昨今、在宅勤務を導入した多くの企業が、今まで対面で行なっていた業務を遠隔でもスムーズに行うために試行錯誤されていると思います。これを機に、日本社会の働き方が大きく変わっていくだろうと言う言葉もよく耳にするようになりました。一方、「営業だけは、オンラインで完結させるのは不可能だ」と言う声もよく聞きます。対面でのコミュニケーションを営業活動の主軸としている企業の場合、在宅勤務に切り替えるのはそう簡単ではないと思います。

実はHubSpotでは、基本的にすべての商談をオンラインで行っています。今回は、HubSpot営業担当の橋本 太一(はしもと たいち)さんと佐藤 誉也(さとう もとや)さんにインタビューを実施しました。前職でオフライン営業を経験してきたお二人に、オンライン営業のメリット・デメリットや、うまくいくために工夫しているポイントを聞いてみました。

 

100%対面営業から、100%オンライン営業へ

まず、お二人の前職での仕事内容を教えて下さい。

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HubSpot 営業担当 橋本 太一

太一 :
前職は、日系のEC系の会社に新卒で入社し、個人事業主や小規模な小売ビジネスの企業様中心に、出店の提案を行っていました。現在はHubSpotで代理店営業を担当しています。前職は新卒で入社した会社で、仕事は順風満帆で、ある程度自分が入社時に達成したいと思っていた目標も達成し、次のステージを考えるようになったタイミングで転職も視野に入れるようになりました。自分で自分の営業戦略を立てて、数字の責任を負ってと言う外資系のビジネスマンに憧れました。たまたま前職の上司がHubSpotという外資系の会社に転職をしたと言うのを知っていたので、元上司に話を聞いてみることにしてみました。

HubSpotの面接では、多くの学びを得ましたね。最終面接はアジア領域を統括している本社の人間と話したのですが、その時に「Why sales?」と聞かれてハッとしました。今までそこそこのレベルの大学に行き、名の通った会社に新卒入社して、たまたま配属された先が営業だっただけなので、パッと答えられなかったんです。自分はなぜ営業を続けているのか、改めて考える機会をもらえました。今は、「自分が得意としているスキルを活かして、お客様と向き合える職種だから」とはっきり言えます。motoya01

HubSpot 営業担当 佐藤 誉也

誉也:
僕は、日系の機械系の会社に新卒で入社して、工場や製造現場に直接出向いて営業活動を行っていました。現在はHubSpotで直販営業を担当しています。HubSpotに入社したのは、自分の時間をもう少し確保して事業の立ち上げをしてみたいと思ったからです。前職では多くの事を学ぶことができ、個人の業績も順調で、会社や業務に対しての不満は特にありませんでした。ただ、早朝に出て夜遅くに帰ってきて、ふと自身の人生を振り返った時に、もっと自分の時間が欲しいなと感じたんです。

HubSpotに入社して初めてオンライン営業を経験して、難しさを実感して苦労しましたが、今ではだいぶ自分の時間も取れるようになりました。改めて、入社してよかったと思っています。HubSpotでは副職も認められているので、もう少し安定して順調に業務をこなせるようになったら自分のビジネスも始めたいですね。

ー お二人とも、前職での営業スタイルは基本的に対面だったんですよね。

太一:
そうなんです。最初の2年くらいは100%対面営業を行っていました。どんな些細な事でも、必ずお客様先に伺うよう心がけていました。社内でもそれが当たり前でしたし、それ以外の営業手法は想像できなかったですね。考え方が変わったのは3年目を迎え、後輩のメンターにアサインされた頃です。僕の営業手法を後輩に見せるため、大して用もないのにお客様先にわざわざ行くことに疑問を感じたんです。もっと効率的な教え方があるだろうと思い、電話やオンライン会議でのコミュニケーションを導入して、徐々に割合を増やしていきました。HubSpotに入社する直前は、対面営業とオンライン営業の比率は50%くらいになっていましたね。

誉也:
僕も、前職は100%対面営業でした。朝7:00には勤務開始し、車で一日7〜8件はお客様を訪問していました。15分で終わるような用事でも必ずお客様と直接お話しして、また次のアポに向かって、と言う毎日を送っていました。お客様は工場の現場監督や工場長が多く、現場に行った方が早かったんですよね。さすがに飛び込み営業は効率が悪いので事前のアポ取りは必ず行っていましたが、電話やオンラインで話をするなんて全く想像もできない環境でした。

 

対面営業とオンライン営業を経験して感じた両者のメリット・デメリット

誉也:
売っている製品やサービスによっては、オンライン営業が合わない場合があるかもしれないですね。例えば、HubSpotに入社してからはオンライン営業に完全シフトできましたが、前職でも同じように100%オンラインで実施するのは正直難しいと思っています。お客様の多くは工場の現場を離れられない方々が多く、お電話やオンライン会議での商談は考えられない。製品の提案をするにしても、現場で何が起きていて、どんな物がどうして必要かという事を自分で見ないと提案できなかったので、現場に出向くこと自体が大切でした。

太一:
僕の場合はECプラットフォームを提供していたので、どうしてもお客様先に行って現場を見なければ、ということはありませんでした。ただ、これまでテクノロジーとは疎遠だった、個人商店の店主の方などもお客様の対象となるため、その場合は実際に対面営業の方が効果的だと思います。営業中はお店を離れられないから電話やオンラインでは話せないなどと断られてしまう場合もありますので、あえてアポなしで「少し顔を出す」みたいなこともやってきました。お客様にサービスの価値を提案するというよりは、関係性構築を重視した「エモい営業」をやっていましたが、本当にお客様のためになっているのかなと疑問に思う瞬間も少なくなかった。そこから、先程お話ししたように、後輩のメンターになったタイミングでさらに訪問に対する疑問が湧いてきて、少しずつオンライン営業を取り入れていきましたね。

誉也:
対面営業って、移動時間を考えるとどうしても時間効率は悪くなる。オンライン営業になってから改めて感じましたね。1日7~8件回ろうとすると、朝7:00から22:00までフル稼働する必要があります。お客様とお話しして、車で次の訪問先に移動して、またお話ししてとやっていると帰宅する頃にはヘトヘトになっていました。自分の時間もほとんどとれなくてそれが転職を考えるきっかけにもなりました。一方で、オンライン営業になって、対面営業の良さを改めて実感できました。対面営業だった時は、お客様の表情や仕草などを読み取って温度感を探ってトークを変えたりしていたのですが、オンラインだと全くそれが通用しないのです。「このお客様聞いているのかな」「理解しているのかな」という事すら読み取れない。最初の頃はそれに慣れなくてとても苦労しました。

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太一: 
誉也が言っている通り、対面営業の良さは私もあると思っています。今までそこまで意識したことがなかった、日本文化特有の名刺交換や会議室の席順(上座・下座)などがどれだけ重要だったかという事を、オンライン営業に完全移行して改めて認識しました。対面営業では、名刺交換を挟むことで自然にコミュニケーションを始められたのですが、オンラインだとない。会議室の席順で理解する立場や同席者の関係性などもオンラインではよくわからない。前職にいた頃はそのような慣習の重要性なんて意識したこともなかったのですが、少なくとも日本でビジネスを行う際はとても重要なことだったのだなと実感しましたね。

 

非対面でも円滑にコミュニケーションするためのコツ

ー オンライン営業をスムーズに進めるために工夫していることはなんですか?

誉也: 
私が工夫した点としては、一つ一つの質問やこちらからのご説明に対して、「ここまでで何かご質問はございますか?」「ここまでは大丈夫ですか?」とこまめに確認を入れるようにしました。またヒヤリングチェックリストを淡々とチェックしていくのみならず、お客様の理解度を把握したうえで、詳細に説明するべき部分や個々のお客様のニーズに合わせた情報を瞬時に判断してご提供するなど、付加価値をつけることも心がけています。

HubSpotに入社した当初はオンラインでお客様との関係を完結させる方法がわからず、とても苦労しました。毎日お客様により良い提案をする為のヒヤリングチェックリストと睨めっこし、ロボットのようにそのチェックリストを淡々と聞いていくと言う事をやっていて、お客様に何の付加価値も提供できていないと悩みましたね。お客様の温度感を読み取ることもできないので、本当に理解していただけているのか、どう感じていらっしゃるのか全く理解できなかったです。そこから自分なりに工夫して、先ほどお話した内容を実践するようになると、すごくスムーズにコミュニケーションが取れるようになりましたね。

太一:
確かにオンライン営業って、オフラインよりもコミュニケーションが取りにくくなりがちだいと思います。先ほどお話ししたように、オンライン営業では名刺交換はないし、席順による関係性も把握できない。HubSpotの場合、お客様の課題感やご予算などをヒアリングしたうえで商談に臨むため、最低限の情報は確認できています。

ただ、そこからさらに深掘りしていく際には、お客様に安心感と信頼感を持っていただかないとなかなか話が前に進みません。そこで僕が大切にしているのがアイスブレイクです。多くのお客様はオンラインでの商談に慣れていないので、多少緊張感があります。それを緩和するために、時事ネタ等を交えた雑談から始めるようにしています。例えば、Zoomにご興味をお持ちになったお客様には、基本的な使い方やHubSpotとの連携の話から入ったりします。ただ、日本での商談だと対面の方が関係構築しやすいのは否めないですね。オンラインでもより円滑に話を進められるよう試行錯誤を続けています。

ー HubSpot Japanでは2月後半から在宅勤務に完全移行していますが、オフィス勤務との違いはありますか?

太一: 
もともと週2〜3回くらいの頻度で在宅勤務をしていたので、あまり変化は感じていませんね。在宅勤務のメリットとデメリットに関しては、個人的にはメリットしかないと思っています。出勤しないだけで時間効率がものすごく良いですからね。ただ、在宅勤務が長期化している今、チームビルディングの観点からはデメリットも見えてきています。

オフィスに出社していれば見えていた全体像が見えなくなったり、部署間やチーム間のコラボレーションが圧倒的に減ってきている気がします。雑談がないのが大きいと個人的には思っています。何か話したいトピックがある場合はミーティングを設定し、アジェンダに沿って淡々と会話するだけになっていて、雑談から出てくる本音やちょっとした情報などがない。僕以外にも多くの人がそのデメリットを感じているので、会社としてバーチャルランチやバーチャル飲み会などを開催したり、Slackで頻繁に会話するよう心がけたり、マネージャーが一日中zoomをonにしていつでも話せるようにしていたりといろいろ工夫しています。

motoya02誉也: 
僕の場合、雑談は大切だなと思うこともありますが、集中して提案書を作成したい時は在宅勤務の方が生産性を高められると感じています。僕は太一とは違って、在宅勤務が必須になる前はほぼ毎日出勤していました。これを機に、集中したい業務がある日には在宅勤務を取り入れるなどもっと勤務形態を柔軟にしても良いかなと思いました。

ー お二人ともありがとうございました!

 


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元記事発行日: 2020年5月20日、最終更新日: 2020年5月27日