スタートアップ創業者のための資本政策表活用ガイド

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向井 拓真(Takuma Mukai)
向井 拓真(Takuma Mukai)

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スタートアップを海外ドラマシリーズに見立てるなら、資本政策表は各エピソードのエンドロールといったところでしょう。

スタートアップ創業者のための資本政策表活用ガイド

戦略的な事業計画を策定するための無料テンプレート

新規事業のスタートアップにおいて事業計画は不可欠です。
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新進気鋭の起業家に不可欠なのは、ビジネスの各段階において誰が何を所有しているかを詳細に把握しておくことです。

これは、資金調達のためにデューデリジェンスを受ける場合にも、単純に新しい会社を立ち上げる場合にも当てはまります。

資本政策表はキャップテーブルとも呼ばれ、会社の所有権について明確に把握する上で必要な情報を提供するものです。この記事では資本政策表とは何かを説明すると共に、その使用方法について詳しく解説していきます。

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〜事業計画に記載すべき項目とは?〜

資本政策表は、会社の株式ベースの取引を記録したものです。具体的には、出資者の持ち株比率や株式の種類、オプションプールなどの情報が含まれます。持ち株比率とは、誰(創業者、投資家、従業員など)がどれだけ会社の株式を保有しているかを表します。

持ち株比率が高ければ、それだけ会社に対する支配権を持っていることになります。ほとんどのスタートアップでは、普通株主と優先株主の両方との間で議決権拘束契約が必要となるため、持ち株構成の一覧は、会社の重要事項(事業の売却や再編など)の決定に際し、誰の承認が必要になるかを表していると言えます。

株式の種類には、特別な権利を持たない普通株の保有数と、優先株の保有数が記載されます。

優先株には、投資額と同じ金額を回収できる権利が付与されているのが一般的です。この「返金保証」条項により、事業売却時に万一企業価値が低く評価された場合でも、投資家の出資額は保護されることになります。

資本政策表によく記載されるその他の取引タイプとして、株式化可能な債務が挙げられます。

株式保有額を計算する際には必ず、こうした転換社債が完全希薄化ベースで算入されます。「完全希薄化ベース」とは株式価額の計算方法の1つです。まだ権利を行使していないワラント債やストックオプション、転換社債などをすべて株式化した場合を前提に株式の価値を計算します。

資本政策表のテンプレート

資本政策表の例を示します。

資本政策表の例

出典:Cooley GO

表の左から右へと移動するにつれ、希薄化の対象項目が追加で適用されており、最終的に各株主の実際の株式保有比率が確認できます。

また、資本政策表には以下の株式取引の必須情報が含まれていることもわかります。

  1. 有価証券上に表示される株主の名前
  2. 発行日
  3. 発行済みの株式数または単位数

資本政策表の使用方法

持ち株構成の把握

資本政策表の主な用途として、会社の持ち株構成に意思決定がどのように影響するかを確認することが挙げられます。例えば、従業員向けのオプションプールを拡大する、あるいは新たな資金調達ラウンドを実施して増資を目指すという意思決定を下すとします。

いずれの場合も、資本政策表を見ればその意思決定によって既存の株主がどのような影響を受けるかが正確にわかります。初めて資金調達を行う場合には、何をあきらめるべきかを正しく判断できなくてはなりません。資本政策表が役立つのはまさにその点です。会社の持ち株構成が自身の意思決定によってどう変化するかを確かめることができます。

株式の初期配分の決定

新たに会社を立ち上げる場合は資本政策表を作成し、会社の株式配分を書き出してみるといいでしょう。株式の初期配分の話し合いは難航すると思いますが、どのような形態の会社であってもこれを避けて通ることはできません。会社設立後はまず、創業メンバーへの株式の配分案を示した資本政策表を作成し、それに基づいて話し合いを行いましょう。

従業員用のストックオプションの管理

新しい従業員を雇用するときには、会社の目標達成に応じて従業員にインセンティブを支給すると効果的です。それには、ストックオプションが非常に有効な手段となります。ストックオプションを活用すれば、従業員の貢献度に応じて適切な数量の株式の購入権を従業員に割り当てることができます。

資本政策表にはその時点で承認済みの発行可能なストックオプションの数が記載されています。さらに、現在までに使用済みのストックオプションの数もわかります。資本政策表を作成する際は、今後12カ月間カバーできるだけのオプションプールが確保されていることを確認しましょう。

タームシートの交渉

会社の持ち株構成を明確な一覧表にすると、資金調達ラウンドに関するWhat-If分析を実行できるようになります。さまざまなバリュエーションレベルを適用し、自身の持ち株比率や会社の支配権がどう変化するかを確かめてみましょう。また、資金調達の前後に新たにストックオプションを発行するとどうなるかなど、他の要因についても評価します。こうした評価を行うことにより、どのような状況で満足のいく結果が得られ、絶対に譲れないラインがどこなのかを見極めることができます。

資本政策表は法律上必要な文書ではなく、意思決定を下すための判断材料として各時点の持ち株構成の情報を切り取ったものです。この表に含まれている情報と一般的な使い方を理解しておくことで、進むべき方向性が明らかになり、次の大規模な資金調達や従業員の雇用が多少楽になるでしょう。ご自身のスタートアップがどのようなドラマを展開するにしろ、各エピソードの制作(政策)関係者のリストアップが大切なことに変わりはありません。

スタートアップの成功についてさらにご興味のある方は、オーガニックグロースに関する記事もご覧ください。

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トピック: スタートアップ

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