HubSpotが設立された頃のマーケティング業界はまだ、過剰なアウトバウンド手法が主流の時代でした。

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業務の妨げとなる一方的な広告、迷惑メール、コールドコールがあふれていた2000年代前半に戻りたいと思う人はいないでしょう。

当時はリターゲティング広告が登場する前なので、何の興味も湧かない製品の広告が繰り返し表示されても我慢するしかありませんでした。

幸いにも、その後マーケティングを取り巻く環境は大きく変化しました。

今日の企業は、インバウンド戦略の一環として、オーディエンスのニーズに直接訴えかける魅力的な広告キャンペーンを展開できるようになりました。カスタマージャーニーに基づく広告運用(英語)の概念が広く普及し、カスタマージャーニーの各ステージに合わせたコンテンツのカスタマイズも可能になりました。

ターゲティングも洗練された結果、煩わしい広告は減り、役立つ情報が増えました。あまりにも洗練されたため、InstagramフィードやYouTube動画には上質な広告が表示されて当然だと受け止められているほどです。

そして実際に、広告での提案が非常に効果的な場合もあります。「あの広告の新しいランニングウォッチ、必要だと思っていなかったけど欲しくなってきた」といったことも起こるのです。依然として不適切な広告運用や工夫のないマーケティングも見られますが、業界にこのような進歩がもたらされたという事実を認識しておくことは大切です。

一方で、広告機能と共にデジタル環境も進化した今、マーケティング担当者は新たな課題に直面しています。

ノイズに埋もれずメッセージを届ける難しさ

オンライン上の選択肢はこれまでにないほどの広がりを見せ、以前は役立っていた情報の多くが今ではノイズと化しています。1日に表示される新作ファッションの広告は2件から22件になり、テイクアウトできる近くの飲食店の数も3軒から30軒にまで増えました。

2020年は、COVID-19の影響でこの傾向がさらに顕著になりました。活動の場をオンラインに移す企業がますます増え、消費者の関心を引こうとする熾烈な競争が繰り広げられています。このようにノイズが増えたことで、消費者を振り向かせることは一層難しくなり、顧客を獲得するための広告単価も高騰しています。そして、マーケティング部門もこの状況への対応に苦慮しています。

マーケティング担当者はこうした新たな課題に対処するための新しいアプローチを求めています。消費者が望む購入方法に合わせて広告の方法を変えることができなければならないからです。

今や、カスタマージャーニーが規則的な流れで進むことはほとんどありません。消費者は購入までの過程で、ノートパソコンやスマートフォンを利用し、ソーシャルメディアやウェブサイト、あるいはインフルエンサーを通じて企業とやり取りを行います。しかも、カスタマージャーニーのあらゆるステージで一貫した体験を求めています。

今日、企業がオンライン上のノイズに埋もれずに広告を展開し、消費者とのあらゆる接点で一貫した体験を提供するには、ターゲットとの関連性が高いコンテンツと掲載先を選択するしかありません。

消費者の関心を引き、信頼関係を構築して、カスタマージャーニーの次のステージに導くためには関連性の高いメッセージングが不可欠なのです。そのための第一歩は、オーディエンスが訪れる場所に広告を掲載することです。現在、全世界で40億人以上が在宅勤務(テレワーク)を行っており、消費者の購買行動やコンテンツの利用動向は急速に変化しています。

Nielsenの調査データによると、自宅にいる時間が増えたことで、米国ではコンテンツの利用量が60%増加し、米国人は現在1日12時間近くをコンテンツの視聴に費やしています。つまりオーディエンスが注目しているウェブサイトやサービスを把握することは、どのようなメッセージングが共感を呼ぶかを理解することと同じくらい重要です。

ターゲットオーディエンスが集まる場所を把握したら、次は広告コンテンツを作成します。この広告コンテンツは、オーディエンスのニーズに対応し、カスタマージャーニーの各ステージに合わせてカスタマイズする必要があります。

例えばターゲットが「Attract(惹きつける)」ステージにいる場合は、ブランド名と基本的なバリュープロポジション(提供価値)を認知してもらえる広告の方が、新機能を具体的に紹介するニッチな広告よりもはるかに効果的でしょう。ニッチな広告は、各社の製品機能を比較検討している購入間近のオーディエンスにふさわしいと考えられます。

しかし、消費者に寄り添い、共感を呼ぶ魅力的な広告コンテンツを配信することは容易ではありません。その原因として考えられるのは組織のマーケティング活動、ウェブサイト運営、営業活動に一貫性がなく、相互に連携が取れていないという問題です。

この3つの取り組みの連携が不十分な場合は、ターゲットが集まっている場所やカスタマージャーニーにおける進捗をマーケティング担当者が把握することは非常に困難になります。その結果、関連性の高いメッセージの配信がほぼ不可能になり、冒頭に述べたような旧来のアウトバウンド手法に陥るしかなくなるのです。

2021年に広告を効果的に配信するための秘訣は、マーケティング担当者が自由にデータを活用して、きわめて関連性の高いメッセージングを行い、一貫した購入体験を創出することにあります。

HubSpotでは、これを「CRMを活用した広告運用(CRM-Powered Advertising)」と呼んでいます。

広告運用にCRMを活用すると何ができるのか

広告運用にCRMを活用することで、マーケティング担当者は主に次の3つの方法で、ターゲットに寄り添った魅力的な広告を作成できるようになります。

  1. 最新の顧客データを利用することで、オーディエンスの好みや購入意思を把握できます。
  2. 包括的な顧客データに基づく信頼性の高いレポートを参照することにより、効果のあった広告と効果のなかった広告を特定できます。
  3. リアルタイムのCRMデータに基づいた広告運用の自動化を通じて、カスタマージャーニーの次のステージに進んだプロスペクトに引き続き関連性の高い広告を配信できます。
データに基づく広告運用

具体的な例で考えてみましょう。

B2B企業で需要創出を担当しているとします。業界内の競争が激化しており、広告から獲得する有望なリードの数は月を追うごとに減少しています。そのため、ターゲットを絞ってパーソナライズしたアプローチが必要だと考え、CRMを活用した広告運用に着手することにしました。

まずは、カスタマージャーニーの各ステージに適したキャンペーンを作成します。例えば「Attract」ステージ向けの広告なら、CRMデータを駆使して最も満足度の高い顧客の類似オーディエンスを作成し、これをターゲットオーディエンスとして設定します。そして、バリュープロポジションの中でも特に差別化要因となる自社のセキュリティー機能を強調した広告を作成します。

ターゲットオーディエンスは最も満足度の高い顧客の特徴を反映しているため、クリックスルー率が向上し、カスタマージャーニーの次のステージに進みます。このステージで、eBookをダウンロードして製品やサービスの詳細を確認できます。ダウンロードフォームにカスタムフィールドを実装できるCRMソフトウェアを使用している場合は、ターゲットの好みについて詳しいデータを入手し、理解を深めることができます。

獲得した新規リードは営業チームに自動的に引き渡せるようにキャンペーンを設定してあります。一元的なCRM環境を営業チームと共有していれば、ターゲットがカスタマージャーニーの「デモ」ステージに進んだことを確認できます。

さらにCRMデータを活用して、ターゲットのライフサイクルステージを配信ネットワークに同期すると、カスタマージャーニーの次のステージに合わせた新しい広告が自動配信されます。満足度の高い顧客からのソーシャルプルーフ(社会的な評価を裏付けとした安心感)など、関連性の高いメッセージを届けることで、購入の判断を下そうとしているターゲットの具体的な悩みの解決につなげることができます。

取引が成立したら、アトリビューションレポートを使用することで、広告由来の新規顧客を正確に把握し、CRMを活用した広告戦略が貢献した取引の件数を経営会議で報告することもできます。

CRMを活用した広告運用を始めるには?

HubSpot Marketing Hubは、マーケティング担当者がCRMを活用した広告キャンペーンを開始し、ターゲットが広告を初めて目にしてから顧客化するまでの間、そしてそれ以降も一貫した顧客体験を届けることを目的として設計されています。

広告効果測定ツールでは、オーディエンスの詳細なセグメンテーション、カスタマージャーニーのステージ別の最適な広告配信、すべてのキャンペーンの成果測定といった作業を、詳細なCRMデータに基づいて実施することができます。

関連性の低い不快なコンテンツが画面を埋め尽くしていた時代と比べれば、広告は劇的な進化を遂げたと言えます。この新しい時代には、あらゆる接点で消費者に寄り添ったメッセージングを行い、オンライン上のノイズが増えても埋もれることのない新たな広告運用の手法を見い出すことが求められています。

CRMを活用した広告戦略はこのような課題を念頭に置いて開発されたCRMプラットフォームで実現することが可能です。マーケティング担当者は顧客のニーズを詳しく把握すると共に、その情報を駆使してカスタマージャーニーのステージごとに、プロスペクトとの信頼関係の構築につながる魅力的なコンテンツを提供できるようになります。

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元記事発行日: 2021年1月14日、最終更新日: 2021年1月14日

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