Gmailがレスポンシブデザインのサポートをスタート。メルマガ配信への影響は?

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戸栗 頌平(とぐり しょうへい)
戸栗 頌平(とぐり しょうへい)

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モバイルデバイスを使用してウェブサイトを見る人は、以前よりも明らかに増加しています。Hitwiseが行った最近の調査では、アメリカ人によるオンライン検索のほぼ60%が、モバイルを使用して行われており、また米国ボストンの本社を置きEメールの分析や最適化のサービスを展開するLitmus社によれば、2016年4月の時点でEメールの56%がモバイルデバイスで開封されているとのことです。

これほど多くの潜在顧客がEメールをモバイルで使用するのですから、マーケターはEメールをデスクトップコンピューターだけでなく、タブレットやスマートフォンにも最適化して送信することが非常に重要です。Googleはありがたいことに、GmailがレスポンシブデザインによるEメール作成のサポートを開始すると、2016年9月にアナウンスし、実装されました。

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この記事では、この発表についてマーケターが知っておくべき情報をいくつかご説明したいと思います。

Gmailがレスポンシブデザイン対応で何が変わったのか?

2016年9月まで、多くのEメールマーケターが、Eメールを手動でモバイルに最適化すること、すなわち画像のサイズや縦横比、リンク、CTA(Call-To-Action)などを自分で変更することを余儀なくされていました(HubSpotのユーザーの方は、デフォルトでEメールが自動的にレスポンシブデザインによって最適化されるので心配無用です)。これは作業時間だけを考えても非常に大変な作業です。

しかしGoogleによって、GmailとInbox by Gmailの両方で、レスポンシブデザインを取り入れたEメールの作成が可能になると発表されました!これは、Eメールマーケティングを行うマーケターにとっては朗報中の朗報です。つまり、Eメールのコンテンツがすべてのスクリーンのサイズに合わせてダイナミックに調整され、最適なデザインで自動的に表示されるのです。

Eメールがモバイルに最適化されるのとされないのとでは、受信者の側にどのような違いがあるのでしょうか。Eメールがモバイルでの使用に最適化されていないと、コンテンツの表示が崩れる場合があるうえ、画面を拡大・縮小しなければメッセージを読んだり、リンクをクリックしたりできないなど非常に不便です。一方、Eメールがモバイルデバイスに最適化されていれば、画像やリンクが自動で調整されるため、スマートフォンやタブレットでも楽に読むことができます。

Adobeの調査によれば、モバイルのサイトで画像の読み込みに時間がかかり過ぎると思ったらページを移動すると回答した人が39%、また、サイトのレイアウトが気に入らないと感じたらページを移動すると回答した人が38%もいるそうです。

この結果からも、レスポンシブデザインがどれほど重要かが理解できると思います。

この違いをGoogleが示すために作成したGIFをご覧ください。

responsive.gif

ウェブサイトの開発に興味のある方のために説明しますと、Googleはこれを可能にするために、CSSメディアクエリーを採用しています。

HubSpotでプロダクト マーケティング マネージャーを務めるJeffrey Vocellによると、メディアクエリーと呼ばれるコーディングフィルターを使用してウェブサイトやEメールを作成することにより、Eメールやウェブサイトを読み込んでいるデバイスの種類に応じてコンテンツのスタイルを簡単に変更できるため、受信者がどのデバイスを使っていても、画面を必ず送信者が意図したとおりに表示できるそうです。

メルマガ配信を行うマーケターへの影響は?

HubSpotのデマンド ジェネレーション マーケティング マネージャーであるNick Barrassoに、このアナウンスについてどう考えるかと尋ねたところ、彼は次のように答えました。

「Googleがやっとレスポンシブデザインに対応したと思いました。Eメールの購読にモバイルデバイスを利用する人がいつ激減しないとも限りません。ですから、今回の対応は嬉しいと同時に、かなり待たされたとも感じました。」

このGmailによるアナウンスが、マーケターにとってこれほど重要である理由について、次のようにまとめました。

  1. Gmail利用者数Gmailのユーザーは世界中に10億人います。そして、Gmailユーザーの75%が、自分のアカウントにモバイルデバイスでアクセスしています。そのため、Eメールマーケターには、モバイルに最適化されたEメールを何百万という潜在顧客をターゲットに送信できるという計り知れないチャンスが、今回の変更によって転がり込むことになります。

  2. ユーザーエクスペリエンスの向上:BlueHornetの調査によると、消費者の42%が、モバイルデバイスで正しく表示されないEメールは削除すると回答したそうです。今回の変更によって受信者のエクスペリエンスが向上し、何割かのメッセージはおそらく削除を免れるでしょう。

  3. アクセシビリティの向上:LitmusのコンテンツデザイナーであるKevin Mandevilleは、「キャンペーンを成功させるためにはEメールのアクセシビリティが非常に重要」と述べています。Gmailがサポートを開始したCSSメディアクエリーには、ボタンを大きく表示してタップしやすくしたり、画像のサイズを自動で変更したりする機能もあります。また、GmailはCSSによる画面読み上げの設定もサポートする予定ですので、受信者がEメールを楽に聞くこともできるようになります。

  4. Eメールデザインの効率化:Eメールマーケターやデザイナーは、CSSのインライン化やテンプレートを使用する、あるいは手動でサイズやプロパティを調節するなどの、モバイルへの最適化に伴う苦労からすべて解放されます。CSSメディアクエリーによって手間がかなり軽減され、レスポンシブデザインを設定するだけで済みます。
  5. Gmailはインフルエンサーである:世界最大のEメールプロバイダーがレスポンシブデザインのサポートを始めたことで、競合する他のサービスもこれに追随すると思われます。

2018年中には、世界中のEメールユーザーの80%以上がモバイルデバイスでEメールを読むと予想されています。このことと、Gmailがユーザーエクスペリエンスの向上やEメールマーケティングの拡張に向けて次のステップに進んだこととのあいだには、少なからず関係があると考えます。

モバイルに最適化されたEメールをいとも簡単に作成できるようになりましたので、これを機会に、モバイルユーザーを虜にするクリエイティブなEメールを作成するために、ブレインストーミングを始めてみてはいかがでしょうか。

Gmailによるこのアナウンスをどう思いますか? Eメールのモバイルへの最適化をどのように進めるべきだと思いますか?下のコメント欄でご意見をお聞かせください。

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編集メモ:この記事は、2016年9月に投稿した内容に加筆・訂正したものです。Sophia Bernazzaniによる元の記事はこちらからご覧いただけます。

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