企業のウェブサイトにボットを導入すべき理由とは何でしょうか? ボットは、SF映画に出てくるような未来的な技術というわけではありません。また、マーケティングやカスタマーサービスのためだけのものでもありません。チャットボット戦略の導入による恩恵を受けるのは、営業担当者です。ボットはリードの維持率やデモの依頼件数を向上させ、パイプラインの健全性を高める効果があります。

マーケティング活動の実績のレポートやマーケティングオートメーションのためのプラットフォームを提供している米国の企業AdStageでシニア アカウント エグゼクティブを務めていたJack Matsen氏(2019年5月現在はMovable Ink在籍)によると、チャットボットを導入した結果、デモの予約件数が半年で38%増加したそうです。

Matsen氏は次のように説明しています。「ボットが情報を収集してくれるので、新しい営業先と直接会う前に、ソリューションの候補を考えておくことができます。ボットから得られた情報を元に適切で有意義なコミュニケーションを行うことができるのです」

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チャットボットは獲得するリードの数と質の向上に役立ちます。リードの絞り込みやミーティングのアポ取りといった定型的なやり取りをボットに置き換えることで、営業チームは人間にしかできない重要なコミュニケーションに全力を注げるようになります。

リード用ボットを導入するには

リード用ボットを導入するタイミングを見極める

リード用ボットはあらゆる営業担当者の役に立ちますが、特に有効なのは小規模なチームや立ち上げから間もない営業チームです。ボットを利用すれば、担当者を追加で採用するよりもはるかに低いコストで営業活動の人手を増やせるので、最低限の営業担当者で会社の規模を大きくすることができます。

ボットはビジネスの拡大に役立つだけではありません。ボットを活用すると、デモや取引成約につながるチャンスが大きい質の高いコミュニケーションに営業チームが集中して取り組めるようになります。

営業チームの人数が少ない場合や効率性を重視する場合は、リード用ボットを導入してコンバージョンの見込みの小さい定型のEメールやコールドコールに担当者が費やす時間を減らすのも1つの手です。

間違っても、ボットがリードの邪魔にならないように注意しましょう。ボットを導入する目的は、ウェブサイトの訪問者とすばやく良好なつながりを築くことです。ボットをフル活用するためには、サイトにアクセスしたリードに効果的に働きかけ、価値を提供できるようにしておかなければなりません。

適切な訪問者に対して適切なメッセージを発信する

自社のウェブサイトにどのような人がアクセスしているかを確認し、だれに対してメッセージを発信するべきかを把握しておきましょう。こうした情報をまだ入手していなければ、マーケティングチームと相談しましょう。

ウェブサイトの訪問者の特徴をつかんだら、その訪問者をターゲットにして相手の役に立つようなメッセージを発信します。既存の顧客など、相手によってはメッセージを発信しない場合も考えられます。

先ほど紹介したMatsen氏の場合、ボットを使用して問い合わせにすばやく対応すると共に、潜在顧客とのコミュニケーションの質の向上も図っています。

Matsen氏は次のように述べています。「これまでとは比較にならないほど、消費者の動きがスピードアップしています。問い合わせがあってからリードが次の行動へ移る前に連絡しようとする場合、営業担当者に与えられた猶予は1時間しかありません。商談へ進展しそうな潜在顧客にタイミングよく働きかけるうえで、ボットはきわめて有効な手段です」

ボットを表示するページを選択する

ボットは、製品を購入する意思の強い訪問者が閲覧するページ(価格ページ、機能説明ページ、デモの予約ページなど)に設置しましょう。このようなページにアクセスしている訪問者は、製品やサービスの情報を集めようとしているリードの可能性が濃厚です。

一方、ブログページにボットを設置し、デモの予約を促した場合、一般の読者や既存の顧客に悪い印象を与えることになってしまいます。

Matsen氏はリード用ボットを自社の製品ページで使用しており、次のように説明しています。「営業担当者が買い手と会って話せるのは、意思決定プロセスの後半になってからであり、それまでの間、潜在顧客は自分で情報収集をしています。特定の製品ページを長時間にわたって閲覧している訪問者がいたとして、ボットがあれば、買い手が質問したいと思った瞬間にコミュニケーションを開始できます」

インターネット時代の今、従来型の「営業」は時代遅れになりつつあると思われがちです。ボットを活用することで、製品の情報収集をしている潜在顧客に「営業」を感じさせずに近づき、最初の時点から強い味方となることができます。

営業活動の対象としてふさわしいリードの条件を確認する

リード用ボットを導入する前に、自社の営業活動の対象としてふさわしいリードの条件を再度確認しておきましょう。その後、マーケティングチームと協力して営業活動の対象者を見極め、適切なメッセージを送信します。リードの見極めを行う際は、次の点を確認します。

  • 所在地が自社の販売地域内にあるか
  • 自社の販売対象の業界に所属しているか
  • 企業規模はどの程度か
  • 自社のバイヤーペルソナと一致しているか

また、マーケティングチームが有望と見なすリード(MQL: Marketing Qualified Lead)の定義についても、営業チームとマーケティングチームで意見を一致させておきましょう。

これはマーケティングチームから営業チームへとリードを引き渡す際に重要なポイントとなるので、用語の定義についてチーム間で合意を取ることが重要です。定義には、リードが自社のターゲットと一致し、営業担当者とコミュニケーションを取る意欲があることを示すような特徴やアクションが含まれていなければなりません。

さらに、クローズドループマーケティングの成果を分析して得たデータに基づき、リードスコアリングなどの診断プログラムを構築することも、さまざまな営業活動の成果を評価し、リード用ボットを通じて有望なリードに働きかけるのに有効です。

Matsen氏の営業チームでは、リードの絞り込みでボットが大活躍しています。同氏は次のように述べています。「私たちは主にリードの絞り込みでボットを使用しています。これにより、営業担当者を介することなく製品の情報を潜在顧客に提供すると共に、潜在顧客が直面している課題を即座に把握することができます」

Matsen氏の営業チームでは、ボットに「本日はどのようなご用件でしょうか?」という一般的な質問をさせています。このように特定の場面に限定されない質問をすると、実にバラエティー豊かな回答が返ってきます。たとえば、「クローズドループマーケティングのレポートツール(AdStageが販売している)を探しています」という回答もあれば、「Pinterest広告の作成ツール(AdStageは販売していない)を探しています」という回答もあります。この点について、Matsen氏は次のように説明しています。「このような回答を通じてリード自身にニーズを示してもらうことで、私たちが時間や貴重なリソースを費やさずに済むようになります」

自社のブランドについて知る

ボットにはブランドのコミュニケーショントーンを反映させましょう。ここでもマーケティングチームとの協力が効果的です。ボットのトーンや言葉遣いは必ず、ブランドのトーンと一致させるようにしましょう。

ブランドのトーンがどのようなものであれ、ボットの話し方はフレンドリーで親しみやすく、ブランドの性格を反映したものにすることをお勧めします。

ボットを作成する

ボットからリードを引き継ぐ前に、絞り込みのための質問を事前にすべて済ませておけばよいと思うかもしれませんが、ボットのねらいは、潜在顧客が製品やサービスの情報を入手しやすいようにすることであって、手間を増やすことではありません。

質問事項はターゲットとするリードに最も当てはまるものだけに限定しましょう。たとえば、メッセージの対象がデモのランディングページを訪問したリードであれば、企業の規模や目標、課題に関する質問をいくつも浴びせかけてはいけません。

ボットには「デモの予約をご希望ですか?」と質問させて、カレンダーへのリンクを共有させましょう。そしてすぐに次のステップに移り、担当者に引き継いでフォローアップの質問を行うか、Eメールを送信します。

リードを適切な担当者に引き継ぐ

たとえば、製品の価格について関心のあるリードからプレミアムパッケージに関する質問を受ける場合は、そのリードをプレミアムアカウントの担当営業に引き継ぐか、営業開発の担当者に回してノルマの達成を促進するようにボットを設定します。

一方、成約の見込みが小さいと判断されたリードへの対応も忘れないようにします。自社のターゲットから外れていても、リードを困らせてはいけません。

ヒントになるような回答を表示するか、リードの転送先となる営業またはカスタマーサービスの担当者を指定し、ニーズに合うリソースを改めて紹介できるようにボットを設定しましょう。

初期段階の質問にチャットで対応した後は、有望なリードをEメールでフォローアップし、次のステップに進めます。

ボットの作成は一種のスキルです。作成とテストを繰り返しながら改良していきます。Matsen氏は、これまでボットを使用してきた経験を振り返って、次のように述べています。「チャットボットは営業担当者に無数のメリットをもたらします。その中でも特に大きいのは、時間を節約し、より多くのリードとコミュニケーションを取って、リードを適切なバイヤージャーニーへ誘導するための情報を引き出して、成約率を高めることができる点です」

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元記事発行日: 2019年5月29日、最終更新日: 2019年5月29日