株式会社コムニコ(以下、コムニコ)は、2008年に創業したSNSマーケティングのサポートを行う会社です。企業がSNSを活用するための戦略立案からFacebookページやTwitterInstagramのアカウントの運用(記事や動画制作、写真撮影など)、効果測定までワンストップで対応します。

さらに、複数の公式SNSのアカウントを管理するためのツールなどを開発。効果測定も行っています。

コムニコでは、会社創設以来続けてきた、テレアポやイベント参加などによる新規獲得の営業手法に限界を感じ、2013年からハブスポットを導入しました。

結果、オンラインでのリード獲得は月に100件以上、メールマガジンの開封率が34割(一般的な開封率は、1割程度)に上昇。自社のサービス内容を知っている人から問い合わせが来るようになり、見込み顧客獲得の手間が減りました。

顧客に愛されるマーケティング手法で、営業効率を上げたい

株式会社コムニコは、SNSマーケティングのエージェンシーとして、2つの事業を展開しています。1つ目は、ワンストップで企業のSNSマーケティングの戦略策定といった上流工程のほか、アカウント開設や運用、効果検証までを行っています。

2つ目は、プロダクト開発です。主力となっているのがSNSアカウント(FacebookTwitterInstagram)の投稿を管理し、競合との比較や効果検証などができるクラウドツール“コムニコマーケティングスイート”です。

コムニコでマーケティングチーム マネージャー(インタビュー当時)を務める本門功一郎氏(以下、本門氏)は、ハブスポット導入のきっかけを以下のように語ります。

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「私は、コムニコが創業して間もない2010年に営業として入社しました。その頃は、Web上からのお問い合わせはほとんどありませんでした。新規の案件をとるためには、アウトバウンドの営業スタイルが重要なフェーズだったと思います。

新規顧客を取りに行くとなると、知り合いの担当者の方から紹介いただくこともあれば、それこそアポイントが確定していない状態で会社訪問をすることもありましたね。“○○さん、いらっしゃいますか?”と飛び込み営業したり、業界のイベントに参加して名刺交換した方に連絡したり……。

もちろん、そういった活動でご相談をいただくこともありましたので、意味がないというわけでありません。しかし、その方法では人手も必要で、スケールさせるためには効率が悪く、既存のお客様のフォローも疎かになってしまいます。ほかの方法を探していたときに、弊社の代表取締役社長・林雅之が、インバウンド・マーケティングの考え方に出会いました。そこで私もどのようなものかを知りました。

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書籍『インバウンド・マーケティング』(ブライアン・ハリガン、ダーメッシュ・シャア著 すばる舎)に書かれている、“情報が溢れている社会の中で、一方的なコミュニケーションは効果が薄くなりつつある”という考え方に、私も共感しました。

自身の経験を振り返った時、(顧客が)居るかどうか、電話に出てくれるかどうかも分からず、相手の方にとって都合の悪いこともあるかもしれない時に、アウトバウンドなコミュニケーション活動に疑問を感じることがあったんです。本書のキーワードである、“Lovable Marketing(消費者に愛されるマーケティング)”にも、同意しました。

お客様に喜んでもらえるようなコンテンツをつくり、情報を惜しみなく提供することで、お客様から信頼を得て、好かれることが大切です。

当時は、まだ日本に浸透していないマーケティング手法でしたが、会社としてもこの考え方に共感し、ハブスポットを導入しようということになりました。」

本門氏は、ハブスポットの利用開始とともに、自社のマーケティングを担当することになります。

 "インバウンドマーケティング"の考え方に共感しました。

書籍『インバウンド・マーケティング』の内容を愚直に実行

コムニコには、ハブスポット導入と同時に、社内にマーケティング部門を設置。本門氏は、同社初のマーケティング担当者になります。 

「その頃、コムニコのマーケティング担当者は、私とメンター的についてくださった方の2人で、意見を交換したりアドバイスをいただいておりました。コムニコのオフィシャルなブログがなかったので、まずはSNSの最新情報を届けるメディア『We Love Social』を開設しました。まずは基本にならうことからはじめました。」

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(当時のコムニコのブログ「We Love Social」)

本門氏は、書籍『インバウンド・マーケティング』を読み込み、その内容を愚直に実行していったそうです。

「開設当初は、毎日ブログを書きましたが、それだけではリードが取れません。プレミアムコンテンツとして、ダウンロード用の無料eBookを用意しました。」 

ダウンロードコンテンツの制作には、本門氏の営業時代の経験が役立ちました。当時、コムニコでは、Facebookをはじめ、SNSに関するセミナー等を行っていたことから、どのようなコンテンツがお客様に喜ばれるのかわかっていたので、ダウンロードしてくれそうかどうか、という判断もある程度想像がついたそう。

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Instagramの利用の仕方を解説した無料eBook

また、お客様から頻繁に聞かれることを、ダウンロード用のコンテンツにすれば良いという発想がありました。

ブログでは、FacebookTwitter活用の他社事例を収集し、最新の情報として紹介。加えて、SNSの仕様変更情報や海外メディアに掲載された情報を翻訳・編集して、ニュース記事にしていきました。 

SEOに関して、Google AdWordsキーワードプランナーの存在は知っていましたが、特に使っていませんでした。ほかのツールを使用する前に、ハブスポットを導入したので、使い勝手などに関しての不満はありませんでした。

ハブスポットで、どのようなキーワードから自社サイトが閲覧されているのかを確認。ダッシュボードでリファラル(参照元)などをチェックしていきました。すると、記事を投稿したタイミングでは、SNSからのリファラルが多いという傾向が掴めました。

しかし、一番強いのは、SEO対策をしっかり行っているブログ。キーワードでのオーガニック検索からの流入が多く、私たちのお客様になる可能性がある人たちの多くは、検索でブログを見たり、会社情報を調べて来てくださっているということが分かりました。

ブログ記事に関しても、書き続けていくうちにどのようなキーワードの反応が良いのかが分かるようになり、取りこぼしている部分の傾向も把握できました。」

SNSからのアクセスは、記事を投稿した瞬間は増加するものの、時間経過とともに減少していきます。本門氏は、そうした事実を踏まえ、次のような対策も行っているそうです。

「最初は、SNSで反応が得られそうなタイトルで投稿して、12週間後に上位表示させたいキーワードを含むタイトルに変更していきました。弊社であれば、例えば『SNSマーケティング』や『Facebook インサイト』といったプラットフォームに関する関連の単語を含むタイトルに変えていきます。

特に、弊社が得意としているFacebookの分析方法やInstagramのビジネスプロフィールの使い方などの記事を作成したところ、Google検索でも上位に表示されるようになりました。

そのようなことが直感的に見えてきたのも、ハブスポットを使ってきたからだと思います。 

本門氏は、ブログ開設当初の2013年は12本の記事を更新することもあったのだとか。徐々に、SNSに詳しいライターに外注も行い記事数を増やしていきました。

さらに、社内でブログ運営の体制を作るために、セールス部門やクライアント向けの原稿を作成している社内のメンバーから協力を仰ぎ、1週間に1度ほどの頻度で編集会議を実施。

お客様からよく聞かれる質問を記事化したり、クライアントに説明をするときに使えるコンテンツを作ったりしていきました。本門氏ひとりだけでスタートしたマーケティング部は、現在3人に増えました。

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(安定的に増加し続ける自然検索からの流入(緑色))

「非効率的かもしれませんが、当初はキーワードをあまり意識せず、自身が気になったニュースや情報を集め、1000本ノック的に大量の原稿を作っていきました。大量の記事作りによって、良い記事、悪い記事が自分たちなりに分かるようになりました。

そこから徐々にとっていくべきキーワードを見つけていきましたね。最近は、過去の記事内のデータや情報を更新することで1コンテンツの中身を見直すこともあります。

メンバー皆で、素直に書籍『インバウンド・マーケティング』の内容に沿って基礎練習をしてきたおかげで、キーワード設定や記事の書き方の感覚を掴むことができました。」

大量に記事を作ったおかげで、
自社にとって良いコンテンツを作るための感覚が身に付きました。

オーガニック検索からの流入多数。リード数も増加

記事やコンテンツ制作に専念した結果、ハブスポットを導入してからしばらくは、なかなかナーチャリング(見込み客の育成)ができていなかったと語ります。

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「以前は、Facebookに広告を入れていたのですが、2015年、16年ぐらいからブログ経由でたくさんのリードが取れるようになりました。が、すぐアポイントに繋がったり、提案を行ったりできるようなケースは、簡単なことではありませんでした。

2017年度から、リードになった人たち向けにメルマガをきちんと送ることにしました。メルマガの内容は、公開済みの記事をダイジェストにしたものに加えて、近々実施予定のセミナーを優先的に案内する他、新規サービスのリリース情報です。

自社セミナーは、リードになってくださった方を優先して案内することで“コムニコはよくSNSに関する情報を定期的に発信している会社だ”という印象付けができ、ナーチャリングのきっかけになったのではないかと思います。

メルマガの開封率は、一般的に1割以下と言われています。しかし、コムニコのメルマガは、ターゲットを絞っていることもあり34割くらい。メルマガや過去記事をきっかけとして、復活したリードもあります。

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(Eメールの配信率と開封率のデータ)

セミナーやメルマガは、トラディッショナルな方法ですが、役に立つ情報を適切に届けていれば、ハブスポットやインバウンド・マーケティングの正攻法と思っています。」 

また、コムニコではハブスポットをマーケティングツールとしてだけでなく、CRMシステム(顧客との関係性管理機能)としても、利用しています。

2017年ごろハブスポットにCRM機能が付加されるまでは、セールス担当者がエクセルなどでそれぞれ顧客管理をしていました。しかし、(CRMができた段階で)メンバーに使い方のレクチャーを実施。マーケティングサイドと営業サイドの双方がリード獲得や顧客の状況を把握できるようになりました。」

ハブスポット開始以後は、インバウンド・マーケティングによる新規リードを多数獲得。さらに、クライアント情報の社内共有もスムーズになったそうです。

最近はオーガニック検索からの流入が多く、リード数も増加。ブログ経由でリードとなった顧客は、訪問の時点で、コムニコのサービスをある程度理解してくれているという利点があります。セールス担当者とクライアントが初対面の際にも、1から10まで全ての自社情報を説明する必要はなく、営業活動がスムーズです。

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(突出して多い自然検索からの顧客化)

「今後は、これまでやってきたことをさらに磨きをかけて、バージョンアップを図っていきたいと思います。またハブスポットに加えて、記事広告などのペイドメディアも活用し、今までリーチ(広告到達)できなかったところにも、積極的に接点を作っていく方針です。」

 ハブスポットとペイドメディア、両軸を活用していく方針です。

株式会社コムニコ

株式会社コムニコは、企業のSNSマーケティングをサポートする企業です。SNSを運用するためのコンサルティング、コンテンツ制作、効果検証のほか、複数のアカウント管理のためのツール開発なども行っています。

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元記事発行日: 2018/05/27 20:00:00, 最終更新日: