営業の電話を掛けるなら、事前に心理学の知識を身に付けておきましょう。今回は営業電話についてあまり知られていない興味深いアドバイスをご紹介します。
効果的な営業電話のテクニック
テクニック1:明るい話題から始める
営業電話の最初の話題には気を付けましょう。ホテルスタッフが良い印象を受け取る方法について、ある研究グループが調査を行ったところ、なんと最初に前向きな言葉を掛けるだけで効果が見込めることがわかりました。
宿泊客が部屋のドアを開けたときに「おはようございます、今日は良い天気になりそうですね」などと感じの良い一言を口にするだけで、スタッフへの良い印象度合いは27%も増加したのです。
同じように、営業電話や商談を始めるときも、悪天候、交通渋滞、日々の忙しさなどのネガティブな話題は避けるべきです。いつもポジティブな言葉や話題から入るようにしましょう。
たとえば、心地良い陽気、楽しみな週末の予定、ひいきのスポーツチームの活躍といった話題が考えられます。それを心掛ければ、ほとんどの営業電話をうまく始めることができるでしょう。
テクニック2:競合他社を悪く言わない
営業電話で自滅する原因として最も多いミスが、競合他社を中傷することです。人間は「自発的特徴変換」という現象によって、だれかが第三者の悪口を言うのを聞いたとき、その第三者の特徴を話し手に結び付けてしまう傾向があることが、研究から明らかになっています。
たとえば、あなたが「競合他社の製品は品質が悪く信頼性も低い」と言ったとすると、それを聞いた見込み客は競合他社のことを言っていると理屈では理解していても、無意識にその特徴をあなたの会社に当てはめてしまいます。
競合他社の噂が話題にのぼっても、必ずノーコメントを貫いてください。
テクニック3:好意的なレッテルを利用する
頭が良い、思いやりがあるなど、だれかに好意的なレッテルを貼ると、相手は実際にそのような性質に変わろうとします。
寄付金集めについての研究で、平均的な金額を寄付している人に「あなたは最高額の寄付をしている」と伝えてみたところ、どんなことが起きたと思いますか? なんと平均を超える金額を寄付するようになりました。
人間は好意的なレッテルに応えようとするものなのです。
顧客や見込み客と話しているときに好意的なレッテルを貼ってみましょう(ただし、本当のことに限定してください。嘘やごまかしは絶対に避けましょう)。
たとえば、「御社は弊社のお得意様です」「御社とお取引できて本当に光栄です」などと伝えれば、相手は実際にお得意様になろうとし、相手に光栄と思われるような関係を築こうとしてくれるはずです。
テクニック4:議題を決めて、予定どおりに話を進める
私がミーティングリクエストを受けてプロスペクト(見込み客)に営業電話を掛けるときには、必ず冒頭で議題をはっきりと伝え、了承を得るようにしています。そうすることで話題が脇道にそれるのを防ぎ、当初の目的を果たしながら、相手にも会話の方向性をコントロールできるという安心感を与えることができます。
「お時間を頂き、ありがとうございます。本日は○○についてお話しした後、ご質問にお答えする予定となっておりますが、よろしいでしょうか」
などといった具合に営業電話を始めるようにしましょう。
テクニック5:堂々と話す
営業電話では、プロスペクトの心に響くように、製品への情熱や感動をありのままに伝えましょう。そのためには、会議室に隠れて電話するのではなく、メインの共有スペースで堂々と営業電話を行うべきです。
テクニック6:重要なキーワードをうまく強調する
抑揚にも注意しましょう。重要な言葉を強調しながら話すと、話し手の情熱が伝わると共にトピックが明確になり、結果として説得力も増します。