多くの営業担当者が似たり寄ったりの営業トレーニングを受け、同じ営業手法を勉強させられ、案件進捗の可能性を見極めるために以下の点に着目することが一般的でした。

  • 上役の意思決定者が関与しているか
  • 決裁権者であるかどうか
  • コンセンサスが取れているかどうか
  • 予算承認済みかどうか
  • ニーズが明確に規定されているかどうか

しかしながら、現在の顧客は、営業担当者に接触する前から、自ら情報収集を積極的に行い、自ら購買準備を進めるため、今まで通用していた営業手法は通じづらくなりました。

そのようなリードは「需要が確定している」からです。つまり、必要な製品やサービスが明確にわかっているだけでなく、どのくらいの予算が必要かということまで把握しているのです。

決定事項が多いほど、こちらから提案できることは少なくなり、価格面くらいしか交渉の余地がありません。確かに受注の可能性は高いですが、大型取引を獲得できる可能性はきわめて低くなります。言わば、営業チームはリードの御用聞きになってしまうのです。

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営業チャンスを効果的に見極める別の方法はないのでしょうか?

真の意味で有望なリードを見極める方法

この件について、米国の人事関連アドバイザリー会社であるCEB(現Gartner)に詳しい調査を依頼した結果、驚くべきことが明らかになりました。全世界の数千人の営業担当者を調査したところ、トップクラスの成果を上げている担当者は、営業チャンスを見極め、優先すべきリードを見つける際に1つの特性を重視していることがわかりました。それは、企業の内部に、ある種の変化が生じつつあるかどうか、ということです。

なぜ、変化が重要なのでしょうか。その理由は2つあります。

1.これまでにない新しい需要の発生

営業部門の管理者は、リードの意向を自分たちサプライヤーの都合に合うように誘導するために、「早めにアプローチする」必要性を説いていますが、具体的にどの段階でどのようにアプローチすればよいかわかっている人はほとんどいません。

一方、優秀な営業担当者はその方法を知っています。リードが最終決定の段階に近付いていることを示す「予算の承認」や「明確なニーズ」などの指標ではなく、購入の可能性を先行的に表す指標として、「企業の変化」に注目します。

その変化によって、企業がこれまでと異なるアクションを起こす可能性が高まり、それに伴って何らかの製品やサービスを購入する必要性も高まります。変化は、新しい需要の発生を察知する「炭鉱のカナリア」です。変化は企業の現状を打破する契機となるため、新しい購入プロセスが始まる最初の兆候と言えます。

2.行動意欲がアップ

また、優秀な営業担当者は、最終的に変化を提供するのが営業であることを直感的に理解しているため、変化しつつあるリードに自然と注目する傾向にあります。実際、それが営業の秘訣です。

どのような形であれ、営業担当者が売るのは「変化」です。何らかの変化が生じつつある企業では、既に、皆さんが販売する商品やサービスを購入する可能性が高まっていると言えるでしょう。

変化しつつある企業の特定

では、変化しつつある企業はどのような特徴を持ち、どのようにすれば判別できるのでしょうか。この方法がわかれば、簡単に特定することができます。企業に変化をもたらす原因は、一般的に、内部要因と外部要因の2つに分類できます。

変化をもたらす内部要因

こうした企業の特徴として、「企業による内省(Organizational Reflection)」が実施されることがよくあります。つまり、現在の考え方、活動、プロセス、組織構造など、さまざまな点が詳細に見直されます。たとえば、以下の点について精査されます。

  • 業績不振
  • 最近実施された企業合併、企業買収、企業売却
  • 戦略的方向性の大幅な変更
  • 幹部の離職
  • 現在のプロセス、ツール、データ、システム、回避策などに対して広がっている不満

変化をもたらす外部要因

一般的に、変化をもたらす外部要因とは、同時に多数の企業に影響を及ぼすものです。その要因に対して、真っ先に行動を起こした企業がトップを走り、多くの企業が急いでその後を追いかけ、消極的な企業は大幅に後れを取ることになります。外部要因には、以下のものが挙げられます。

  • 規制改革による変化(例:規制改革が金融サービス企業にもたらす影響)
  • 法律の制定による変化(例:医療制度改革が医療産業全体にもたらす影響)
  • テクノロジーの変化(例:クラウドベースコンピューティング、ブロックチェーン、モバイルテクノロジー)
  • ミクロ経済的なトレンドの変化(例:サブスクリプション方式のサービスへの移行)
  • マクロ経済的なトレンドの変化(例:世界経済の中心地の移動)

優秀な営業担当者にとって、外部要因による変化は、企業がその変化に対応するときに発生する需要を予測し、それに合わせた営業を実施する絶好の機会です。

ただし、その要因が何であれ、優秀な営業担当者は変化を単に営業の契機にするだけでなく、購入プロセスを開始するためのメカニズムとして利用しています。変化には、企業の硬直化を打ち破る力があり、結果として、新しい商品やサービスの購入につながるのです。

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元記事発行日: 2018/09/28 21:00:00, 最終更新日: