【無料テンプレート】ペルソナシートの項目・作成手順や注意点を解説

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水落 絵理香(みずおち えりか)
水落 絵理香(みずおち えりか)

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ペルソナシートとは、理想の顧客像「ペルソナ」に関する情報をまとめたシートです。 ペルソナシート作成の目的は、可視化した理想の顧客像とその課題をプロジェクトに関わる全メンバーと共有して、各施策を効率化することです。

【無料テンプレート】ペルソナシートの項目・作成手順・注意点

【無料テンプレート】バイヤーペルソナ作成ガイド

独自のバイヤーペルソナを作成する際に参考になる無料のガイドとカスタマイズ可能なテンプレートをご用意いたしました。このガイドでは、ペルソナに関するベストプラクティスを学びながら最適なバイヤーペルソナを作成できます。

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メンバー内で共通認識を持つことで、書品設計から販売までブレのない一貫したメッセージを打ち出すことができるため、全体的な顧客体験の向上に繋がっていきます。

ペルソナは架空の顧客像ですが、ユーザーヒアリングやアンケート調査などで得た実在する顧客の声に基づいて、ペルソナシートは作成されなければいけません。誤った情報や手順で作成すると、実効性のないペルソナシートになってしまいます。

本記事では、ペルソナシートの目的や作成手順、注意点を解説します。実務に使える無料テンプレートも紹介しているので、併せてご活用ください。

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ペルソナシートとは?

ペルソナシートとは?

ペルソナシートとは、理想の顧客像「ペルソナ」に関する情報をまとめたシートです。

ペルソナの経歴や年齢、ライフスタイル、価値観などについての情報を記載し、一人の人間としてイメージできるまで具体的に書き出します。
 

ペルソナとターゲットの違い

似たような言葉に「ターゲット」がありますが、ペルソナとは異なる用語です。

マーケティングにおけるターゲットは「想定する顧客層」のことを指し、自社の商品やサービスを訴求する対象を、年齢・性別・地域・業種など特定の属性で絞り込んだ集団(セグメント)で考えます。

一方のペルソナはもっと詳細に具体的な人物像を設定するもので、行動や購買心理を予測してマーケティング戦略や販売戦略を立てていきます。

例えば、ターゲットでは「30代・女性・会社員・◯◯市在住」などのように属性で区切りますが、ペルソナでは「(具体的な氏名)・34歳・女性・◯◯市在住・◯◯にある会社へ電車通勤30分」など、人物像を細かく設定していきます。

ペルソナとターゲットの違いについてさらに知りたい方は、以下コラムもご覧ください。

ペルソナシートの目的

ペルソナシートを作成する目的は、大きくは次の2点に集約されます。

  • 顧客理解を深める
  • チームで共通認識を持つ

自社に都合のいいユーザーを称した「ゴムのユーザー」という単語を聞いたことはないでしょうか。ゴムのユーザーとは、メンバーの所属先や立場、知識の差によってユーザー像の形が変わる現象です。 ペルソナの生みの親アラン・クーパーによって提唱されました。

ペルソナシートを作成すれば、各々が勝手に想像するゴムのユーザーではなく、チームが共通認識を持ち、顧客目線にたった製品開発や施策の展開ができます。以下では、ペルソナシートの目的を詳細に見ていきましょう。
 

顧客理解を深めるため

ペルソナシートは、ユーザーヒアリングやアンケート調査などで得られた一次情報を基に作成されます。

顧客の声を基にペルソナを定め、ペルソナシートを作成することで課題やニーズが言語化され顧客をより一層理解できるようになります。その結果、製品開発やマーケティング施策につながる有益なインサイトが得られるようになるのです
 

チームで共通認識を持つため

ペルソナシートの作成は、チームメンバー内での共通認識を促進させる目的も持ちます。

例えば、国民的なキャラクターであるネコ型の青いロボットを想像してみてください。好きなものや口癖、性格などが分かり、このキャラクターについて深い議論ができるはずです。同様のことがペルソナにも当てはまります。

一人の人間としてイメージできるまでペルソナの具体性を高めシート上に可視化すれば、メンバー全員が目線の揃った議論や意思決定ができるようになります。結果として、一貫したメッセージを打ち出しブレのない施策が可能となるでしょう
 

ペルソナシートの主な記載項目

ペルソナシートには主に下記の項目を詳細に記載しましょう。

  • 【名前と顔写真】
    ペルソナに名前と顔を設定することで実在する人物のようにイメージでき、メンバーがペルソナに感情移入しやすくなります。
  • 【デモグラフィック(人口統計学的)】
    ペルソナの性別や年齢、居住地、所得、職業、学歴などの人口統計学的な属性を定めます。
  • 【行動特性のパターン】
    ペルソナから導き出される行動パターン(態度やコミュニケーション手段など)を記載します。
  • 【目標・課題】
    ユーザーヒアリングで判明したペルソナの目標や課題を記載します。BtoBの場合は、ペルソナ個人の目標や課題に加えて、企業全体の目標と課題も記載してください。
  • 【自社が提供できる価値】
    ペルソナの目標達成や課題解決のために、自社が提供できる価値を記載します。

ペルソナシートを一から作成するにあたって、どのように作ればよいのか、フォーマットはどうすればよいかとお悩みではないでしょうか。そのような場合は、ペルソナシートのテンプレートをご活用ください。多くの企業がペルソナシートの無料テンプレートを配布しています。自社に合ったテンプレートをダウンロードし、効率よくペルソナシートを作成しましょう。

当社HubSpotが提供している無料ペルソナシートでは必要事項を入力するだけで、分かりやすいペルソナシートが作成できます。ぜひ以下のページより、ダウンロードしてください。

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ペルソナシートの作成手順

ここからは、ペルソナシートの作成手順を見ていきましょう。
 

ユーザーヒアリングを通してペルソナに関する情報を集める

ペルソナシート作成の鍵は、顧客に関する詳細な情報を集めることです。 プロジェクトに関わる全メンバーがユーザーの本質的なニーズを理解し、ペルソナに感情移入できる状態にするためには、深い顧客理解が欠かせません。

ユーザーヒアリングやアンケート調査、ステークホルダーへのインタビューなどから信頼性の高い情報を収集し、インサイトの発見へつなげましょう。
 

フォーマットに沿ってペルソナの基本的な情報を入力する

十分な量の情報を収集したら、共通する要素のパターン化や必要な情報の精査をして、ペルソナシートにまとめます。ここからは、先述したHubSpotの無料ペルソナテンプレートを例にペルソナシートを作成します。

まず、ペルソナのデモグラフィックデータを入力します。電話や対面でユーザーにデモグラフィックに関する質問をするのが心苦しい場合は、オンラインでアンケート調査を実施し、情報を集めることも可能です。

口頭で質問されるよりも入力形式の方が質問に答えやすいユーザーには、この方法が有効です。

テンプレートのセクション1の入力例を以下に示します。

フォーマットに沿ってペルソナの基本的な情報を入力する

 

ペルソナの動機付けについて理解した内容を設定して共有する

セクション2では、ペルソナの目標と課題を入力してください。そして、ペルソナの目標達成や課題解決を支援できる自社の価値を考えます。

これを社内で共有することが重要です。

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セールスによるペルソナとの会話の準備に役立てる

インタビューで聞いた回答者の言葉を「よく口にするセリフ」としてそのまま引用してください。(REAL QUOTES)。

ペルソナがどのような人で、何に関心を持ち、何を必要としているかをここに示してください。「批判的な意見や懸念」も明記します。

「よく口にするセリフ」や「批判的な意見や懸念」は、セールスチームが見込み客との会話の中で、それらの問題について質問を受けた場合の対応時に役立つでしょう。

セールスによるペルソナとの会話の準備に役立てる

 

ペルソナへのメッセージ作成に役立てる

製品やサービスをペルソナに紹介する言葉を入力します。

特殊な用語を入れて簡潔に伝えるマーケティングメッセージと、より一般的な言葉を使いソリューションの要点を的確に説明するエレベーターピッチを示してください。

これにより、社内のスタッフ全員が共通の理解に基づいて見込み客や顧客と会話できるようになります。

最後に、ペルソナに「財務マネージャーの鈴木さん」「IT担当者の長井さん」「庭師の竹村さん」などの名前を付けます。そして、実在する人物の顔写真も添付してください。実際の人物をイメージしやすいものにすることが大切です。

顔写真はThinkstockなどの写真集サイトから購入するか、あるいはHubSpotのロイヤリティフリーの写真集をダウンロードして使用することもできます。ご興味のある方はぜひご覧ください。

名前や顔写真は本当に必要かと思われるかもしれません。しかし、ペルソナの存在がより明確に感じられ、感情移入しやすくなるため必ず挿入しましょう。
 

ペルソナ分析のポイント

ペルソナ設定に必要な情報を収集・分析するには、以下のポイントを押さえましょう。
 

定量調査

ペルソナの属性を絞り込んでいくためには、定量調査が必要となります。

ペルソナ分析に役立つ定量調査としては、Webサイト・SNS分析があります。訪問ユーザーやフォロワーの属性、サイトへのアクセス経路、サイト上での行動などから属性を絞り込むことが可能です。

また、アンケートを実施することでも数値データを集められます。LINEなどのツールを活用しても簡単にアンケートを行えますが、リサーチ会社に依頼することも可能です。
 

定性調査

ペルソナの思考や行動パターンをより深く理解するには、定性調査を行います。

定量調査でも挙げたアンケートは、定性調査にも役立ちます。アンケートに記述式の質問を入れることで、数値には現れにくいユーザーの心理や行動を把握できるでしょう。

インタビューを実施することでも、定性調査を行えます。顧客になったばかりの人、ロイヤルカスタマーなど複数の属性の相手へインタビューを行うことで、より深い思考や行動パターンを知れるかもしれません。
 

ユーザー体験を意識

ペルソナ分析を行うには項目が無限にありますが、優先するべき項目はどんな商品・サービスなのかによって変わります。その商品・サービスを利用することで、ペルソナはどんなユーザー体験を得られるのかを意識して分析を行うといいでしょう。

例えば、商品がお菓子であれば日常の生活パターンを具体的に分析します。Webサービス(アプリ)を訴求するのであれば、そのサービスが必要となるシーンを具体的に設定しましょう。

ペルソナ設計のポイントについては、以下コラムにてさらに詳しくご紹介しています。

 

ペルソナシート設定時の注意点

ここまではペルソナシートの目的や作成手順を紹介してきましたが、設定方法を誤ると、期待した効果を得られなくなります。

ここからは、ペルソナシート作成時における3つの注意点を解説します。
 

ペルソナのセグメントを定義する

ユーザーヒアリングやアンケート調査などの対象を定めるために、製品やサービスのターゲットとなるセグメントを設定してください。セグメントに属する顧客を対象に調査を実施して、ペルソナを作り上げます。

セグメント定義には、3C分析やSWOT分析などのフレームワークが有効です。

3C分析については、以下の記事でも詳しく解説しています。ご興味のある方はぜひご覧ください。

 

全員が共通認識を持てるまで具体性を上げる

ペルソナの具体性が低ければ、メンバー間の認識がずれて施策にブレが生じ顧客への提供価値も低下してしまいます。例えば、ペルソナを「母親」と設定した場合、専業主婦をイメージするメンバーがいれば、兼業主婦をイメージするメンバーもいるでしょう。専業主婦という括りでも、世帯年収や家族構成などで、抱える課題やニーズは異なります。

ペルソナ作成の際は、まるで実在するような一人の人間としてイメージできるレベルまで具体性を高めましょう。そうすれば、メンバー間の「誰向けの、どのような課題を解決するための商品・サービスなのか」についての認識のずれを少なくできます
 

ペルソナのニーズは簡潔に、要点を明確にして記載する

ペルソナシートで最も重要な項目は、ペルソナの本質的なニーズや課題です。メンバーの認識を揃えれば、顧客視点に立って製品開発や施策の実施ができるようになります。各種調査で得た情報を分析し、課題やインサイトの把握に努めましょう。

顧客の課題は、誰が読んでも同じ解釈になるように、箇条書きなどを用いて簡潔に書きます。メンバー間の解釈の差異や、記憶に残らないなどのリスクが生じるからです。

プロジェクトの目的は、顧客の本質的な課題の解決にあるからこそ、ペルソナシートを活用し、本質的なニーズに対する認識をチーム間で共有してください。
 

主観や希望は排除する

ブレインストーミングや思い込みだけで作成した「実在しないペルソナ」の場合、有益なアイデアや施策の発見にはつながりません。

実在しても遜色ないペルソナを作成するためにも、担当者の主観や希望は排除し、徹底的なユーザーヒアリングの結果を基にペルソナを作成しましょう
 

ペルソナシートの活用:カスタマージャーニーマップ

ペルソナシートが完成したら、それを活用するためにカスタマージャーニーマップの作成がおすすめです。
 

カスタマージャーニーマップとは

カスタマージャーニーとは、見込み客が顧客(カスタマー)になるまでの行動や思考、感情の変化を時間軸で追ったものです。これを紙面にまとめたものをカスタマージャーニーマップと呼びます。

例えば、ペルソナが商品・サービスのことを知るきっかけやそのときの感情、広告・Webサイト訪問・店舗訪問などのタッチポイントにおける思考の変化、購入までの意思決定プロセスなどを見える化します。
 

カスタマージャーニーマップの必要性

顧客が情報を収集する手段が豊富になり、ニーズが多様化した現代において、ペルソナの行動を具体的に追うことは難しくなっています。だからこそカスタマージャーニーマップを作成し、想定される行動や思考パターンに沿って施策を行うことが求められています。

カスタマージャーニーマップでは、例えば顧客との接点であるタッチポイントを設定します。タッチポイントは顧客の態度変容を促すのに重要となるため、カスタマージャーニーマップに従って施策を考えていくことになります。
 

カスタマージャーニーマップの主な要素

カスタマージャーニーマップの作成方法に正解はありませんが、主に以下の要素を組み込みます。

  • ペルソナ
  • フェーズ
  • チャネル、タッチポイント
  • 行動
  • 思考・感情
  • 施策

カスタマージャーニーマップはペルソナの行動を示すものなので、ペルソナの設定は必須です。

マップでは複数のフェーズに分割し、それぞれでタッチポイントや行動、施策などを考えていきます。フェーズには主に、「認知」「興味関心」「比較検討」「行動」があります。

カスタマージャーニーマップについては、以下コラムにて詳しく解説しています。

 

ペルソナシートを活用し、「顧客」の共通認識を

ペルソナシートを作成すれば、部門の垣根を超えてプロジェクトに関わる全メンバーが、共通の顧客像をもって各施策を進められ、良質な顧客体験を提供できるようになります。共有されることが前提だからこそ、ペルソナシートは丁寧かつ分かりやすいデザインで制作しなければいけません。

まずはユーザーヒアリングを実施し、信頼性の高い顧客の声を集めましょう。各種調査で得られた情報を精査し、必要な情報をペルソナシートに記載します。

ペルソナシートの作成に時間をかけられないときは、無料テンプレートを活用するのもおすすめです。

HubSpotの提供している無料テンプレートでは、簡単なステップで分かりやすいペルソナシートを作成いただけます。ぜひこちらもご活用ください。

HubSpotではこの他にもマーケティングやセールスに役立つ資料を無料で公開していますので、ぜひこちらからご覧ください。

 

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