マーケティング業務に関わる方であれば、『マーケティングオートメーション』という言葉を耳にしたことがある方は多いのではないでしょうか。

「マーケティングオートメーション」は2014年頃から、北米の主力ベンダーが日本に進出してきたことにより、認知度が一気に広がりました。

しかし、マーケティングという概念が当たり前である北米の商習慣を元に作られたマーケティングオートメーションは、日本企業が容易に扱えるものではありませんでした。

数多くの企業が「オートメーション」という魔法の言葉に魅了され導入をしたものの、ただEメールを一方的に送信するツールと化していたり、現場担当の人間が全く使いこなせない、などといった失敗に終わってしまっているケースは少なくありません。

マーケティングオートメーションの実践無料ガイド

一方、近年では国内のベンダーが独自開発を行い、日本特有の商習慣に合ったマーケティングオートメーションも数多く現れてきました。

そういった背景から、国内上場企業内でもマーケティングオートメーション導入率が前年比+3%ほどアップしてきました。

しかしながら、これほどマーケティングオートメーションと謳っているツールが世の中に溢れかえってしまったため、これから導入検討している企業としては、非常に分かりづらいものとなってしまいました。

そこで今回は、「何を基準に選べば良いのか?それぞれのベンダーの違いは一体何なのか?」とお悩みの担当者の方々のために

・マーケティングオートメーションの基礎知識

・マーケティングオートメーションの選定基準

・導入方法/注意点

・代表的なマーケティングオートメーションツール

というポイントに絞って、ご紹介していきたいと思います。是非とも自社の状況や課題をイメージしながら読み進めてみてください。

1.マーケティングオートメーションとは?

マーケティングオートメーションとは

1-1:マーケティングオートメーション(MA)とは何か、その定義

マーケティングオートメーション(MA)とは、簡単にいうと「マーケティング活動の自動化を目標とするソフトウェア」のことです。

例えば、企業のマーケティング活動の一例をみてみると

・見込み顧客1人ひとりのニーズにマッチしたマーケティングEメールの送付

・Webサイト/企業ブログなどの更新 

・ソーシャルメディアの投稿

・各キャンペーンのROI測定

・経営層へのレポート作成とデータ計測 

・キャンペーン用のクリエイティブ(動画やイラストなど)作成

といったように、膨大な量のタスクが発生します。

また、実際にマーケティング活動によって、獲得した見込み客の情報を管理し、成約度が高まった見込み客を営業担当に引き渡すという作業も必要になってきます。

このような一連の作業やデータ管理を、別々のシステムでオペレーションすることが困難であるため、マーケティングオートメーション(MA)は主に企業のマーケティング部におけるインフラ的な役割として活用されています。

1-2:SFA、CRMとの違い

マーケティングオートメーションは、SFA(セールス・フォース・オートメーション)やCRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)と混同されがちなので、その違いに関して、少し触れておきたいと思います。

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インバウンドマーケティングの方法論において、マーケティングオートメーションが得意な領域は、「Attract(惹きつける)」と「Convert(転換する)」の部分です。

「Attract(惹きつける)」は、潜在顧客(個人情報が分からない)にウェブサイト上のコンテンツなどにアクセスしてもらい訪問者になってもらうステージです。

「Convert(転換する)」のステージでは、訪問者に対してホワイトペーパーやEbookなどの付加価値の高い情報を提供することで、リードに転換(情報取得の代価として個人情報を明かしてもらう)させます。

つまり、いかに自社の製品/サービスに興味が高い人たちに見つけてもらい、その人たちの個人情報を明かしてもらう部分、さらにその人たちの興味を高めるという部分までがマーケティングオートメーションの役割となります。

そのため、主な機能としては、

・ウェブサイト上に訪問者を集めるためのブログ、広告連携機能

・訪問者をリードを転換させるためのLP、フォーム、CTA、チャットボットなどの機能

・転換したリードの見込み度を判定するためのスコアリング機能

・リードの見込み度を引き上げるためのEメールマーケティング機能

などが備わっています。

一方、CRMは、見込み客および顧客の情報を一元管理するため、マーケティング、営業、もしくはカスタマーサポートなどのフロント業務と呼ばれる部署に関わる全ての人が利用をします。

自社とのあらゆる情報を1つの場所で管理することで、見込み客がどのように顧客となったのかなどの情報が時系列で確認できるようになり、部署間での引き継ぎなどが容易となります。

また、SFAは、その名の通り営業担当者が実施する業務を効率化させることを目的としているため、マーケティング部から引き継がれたリードを顧客にする「Close(成約する)」ステージにおいて活用されるべきものになります。

本稿では詳しくは触れませんが、CRMとSFAの違いを更に詳しく知りたい方は、以下のブログを参考にしてみてください。

SFA/CRM導入前に知っておきたい機能やメリット

なお、HubSpotでは前述したインバウンドマーケティングをインバウンドという概念の中に含まれる1つの手法としています。詳しくは、以下のブログに記載させて頂いておりますので、興味のある方は是非とも読んでみてください。

インバウンドマーケティングとは? | ハブスポット

1-3:BtoC特化、またはBtoB特化の違い

マーケティングオートメーションには、「BtoC」特化型のものと、「BtoB」特化型ものがある点に注意してください。

例えば「BtoC」の場合は、取り扱うリード数が「BtoB」よりも大幅に多くなります。

また、ECサイトへの流入や実店舗への来店促進などを目的とする場合もあるため、マルチチャンネル管理機能などが搭載されているかどうかを確認する必要があります。

一方、「BtoB」向けの場合は、商談の創出を目的とするため、自社で利用しているCRMやSFAなどへの連携可否なども事前確認することが重要となります。

2.なぜマーケティングオートメーションが必要なのか

2-1:売り手と買い手の地位が逆転

インターネットが普及したことによって、買い手は購買を検討している製品/サービスの価格や評判などを簡単に調べることが可能となりました。

従来は、売り手側が情報をコントロールすることによって、価格の不透明性などを引き起こし、いわゆる長く取引をしているお得意さんとビジネスをしていれば、成長を維持できる時代でした。

しかし、現代においては各社のグローバル競争も激しく、各社が日々しのぎを削り、良い製品/サービスを、より安く提供する努力を重ねているのではないでしょうか?

まさに、本記事を読んでくださっている方は、「マーケティングオートメション」の価格や評判の違いなどを直接ベンダーから話を聞く前に、事前にインターネットなどで調べていらっしゃるのではないでしょうか?

このように、企業は見込み客と直接接触を図る前に、様々なチャンネル(Google検索結果やSNSなど)において、自社の情報や企業文化などを理解してもらえるコンテンツを準備する必要性がでてきました。

時代の変化に伴い、マーケティングオートメションは、売り手がこのマーケティングプロセスを効率良く構築することを手助けする道具(ツール)として、誕生したと言えるでしょう。

2-2:労働人口の減少(日本国内特有の課題)

マーケティングの本場アメリカで誕生したマーケティングオートメーションですが、日本で必要とされている理由としては、日本が抱える人口減少の問題と深く関わっています。

2030年には、日本の労働人口は644万人不足すると言われています。労働市場の未来推計 2030 - パーソル総合研究所)すなわち、日本にとって本課題を解決するための手法は、①働く人口を増やす(外国人、女性、シニアなど)、②生産性を上げる、という2つに限られます。

生産性を上げる施策としては、AIやRPAなどによる業務の自動化が期待されています。

同様に、効率的な営業活動実現やマーケティング活動自体の自動化を担うマーケティングオートメーションも生産性向上に有効的な施策の1つとして大きな注目を集めています。

3.マーケティングオートメーションは、当たり前の概念に

3-1:誕生から認知、そして普及段階へ

マーケティングオートメーションが誕生したのは、1992年のことです。

マーケティング先進国であるアメリカのUnica社が最初にリリースしましたが、インターネットの普及率も低く、その有効性が一般にまで浸透することはありませんでした。

本格的に注目を集めたのは、1999年。Eloqua社がマーケティングに必要な機能をワンパッケージにして世の中に提供し、大きな成功を収めました。

このことにより、他社もマーケティングオートメーション市場に次々と参入し、拡大していきました。

2005年頃より、光回線など高速インターネットの普及も増加したため、クラウドで数々のツールが誕生し、先に述べたようにマーケティングの変化による必要性が高まったことで、2010年以降、マーケティングオートメーション市場がさらに拡大しました。

3-2:マーケティングオートメーションの国内市場

近年、日本でも国内ベンダーによるマーケティングオートメーション関連のソフトウェアの提供が増えたことにより、日本人向けの操作性を考慮したツールが開発されています。

民間調査機関の株式会社矢野経済研究所「2017年版 DMP/MA市場 ~デジタルマーケティング市場の現状とビジネス展望」の調査概要によると、2016 年の MA サービスの市場規模は 245 億 4,500 万円で、2022年までには倍以上の530億まで到達すると予測されています。

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参考:DMP(データマネジメントプラットフォーム)サービス市場/MA(マーケティングオートメーション)サービス市場に関する調査を実施(2017年) | ニュース・トピックス | 市場調査とマーケティングの矢野経済研究所

4.マーケティングオートメーションって効果あるの?

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マーケティングオートメーションは、ただ単にマーケティング業務における諸々の煩雑な作業を自動化するだけが、導入の効果ではありません。

マーケティングオートメーションの解説などで、よく挙げられている統計情報がありますので、ここでも少し紹介しておきましょう。

(1)マーケティング業務の効率化

マーケティング業務では反復的な作業が良く発生します。

例えば、セミナー案内のEメールを送付したり、キャンペーン毎のパフォーマンスをレビューしたりなど。そのような業務を手作業で実施すると人的ミスが発生したり、工数がかかるため、反復的な作業はマーケティングオートメーションでテンプレート化することが可能です。

  • リードナーチャリングが得意な企業は、商談数を1.5倍に増やしながら、マーケティングコストは33%削減

(2)商談の質と量が向上

「アウトバウンド」によって獲得したリードと「インバウンド」によって獲得リードでは、興味関心度が圧倒的に違うため、営業担当が接触した際の商談化率が格段に向上します。そのため、商談の質と量ともに向上が期待できます。

  • マーケティングオートメーションを活用し成果を出している企業は、商談数が約4.5倍に増加(出典:The Annuitas Group)
  • リードナーチャリング(見込み客を育成すること。次章参照)を行った見込み客は、通常の見込み客に比べ、購入金額が47%アップ(出典:The Annuitas Group)

(3)営業生産性向上

やみくもに企業のWebサイトを見てコールドコールをかけたり、購買意欲が高いリードなのかを判定するために営業担当が直接電話でヒアリングをしていては、効率が悪いです。

 

営業担当がリソースを集中すべき案件は、クロージングまでの期間が短く受注金額が大きく購買までのハードルが低い ようなものが望ましいので、マーケティングオートメションは案件を可視化させるために重要な役割を担います。

  • マーケティングオートメーション導入で、営業の生産性が14.5%向上しながら、マーケティング人件費は12.2%削減(出典:Nucleus Research)

 

5.マーケティングオートメーションの活用方法

では、マーケティングオートメーションで具体的に何ができるのかを紹介します。マーケティングオートメーションの機能を分類すると、以下の4点になります。

(1)見込み客を創出すること(リードジェネレーション)

(2)見込み客を育成すること(リードナーチャリング)

(3)見込み客を分類すること(リードクオリフィケーション)

(4)見込み客のリストを管理すること(リードマネジメント)

※アメリカ生まれの「マーケティングオートメーション」の解説記事などでは、「見込み客」を「リード」などと表現するなど、しばしばカタカナ表記されますが、マーケティングオートメーションを本質的に活用するために、非常に重要となるため、理解をしておい
てください。

5-1:見込み客の創出(リードジェネレーション)

リードジェネレーションとは、「あなたの会社やその製品/サービス自体、もしくはその領域に何かしらの形で興味を示している人」を「創出する(ジェネレーション)過程」という意味なので、「リードを獲得することとその過程」と捉えていただければと思います。

具体的な手法としては、下記の3つに大きくは分類されます。

  • 展示会やセミナーを開催した際に集めた名刺 
  • 営業担当が交換をした名刺
  • Webサイトなどのオンライン上から得られる個人情報(問い合わせや資料請求など)

マーケティングオートメションで効率化が図れる領域は、おもにWebサイト経由でリードジェネレーションを行う場合です。

Webサイト経由でリードを獲得するための具体的な手法としては

  • コンテンツマーケティングの実施(SEO)
  • SNS運用(Facebook、Twitter、Instagramなど)
  • Web広告

等になります。

※リードジェネレーションに関して、詳しく知りたい!という方は、以下のブログを参考にしてみてください。

リードジェネレーションとは? 効果が高い7つの手法とHubSpotが実践する戦略

そのため、マーケティングオートメションでは、Webサイトやブログ、またランディングページを構築するためのコンテンツ管理システム(CMS)機能が搭載されていることが望ましいです。

また、SEO機能、SNS連携、Web広告(GoogleやFacebook)連携機能などが搭載されているか確認する必要もあります。

マーケティングオートメーション導入を検討する上で、まずファーストステップになるのが、このリードジェネレーションです。

ツールを安易に導入するのではなく、自社がリードを獲得する体制が整っているのか、ぜひ考えてみてください。

5-2:見込み客の育成(リードナーチャリング)

リードナーチャリングとは、リードジェネレーションにより獲得した見込み客の購買意欲を高めるためのマーケティング活動をいいます。

マーケティングオートメーションを使えば、「あるWebサイトページを何度も閲覧した」や「特定のイベントに参加した」といった条件で見込み客を抽出、見込み客の購買意欲のの高さをスコアなどによって推測することが可能となります。

また、見込み客の条件や特定のアクションに応じた情報をメール送信するといった機能などもあります。

相手に合わせた有益なコンテンツ(ブログ記事、セミナー、ホワイトペーパーなど)を継続的に提供し続けることで、見込み客からの信頼を獲得し、引いては自社製品やサービスへの興味を高めてもらうプロセスになります。

5-3:見込み客の分類(リードクオリフィケーション)

「リードクオリフィケーション」とは、見込み客(リード)の中から顧客に転換する可能性が高い層を選定していくプロセスです。

選定の手法としては、以下のようなものがあります。

  • インサイドセールス導入

インサイドセールスでは実際に獲得したリードに対してEメールや電話などで継続的なアプローチを実施することによりリードナーチャリングを行います。

さらに、商談を実施する営業担当へ引き継ぎをする前には、「決裁権を持つ担当者なのか?自社が提供するソリューションと顧客の課題は一致しているのか?」などの購買意欲の有無を確認します。

  • ライフサイクルステージの導入

インバウンドマーケティングでは、リード(Lead)という1単語だけで「あなたの会社やその製品自体、もしくはその領域に何かしらの形で興味を示している人」を効率的に管理するのは難しいので、リードを状態別に分類します。

例えば、メルマガ登録したリードとセミナーに申し込んだリードでは購買意欲に違いがあるので、それぞれの状態に別の名前を付けておくという具合です。

ここでは詳しく説明は致しませんが、気になる方は下記のブログを参考にしてみてください。 

ライフサイクルステージとは?インバウンドマーケティングにおけるファネル - ネコと学ぶインバウンド用語集

  • リードスコアリングの利用

特定のWebページの閲覧(価格ページなど)やEメールの開封数などに応じてスコアを付けてリードクオリフィケーションを実施することもあります。

しかし、現在おいて様々なマーケティングチャンネルが現れたことにより見込み客の行動は多岐に渡ります。

そのため、リードスコアリングの設計が複雑となったり、スコアリング自体が活用できる状態になっていない、というケースは良くありますので、この方法はあまりオススメは致しません。

5-4:見込み客の管理(リードマネジメント)

マーケティングオートメーションにおける「見込み客管理」では、見込み客の情報が正確に保持されていることは当然ですが、リードジェネレーション、リードナーチャリング、リードクオリフィケーションなどの各プロセスにおいてデータが一元管理されていることが必要です。

またCRM/SFAなどの営業管理システムとも連携し、営業部門にタイムリー(リアルタイムが望ましい)に情報を提供するなど、戦略的な管理を行う必要性があります。

いかがでしたか?マーケティングオートメーションの機能が上記4つのカテゴリに分かれていると認識をしながら、各プロセスにおける機能をベンダー毎にチェックしてみると自社に本当に最適なマーケティングオートメーションがわかってくるはずなので、必ずこのプロセスを頭に入れた上で、次の機能を読み進めてみてください。

6.マーケティングオートメーションに求められる機能

自社のマーケティング活動における課題点を洗い出した後は、どの段階における機能が充実しているマーケティングオートメーションを選択するのかが、導入成功の大きな要因となります。

自社に必要な機能が良く分からないという方は、しっかりと本パートを読み込んでみてください。

6-1:リードジェネレーションにおける機能

  • SEO対策機能
  • CMS機能(ブログ、ランディングページ、Webサイト作成支援)
  • ソーシャル連携機能(情報拡散)
  • Web広告連携
  • 問い合わせフォーム作成
  • チャットボット作成やウェブチャット対応
  • ウェビナーツール連携


マーケティングオートメーション導入を検討する企業の中で最も課題点が多いのは、リードジェネレーションにあると、筆者は考えています。

自社の営業体制がアウトバウンド(ダイレクトメールやコールドコールなど)であり、その体制を一新したいという方は、このリードジェネレーション機能が拡充しているマーケティングオートメーションを選択することをおすすめ致します。

なぜらな、SEO施策だけでは、充分なリードを創出できない場合もあるからです。

たとえば、競合他社が膨大なリソース(特にヒトとカネ)を投下してSEO対策を実施しているなかで、月にブログ1~2本ほど投稿したとしても、F1マシンに対して軽自動車でレースに挑んでいるようなものです。

そのため、自社サイトに対してトラフィックを集めることも重要ですが、集まったトラフィックのリード転換率を向上させるための機能も必要となってきます。

具体的には、訪問者に対してポップアップやチャットを表示するなど、動的に訪問者の情報を収集できるような機能も活用していきたいところです。

6-2:リードナーチャリングにおける機能

  • Eメール配信
  • ワークフロー(シナリオ化)
  • パーソナライズ機能

マーケティングオートメーションに必要なメール機能は、一斉送信メールとの違いは、リスト化され条件によって抽出された見込み客に応じ、パーソナライズされたメールの送り分けができることが大切です。

また、見込み客がメールを開封したかどうか、どのURLをクリックし、どのページを閲覧したかをトラッキングする機能も必要です。

上記のように見込み客の状態や特定のアクションに応じて、シナリオを分ける必要があるので、ワークフロー(タスクの流れ)を自動化する機能が搭載されていることが望ましいでしょう。

6-3:リードクオリフィケーションにおける機能

  • 営業への通知
  • リードスコアリング
  • 各マーケティングチャネルの統合機能
  • レポート&アナリティック機能

購入意欲の高い見込み客を検知した場合、営業担当に自動的に通知を出す機能も必要です。

マーケティング活動の作業に日々追われているマーケターが各キャンペーン毎に獲得できたリードを都度営業担当に通知していたら大変ですよね?

また、現代では企業内におけるコミュニケーション方法もメールだけではく、Slackなどのサービスが用いられることも増えてきたので、社内で利用しているコラボレーションツールと標準で連携可能なのかを事前にチェックしておくと良いでしょう。

リードスコアリングは、見込み客のアクションや属性情報から、購入見込み度を数値化する機能です。

サイトへの訪問頻度、展示会/セミナーなどイベントへの参加履歴などを見込み度として重み付けをします。

近年ではAI技術が発達し、蓄積された膨大なリード情報から自動で質の高いスコアリングを実施するマーケティングオートメーションも存在します。

月間の顧客獲得数に応じてAIが搭載をされているマーケティングオートメーションを検討に入れることも検討してみてください。

 

6-4:リードマネジメントにおける機能

  • リスト作成
  • アクセスログ取得
  • 各マーケティングチャネルの統合機能
  • フォーム連携
  • CRM連携

最後に、リードマネジメントにおける機能ですが、最も大事なのは見込み客(リード)とのコミュニケーションがすべて1つのプラットフォーム可能であることです。

マーケティング側で獲得したリードの情報や行動履歴(Webサイト内のアクションやマーケティングEメールの開封履歴)が、マーケティングオートメーションへ蓄積されていたとしても、営業担当がリアルタイムで確認できる状態でなければ、せっかくの営業機会を損失してしまうかもしれません。

例えば、サービスの価格ページを閲覧し始めたリードに対して、営業が何もせずに放置していた場合、競合他社からアプローチされて魅力的な割引などを提示されては、「サービス内容は気になっていたが、良い条件を出してくれたB社を導入しよう(色んな会社の話しを聞くのも面倒くさいし・・・・)」となってしまうかもしれません。

リードの状態を管理する機能は標準で備わっているマーケティングオートメーションは多数なるので、CRM連携のリアルタイム性やマーケティングオートメーション自身にCRM機能が搭載されており営業担当も1つのプラットフォームで営業活動を実施できるものを選んでみてください。

7.マーケティングオートメーションのメリット・デメリット

マーケティングオートメーションという言葉のイメージから、マーケティング活動をすべて自動化をしてくれる魔法のツールか何かと勘違いされがちですが、マーケティングオートメーション導入前には、メリットとデメリットの両方を認識しておくことが重要です。

自社の状況をイメージしながら読み進めてみてください。

【メリット1:】見込み客と良い関係を構築できる

見込み客が製品やサービスに対して、どのように考えているかを把握しないと、不要な情報を一方的に送ってしまい、かえって見込み客に不快感や反感を与えてしまう恐れがあります。

いつも自分が欲しいタイミングで欲しい情報を送ってくれる企業と、キャンペーンや割引の話ばかり伝えてくる企業だと、あなたはどちらの企業から買いたいと思いますか?

【メリット2:見込み客の放置や、誤発信などのヒューマンエラーが防げる】

ExcelやGoogleスプレッドシートのようなアナログの見込み客管理では、見込み客の購買意欲が高まったシグナルを見逃し「放置」してしまう可能性があります。

接触されなかった見込み客は、他社の顧客になるか、あるいは購買意欲が弱まってしまうかもしれません。

マーケティングオートメーションを使えば、マーケティングメールに記載されたURLをクリックした事やランディングページを閲覧したことなど見込み客のアクションが把握できます。

製品・サービスに対する興味や求めている情報がわかるので、非常にアプローチしやすくなります。

また自動化によって、メールアドレスの入力間違いや誤発信などといったヒューマンエラー発生のリスクを減らせることも大きなメリットになります。

【メリット3:担当者の個人的スキルに左右されない営業活動ができる】

営業活動が属人的なスキルや勘で成立していた時代では、担当者によって成績がバラバラでした。

そのため、持続的かつ成果を出せる強い営業組織を作るためには、多大な労力と時間を要しました。

マーケティングオートメーションの導入によって、購入意欲を充分に高めた後に営業部隊がアプローチすれば、営業担当のスキルに左右されず受注しやすくなり、営業活動の生産向上も期待できます。

【デメリット1:効果が出るまで費用と時間がかかる】

見込み客に付加価値を提供していくためには、コンテンツが必ず必要になります。

例えば、メールマーケティングの実施には担当者をアサインする必要がありますし、ランディングページを1本外注するだけでも数十万ほどの費用が発生してしまいます。

また、最適なナーチャリングシナリオを発見するためには、何度も「仮説 → 実行 → 検証」を繰り返す必要があるので、1年経っても期待した効果が出ないという事は普通に起きます。

企業としては、マーケティングオートメーション導入は先行投資と捉えて、新しい体制を作るという確固たる覚悟が必要でしょう。

【デメリット2:提供できるコンテンツがないと意味がない】

「デメリット1」にも関連しますが、見込み客一人ひとりのナーチャリングには、見込み客の検討段階に応じて付加価値のある情報を提供することが不可欠となります。

例えば、「展示会などで集めた見込み客のリストにメールマーケティングを実施する」といったケースを考えてみましょう。

ブログやセミナーなどを実施していない場合、自社製品自体の紹介や割引キャンペーンの案内を送付するだけになってしまいます。

自社の情報ばかり送りつけてくる相手から、あなたは何か購入したいと思いますか?

マーケティングにおいても、営業同様に相手の役に立つという姿勢を忘れてはいけません。

【デメリット3:ハウスリストのデータ入力、従来のデータベースからのデータ移行、データの定期更新が不可欠】

マーケティングオートメーション導入にあたっては、まず過去に交換した名刺や、メルマガ登録、問い合わせなどがあった見込み客を「リード」としてデータベースに登録する必要があります。

名刺のように各営業担当が1枚ずつ保有しているような顧客情報の場合、1件ずつ新たに入力していく必要があります。

保有しているデータが何千件にもおよび場合は、データ入力方法を事前に考えておく必要があります。

ちなみに、SanSanなどの名刺スキャンサービスなどを用いてデータを一括インポートすることが可能です。HubSpotの無料CRMとSanSanを連携する方法はこちらから。

また、今まで使っていたデータベースからマーケティングオートメーションのデータベースへ移行しなくてはなりません。

そのため、既存のCRM/SFやExcel/Googleスプレッドシートなどから一括データインポートをできるマーケティングオートメーションを選ぶことが重要です。

さらに、見込み客の情報は生鮮食品のような生ものだと認識をする必要があります。

特にBtoBの場合、異動や組織変更、退職などで肩書きや所属会社が変わることが頻繁におきます。

そのため、マーケティングオートメーションのデータベースへもインサイドセールスの担当者がアクセスすることができ、動的に情報が更新できるようなシステム設計をしなくてはいけません。

【デメリット4:新しいリード獲得の仕組みが必要】

既存リストに対してのマーケティング活動を効率化するために、マーケティングオートメーションを導入したとしても、打てる施策には限りがあります。

したがって、マーケティングオートメーションを導入するにあたっては、新たなリードを獲得する仕組みも準備する必要があります。

お問い合わせフォームを設置するだけではなく、Webサイト(場合によってはブログ)への流入数を増やし、ホワイトペーパーなどの資料ダウンロードを獲得するなど、中間コンバージョンを設定しなくては、自動化をしてナーチャリングを実施する対象のリードが枯渇していきます。

8.マーケティングオートメーションを導入するための目的と目標

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次は、マーケティングオートメーションを導入する目的を考えてみたいと思います。

最終的な導入の目的は「売上」という数字をアップさせるとこにあります。

しかし、マーケティングオートメーションだけの機能では、売上を直接可視化させることができなため、この「目的」を「目標」に落とし込めていないまま、導入を進めてしまう企業が多数いらっしゃいます。

参考:https://surpass-star.com/tips/463


「売上」という数字は、あらゆる要素が重なり合った結果として得られるものです。

したがって、マーケティングオートメーションの導入効果を最大化するためには、目的に向かって正しい方向で進んでいるのか?という目標設定をすることが重要となります。

そこで重要となるのが「KPI」と「KGI」という指標です。

8-1:KGI、KPIとは

「KGI」とは「Key Goal Indicator」の略で、「重要目標達成指標」という意味で、要するに「目指すべきゴール(目標)」のことを指します。

目標通りのゴールに達成できたのかどうかを正しく判断するため、できるだけ数値を用いて表します。

売上ももちろんですし、シェア率などを「KGI」として設定します。

「KPI」とは「Key Performance Indicator」の略で、こちらは「重要業績評価指数」ということになります。「KGI」が最終目標への到達度を数値で表すのに対し、どちらかというと「KPI」は進捗度を表す指標となります。

KGIを設定せずにマーケティング活動を展開すると、いったい何を求めての活動なのかがわからなくなってきます。

例えば「シェア1割超を目標!」などという具体的な数値を設定することで、何をどう行うのかが明確になります。

一方、KPIが設定されなければ、最終的な数値目標であるKGIのみで判断するしかなくなり、マーケティング的な施策の何が効果を発揮し、何を改善せねばならないのかが曖昧になります。

 

8-2:マーケティングオートメーションにおけるKGI

「KGI」は、以下のような指標が設定されます。

・マーケティング活動によって創出された売上が、全体の売上に占める比率

・マーケティング活動によって創出された売上金額

・マーケティング活動によって創出された商談の件数

・マーケティング担当から営業担当に提出された商談数・受注数


マーケティング部におけるKGIを設定するコツとしては、可能な限り「売上」とマーケティング活動における成果物を紐付けることです。

例えば、HubSpotマーケティング部が設定しているKGIは、予測売上となります。方程式で表現すると、以下のような数式になります。

 

予測売上  = QLの数(Qualifed Lead)× QLからの顧客転換率  × 平均顧客単価


左辺である予測売上がKGIで、右辺を構成する要素がKPIになります。

QLとは、デモ予約や営業担当者の問い合わせといった購買意欲が高いリードです。

このQLの種類をHubSpotでは合計10つも定義があり、QL毎の顧客転換率を測定することで、「ホットリード」といった曖昧な表現をするのを避けるようにしています。

QLの数だけではなく、質も定量的に追いかけることに依って、マーケティングと営業の両部署が健全にコミュニケーションを取れるようになっています。

 

8-3:マーケティングオートメーションにおけるKPI

「KPI」として、以下のような指標が設定されます。


サブスクライバー(メールなど定期的な情報発信に同意している状態であり、Eメールのみ特定できている場合など)数

リード(会社名、個人名、電話番号などマーケティング側が能動的にアプローチできる情報が特定できた場合)数

・マーケティング活動によって創出された見込み客数(MQL = Marketing Qualifed Lead):営業への問い合わせやデモリクエストなど)

Webサイト全体のトラフィック数

トラフィックからリードへの転換率

リードからMQLへの転換率

マーケティング部門から創出した受注の平均単価

見込み客の顧客化率

顧客獲得単価(CAC)顧客生涯価値(LTV)

マーケティング活動におけるKGIやKPIの設計に関して、お悩みの方は、ぜひとも以下のブログを参考にしてみてください。

https://blog.hubspot.jp/the-essential-marketing-sales-metrics-your-team-should-track

8-4:「PDCAサイクル」によるプロセス管理

マーケティングオートメーションの効果が現れるのは、早くても半年、長い場合にはから1年以上要する場合もあります。

そこで、計画(Plan)→実行(Do)→チェック(Check)→改善(Action)という、いわゆる「PDCAサイクル」を回すことによって、当初設定をしたKGI、KPIが適切なのか検討していくことが可能となります。

マーケティングオートメーション導入前に、ベンダー自身がKGIやKPIの設定方法をアドバイスしてくれたり、PDCAを回すためのカスタマーサポートやカスタマーサクセスの体制が整っているのかなども聞いておくと良いでしょう。

9.マーケティングオートメーションの運用方法(設計編)

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では、実際にマーケティングオートメーションを運用するにはどのようなプロセスが必要なのか。基本設計における一般的な運用の流れについて、各プロセスの注意点と共にご説明します。

9-1 :マーケティングゴール設定

ゴール(目標)が定量的に設定しなければ、マーケティング活動が成功したのか、失敗したのか、またどのように改善サイクルを回していけばよいのか判断することができません。

さらに、マーケティング活動を計画する上でも、何を優先して実行していくのかなどの判断基準も立てづらくなってしまいます。

自社の課題を分析した上で、達成するゴール(目標)を現実的な成長率と期間で定量的に必ず設定をしましょう。

この段階では、KGIやKPIといったレベルまでに落とし込まなくても構わないので、例えば

  • 月間50件のリードを生み出す
  • リードの育成を自動化し、リードから顧客への転換率を20%向上させる

などのように設定をします。

もし、定量的なゴール(目標)を設定するための過去の実績がない、といった場合には

  • 他ツールとマーケティングオートメーションを統合し、顧客のカスタマージャーニーを包括的に分析する

といった、理想の状態をゴールとして設定することも1つの手段です。

9-2 :メンバーアサイン(=責任範疇の落とし込み)

マーケティングオートメーション導入を意思決定する人が、経営者や会社の幹部クラスであるケースは少なくありません。

この場合、『実際に手を動かして施策を実行する人』と『最終的に費用対効果を判断する人』が別々になってしまうため、現場と経営層の間でマーケティングオートメーション導入の目的が曖昧なまま初年度が終わってしまうと結末が良く発生します。

そのため、マーケティングゴールにコミットしてもらうメンバーを必ずアサインし、ゴール達成のためのアクション進行具合など、月次で共有しあう機会を持てるようにしておきましょう。

また、マーケティングオートメーション導入を推進する人材として適しているのは、学習意欲が高く、他部署とのコミュニケーションに抵抗を感じないような人が良いでしょう。

どのようなツールを導入するにせよ、用語の違いやツールの使い方を学習し、さらにマークに関わるすべての人に対して、設定手順などを共有するのは、かなり骨が折れる作業です。

新しい挑戦をすることに対して熱量がない人などを、他にメンバーがいないという理由で適当な人をアサインしてしまうと、プロジェクト自体が失敗する確率も高くなるので注意しましょう。

9-3 :マーケティング戦略立案

ゴール(目標)と人のアサインが完了したら、ゴールを達成するための戦略を考えていきます。


「戦略」という言葉を辞書で引いてみると、

 

“長期的・全体的展望に立った闘争の準備・計画・運用の方法。戦略の具体的遂行である戦術とは区別される。”

 

という意味がでてきます。

ビジネスにおける戦略とは、目標を達成するために、自社におけるリソース(ヒト・モノ・カネ)をどのように振り分けるのかを考えることです。

では、戦略を考えるためには、どのようにアプローチすれば良いのか、具体例をすこしだけみてみましょう。

たとえば、

好きな子と仲良くなるために(目的)、彼女の好きなタピオカミルクティーをUber Eatsを使ってサプライズで頼んでみた(戦術)、なぜなら最近彼女は自分のインスタグラムでタピオカに関する写真ばかり投稿しているから(戦略)

 

このように考えると少し分かりやすいのではないでしょうか?

 

何を目的に:好きな子とを仲良くなるために

具体的な目標:今年のクリスマスまでに彼女と付き合う!

戦略:最近インスタグラムでタピオカのことばかり投稿している

戦術:タピオカミルクティーを一緒に飲む機会を作る

 

何を言いたいかというと、目標達成のための戦略を考える上で、まずは相手に関する情報や自分の強みなどを、しっかりと分析しないと、選択をすべき戦術が絞りづらくなってしまうということです。

具体的な手法としては


などが代表的です。詳しく勉強したい方は、下記のブログなども参考になると思います。

マーケティング戦略を立てる際に使える!ビジネスフレームワーク24選 | 調査ツールの最新情報や基礎知識 | 知る・学ぶ | Marketing Bank (マーケティングバンク)

9-4:ペルソナの作成

「ペルソナ」とは、製品やサービスにとっての理想的な顧客像です。

旧来的なマーケティングの考え方では、例えば「ターゲットは30~40代の既婚男性」という程度に設定をされていました。

一方、「ペルソナ」の場合は「35歳、IT企業勤務、チームリーダー、休日は息子の参加するサッカーチームでコーチ・・・」というように、ある特定の人物を鮮明にイメージできるレベルまで設定をします。

ペルソナ作成については、下記のブログで詳しく書いているので参考にしてみてください。

5分で分かる『ペルソナ』の作り方|現代のマーケティングに欠かせない手法を徹底解説

9-5:カスタマージャーニーマップの作成

「ペルソナ」が策定できたら、次はそのペルソナが商品・サービスを認知してから購入決定に至るまで、どんなタッチポイントでどのような思考・行動をとり、どんな感情を持つかなどを「旅」になぞらえたものが、「カスタマージャーニー」です。

そしてペルソナの行動を具体的に把握するため、「カスタマージャーニーマップ」が作成されます。

カスタマージャーニーによって顧客の行動と心理を明確にすることで、最適なアプローチ、プロモーションが考案できます。

カスタマージャーニー徹底研究!基礎知識から作成・分析方法までを解説

9-6:コンテンツ企画

ペルソナとカスタマージャーニーを作成したら、コンテンツをどのように制作していくか計画します。

この段階においては

  • SEOワードは何をコアなトピックとしてブログを作成するのか
  • 訪問者をリードへ転換するためのオファー(ホワイトペーパーやチェックリストなど)は、どのような種類を選択するのか
  • コンテンツ制作を外注するのか?どのくらい月間予算を使うのか?

などが決まっていると、マーケティングオートメーションを導入してからコンテンツ制作に悩まされる事態を避けることができるでしょう。

9-7:業務フローの設計

マーケティングオートメーションは、マーケティング部門だけでなく、営業部門、コールセンターやサポートなど他部門と業務連携を実施しなくては、一気通貫した体制を整えられない場合があります。

そのため、導入前には、誰が何を、いつまでに行うかを各部署間で連携しておき、混乱を招かないようにしましょう。

9-8:利用中ツールとの統合計画

自社で利用しているCRMやSFAはもちろん、最近では様々なクラウドツールを利用している企業が多いのではないでしょうか?

チェックしておくべきポイントとしては

  • 導入を検討しているマーケティングオートメーションと重複する機能はないか?
  • 更新期限が近づいているツールはないか?
  • API連携が可能か?(※ネイティブ連携が望ましい

などがあります。

特にCRMやSFAは、マーケティングオートメーションと連携させなければ、マーケティング部で獲得をしたリードが売上に貢献をしているのかが可視化できないので、ネイティブ連携できるものを選択するのか、開発会社に依頼をするかなど検討しておく必要があります。

この機会に、利用しているツール全体の最適化を図れると望ましいでしょう。

10.マーケティングオートメーションの導入スケジュール

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それでは実際に導入し運用を開始するためには、どれぐらいのスケジュール感を持っていればいいのでしょうか。

1ヶ月毎の具体的なアクションをみていってみましょう。 

10-1:1ヶ月目 現状把握と課題発見

まずは解決すべき自社の課題を見つけます。


・見込み客獲得の方法に問題があるのか

・見込み客データは充分なのに、案件化率が低いのか

 

など、自社のマーケティング/営業体制に関する課題点をピックアップしていきます。

10-2:2ヶ月目 目的の明確化

課題の把握が終わったら、マーケティングオートメーション導入で何を解決するのか、目的を明確にする必要があります。

課題がいくつかある場合は、プライオリティをつけて、何から着手するかを明らかにしておきます。 

マーケティングオートメーションにおける最適な施策は何かを検討し、マーケティング計画を立てます。

10-3:3ヶ月目 要件の定義

3ヶ月目には、(1)データ設計 (2)想定シナリオ設計/想定キャンペーン設計 (3)機能精査 (4)運用部署の範囲確定・・・の4つのステップを行います。そのステップについて解説します。


(1)データ設計

過去の訪問、展示会、問い合わせなどといった過去の見込み客(リード)情報を精査し、どれを見込み客としてナーチャリングしていくのかを定義しておきます。 


(2)想定シナリオ設計/想定キャンペーン設計

ツール導入後、見込み客の検討レベルを上げるためのシナリオを作成します。


(3)機能精査

マーケティングオートメーション・ツールが持つ機能の中で、自社に必要なものを精査します。真に使いこなる機能だけに絞り込むことで、導入時のコストダウンも図れます。


(4)運用部署の範囲確定

マーケティングオートメーションでは、部署を横断して連携することが多くなるため、社内調整が必要となります。それをこのタイミングで行います。各部門の課題を把握と解消を目指す際の基本的な考え方になります。

10-4:4ヶ月目    業者の選定と発注

自社内での調整が終われば、ベンダーの選択となります。予算や機能性をメインに、これまでのベンダーの実績などを踏まえて検討します。 

マーケティングオートメーションを導入するには、マーケティングに対して高い知識が求められます。

マーケティングオートメーションを円滑に運営し、最大の効果をあげるなら、無理に自社だけで運用しようとせず、コンサルとの一括での導入を図った方が良いかもしれません。

10-5:5ヶ月目  運用ルールの準備

4~5ヵ月目過ぎたら、マーケティングオートメーション導入による目標の設定を行い、社内の運用体制を明確にしておきます。

目標設定では、先に解説した「KGI」「KPI」を指標として設定します。

10-5:6ヶ月目  ツールの導入

ここからツールの実装やデータの連携をなど直接的な準備を行います。 また、実稼働を想定したトレーニングを行います。

デモ環境を準備し実際にキャンペーンを走らせるなど、しっかりアクションされるかを確認します。 

実運用が始まったら、実際にツールを動かしながらシナリオ(キャンペーン)を実施し、PDCAサイクルを回し、運用改善します。

11.マーケティングオートメーション運用における注意点

次は、実際に運用するにあたっての注意点などについてご紹介します。

戦略や基本設計が優れていたとしても、失敗はつきももです。そのためのチェックポイントとしてもお読みください。

11-1:Webマーケティングがわかる人材確保 or 教育

マーケティングオートメーションは、マーケティング業務全般を効率化してくれる道具(ツール)に過ぎません

Webマーケティング知識を補填してくれるものではないので、SEOやSNSマーケティングなどに関しては全くの素人だという担当者には、充分に使いこなせない場合があります。

この課題を回避する方法としては、マーケティング経験者を雇用したり、アドバイザーとしてコンサルティングを依頼するなど様々ありますので、自社の担当者だけでは対応が難しそうだなと思われる場合は、検討してみてください。

もちろん、全くの未経験でも、しっかりと学習時間(最低10時間/週)を確保できればツールの使い方を通してWebマーケティングを学んでいくことは可能です。

 

11-2:社内リソースを充分に見積もる

適正人材は多いに越したことはありませんが、実際に運営するには何人ぐらいの人員が必要になるのでしょうか。

米国のマーケティングオートメーション・ツールのベンダーであるMarketo(マルケト)社によりますと、効果的に運用するには6~7人必要とされます。

内訳は運営責任者1名、メールマーケティング、ランディングページ作成、効果測定、CRM(顧客管理)が各1名、マーケティング・コミュニケーションについては2名が推奨とされています。

人員が確保できない場合は、もっと少人数でも運営できるツールを選ぶ必要があります。

11-3:情報セキュリティ問題

マーケティングオートメーションは、ほとんどの場合がクラウド型ソフトウェアになっています。

そのため、自社のポリシー上は、見込み客や顧客のデータをクラウドで保存しても問題ないというようになっているのか、など社内の情報セキュリティ部担当者などに事前確認をとっておきましょう。

導入直前になってから今まで進めてきたプロジェクトが一気に水の泡になってしまったら、結構泣けてしまうはずです。

11-4:他のツールと連携

CRMやSFAのツールを既に導入されている企業なら、それらと連携できるかどうかも大きな選択ポイントとなります。

マーケティングオートメーション単独ではできないことも、ツール連携によって効果を拡張することが出来ます。

12.代表的なマーケティングオートメーション

 

HubSpot(ハブスポット)

HubSpot

https://www.hubspot.jp/

世界でNo.1のシェアを持ち、多くの企業で採用されているマーケティングオートメーション・ツールが「Hubspot」です。

2006年に、ブライアン・ハリガンとトダーメッシュ・シャアによって創立。ブライアンが創立前にベンチャー向けビジネスをやっており、従来のTVCMやテレアポなどのようなアウトバウンド手法ではなく、ブログやSNSを駆使したインバウンドなアプローチが重要だと感じており、当時ダーメッシュが書いたブログに大きな反響が集まり、HubSpotというツールが生まれました。

まさに、オンラインからインバウンドリードを生み出すという新しい概念が生まれたキッカケとなります。

インバウンド手法という概念に基づいた上で、マーケティング、セールス、カスタマーサービスが一気通貫して利用する事ができるプラットフォームとして進化を遂げてきました。

マーケティングオートメーション の機能以外にも、SEO 支援機能、コンテンツ投稿&管理機能、ランディングページ 作成&管理機能、見込み客リスト管理など、多くの機能を持っています。

基本的に無料プランが準備されており、無料で試してみて導入を前向きに検討できるようであれば、月額6,000円から始めることができるスモールスタートをしたい事業者向けのツールといえるでしょう。

また、Hubspotは企業文化がユニークであり、理念に基づき、HubSpotを利用していなくてもマーケティングを学ぶことができる、HubSpot Academy(無料)でオンラインコースを受講する事が可能です。

Marketo(マルケト)

Marketo(マルケト)https://jp.marketo.com/

2014年に日本法人が設立され、日本でも急速にシェアを拡大しています。リードナーチャリングとスコアリングを重視した設計になっており、リードに適応した情報を最適なタイミングで発信できます。

また操作のしやすさに定評があり、ドロップ&ドラッグでセグメント条件の設定などが行えます。

外部ツールとも連携しやすい特徴を持っています。B2B、B2Cを問わず幅広く対応可能です。

SATORI

SATORIhttps://satori.marketing/

SATORI株式会社が提供する純国産マーケティングオートメーション・ツールです。プライベートDMPを内蔵しているためリードに転換する前の匿名の訪問者に対してパーソナライズしたコンテンツを出し分けできる機能が特徴的です。

ランディングページ作成機能、メール配信機能など基本機能に加え、匿名ユーザーに対するスコアリングが可能な点や、誰でも使いやすいインターフェースが特徴です。

KAIROS3

KAIROS3https://www.kairosmarketing.net/marketing-automation

必要最低限の機能のみを搭載した、BtoB向けツール。初期費用10,000円、月額5,000円からの導入が可能です。

リード保有数によって月額利用料は変動します(100リードで月額5,000円、50,000リードの場合120,000円)ので、スモールに始めるには最適なツールといえるでしょう。

 

Synergy!LEAD

Synergy!LEADhttps://www.synergy-marketing.co.jp/cloud/synergylead/

シナジーマーケティング株式会社が提供。クラウドコンピューティング市場におけるシェア、営業・サポート・マーケティングのソリューションともに全世界No.1を誇る、業界最大のシェアサービス「Salesforce」をプラットフォームとしているため、高い連動性を誇ります。1日あたり数万通の大量配信にも対応。メールマーケティングの機能が充実しています。

SHANON MARKETING PLATFORM

SHANON MARKETING PLATFORMhttps://www.shanon.co.jp/products/

株式会社シャノンが提供する純国産のツールです。アメリカとは商習慣の異なる日本ならではの事情を考慮に入れたマーケティングオートメーション・ツールであり、B2Bに特化したデジタル/アナログマーケティングを実現します。

マーケティング業務の自動化・効率化と統合的なデータ管理により、戦略的なコミュニケーションを実現するクラウドアプリケーションです。

セミナーやイベント、キャンペーンなど多岐にわたるマーケティング業務を自動化・効率化し、精度の高いデータ管理を実現。国内シェアNo.1を誇ります。

 

b→dash

b→dashhttps://bdash-marketing.com/

株式会社フロムスクラッチが提供。集客・販売促進・売上/顧客管理に至るマーケティングプロセス全体のデータを、1つのインターフェースで統合・管理・活用できます。

Webマーケティングに不可欠なアクセス解析機能・A/Bテスト機能・顧客管理機能・改善提案機能など、さまざまな機能を持っています。

その分、操作が複雑そうに思えますが、シンプルなユーザーインターフェースで、誰にも簡単に扱えるようになっています。

 

SPIRAL®

SPIRAL®https://www.pi-pe.co.jp

株式会社パイプドビッツの提供。リード獲得からナーチャリング、営業力強化までを一貫して行えるマーケティングオートメーション・ツール。

マーケティング部門と営業部門のリード情報を連動させ、集客から受注までのプロセスの可視化を促進します。獲得したリードが購入にいたったかどうか、受注(または失注)までのプロセスを把握することができます。

 

カスタマーリングス

カスタマーリングス

https://www.pa-consul.co.jp/cr/

もともとCRM (顧客関係管理)ツール としてサービスを開始。現場のPCDA (Plan, Do, Check, Action)サイクルを高速化して分析し、作業を大幅に削減させられるマーケティングオートメーション・ツールです

知りたい情報を様々な切り口から分析することができ、本質的な課題解決に向けて取り組むことができます。

 

MAJIN

MAJINhttps://ma-jin.jp/

株式会社ジーニーが提供。AIと運用コンサルティングが特徴の、BtoC向けマーケティングオートメーション・ツールです。

広告データや顧客データ、外部データなど多様なデータを取得・統合・分析・可視化。ウェブ広告による集客、メールやLINEによる販促など多様な機能を搭載しています。

List Finder(リストファインダー)

List Finder(リストファインダー)https://promote.list-finder.jp

List Finderは、BtoBシェアNo.1マーケティングオートメーション・ツールです。

顧客情報の整理・管 理、メール配信ができる上、自社サイト上で「だれが」「どのページを」「何秒閲覧したか」という情報が得られ、新規顧客開拓に役立ちます。

月額39,800円からの価格設定で、プランに応じた豊富な機能が準備されており、サポート体制も充実しています。

 

13.マーケティングオートメーションに対する誤解

何もかもが便利そうなマーケティングオートメーションですが、「メリット・デメリット」の項目や、失敗例のところでも紹介した通り、マーケティングオートメーションは万能の「打ち出の小づち」ではありません。

そこで、マーケティングオートメーションにまつわる「誤解」について、少しご紹介しておきたいと思います。

13-1:全てオートメーションで処理できる

「マーケティングオートメーション」という名称から、今までマーケティングや営業活動における煩雑で雑多な作業をすべて自動で処理してくれると思っていると、大きな間違いとなります。

重要なのは良い「シナリオ」と良い「コンテンツ」が準備できているか。

そして良いシナリオ作成のベースとなるペルソナの設定とカスタマージャーニーマップの作成などの準備をしっかりと行うことで、成功への道が拓けます。

13-2:導入すれば効果が上がる

マーケティングオートメーションが効果を発揮するには、1年ほどの時間が必要です。

導入担当者のツール習熟度や組織への文化浸透に対しても時間がかかるので、しっかりと腰を据えて取り組んでいく覚悟を上層部が認識する必要があります。

 

13-3:スコアリングが全てを解決する

スコアリングは、マーケティングオートメーションの中核とも言えます。

見込み客の見込み度や状況を客観的に数値化し、提示してくれますが、それが絶対的な数値だとは言えません。

ひとつの指標として、マーケティング戦略立案の参考にする・・・それぐらいの気持ちで接するのが良いのではないかと思います。

 

14.マーケティングオートメーション関連用語集

マーケティングオートメーションにおける様々な関連用語を使ってきましたが、あらためてその意味などを解説しておきたいと思います。既にご存じの方は、おさらいとしてご一読ください。

  • MQL

「Marketing Qualified Lead」の略で、「マーケティング活動によって創出されたリード(見込み客)」のことを言います。ホットリードなどとも呼ばれることもあります。

  • SQL

「Sales Qualified Lead」の略で、「営業部門において営業がフォローすべきと認定した(見込み客)」、マーケティング部から引き渡されたMQLをインサイドセールス担当などが、電話でリードクオリファイを実施した後にSQLなのか判定されます。

  • スコアリング

一人ひとりの見込み客の、商品やサービスに対する購入度を数値化したものです。 マーケティング活動を展開際の重要な指標となります。

  • ABM

「Account Based Marketing」の略で、マーケティングオートメーションのように「リード獲得」を中心とするのではなく、アカウント(企業)を中心にマーケティングを行い、収益をあげていく手法。

マーケテイングオートメーションとは対照的に、ABMは組織全体を見ながら戦略的にターゲティングを行っていく手法です。

15.マーケティングオートメーションをさらに理解するために

日本のマーケティングオートメーションは、まだまだ黎明期といえます。導入事例やリード育成(リードナーチャリング)の手法も充分とは言えません。

検討を加えりためには関連の書籍を読んだり、ベンダーやコンサルティング会社のセミナーに参加するのが良いのではないかと思います。

まず最初に、マーケティングオートメーションについての書籍を紹介いたします。

15-1:関連書籍

 

マーケティングオートメーションの歴史やなぜ日本企業にとってマーケティングオートメションが必要なのかというポイントを概念とともに優しく解説されているおすすめの1冊です。

マーケティングオートメーションを知る上では、そのツールが持つ歴史であったり、根本の概念を理解するのが重要だと気付かさせてくれる本なので、自社のマーケティングオートメーション導入を検討される前に一度読むことを強くおすすめします。

 

マーケティングオートメーションの教科書優良顧客を自動で育てる仕組みづくり

マーケティングオートメーション導入方法についての、初心者向けのガイドブックです。今すぐマーケティングオートメーションの概要を知りたいという方ににおすすめ。

 

 (クロスメディア・マーケティング)

マーケティングオートメーションに落とせるカスタマージャーニーの書き方

マーケティングオートメーションで活用できるカスタマージャーニーを作成する方法を、図やイラストを交えて解説した実践的なガイドブックです。

15-2:セミナー関連

マーケティングオートメーションツールベンダーやコンサルティング会社などが主催する無料セミナーを、いくつかご紹介いたします。

  • HubSpot

Hubspotのユーザーでない方でもマーケティングを学ぶことができる、「HubSpotAcademy(無料)」でオンラインコースを受講する事が可能です。

  • 株式会社パワー・インタラクティブ

「パワー・インタラクティブ」は、デジタルマーケティング全般のコンサルティングを手がけており、マーケティングオートメーションの基礎知識やツールの活用ガイドのセミナーなど、多彩な展開を行っています。

https://www.powerweb.co.jp/seminar/

 

導入前に『目的』と『課題』をハッキリさせよう

いかがでしたでしょうか?数あるマーケティングオートメーションの中で、「何を基準に選べば良いのか?それぞれのベンダーの違いは一体何なのか?」といった悩みは少し解消されましたか?

マーケティングオートメーションは、営業活動の効率化やマーケティング活動自体の工数削減など様々な場面で効果を発揮してくれます。

しかし、マーケティング活動自体に手を入れてこなかったという企業に対しては、マーケティングオートメーション導入は、会社の組織構造すらも変えてしまうような大工事でもあります。

自社の課題と計画を具体的にベンダーに伝えた上で、自社と相性が良いのかを考えましょう。

また、導入後のサポート体制やカスタマーサクセス担当の有無などを聞いておくことで、導入後にゴール(目標)達成ができるのかなどもベンダー側とすり合わせておくと良いでしょう。

 マーケティングオートメーションについての無料eBookダウンロードはこちらから

参考:DataSign Report 2018.7 上場企業調査 | 上場企業が利用しているWebサービスランキングTOP100(2018年7月度)    マーケティングオートメーション導入率9%   母数日本取引所グループの上場銘柄一覧に含まれている企業3,618社(2018年6月末時点)

DataSign Report 2019.6 上場企業調査 | 上場企業が利用しているWebサービスランキングTOP100(2019年6月度)     マーケティングオートメーション導入率12%   母数日本取引所グループの上場銘柄一覧に含まれている企業3,664社(2019年5月末時点) 

 

元記事発行日: 2019年10月31日、最終更新日: 2020年3月10日

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マーケティングオートメーション