百戦錬磨のマーケターにせよ、大学を出たての新人マーケターにせよ、優れたコンテンツの実例を見ることは、新たなインスピレーションにつながります。また、マンネリを打破したり、上司に実験的な試みのお伺いを立てたり、マーケティングセンスに磨きをかけたりするうえでも、お手本になるコンテンツは有益です。

マーケティングのコンテンツは、そのほとんどが広く公開されていますから、ヒントの種はあちこちで見つかります。ネットをくまなく探すのもよいでしょうし、SNSでつながった人達の会話をチェックするのもよいでしょう。

しかし、メールに関しては、お手本を探すのはかなり厄介です。参考になりそうなメールがあったとしても、通常はそのメールの配信サービスに登録している人しか読めないからです。また、実際に登録していたとしても、毎日のように届く膨大なメールから珠玉の1通を見つけ出すのは至難の業です。

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そこでこの記事では、優れたEメールマーケティングの実例を集めてみました。細かく読み進めてその技を分析するのもよいですし、全体をざっと眺めて感じをつかむだけでもプラスになると思います。

効果的なEメールマーケティングの15の実例

1)charity: water(慈善団体)

Eメールマーケティングについて説明する中で、トランザクションメールが話題になることはあまりありません。トランザクションメールとは、利用者がウェブサイト上で特定の行動を取った後で、その人に自動的に届くメールのことです。たとえば、フォームを入力したときや商品を購入したときに届くメールがそうですし、注文の処理状況について通知するメールもそうです。たいていは、単なるテキスト形式のメールで、Eメールマーケティングに大きく活用されることはあまりありません。

そのような自動メールをうまく利用しているのが、慈善団体のcharity: waterです。通常、国際的な慈善団体にお金を寄付しても、それが世界のどこでいつどのように使われたのか、明確には教えてもらえません。しかしcharity: waterは違います。寄付したプロジェクトがどの段階にあり、自分のお金がどう役立ったかを、自動メールで教えてもらえます。しかも、細かな文章を必ずしも読む必要はありません。メールに書かれた時間軸と表で一目瞭然だからです。これなら、忙しい人にも見てもらえます。

チャリティーウォーターのEメールの例

2)BuzzFeed(コンテンツ配信サイト)

私はBuzzFeedのコンテンツが大好きです。そして、BuzzFeedのメールにも夢中です。しかしそれは、サイト自体が好きだからという理由だけではありません。

まず、BuzzFeedのメールは、受信箱で見える件名と本文冒頭が秀逸です。どちらも短くパンチが効いていて、サイトのコンテンツ全体とうまくマッチしています。特に、件名と本文冒頭との関係が絶妙です。たとえば、件名が質問の形のときには、本文の冒頭はその答えになっています。また、下の例のように、件名が命令形のときには、本文の冒頭は、その続きとして自然につながる表現になっています。

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さらに、メールを開いたときの構成も見事です。たとえば、画像を表示しない状態で開いても、BuzzFeedのロゴと最初の画像があるべき部分が、altテキストでうまく補われています。これなら、画像なしでもきちんと意味が伝わりますし、見た目も自然です。この構成は称賛に値します(関連記事はこちら:How to Add Alt Text to Yout Email Images [Quick Tip])

画像なしの場合:

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画像ありの場合:

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3)Uber(自動車配車サービス)

UberのEメールはシンプルで美しいと思います。キャンペーンやオファーの内容を、簡潔にわかりやすく伝えています。冒頭のコピーは非常に短くまとめられ、簡潔なCTAに上手くマッチしています。これならメールすぐに閉じてしまう読者にも、内容が完璧に伝わると思います。このキャンペーンに興味を惹かれた人には、「Here's how it works」以降で詳しい(ただし、やはり簡潔でわかりやすい)説明が順序立てて説明されています。

また、メールのデザインがブランドイメージと一致している点も素晴らしいと思います。アプリやウェブサイト、ソーシャルメディアの画像など、Uberのビジュアル要素には、必ず明るい色と幾何学模様が使用されています。すべてのコミュニケーションやマーケティングアセットが、Uberのストーリーを伝えているのです。Uberはブランドに一貫性を持たせることによって、ロイヤリティの獲得に成功しています。

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4)TheSkimm(女性向けニュースメディア)

TheSkimmについては、以前にも毎日配信されるニュースレターをご紹介しました。その際は、メールのすっきりとしたデザインと、短くてパンチの効いたサブタイトルを称賛しましたが、ニュースレターの他にもTheSkimmは素晴らしいメールを配信しています。たとえば、下のエンゲージメントメールをご覧ください。これはメールを2年間購読した同僚のGinnyに送られたものです。

何周年などの記念日や誕生日にEメールを受け取ると、楽しい気持ちになります。少なくとも、気分を害する人はいないと思います。こうしたメールの良いところは、受信者が個人情報の入力を何も要求されないこと。また、さまざまな業種の企業が、ビジネスモデルに応じてタイミングなどを変えながら送信できることです。

このメールでTheSkimmは受信者に、あるリンクを10名の友人にシェアすることで「Skimm'bassador(忠実な購読者)」のタイトルを獲得しませんか、と尋ねています。

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5)Mom and Dad Money(ファイナンシャルプランナー)

自分のマーケティングメールのターゲットについて、どうすれば知ることができるか考えたことはありますか。推測するよりほかに方法はないと思っていませんか。強力なバイヤーペルソナを設定するには、マーケット調査だけでなく、読者にアンケートやインタビューなどを行って情報を集め、詳しく分析する必要があります。これを実に見事に実践しているのがMom and Dad MoneyのMatt Beckerです。

下の例は、私が数週間前に受信したメールです。デザインについては特に変わったことはありませんが、そこがポイントとも言えます。友人や同僚が何かを少しお願いしているようなメールにも見えます。この最初のメールも良かったのですが、私がアンケートに回答した後のMattの対応は素晴らしいものでした。

数日中に丁寧なメールが個人的に長文で届いたのです。そこにはアンケートへの回答に対するお礼のメッセージのほか、非常にためになる数多くのアドバイス、そして、回答した内容に基づいて特別に用意された追加情報へのリンクもありました。私は彼のビジネス感覚とコミュニケーションスキル、そして読者を想う気持ちに深く感銘を受けました。

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6)Poncho(天気予報配信サービス)

シンプルに徹したデザインと、洒落が効いたメッセージの2つが揃えば、メールは最高に素晴らしいものになると思います。Ponchoが毎朝配信する、読者が内容をカスタマイズできる天気予報メールがまさにそれです。デザインはカラフルで、明るい画像やGIFを多用し、非常に読みやすく作られています。メッセージは短いながら気が利いていて、ジョークにもセンスを感じます。

また、ブランドイメージが完璧に統一されている点も素晴らしいと思います。最後のあたりをご覧ください。「hang out outside of email.(メールの外にお出かけしませんか?)」という洒落たメッセージで、読者のエンゲージメントを高めています。

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7)Birchbox(化粧品サンプルの定期配送サービス)

Birchboxは、化粧品などの美容商品のサンプルを宅配するサービスです。そのBirchboxから届いたメールの件名を見て、Pamは思わず開いてしまったそうです。「2月のお届け品の入れ忘れについて」という件名だったからです。実際にメールを読んでみると、化粧品を入れ忘れたという話ではなく、割引コードを追加でもらえるという話だとわかるのですが、会員の注意をうまく引いているのは間違いありません。

また、メールの中に書かれた割引コードは、レンタルドレス企業Rent the Runwayのもので、Birchbox会員の関心とも合致する可能性が高いですから、会員が不満に思うことはないはずです。

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)Postmates(配達サービス)

私はGIFに目がありません。GIFは扱いやすいし、目立つし、見る人の感情を動かすことができるからです。Postmatesの楽しそうなGIFをご覧ください。見ているだけで、チポトレ(メキシコ料理)を無性に食べたくなりませんか?

アニメーションGIFをマーケティングに使用すると、メールの冒頭を楽しく飾ったり、どこかの部分で読み手の目を惹きつけたり、製品やサービスをアクション付きで表示したりできます。GIFを自分で作成してみたい方には、Photoshopのチュートリアルをどうぞ。

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9)Dropbox

製品やサービスの利用から遠ざかっている人に送るメールで好感を持ってもらうのは、ハードルが高そうに思えるかもしれません。しかし、Dropboxはそれをうまく実現しました。一風変わったイラストと顔文字を使って、ユーモラスで可愛らしいメールに仕上げています。

また、全体を簡潔にまとめることで、Dropboxという存在とその利便性を思い出してくれたら嬉しいという控えめな姿勢を明確にしています。こうしたメールでは、たとえば期間限定のクーポンなど、もう1度使ってみようと思わせるためのインセンティブを加えるのもよいかもしれません。

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10)InVision App(プロトタイプ作成ツール)

InVisionは週に一度、評判の良かったブログコンテンツを集めてメールを配信しています。またそのほかにも、目立って素晴らしかったデザインへのリンクや、あるいは無料のTシャツが当たる懸賞(InVisionは毎週新しいデザインのTシャツをプレゼントしています)が、メールに含まれています。また、クラウドソースでアンケート調査を行い、結果をブログ記事にすることもあります。たとえば今週は、「この世界にインターネットが存在しないとしたらどうする?」と購読者に質問しています。

InVisionのニュースレターは、優れたコンテンツが詰まっているだけでなく、画像とテキストのバランスが良く、読みやすい点も素晴らしいと思います。モバイルフレンドリーという特長も、このように長いニュースレターでは非常に重要です。

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11)Warby Parker(メガネ/サングラスメーカー)

眼鏡処方箋とメガネは、切っても切れない間柄です。Warby Parkerから2014年に私の友人に届いたメールは、その関係性をうまく生かしていました。2年も前のメールをここでご紹介するのは、Eメールをパーソナラズする素晴らしく効果的な例だからです。

件名は「あれっ、処方箋がもうすぐ期限切れですよ」。トリガーとして実に気が利いています。それに、処方箋の更新時期を思い出させてくれたことも好印象です。

好印象といえば、メールの末尾にある補足説明もそうです。新しい処方箋をどこでもらったらよいかわからない人のために、検眼医についての情報が書いてあるからです。これで、新しいメガネの購入へと動かす力が俄然高まります。

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12)Cook Smarts(料理情報サイト)

私が以前から大ファンなのが、Cook Smartsの「Weekly Eats」というメールマガジンです。食欲をそそるレシピを献立表の形式で毎週送ってくれるというものですが、レシピそのものだけでなく、メールの構成がよくできています。献立、キッチンのハウツー、料理のヒントという3つのセクションに分かれていて、メールのどこに目を向ければよいかが簡単にわかります。興味があるブログ記事を自分で探し出す手間がかかりません。

また、メールの右上にある「友達に転送」というCall-To-Action(CTA)もうまい手です。メールの内容を誰かに教えてあげるとしたら、やはりメールを使うのが簡単です。友達や同僚、家族に向けたメール転送をぜひ奨励しておきましょう。

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13)HireVue(ウェブ面接プラットフォーム)

「サヨナラを言うのは辛いから、もう一度考え直していただきたいのです。」のような内容の件名でHireVueから送られたのが、この購読解除を通知する自動送信メールです。シンプルで屈託のないメッセージ、冒頭の楽しい画像から、CTAボタンのコピーまで、どれを取っても文句なく素晴らしいと思います。

ですが、それよりもまずHireVueがこのような自動送信メールを送ったことを称賛したいと思います。開封率が低い状態が続くと、メールの到達率が著しく低下する可能性があります(関連記事はこちら:スパムフィルターを回避しマーケティングメールの到達率を上げるためのガイド)。

ですから、メールを開封しない人にこのようなメールを送って、購読者リストから削除することは非常に賢明だと思います。HubSPotでも2015年に、エンゲージメントの低下した購読者に自動メールを送信しました。

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14)Paperless Post(カードや招待状の作成/送信サービス)

ホリデー関連のEメールマーケティングと聞くと、すぐにクリスマスを連想するかもしれませんが、祝祭日や記念日にまつわるキャンペーンは年間を通していろいろと実施できます。

たとえば、Paperless Postから届いた次のメールはその好例です。「何はさておき、お母さんにカードを送りましょう」という見出しが、切迫感を漂わせる明確なCTAになっています。そして、そのすぐ下にある「母の日を忘れていませんよね?」という小見出しを見た読み手は、「母の日っていつだっけ?カードは買ってあったっけ?」と自問することになります。その下に整然と並んだカードの画像は、デザインが見やすくて印象的です。画像はそれぞれCTAにもなっていて、クリックすると購入ページに移動します。

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15)Stitcher(ポッドキャスト/ラジオのストリーミングサービス)

自分だけの特別な体験を求めるのは、人間として当然の心理です。自分のためだけに用意されたようなメールを受け取ったら、特別な思いになります。メールの送り主の企業について、旧知の仲のような気分になり、自分の好みや満足感を大事にしてくれる企業だと認識するかもしれません(関連記事はこちら:パーソナライズの心理学:カスタマイズされたユーザーエクスペリエンスが求められる理由)。

その意味で私が気に入っているのが、Stitcherから届く「あなたへのお勧め」メールです。Stitcherとは、ポッドキャストやラジオ番組のストリーミングアプリです。通常私は、あえて新しいポッドキャストを開拓せずに、なじみのあるポッドキャストの新しい回を聴くことが多いのですが、Stitcherのメールで知ったポッドキャストやラジオは、登録してみようという気になります。

また、このメールはレスポンシブデザインを実にうまく活用しています。色が鮮やかなうえ、スクロールやクリックもしやすいデザインです。CTAが大きいことから、親指で簡単に押すことができます(関連記事はこちら:レスポンシブデザインを絶対推奨する6つの理由)。

また、モバイル環境向けのメールに適した機能も組み込まれています。たとえば、末尾にある「Stitcher Radioを開く」というボタンから、スマートフォンのStitcherアプリを開くことができます。

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以上、素晴らしいマーケティングメールの例を厳選してご紹介しました。ベストプラクティスにただ頼っているだけでは、効果的なマーケティングメールは作成できません。より多くの購読者から注目を集めるように、改善を続ける必要があります。HubSpotによる無料のEメール署名ジェネレーターをぜひお試しください。

eメールニュースレター

編集メモ:この記事は、 2016年8月に投稿した内容に加筆・訂正したものです。Lindsay Kolowichによる元の記事はこちらからご覧いただけます。

元記事発行日: 2016年10月27日、最終更新日: 2019年10月29日

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