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2017年10月11日

PR活動によるブランド認知度向上を正しく測るために行うべき4つの方法

執筆者: | @

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マーケターの仕事として重要なもののひとつに、新規顧客の獲得があります。そして新しい顧客を獲得するためには、まず自社の名前を知ってもらわなければなりません。マーケティング用語で言えば「ブランド認知を確立する」必要があるわけです。

ブランド認知はこれまで、目標として手ごたえを感じにくいという理由により、経営陣からあまり重要視されてきませんでした。しかし、ブランドを認知してもらうことは、バイヤージャーニーにおいて欠かすことのできない要素です。

では、実際にどのようにしてブランド認知度を高めればよいのでしょう。そしてどうすればその成果を数字として上司に報告できるのでしょうか。

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今回の記事では、ブランド認知度を測定する際にマーケターが注意して避けるべき失敗を取り上げたいと思います(ブランド認知度の具体的な測定方法について詳しくお知りになりたい方は、こちらの動画とeBook(英語)をご覧ください)。

1)「ブランド認知」の定義が社内で統一されていない

一口に「ブランド認知」と言っても、それが何を意味するかは人によって違います。上司は「できるだけ多くの人に対して自社ブランドを露出すること」だと思っているかもしれませんし、コンテンツ戦略担当者は「リードになる可能性が高い特定の集団を対象に露出すること」のほうが重要だと考えているかもしれません。

PRチームは「ジャーナリストや消費者にブランド名を覚えてもらうこと」が一番大切だと思っているかもしれません。

何をもってブランド認知の向上とするのかをしっかり定義し、合意しておかないと、各部門で目指すところがずれてしまうため、キャンペーンを成功させるのが難しくなります。ですから、キャンペーンのブレインストーミングに入る前に、関係者と顔を合わせてブランド認知における目標を明確に定めておきましょう。

以下はブランド認知目標の一例です。

  • ○年○月○日までに、外部メディアによる報道を×%増加させる
  • ○年○月○日までに、ブランド再生(純粋想起)またはブランド再認(助成想起)、もしくはその両方を×%増加させる 
  • ○年○月○日までに、ブランドコンバージョンを×%増加させる(例:メディアでの言及、SNSでの言及、レビューでの言及など)
  • ○年○月○日までに、リファーラルトラフィック(別サイト経由のトラフィック)を×%増加させる
  • ○年○月○日までに、ダイレクトトラフィック(直接のトラフィック)を×%増加させる

2)キャンペーンに過剰な目標を設定してしまう

マーケティングの仕事をしていると、よく以下のようなリクエストを受けます。

当社の新しい [製品/プログラム/受賞] を、トップメディアのサイトで記事にしてもらい、SNSでバズを起こしたいのですが、ニュースジャックはしたくありません。永続的な効果が欲しいので、ローンチ時に多数のリファーラルトラフィックを獲得するよりは、継続的にオーガニックトラフィック(自然検索経由のトラフィック)が流入するようにしたいです。あと、それによってコンバージョン率も上げられればと思っています。お願いできますか。

あ、それで、予算は [驚くほど低い料金] 以内に収めていただけますか。

皆さんは、「低予算で、比較的無名のブランドの新商品がSNSやメディアの注目の的となり、長期間にわたって多数のオーガニックトラフィックを呼び込み、リードや売り上げにつながった」というケースをご存知ですか。

そうですよね。私も知りません。

まず、ブランド認知の成功には、3つの要素があることを認識しておく必要があります。

1)多数の人にとって魅力的なコンテンツを作る

これにより、メディアやSNSで話題になることができます。ジャーナリストや消費者は、どのような製品、サービス、プログラム、受賞であれ、自分に関係のないものについては書いてくれません。

メディアやSNSで話題になるようにすることは、戦略であるとともに、数字ゲームでもあります。そのため、一貫したブランドイメージを保ちつつ、できるだけ多くの人にとって関連性のあるコンテンツを作る必要があります。

2)重要な測定指標を選ぶ

あらゆる測定指標を達成しようとすると、全体的にそこそこのキャンペーンになりがちです。一部の人にはアピールできるかもしれませんが十分ではありません。例えば、ロングキーワードで上位入りを目指そうと思ったら、同じ施策でニュース性を出すのは難しいでしょう。あるいはせっかく有益なコンテンツを作っても、プロモーション色が強かったり、ニッチすぎて誰にも見てもらえないこともあります。1つのブランド認知向上キャンペーンで、あまりにも多くのことを達成しようとすると、どれも十分に達成できないという結果になってしまいます。

そのうえ、達成すべき目標が多すぎると、不必要なクリエティブ要素を検討することになります。複数の測定目標を達成するキャンペーンを作ることは不可能ではありませんが、達成できない場合のほうが多いのが現実です。また目標が多すぎると、ブレインストーミングでもアイデアがまとまりにくく、実現しづらくなります。

3)直接コンバージョン数だけをブランド認知の測定指標にしない

ブランド認知コンテンツを通じて、その場で商品の購入やニュースレターの購読を促すこともできるでしょうが、多くの場合オーディエンスは、Facebookやお気に入りのブログなどを通じて、そのコンテンツについて知ったばかりの状態です。コンテンツに初めてたどり着いたときというのは、いろいろと情報を眺めている段階であり、詳しくリサーチしたり、購入したりする段階ではありません。

つまり、初めてブランドのことを知った人が、その場でコンバージョンに至る可能性は低いと言えます。ですから、直接コンバージョン数だけでブランド認知キャンペーンの成果を測るべきではありません。もちろん、取り組んでいるブランド認知向上キャンペーンが、直接的であれ間接的であれコンバージョンに寄与しているかモニタリングすることは大切ですが、直接コンバージョン数だけを短期的な成果の指標として使うのは得策ではないでしょう。

4)ブランド認知キャンペーンを売り上げにつなげられていない

「ついさっき、コンバージョン数で、ブランド認知キャンペーンの成果を測るべきではないと言ったばかりじゃないか」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

そのことに変わりはありません。ただ、私が言っていたのは、「直接コンバージョン数だけを指標にしてはならない」ということです。 ブランド認知キャンペーンも、最終的には収益につながる成果を出せなければなりません。ただ1回のキャンペーンだけで、それをやろうとするのには無理があります。

それよりも、ある程度の期間にわたり、すべてのブランド認知向上キャンペーンの直接コンバージョン数と間接コンバージョン数を測定することをおすすめします。そうすることで、収益につながるような取り組みができているかどうかが、的確に見えてきます。

「収益」と書きましたが売上あるいはリードとして結果が出れば理想的です。消費者が進むコンバージョンパスのそれぞれのタッチポイントに、コンバージョンへの貢献度(クレジット)を割り振ることのできるアトリビューションモデルを用いた分析レポートを使えば、こうした成果を測定することができます(HubSpot ProおよびHubSpot Enterpriseユーザーの方は、Attribution Reportを使って測定できます)。

アトリビューションモデルを使えば、ブランド認知コンテンツを訪問した後、後日再訪してからコンバージョンに至った人の数なども測定することができます。洗練されたアトリビューションモデルが数多く存在しますので、詳しくお知りになりたい方は以下のリソースをご利用ください。

ブランド認知キャンペーンが、収益にどう貢献しているか的確に判断するには、アトリビューションモデルを使うのが最適です。成果が分かれば、取り組みを正当化し、上司の同意も出ることができるでしょう。

ただ、ブランド認知のために作成したコンテンツが新規リードや収益に直結していないとしても、希望がないわけではありません。ブランド認知キャンペーンでできることには限度があります。ブランド認知はあくまで、見込み顧客に対してファネルの入り口を示す取り組みにすぎません。ファネルの中を進んで行ってもらうには、洗練されたメッセージ゙マッピングとテストが必要になります。

コンバージョンのプロセスは、多くの場合一直線ではありません。ですから、ブランド認知キャンペーンでは、最低限有意義なトラフィックを獲得できていることが証明できればよしと言えます。なぜなら質の高いトラフィックを獲得することで、その先のコンバージョンプロセスの障害を特定し、今後のプロジェクトの優先順位付けに役立てることができるからです。

実例をご紹介しましょう。私がクリエイティブチームと高等教育関係の顧客と仕事をしたときの話です。その時私たちは、オンラインにおけるインタラクティブな職業的適性テストを作成しました。このテストのローンチ時には、多くのメディアやSNSで話題になり、そのランディングページは、そのウェブサイトにおいてホームページの次にオーガニックトラフィック数の多いページになりました。

しかし、このテストへアクセスした訪問者たちは、ページに長い間滞在してコンテンツにエンゲージしているにも関わらず、サイトの他のページにアクセスしたり、コンバートしたりすることはありませんでした。これは、ブランド認知キャンペーンが失敗したということなのでしょうか? キャンペーンは真のビジネス価値に寄与していないのでしょうか?

いいえ、そうではありません。このキャンペーンは非常に価値のあるものでした。このキャンペーンのおかげで、現在に至るまで質の高い見込み顧客がサイトに流入しています。問題はクリック、つまりコンバージョンするための作りがユーザーにとって簡単ではなかったことでした。このようなトラフィックを獲得できたことにより、コンバージョンプロセスの障害を見つけることができたのです。つまり、このキャンペーンは獲得したトラフィック数以上の価値があったと言えます。

ですから、ブランド認知キャンペーンでは、個々のキャンペーンと実施しているすべてのキャンペーンで、質の高いトラフィックが獲得できているかを定期的にモニタリングしてください。私は自分のお客様には、取り組んでいるすべてのキャンペーンの総合的な成果のほうを重視するようにおすすめしています。

個々のキャンペーンが全く同じレベルの成果を上げるということはありませんし、1つのキャンペーンが他のキャンペーンより成果が出てないからと言って、全体点なパフォーマンスが悪いとは限らないからです。

また、直接的なトラフィック、リード、収益の増加ではなくても、間接的な影響があることも忘れてはいけません。例えば、ブランド認知キャンペーンにより、ウェブサイト全体のオーソリティが高まり、関連性の低いキーワードでも検索ランキング入りできるようになって、結果としてオーガニックトラフィックの流入増加につながる場合もあります。

あるいは、ブランド認知キャンペーンとして、既存の顧客に知人や友人を紹介してもらうキャンペーンを実施したときなどは、紹介時にはクリックしてくれなくても、数週間後にブランドのことを思い出して、紹介キャンペーンを通さずに直接サイトに行きコンバージョンすることもあります。

こうしたケースも、ブランド認知キャンペーンの成果に含めるべきでしょう。認めるべき功績はきちんと認めていきましょう。

5)短期的な成果を求めてしまう

コンテンツマーケティングが失敗する理由に関して、MozのRand Fishkin氏がSlideShareで素晴らしいプレゼンテーションを公開しています。そのプレゼンテーションによると、大きな理由のひとつは、企業が非現実的な期待を抱いていることだそうです。

企業の多くが、最初のキャンペーンをローンチしてすぐに結果がでないとがっかりしてしまいます。しかし、コンテンツマーケティングは簡単ではありません。多くのクリエイティブ、テスト、失敗を重ねて、成果を出すことができるのです。

ブランド認知キャンペーンも例外ではありません。特に初めて実施する時には、そのコンテンツがコンバージョンしたりツイートしたりするのに値するものであると、ジャーナリストや消費者を納得させられるだけのコミュニティや「ソーシャルプルーフ」が形成できてないのでなおさらです。

こうしたものはすべて時間をかけて確立されていくものです。即座に大きな成果を出せるケースはあまり多くありません。ですから、すぐに諦めて別の戦略に飛びつく前に、実施しているすべてのキャンペーンを合わせた結果をしばらくトラッキングしてみてください。

効果的なブランド認知度の測定とは?

大切なのは、関係者全員が自社にとっての「ブランド認知」とは何かということと、何を達成したいのかで合意することです。合意がとれたら、以下のアクションを実施しましょう。

  • 重要なレポート測定指標は何かを決定する
  • これらの測定指標の目標を達成するためのキャンペーンを作成、ローンチ、プロモーションする
  • これらのキャンペーンが、自社の収益にどう影響しているか継続的にモニタリングする(アナリティクスのカスタマイゼーションが必要な場合があります)

キャンペーンを測定する心構えはできましたか?

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編集メモ:この記事は、2015年2月に投稿した内容に加筆・訂正したものです。Adria Saracinoによる元の記事はこちらからご覧いただけます。

トピック: ブランド認知

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