機能を活用すれば、さまざまな問題が解決できます。
1:商談数が少ない状態を改善できる
キャンペーンや新商品の案内メールを自動的に配信する「メール配信機能」を使えば、従来の人海戦術では放置しがちだったリードにも、効率的にアプローチできます。
送信したメールの開封状況に応じて次のアクションを変える「シナリオ機能」を併用すれば、ニーズの喚起もしやすくなるでしょう。
2:案件の質を向上できる
案件の質の低さは「スコアリング機能」で改善できます。
- メール開封:1点
- セミナー参加:2点
- 製品情報閲覧:5点
スコアリング機能はリードの行動に応じて上記のような「点数付け」を行い、購買確度の高さを可視化する機能です。スコアによって優先的にアプローチするべきリードが明確になるため、案件の質と成約率の向上が望めます。
3:獲得したリードを有効活用できる状態に
マーケティングオートメーションには、リードの情報を一元管理できる機能が備わっています。
- 企業名
- 役職
- 企業の住所
- 電話番号
- 来訪履歴
- 流入経路
- セミナー参加状況
上記のような幅広い情報も、任意のフィールドで管理することが可能です。
管理できるのは実名化されたリードだけではありません。サイトを訪問した「匿名」のリードも、トラッキング機能を使った行動追跡によって実名と紐づけられることもあります。
匿名リードの「実名化」によってリードの興味や関心の方向性が明確になれば、マーケティング施策の幅も広がるでしょう。
4:各マーケティング施策の進捗状況や成果を可視化できる
マーケティング担当だけではなく、営業担当にもアカウントを共有すれば、部門間での情報共有が可能です。
どのような経緯で獲得できたリードなのかが営業担当もすぐに把握できるよう、データにアクセスできる環境を整えておきましょう。そうすれば、営業担当者からのアプローチもスムーズに行えるはずです。
8.マーケティングオートメーションのメリット・デメリット
マーケティングオートメーションは、言葉のイメージから、マーケティング活動をすべて自動化をしてくれる魔法のツールか何かと勘違いされがちです。しかしマーケティングオートメーション導入前には、メリットとデメリットの両方を認識しておくことが重要です。
自社の状況をイメージしながら読み進めてみてください。
【メリット1:見込み客と良い関係を構築できる】
メールや電話による過度な営業は、見込み客を遠ざける原因になります。しかし、マーケティングオートメーションの「自動メール配信機能」や「シナリオ機能」を使えば、適切なタイミングで情報を提供できるため、見込み客の反感を防ぎながら購買確度を高めることが可能です。【メリット2:見込み客の放置や、誤発信などのヒューマンエラーが防げる】
ExcelやGoogleスプレッドシートのようなアナログの見込み客管理では、見込み客の購買意欲が高まったシグナルを見逃し「放置」してしまう可能性があります。
接触されなかった見込み客は、他社の顧客になるか、あるいは購買意欲が弱まってしまうかもしれません。
マーケティングオートメーションを使えば、マーケティングメールに記載されたURLをクリックしたことやランディングページを閲覧したことなど見込み客のアクションが把握できます。
製品・サービスに対する興味や求めている情報がわかるので、非常にアプローチしやすくなります。
また自動化によって、メールアドレスの入力間違いや誤発信などといったヒューマンエラー発生のリスクを減らせることも大きなメリットになります。
【メリット3:担当者の個人的スキルに左右されない営業活動ができる】
営業活動が属人的なスキルや勘で成立していた時代では、担当者によって成績がバラバラでした。
そのため、持続的かつ成果を出せる強い営業組織を作るためには、多大な労力と時間を要しました。
マーケティングオートメーションの導入によって、購入意欲を充分に高めた後に営業部隊がアプローチすれば、営業担当のスキルに左右されず受注しやすくなり、営業活動の生産向上も期待できます。
【デメリット1:提供するコンテンツが必要】
見込み客一人ひとりのナーチャリングには、見込み客の検討段階に応じて付加価値のある情報を提供することが不可欠となります。
例えば、「展示会などで集めた見込み客のリストにメールマーケティングを実施する」といったケースを考えてみましょう。
ブログやセミナーなどを実施していない場合、自社製品自体の紹介や割引キャンペーンの案内を送付するだけになってしまいます。
自社の情報ばかり送りつけてくる相手から、あなたは何か購入したいと思いますか?
マーケティングにおいても、営業同様に相手の役に立つという姿勢を忘れてはいけません。
【デメリット2:ハウスリストのデータ入力、従来のデータベースからのデータ移行、データの定期更新が不可欠】
マーケティングオートメーション導入にあたっては、まず過去に交換した名刺や、メルマガ登録、問い合わせなどがあった見込み客を「リード」としてデータベースに登録する必要があります。
名刺のように各営業担当が1枚ずつ保有しているような顧客情報の場合、1件ずつ新たに入力していく必要があります。
保有しているデータが何千件にもおよび場合は、データ入力方法を事前に考えておく必要があります。
ちなみに、SanSanなどの名刺スキャンサービスなどを用いると、データを一括インポートすることが可能です。HubSpotの無料CRMとSanSanを連携する方法はこちらから。
また、今まで使っていたデータベースからマーケティングオートメーションのデータベースへ移行しなくてはなりません。
そのため、既存のCRM/SFやExcel/Googleスプレッドシートなどから一括データインポートをできるマーケティングオートメーションを選ぶことが重要です。
さらに、見込み客の情報は生鮮食品のような生ものだと認識をする必要があります。
特にBtoBの場合、異動や組織変更、退職などで肩書きや所属会社が変わることが頻繁におきます。
そのため、インサイドセールスの担当者がマーケティングオートメーションのデータベースへもアクセスでき、動的に情報が更新できるようなシステム設計をしなくてはいけません。
【デメリット3:新しいリード獲得の仕組みが必要】
既存リストに対してのマーケティング活動を効率化するために、マーケティングオートメーションを導入したとしても、打てる施策には限りがあります。
したがって、マーケティングオートメーションを導入するにあたっては、新たなリードを獲得する仕組みも準備する必要があります。
お問い合わせフォームを設置するだけではなく、Webサイト(場合によってはブログ)への流入数を増やし、ホワイトペーパーなどの資料ダウンロードを獲得するなど、中間コンバージョンを設定しなくては、自動化をしてナーチャリングを実施する対象のリードが枯渇していきます。
9.マーケティングオートメーションを導入するための目的と目標
次は、マーケティングオートメーションを導入する目的を考えてみたいと思います。
最終的な導入の目的は「売上」という数字をアップさせることにあります。
しかし、マーケティングオートメーションだけの機能では、売上を直接可視化できないため、この「目的」を「目標」に落とし込めていないまま、導入を進めてしまう企業が多数いらっしゃいます。
参考:https://surpass-star.com/tips/463
「売上」という数字は、あらゆる要素が重なり合った結果として得られるものです。
したがって、マーケティングオートメーションの導入効果を最大化するためには、目的に向かって正しい方向で進んでいるのか?という目標設定が重要となります。
そこで重要となるのが「KPI」と「KGI」という指標です。
1:KGI、KPIとは
- KGI(Key Goal Indicator)「重要目標達成指標」
目指すべきゴールのことです。目標の達成を明確化するためにも、KGIには数値で判断できる要素を設定しましょう。
- KPI(Key Performance Indicator)「重要業績評価指数」
目標達成の進捗度を表す指標です。KGIだけを判断材料にすると問題点や改善点を見出しにくくなるため、必ずKPIも設定してください。
KGIとKPIを設定すれば進捗状況が可視化されるため、施策の精度が高まります。
KPIについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
オウンドメディアとは?作り方からKPI設定のコツ、成功事例まで大公開
2:マーケティングオートメーションにおけるKGI
「KGI」は、以下のような指標が設定されます。
- マーケティング活動によって創出された売上が、全体の売上に占める比率
- マーケティング活動によって創出された売上金額
- マーケティング活動によって創出された商談の件数
- マーケティング担当から営業担当に提出された商談数・受注数
マーケティング部におけるKGIを設定するコツとしては、可能な限り「売上」とマーケティング活動における成果物を紐付けることです。
例えば、HubSpotマーケティング部が設定しているKGIは、予測売上です。方程式で表現すると、以下のような数式になります。
予測売上 = QLの数(Qualifed Lead)× QLからの顧客転換率 × 平均顧客単価
左辺である予測売上がKGIで、右辺を構成する要素がKPIになります。
QLとは、デモ予約や営業担当者の問い合わせといった購買意欲が高いリードです。
このQLの種類について、HubSpotでは合計10つも定義があります。QL毎の顧客転換率を測定することで、「ホットリード」といった曖昧な表現をするのを避けるようにしています。
QLの数だけではなく、質も定量的に追いかけることによって、マーケティングと営業の両部署が健全にコミュニケーションを取れるようになっています。
3:マーケティングオートメーションにおけるKPI
「KPI」として、以下のような指標が設定されます。
- サブスクライバー(メールなど定期的な情報発信に同意している状態であり、Eメールのみ特定できている場合など)数
- リード(会社名、個人名、電話番号などマーケティング側が能動的にアプローチできる情報が特定できた場合)数
- マーケティング活動によって創出された見込み客数(MQL = Marketing Qualifed Lead):営業への問い合わせやデモリクエストなど)
- Webサイト全体のトラフィック数
- トラフィックからリードへの転換率
- リードからMQLへの転換率
- マーケティング部門から創出した受注の平均単価
- 見込み客の顧客化率
- 顧客獲得単価(CAC)と顧客生涯価値(LTV)
マーケティング活動におけるKGIやKPIの設計に関して、お悩みの方は、ぜひとも以下のブログを参考にしてみてください。
マーケティング&セールスの重要な「指標」をチームで分担する方法
4:「PDCAサイクル」によるプロセス管理
マーケティングオートメーションの効果が現れるのは、早くても半年、長い場合にはから1年以上要する場合もあります。
そこで、計画(Plan)→実行(Do)→チェック(Check)→改善(Action)という、いわゆる「PDCAサイクル」を回すことによって、当初設定をしたKGI、KPIが適切なのか検討していくことが可能となります。
マーケティングオートメーション導入前に「ベンダー自身がKGIやKPIの設定方法をアドバイスしてくれるのか」「PDCAを回すためのカスタマーサポートやカスタマーサクセスの体制が整っているのか」なども聞いておくと良いでしょう。
10.マーケティングオートメーションの運用方法(設計編)
では、実際にマーケティングオートメーションを運用するにはどのようなプロセスが必要なのか。基本設計における一般的な運用の流れについて、各プロセスの注意点と共にご説明します。
1 :マーケティングゴール設定
ゴール(目標)を定量的に設定しなければ、マーケティング活動が成功したのか、失敗したのか、またどのように改善サイクルを回していけばよいのかが判断できません。
さらに、マーケティング活動を計画する上でも、何を優先して実行していくのかなどの判断基準がわかりづらくなってしまいます。
自社の課題を分析した上で、達成するゴール(目標)を現実的な成長率と期間で定量的に必ず設定をしましょう。
この段階では、KGIやKPIといったレベルまでに落とし込まなくても構わないので、例えば
- 月間50件のリードを生み出す
- リードの育成を自動化し、リードから顧客への転換率を20%向上させる
もし、定量的なゴール(目標)を設定するための過去の実績がない、といった場合には
- 他ツールとマーケティングオートメーションを統合し、顧客のカスタマージャーニーを包括的に分析する
といった、理想の状態をゴールとして設定することも1つの手段です。
2 :メンバーアサイン(=責任範疇の落とし込み)
マーケティングオートメーション導入を意思決定する人が、経営者や会社の幹部クラスであるケースは少なくありません。
この場合、『実際に手を動かして施策を実行する人』と『最終的に費用対効果を判断する人』が別々になってしまうため、現場と経営層の間でマーケティングオートメーション導入の目的が曖昧なまま初年度が終わってしまうと結末が良く発生します。
そのため、マーケティングゴールにコミットしてもらうメンバーを必ずアサインし、ゴール達成のためのアクション進行具合など、月次で共有しあう機会を持てるようにしておきましょう。
また、マーケティングオートメーション導入を推進する人材として適しているのは、学習意欲が高く、他部署とのコミュニケーションに抵抗を感じないような人が良いでしょう。
どのようなツールを導入するにせよ、用語の違いやツールの使い方を学習し、さらにマークに関わるすべての人に対して、設定手順などを共有するのは、かなり骨が折れる作業です。
新しい挑戦をすることに対して熱量がない人などを、他にメンバーがいないという理由で適当な人をアサインしてしまうと、プロジェクト自体が失敗する確率も高くなるので注意しましょう。
3 :マーケティング戦略立案
ゴール(目標)と人のアサインが完了したら、ゴールを達成するための戦略を考えていきます。
「戦略」という言葉を辞書で引いてみると、
“長期的・全体的展望に立った闘争の準備・計画・運用の方法。戦略の具体的遂行である戦術とは区別される。”
という意味がでてきます。
ビジネスにおける戦略とは、目標を達成するために、自社におけるリソース(ヒト・モノ・カネ)をどのように振り分けるのかを考えることです。
では、戦略を考えるためには、どのようにアプローチすれば良いのか、具体例をすこしだけみてみましょう。
例えば、
好きな子と仲良くなるために(目的)、彼女の好きなタピオカミルクティーをUber Eatsを使ってサプライズで頼んでみた(戦術)、なぜなら最近彼女は自分のインスタグラムでタピオカに関する写真ばかり投稿しているから(戦略)
このように考えると少し分かりやすいのではないでしょうか?
何を目的に:好きな子とを仲良くなるために
具体的な目標:今年のクリスマスまでに彼女と付き合う!
戦略:最近インスタグラムでタピオカのことばかり投稿している
戦術:タピオカミルクティーを一緒に飲む機会を作る
何を言いたいかというと、目標達成のための戦略を考える上で、まずは相手に関する情報や自分の強みなどを、しっかりと分析しないと、選択をすべき戦術が絞りづらくなってしまうということです。
具体的な手法としては
- 3C分析
- SWOT分析
- 4P分析
3C分析とは
3Cは「Customer(市場・顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)」の頭文字です。外部要因の「市場・顧客」と「競合」、内部要因の「自社環境」を分析することで事業の方向性が見えてきます。
SWOT分析とは
内部・外部環境をプラス・マイナス要因それぞれ分析し、マーケティング戦略の策定や経営資源の最適化を行うフレームワークです。
- 強み(Strength)
- 弱み(Weakness)
- 機会(Opportunity)
- 脅威(Threat)
上記4つのカテゴリを視点に分析を行うことで、現状を変える方法や問題点、将来起こる可能性がある状況を整理できます。
4P分析とは
4つの視点からターゲットとなる市場を分析する方法です。
- 製品(Product)
- 価格(Price)
- 流通(Place)
- プロモーション(Promotion)
多角的な分析は課題を見出しやすくするだけではなく、戦略的な施策の立案にも役立ちます。
4:ペルソナの作成
「ペルソナ」とは、製品やサービスにとっての理想的な顧客像です。
旧来的なマーケティングの考え方では、例えば「ターゲットは30~40代の既婚男性」という程度に設定をされていました。
一方、「ペルソナ」の場合は「35歳、IT企業勤務、チームリーダー、休日は息子の参加するサッカーチームでコーチ・・・」というように、ある特定の人物を鮮明にイメージできるレベルまで設定をします。
ペルソナ作成については、下記のブログで詳しく書いているので参考にしてみてください。
5分で分かる『ペルソナ』の作り方|現代のマーケティングに欠かせない手法を徹底解説
5:カスタマージャーニーマップの作成
「ペルソナ」が策定できたら、次はそのペルソナが商品・サービスを認知してから購入決定に至るまでの行動と思考を図式化した「カスタマージャーニーマップ」を作成します。
カスタマージャーニーマップについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
カスタマージャーニー徹底研究!基礎知識から作成・分析方法までを解説
6:コンテンツ企画
ペルソナとカスタマージャーニーを作成したら、コンテンツをどのように制作していくか計画します。
この段階においては
- SEOワードは何をコアなトピックとしてブログを作成するのか
- 訪問者をリードへ転換するためのオファー(ホワイトペーパーやチェックリストなど)は、どのような種類を選択するのか
- コンテンツ制作を外注するのか?どのくらい月間予算を使うのか?
などが決まっていると、マーケティングオートメーション導入後のコンテンツ制作に悩まなくて済むでしょう。
7:業務フローの設計
マーケティングオートメーションは、マーケティング部門だけでなく、営業部門、コールセンターやサポートなど他部門と業務連携を実施しなくては、一気通貫した体制を整えられない場合があります。
そのため、導入前には、誰が何を、いつまでに行うかを各部署間で連携しておき、混乱を招かないようにしましょう。
8:利用中ツールとの統合計画
自社で利用しているCRMやSFAはもちろん、最近ではさまざまなクラウドツールを利用している企業が多いのではないでしょうか?
チェックしておくべきポイントとしては
- 導入を検討しているマーケティングオートメーションと重複する機能はないか?
- 更新期限が近づいているツールはないか?
- API連携が可能か?(※ネイティブ連携が望ましい)
などがあります。
特にCRMやSFAは、マーケティングオートメーションと連携させなければ、マーケティング部で獲得をしたリードが売上に貢献をしているのかが可視化できません。ネイティブ連携できるものを選択するのか、開発会社に依頼をするかなど検討しておく必要があります。
この機会に、利用しているツール全体の最適化を図れると望ましいでしょう。
11.マーケティングオートメーションの導入スケジュール
それでは実際に導入し運用を開始するためには、どれぐらいのスケジュール感を持っていればいいのでしょうか。
1ヶ月毎の具体的なアクションをみていってみましょう。
1:1ヶ月目 現状把握と課題発見
まずは解決すべき自社の課題を見つけます。
- 見込み客獲得の方法に問題があるのか
- 見込み客データは充分なのに、案件化率が低いのか
など、自社のマーケティング/営業体制に関する課題点をピックアップしていきます。
2:2ヶ月目 目的の明確化
課題の把握が終わったら、マーケティングオートメーション導入で何を解決するのか、目的を明確にする必要があります。
課題がいくつかある場合は、プライオリティをつけて、何から着手するかを明らかにしておきます。
マーケティングオートメーションにおける最適な施策は何かを検討し、マーケティング計画を立てます。
3:3ヶ月目 要件の定義
3ヶ月目には、4つのステップを行います。
(1)データ設計
過去の訪問、展示会、問い合わせなどといった過去の見込み客(リード)情報を精査し、どれを見込み客としてナーチャリングしていくのかを定義しておきます。
(2)想定シナリオ設計/想定キャンペーン設計
ツール導入後、見込み客の検討レベルを上げるためのシナリオを作成します。
(3)機能精査
マーケティングオートメーション・ツールが持つ機能の中で、自社に必要なものを精査します。真に使いこなせる機能だけに絞り込むことで、導入時のコストダウンも図れます。
(4)運用部署の範囲確定
マーケティングオートメーションでは、部署を横断して連携することが多くなるため、社内調整が必要となります。それをこのタイミングで行います。各部門の課題を把握と解消を目指す際の基本的な考え方になります。
4:4ヶ月目 業者の選定と発注
自社内での調整が終われば、ベンダーの選択となります。予算や機能性をメインに、これまでのベンダーの実績などを踏まえて検討します。
マーケティングオートメーションを導入するには、マーケティングに対して高い知識が求められます。
マーケティングオートメーションを円滑に運営し、最大の効果をあげるなら、無理に自社だけで運用しようとせず、コンサルとの一括での導入を図った方が良いかもしれません。
5:5ヶ月目 運用ルールの準備
4~5ヵ月目過ぎたら、マーケティングオートメーション導入による目標の設定を行い、社内の運用体制を明確にしておきます。
目標設定では、先に解説した「KGI」「KPI」を指標として設定します。
6:6ヶ月目 ツールの導入
ここからツールの実装やデータの連携をなど直接的な準備を行います。 また、実稼働を想定したトレーニングを行います。
デモ環境を準備し実際にキャンペーンを走らせるなど、しっかりアクションされるかを確認します。
実運用が始まったら、実際にツールを動かしながらシナリオ(キャンペーン)を実施し、PDCAサイクルを回し、運用改善します。
12.マーケティングオートメーション運用における注意点
次は、実際に運用するにあたっての注意点などについてご紹介します。
戦略や基本設計が優れていたとしても、失敗はつきものです。そのためのチェックポイントとしてもお読みください。
1:Webマーケティングがわかる人材確保 or 教育
マーケティングオートメーションは、マーケティング業務全般を効率化してくれる道具(ツール)に過ぎません。
Webマーケティング知識を補填してくれるものではないので、SEOやSNSマーケティングなどに関して全くの素人だという担当者には、充分に使いこなせない場合があります。
この課題を回避する方法としては、マーケティング経験者を雇用したり、アドバイザーとしてコンサルティングを依頼するなどさまざまあります。自社の担当者だけでは対応が難しそうだなと思われる場合は、検討してみてください。
もちろん、全くの未経験でも、しっかりと学習時間(最低10時間/週)を確保できればツールの使い方を通してWebマーケティングを学んでいくことは可能です。
2:社内リソースを充分に見積もる
適正人材は多いに越したことはありませんが、実際に運営するには何人ぐらいの人員が必要になるのでしょうか。
米国のマーケティングオートメーション・ツールのベンダーであるMarketo(マルケト)社によりますと、効果的に運用するには6~7人必要とされます。
内訳は運営責任者1名、メールマーケティング、ランディングページ作成、効果測定、CRM(顧客管理)が各1名、マーケティング・コミュニケーションについては2名が推奨とされています。
人員が確保できない場合は、もっと少人数でも運営できるツールを選ぶ必要があります。
3:情報セキュリティ問題
マーケティングオートメーションは、ほとんどの場合がクラウド型ソフトウェアになっています。
そのため、自社のポリシー上は、見込み客や顧客のデータをクラウドで保存しても問題ないというようになっているのか、など社内の情報セキュリティ部担当者などに事前確認をとっておきましょう。
導入直前になってから今まで進めてきたプロジェクトが一気に水の泡になってしまったら、結構泣けてしまうはずです。
4:他のツールと連携
CRMやSFAのツールを既に導入されている企業なら、それらと連携できるかどうかも大きな選択ポイントとなります。
マーケティングオートメーション単独ではできないことも、ツール連携によって効果を拡張できます。
13.マーケティングオートメーション導入費用
ここからは、マーケティングオートメーションを導入する上で必要となる費用の種類と、導入した場合の費用感をご紹介します。
マーケティングオートメーションを導入する場合にかかる費用には「初期費用」「月額運用費用」があります。
導入費用と月額運用費用のそれぞれを見ていきましょう。
導入にかかる費用のイメージ
マーケティングオートメーションを導入する場合には、初期費用がかかるケースがあります。
初期費用はメーカーごとに発生する場合と発生しない場合があるので、気になるツールがある場合には、事前に確認しておくと良いでしょう。
実際にどれくらいの費用がかかるのか、いくつかツールをもとに概算費用ご紹介します。
各ツールの初期費用
このように、初期費用はそれぞれのツール、メーカーごとに異なるため、スモールスタートで始めたい場合には初期費用が無料、もしくは安価なものを選択すると良いでしょう。
運用にかかる費用のイメージ
次に、運用時にかかる費用をチェックしましょう。
月々にかかる費用は、メーカー、ツール、プランごとに異なりますが、それぞれ代表的なツールを元に、具体的な金額を見ていきましょう。
HubSpotの月額費用は3パターンあります。それぞれのプランによってできることが異なります。プランであるEnterpriseでは、チャットボットやウェブチャット、リターゲティング広告やブログ、SEO推奨やコンテンツ戦略なども含まれています。
また、2020年10月からは、登録されているコンタクトのうち、マーケティング活動の対象となるコンタクトにのみ料金が発生する仕様に変更しました。
費用 | Starter:54,4800円〜/月 Professional:96,000円〜/月 Enterprise:384,000円〜/月 |
特徴 | 低価格から始めることができ、SEO推奨やコンテンツ戦略があることが特徴。 |
SATORIでは、リードクオリフィケーション、リードナーチャリング、リード管理機能・リードジェネレーション、オートメーション、レポート機能などが使用可能です。
有償オプションに、データ提供や独自ドメインなどがあります。
費用 | 148,000円/月 |
特徴 | プランは1つとなっており、有償プランも選択できる。 1つのプランで多くの機能がついている。 |
KAIROS3の初月の初期費用は10,000円。次月以降の月額費用はプランによって異なります。
最低プランは保有リード数100以下、月間PV数は5,000以下で、6,000円/月、そこから保有リード数や月間PV数、月間メール送信数が多くなればなるほど月額費用は多くなります。
最大プランで120,000円/月となります。
費用 | 6,000円/月~120,000円/月 |
特徴 | 複数のプランの中から保有リード数や月間PV数によって費用が異なるため、規模感によって支払う金額が異なる。 |
Synergy!LEADの運用費用は15,000円/月が最低金額です。さらにメール配信を追加すると10,000円/月、アンケート機能を追加すると15,000円/月、Webパーツを追加する場合には10,000円/月が追加となります。
このようなツールごとに月額費用も異なるため、それぞれ気になるツールごとに、「何ができるか」と、「月にどれくらいかかるのか」を確認し、必要に応じて見積もりを取ると良いでしょう。
費用 | 15,000円/月(追加オプションあり) |
特徴 | 最低金額から、機能を追加するごとに費用が追加されていくため、必要な機能だけをカスタマイズしていくというのが特徴。 |
14.代表的なマーケティングオートメーション・ツール
では、マーケティングオートメーションを実施する際はどのようなツールを使えばいいのでしょうか。代表的なツールの基本機能をご紹介します。
HubSpot(ハブスポット)
世界でNo.1のシェアを持ち、多くの企業で採用されているマーケティングオートメーション・ツールが「Hubspot」です。
2006年に、ブライアン・ハリガンとダーメッシュ・シャアによって創立。ブライアンが創立前にベンチャー向けビジネスをやっており、従来のTVCMやテレアポなどのようなアウトバウンド手法ではなく、ブログやSNSを駆使したインバウンドなアプローチが重要だと感じており、当時ダーメッシュが書いたブログに大きな反響が集まり、HubSpotというツールが生まれました。
まさに、オンラインからインバウンドリードを生み出すという新しい概念が生まれたキッカケとなります。
インバウンド手法という概念に基づいた上で、マーケティング、セールス、カスタマーサービスが一気通貫して利用できるプラットフォームとして進化を遂げてきました。
マーケティングオートメーション の機能以外にも、SEO 支援機能、コンテンツ投稿&管理機能、ランディングページ 作成&管理機能、見込み客リスト管理など、多くの機能を持っています。
CRMツール、マーケティングツール、セールスツール、カスタマーサービスツールは無料で使えるものが準備されており、まず試してみてから導入を検討できるようになっています。Marketing HubのStarterプランは月額6,000円から提供しているため、スモールスタートをしたい事業者向けのツールといえるでしょう。
また、Hubspotは企業文化がユニークであり、理念に基づきマーケティングを学ぶことができるオンラインコースであるHubSpot Academyを無料で公開しています。
Marketo(マルケト)
2014年に日本法人が設立され、日本でも急速にシェアを拡大しています。リードナーチャリングとスコアリングを重視した設計になっており、リードに適応した情報を最適なタイミングで発信できます。
また操作のしやすさに定評があり、ドラッグアンドドロップでセグメント条件の設定などが行えます。
外部ツールとも連携しやすい特徴を持っています。B2B、B2Cを問わず幅広く対応可能です。
SATORI
SATORI株式会社が提供する純国産マーケティングオートメーション・ツールです。プライベートDMPを内蔵しているため、リードに転換する前の匿名の訪問者に対してパーソナライズしたコンテンツを出し分けできる機能が特徴的です。
ランディングページ作成機能、メール配信機能など基本機能に加え、匿名ユーザーに対するスコアリングが可能な点や、誰でも使いやすいインターフェースが特徴です。
KAIROS3
必要最低限の機能のみを搭載した、BtoB向けツール。初期費用10,000円、月額5,000円からの導入が可能です。
リード保有数によって月額利用料は変動します(100リードで月額5,000円、50,000リードの場合120,000円)ので、スモールに始めるには最適なツールといえるでしょう。
Synergy!LEAD
シナジーマーケティング株式会社が提供しているツールで、プラットフォームである「Salesforce」と高い連動性を誇ります。「Salesforce」はクラウドコンピューティング市場におけるシェア、営業・サポート・マーケティングのソリューションともに全世界No.1を誇る、業界最大のシェアサービスが特徴です。Synergy!LEADは、1日あたり数万通の大量配信にも対応。メールマーケティングの機能が充実しています。
SHANON MARKETING PLATFORM
株式会社シャノンが提供する純国産のツールです。アメリカとは商習慣の異なる日本ならではの事情を考慮に入れたマーケティングオートメーション・ツールであり、B2Bに特化したデジタル/アナログマーケティングを実現します。
マーケティング業務の自動化・効率化と統合的なデータ管理により、戦略的なコミュニケーションを実現するクラウドアプリケーションです。
セミナーやイベント、キャンペーンなど多岐にわたるマーケティング業務を自動化・効率化し、精度の高いデータ管理を実現。国内シェアNo.1を誇ります。
b→dash
株式会社フロムスクラッチが提供。集客・販売促進・売上/顧客管理に至るマーケティングプロセス全体のデータを、1つのインターフェースで統合・管理・活用できます。
Webマーケティングに不可欠なアクセス解析機能・A/Bテスト機能・顧客管理機能・改善提案機能など、さまざまな機能を持っています。
その分、操作が複雑そうに思えますが、シンプルなユーザーインターフェースで、誰にも簡単に扱えるようになっています。
SPIRAL®
株式会社パイプドビッツの提供。リード獲得からナーチャリング、営業力強化までを一貫して行えるマーケティングオートメーション・ツールです。
マーケティング部門と営業部門のリード情報を連動させ、集客から受注までのプロセスの可視化を促進します。獲得したリードが購入にいたったかどうか、受注(または失注)までのプロセスを把握することができます。
カスタマーリングス
もともとCRM (顧客関係管理)ツール としてサービスを開始。現場のPCDA( (Plan, Do, Check, Action))サイクルを高速化して分析し、作業を大幅に削減させられるマーケティングオートメーション・ツールです
知りたい情報をさまざまな切り口から分析することができ、本質的な課題解決に向けて取り組むことができます。
MAJIN
株式会社ジーニーが提供。AIと運用コンサルティングが特徴の、B2C向けマーケティングオートメーション・ツールです。
広告データや顧客データ、外部データなど多様なデータを取得・統合・分析・可視化。ウェブ広告による集客、メールやLINEによる販促など多様な機能を搭載しています。
List Finder(リストファインダー)
List Finderは、B2BシェアNo.1マーケティングオートメーション・ツールです。
顧客情報の整理・管理、メール配信ができるうえ、自社サイト上で「だれが」「どのページを」「何秒閲覧したか」という情報が得られ、新規顧客開拓に役立ちます。
月額39,800円からの価格設定で、プランに応じた豊富な機能が準備されており、サポート体制も充実しています。
マーケティングオートメーションツールに関しては、こちらの記事でも詳しくご紹介しています。ご参考にどうぞ。
【徹底比較】マーケティングオートメーションツールおすすめ10選!ツール選択の重要ポイントも紹介
15.マーケティングオートメーションに対する誤解
何もかもが便利そうなマーケティングオートメーションですが、「メリット・デメリット」の項目や、失敗例のところでも紹介したとおり、マーケティングオートメーションは万能の「打ち出の小づち」ではありません。
そこで、マーケティングオートメーションにまつわる「誤解」について、少しご紹介しておきたいと思います。
1:全てオートメーションで処理できる
「マーケティングオートメーション」という名称から、今までマーケティングや営業活動における煩雑で雑多な作業をすべて自動で処理してくれると思っていると、大きな間違いとなります。
重要なのは良い「シナリオ」と良い「コンテンツ」が準備できているか。
そして良いシナリオ作成のベースとなるペルソナの設定とカスタマージャーニーマップの作成などの準備をしっかりと行うことで、成功への道が拓けます。
2:導入すれば効果が上がる
マーケティングオートメーションが効果を発揮するには、1年ほどの時間が必要です。
導入担当者のツール習熟度や組織への文化浸透に対しても時間がかかるので、しっかりと腰を据えて取り組んでいく覚悟を上層部が認識する必要があります。
3:スコアリングが全てを解決する
スコアリングは、マーケティングオートメーションの中核とも言えます。
見込み客の見込み度や状況を客観的に数値化し、提示してくれますが、それが絶対的な数値だとは言えません。
ひとつの指標として、マーケティング戦略立案の参考にする・・・それぐらいの気持ちで接するのが良いのではないかと思います。
16.マーケティングオートメーション関連用語集
マーケティングオートメーションにおけるさまざまな関連用語を使ってきましたが、あらためてその意味などを解説しておきたいと思います。既にご存じの方は、おさらいとしてご一読ください。
「Marketing Qualified Lead」の略で、「マーケティング活動によって創出されたリード(見込み客)」のことを言います。ホットリードなどとも呼ばれることもあります。
「Sales Qualified Lead」の略で、「営業部門において営業がフォローすべきと認定した(見込み客)」、マーケティング部から引き渡されたMQLをインサイドセールス担当などが、電話でリードクオリファイを実施した後にSQLなのか判定されます。
一人ひとりの見込み客の、商品やサービスに対する購入度を数値化したものです。 マーケティング活動を展開際の重要な指標となります。
「Account Based Marketing」の略で、マーケティングオートメーションのように「リード獲得」を中心とするのではなく、アカウント(企業)を中心にマーケティングを行い、収益をあげていく手法。
マーケティングオートメーションとは対照的に、ABMは組織全体を見ながら戦略的にターゲティングを行っていく手法です。
17.マーケティングオートメーションをさらに理解するために
1:関連書籍
マーケティングオートメーションの歴史やなぜ日本企業にとってマーケティングオートメーションが必要なのかというポイントを、概念とともに優しく解説されています。
マーケティングオートメーションを知る上では、そのツールが持つ歴史であったり、根本の概念を理解するのが重要だと気付かさせてくれる本です。自社のマーケティングオートメーション導入を検討される前に一度読むことを強くおすすめします。
マーケティングオートメーション導入方法についての、初心者向けのガイドブックです。今すぐマーケティングオートメーションの概要を知りたいという方ににおすすめ。
マーケティングオートメーションで活用できるカスタマージャーニーを作成する方法を、図やイラストを交えて解説した実践的なガイドブックです。
2:セミナー関連
マーケティングオートメーションツールベンダーやコンサルティング会社などが主催する無料セミナーをいくつかご紹介いたします。
Hubspotのユーザーでない方でもマーケティングを学ぶことができる「HubSpotAcademy(無料)」でオンラインコースを受講する事が可能です。
「パワー・インタラクティブ」は、デジタルマーケティング全般のコンサルティングを手がけており、マーケティングオートメーションの基礎知識やツールの活用ガイドのセミナーなど、多彩な展開を行っています。
《結論》導入前に『目的』と『課題』をハッキリさせよう
いかがでしたでしょうか?数あるマーケティングオートメーションの中で、「何を基準に選べば良いのか?それぞれのベンダーの違いは一体何なのか?」といった悩みは少し解消されましたか?
マーケティングオートメーションは、営業活動の効率化やマーケティング活動自体の工数削減などさまざまな場面で効果を発揮してくれます。
しかし、マーケティング活動自体に手を入れてこなかったという企業に対しては、マーケティングオートメーション導入は、会社の組織構造すらも変えてしまうような大工事でもあります。
自社の課題と計画を具体的にベンダーに伝えた上で、自社と相性が良いのかを考えましょう。
また、導入後のサポート体制やカスタマーサクセス担当の有無などを聞いておくことで、導入後にゴール(目標)達成ができるのかなどもベンダー側とすり合わせておくと良いでしょう。
元記事発行日: 2019年10月31日、最終更新日: 2021年3月12日
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