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2017年11月26日

仮想現実(VR)時代のコンテンツマーケティング戦略、成功の秘訣は

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顧客とブランドの関係が深まることが商品の購入につながるのは、昔も今も変わりません。その一方で、変わったことといえば、顧客とブランドの関係の深め方、すなわち顧客のエンゲージメントのあり方です。

現代の顧客からすると、インタラクティブ性のない体験は本物ではありません。販売している商品に手を伸ばしたり触れたりするのと同じような感覚を求めています。ブログ記事にコメントを残すだけでも十分な関係構築だと認識していた時代とは大違いです。

71%の消費者は、仮想現実(VR)を使っているブランドは先見性があると認識しています。「先見性」という言葉をどういう意味で捉えているかは脇へ置くとしても、こうしたブランドが特筆すべき存在として消費者の注目を集めるのは間違いありません。

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VRと聞くと難しそうに思えるかもしれませんが、そのマーケティング戦略は、とてつもなく難解なわけではありません。VRのコンテンツマーケティング戦略を確立する作業は、通常のコンテンツマーケティング戦略とさほど違いはないのです。ただし、インタラクティブ性を通じたエンゲージメントについて理解しておく必要はあります。

VRのコンテンツマーケティング戦略を確立する方法

既存のオーディエンスを念頭に置く

現在の理想的な顧客は、コンテンツをどのように利用してくれているでしょうか。週ごとのウェブセミナーやQ&Aでしょうか。CEO自らが毎日発信している動画ブログでしょうか。コンテンツのパターンをどのように確立しているにせよ、その戦略を継続したままでVRを取り入れることは可能です。

たとえば、現時点で中心的に利用している媒体がFacebook動画なら、まずはFacebook SpacesでVRコンテンツの制作に取りかかってみてはどうでしょう。Facebook Spacesは、現在はまだベータ版ですが、近い将来にFacebookの標準的なプラットフォームの1つになりそうな勢いです。このプラットフォームをブランドに生かす方法を考え始めるなら、今が絶好のタイミングです。

また、企業のアプリでは、スマートフォンと組み合わせて使うVRヘッドセット向けのコンテンツを活用するものが増えています。たとえば、チケット売買サービスのStubhubのアプリには、購入するチケットの座席からホールやスタジアムを見たときのようすをVRで360度確認できる機能があります。

スクリーンショット出典:Recode

座席からの光景を確認できる機能は、Stubhub.comにはしばらく前からありましたが、360度ではなく普通の画像でした。VRを取り入れたことで、顧客のこれまでの体験が強化され、購入へと導きやすくなりました。

これまで、座席からの見え方に不安を感じて、チケットの購入に二の足を踏んでいた人もいるはずです。Stubhubは、既存のコンテンツを改良してVR機能を取り入れることで、その問題をうまく解決しました。

単なるコンテンツではなく体験を生む

コンテンツマーケティング戦略にVRを組み合わせるという捉え方は、少しピントがずれているかもしれません。結局のところ、VRで肝心なのは、コンテンツではなくユーザー体験です。コンテンツ制作では、没入型の機能を使って利用者が商品やサービスをじっくり検討できるような方向性を目指すとよいでしょう。

バーチャルな店鋪の活用

利用者をバーチャルな店鋪の中に導いて、取り扱い商品のラインナップを直接見てもらいましょう。その例が、eコマース大手のShopifyです。Thread Studioという同社のVRアプリでは、仮想空間の写真スタジオの中で、Tシャツなどの商品のカスタムデザインをその場で確認できます。

画像出典:Shopify

さまざまな色や組み合わせを試して、目的に合ったTシャツのデザインが決まったら、オンデマンドのプリントサービスを提供しているPrintfulにそのデザインを送って、実際にTシャツとして制作できます。実世界で店鋪の閉店が相次いでいる今、家にいながらにして利用者が来店できるVRの店鋪は、それに代わる存在になるはずです。

遠隔地の顧客を考える

遠隔地の人だけをターゲットにせよというわけでは決してありませんが、VRを使えば、これまでより広範囲の潜在顧客を対象としたコンテンツを制作しやすいはずです。

たとえば、不動産業者であれば、家やマンションの買い方をVRで変えられるかもしれません。VRの世界で物件を下見する機能も実現できるようになるはずです。世界中の人々が、実際に現地を訪問したときと同じように、物件を中からも外からも確認できます。

こうした話は、Forbesの記事でも取り上げられました。そちらでは、もう1つの可能性として、利用者がVRアプリを通じて部屋の模様替えを試せるという機能にも言及しています。ユーザー体験のインタラクティブ性が高まりますし、利用者からすると、その物件に住んだときのイメージがより明確になるはずです。

商品の見た目を確かめてもらう

家財道具の場合、家に置いたときにどのような様子になるかを実際に目にしてもらうことは、購入を促す重要な要素です。

リフォーム関連商品を扱うLowe'sは、VR機能でリフォームを支援する「Holoroom」というツールを制作しました。同社の商品を配置した部屋がどのような様子になるかを、VRの世界のモデルルームで確認できるというものです。

IKEAは、拡張現実(AR)の商品カタログという形で、同じような発想を以前から取り入れています。最近では、「IKEA Place」というARアプリをリリースしました。

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画像出典:Architectural Digest

ちなみに、ARとVRはどちらもよく似ていますが、現実世界の光景に重ねる形で人工的な要素を表示するのがAR、完全に人工的な世界を構築して表示するのがVR、という点が違いです。

感情を動かす旅を提供する

Honor Everywhereという団体は、年老いた退役軍人にワシントンDCの戦没者慰霊碑をVRで訪問してもらうという活動を行っています。ボランティアが介護施設にVRヘッドセットを持っていって、退役軍人の方々に実際に「訪問」してもらっています。

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画像出典:WTOP.com

この活動はかなり特殊な例かもしれません。しかし形は違えど、VRコンテンツを通じて感情を動かす旅をオーディエンスに体験してもらう方法はないか、考えてみてください。

「感情を動かす」といっても、必ずしも感傷的なものでなくてもかまいません。オーディエンスが最も情熱を寄せる対象は何かを考え、そうした面に応えるコンテンツを用意しましょう。

たとえば、アフィリエイトサイトとして運営している旅行ブログであれば、旅行パッケージに申し込むことでオーディエンスが感じられる唯一無二の体験を売り込むのが目標です。VRの没入感を生かせば、リオデジャネイロのビーチにも、ロンドンの大観覧車のてっぺんにも、瞬時にしてオーディエンスを簡単にいざなうことができます。

あるいは、テレビ番組「MythBusters(怪しい伝説)」の例にならって、サメだらけの海の底にある沈没船への潜水を主観視点で体験できるようなコンテンツも考えられます。

サメの中を泳ぐというのは、何にも増して人々の感情をかき立てるはずです。

今いる場所を生かす

VRの世界に入り込んだオーディエンスに初めての体験を提供したいのなら、楽しい場所がふさわしいはずです。

そこで、よく知っている場所として、自社の所在地の街をめぐるバーチャルツアーを用意して、特別なイベントや名所に連れて行ってみてはどうでしょう。たとえば、その街で有名なカルチャーイベントが開かれている時期なら、そちらを案内するのも手です。

外部のコンテンツを利用する

コンテンツマーケティングの中でも特に過小評価されていて、あまり話題に上らないのが、ユーザーのコミュニティを育むという側面です。ユーザーの中には、自らコンテンツを提供してくれる人も大勢います。

Facebook Spaces、Periscope、YouTubeなどの機能を利用すれば、ユーザーが制作したVR動画を自社のウェブサイトに取り入れるのも簡単です。

ソーシャルメディア、Eメールマーケティングキャンペーン、サイト上のCTA(Call-To-Action)などのチャネルを通じて、ユーザーに接触してみてください。

コンテンツ制作としてVRをどう取り入れるか

今すぐに、コンテンツ戦略を全面的に新しくして、VRを取り入れた方がよいのでしょうか。ほとんどのブランドにとって、答えはノーです。

しかし、この2017年は、少なくともVRの存在を認め、実験を始めるべきタイミングです。VRを使うパターンと使わないパターンのコンテンツを制作し、A/Bテストでユーザーの反応を調べてみてください。

サイト全体をVR化するのではなく、個別の記事やページにVRを取り入れてみたうえで、適切に拡大していけばよいでしょう。

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トピック: コンテンツマーケティング ビデオマーケティング

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