メールマーケティング

Eメールマーケティングとなると、話の種は尽きません。このブログでも、Eメールの最適化に欠かせない要素、Eメールマーケティングでありがちなミス、優れたEメールマーケティングの実例など、さまざまな話題を取り上げてきました。

しかし、Eメール自体にいくら磨きをかけても、その成果を確認できなければ意味がありません。Eメールが目標達成に役立っているかどうかを、指標に基づいて評価する必要があります。

まず大切なのは目標の明確化です。目の前のEメールから少し離れて、「自分のEメールマーケティングの目標は何だろう?」とじっくり考えてみてください。購読者を増やすことでしょうか。リードを増やすことでしょうか。既存のリードの顧客化を促すことでしょうか。

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1つにせよ複数にせよ、目標を定めてみましょう。そのうえで、目標の達成度を知るために必要な指標を考えていくことになります。

この記事では、Eメールマーケティングで注目すべき指標について説明していきます。まずは、すべてのEメールマーケターに欠かせない指標を紹介したうえで、個々の指標と具体的な目標との関係について見ていきます。

すべてのEメールマーケターがレポートに含めるべき6つの指標

1)クリックスルー率

  • 意味:Eメール内のリンクをクリックした受信者の割合。
  • 計算方法:(トータルクリック数またはユニーククリック数÷到達したEメール数)×100
  • 例: トータルクリック数が500、Eメールの到達数が1万の場合、500÷10000×100=5で、クリックスルー率は5%

(上の式で、トータルクリック数とユニーククリック数は、どちらで計算してもかまいませんが、常に同じ方を使ってください)。

どんな指標を使っているかをEメールマーケターに尋ねてみると、真っ先に挙がる答えがクリックスルー率(CTR)だと思います。いわば、毎日の必需品と言える指標です。個別のEメールのパフォーマンスが簡単に割り出せるし、長期的な推移もわかるからです。

A/Bテストの結果判定にもCTRはよく使われています。Eメールから得るクリック数を増やしたいときに、その方法を探る目的でA/Bテストを実施することはよくあります。CTRは、すべてのEメールマーケターが必ずトラッキングすべき、きわめて重要な指標と言えます。

メール配信リストに登録している人のうちで、自社のコンテンツを実際に利用している人や、ブランドやオファーの詳細情報に関心を寄せている人の数を直接把握できます。業界水準からみた「よい」CTRの条件についてはこちらのブログからどうぞ(関連記事はこちら:What's a Good Email Open RAte & Click Rate? [Benchmark Data])。

2)コンバージョン率

  • 意味:Eメール内のリンクをクリックし、リードジェネレーションフォームの記入や商品の購入など、所定のアクションを完了した受信者の割合(関連記事はこちら:初心者ガイド:インバウンドマーケティングにおけるリードジェネレーション)。
  • 計算方法:(所定のアクションを完了した人数÷到達したEメールの総数)×100
  • 例: 所定のアクションを完了した人数が400人、到達したEメールの総数が1万通の場合、 400÷10000×100=4で、コンバージョン率は4%

通常、Eメール内のリンクをクリックした人を次に導く先は、オファーへのコンバージョンです。つまり、Eメールで促したとおりのアクションを実際に起こしてもらうということです。たとえば、無料のeBookをダウンロードできるというオファーのEメールであれば、実際にそのeBookをダウンロードした段階で、コンバージョンとみなすことができます。

ここで言うコンバージョンは、EメールのCall-To-Action(CTA)と直接関連しています。そして、CTAはEメールマーケティング全体の目標と直接関連します。したがって、コンバージョン率は、Eメールマーケティングで目標の達成度を判断するうえで、特に重要な指標となります(目標との関連性が高い指標については、後で改めて説明します)。

Eメールのコンバージョン率を測定するには、Eメールプラットフォームとウェブ分析の統合が必要です。Eメール内のリンクにユニークなトラッキングURLを使用し、どのEメールキャンペーンからクリックされたかがわかるようにしておきましょう。

3)バウンス率

  • 意味:送信したEメール総数のうち、受信者の受信ボックスに届かず戻ってきたメール(バウンス)の割合。
  • 計算方法:(バウンスしたEメールの総数÷送信したEメールの総数)×100
  • 例:バウンスしたEメールが75通、送信したEメールの総数が1万通の場合、75÷10000×100=0.75で、バウンス率は0.75%

トラッキングすべきバウンスには「ソフトバウンス」と「ハードバウンス」の2種類があります。

ソフトバウンスとは、送信先のEメールアドレスは有効なものの、一時的な問題により不達となったEメールです。例えば、受信ボックスが一杯であるとか、受信者のサーバーに障害が発生していたなどがこれにあたります。ほとんどの場合、こういったEメールはサーバーで保管され、問題が解決され次第、サーバーから配信されます。あるいは送信者のほうから再送信することも可能です。

一方ハードバウンスは送信先のEメールアドレスが無効になっていたり、すでに存在しなかったりして不達となったEメールのことを言います。これらのEメールは二度と届くことはありませんから、メールリストから即刻削除しましょう。

インターネットサービスプロバイダ(ISP)は、Eメール送信者の信頼性を計測する主要要素の一つとしてバウンス率を使用しています。ハードバウンスの数が多すぎると、ISPからスパム業者だと判断される恐れがあります(関連記事はこちら:The Difference Between Hard Bounces and Soft Bounces [FAQs])。

HubSpotのメールマーケティングのツール

4)リスト成長率

  • 意味:Eメールリストの成長率。
  • 計算方法:([(新規購読数)-(購読解除数+Eメール/スパム苦情数)]÷リストのEメールアドレスの総数)×100
  • 例: 新規購読数が500、購読解除数とEメール/スパム苦情数が計100、計リストのEメールアドレス数が1万の場合、(500-100)÷10000×100=4で、リスト成長率は4%

CTAに関する指標(CTRやコンバージョン率)に加えて、Eメールリストの成長率にも注目しておくことをお勧めします。メールリストの拡大を目指せば、リーチの範囲を広げ、オーディエンスを増やし、業界のオピニオンリーダーと認識してもらうのに役立ちます。

ただし、実はEメールリストは時間とともに減っていきます。その率は、1年で約22.5%です。購読者を増やし、適切な規模を維持するように取り組むことは、ますます重要になっています(関連ページ:DATABASE DECAY SIMULATION)。

5)Eメールの共有/転送率

  • 意味:「共有」ボタンをクリックしてEメールの内容をソーシャルネットワークに投稿したり、「友達に転送」ボタンをクリックしてEメールを転送した受信者の割合。
  • 計算方法: (共有/転送ボタンのクリック数÷到達したEメールの総数)×100
  • 例:共有/転送ボタンのクリック数が100、到達したEメールの総数が1万の場合、100÷10000×100=1で、Eメールの共有/転送率は1%

Eメールの受信者が友人知人に向けて共有や転送を行った率というのは、さほど重要には思えないかもしれません。しかし、ぜひトラッキングすべき重要な指標の1つと言えます。

なぜなら、Eメールの共有や転送は、新しいコンタクトの獲得につながるからです。Eメールリストに登録済みの人のコンバージョン率を高めることは、たいへん重要ではあるものの、新規リードの獲得にはつながりません。

Eメールを友達や同僚にもぜひ勧めるよう促したうえで、新たに獲得した登録者がどの程度いるかを追跡してみましょう。

共有率に注目すると、どういった記事やオファーが特に共有されやすいかがわかります。そこから得た結果を、今後のEメールキャンペーン計画に生かしましょう。

6)トータルのROI

  • 意味:EメールキャンペーンのトータルのROI。つまり、総収益を総支出で割った値。
  • 計算方法: [(キャンペーンで得た売上-キャンペーンに投じた金額)÷キャンペーンに投じた金額]×100
  • 例: キャンペーンで得た売上が1000ドル、キャンペーンに投じた金額が100ドルの場合、((1000-100)÷100)×100=900、つまりキャンペーンのROIは900%。

メモ:これは、EメールキャンペーンのROIを計算する方法として一番基本的な式です。ほかにもいくつか方法があり、そちらで計算してもかまいません)。

Eメールマーケティングにせよ、別のマーケティングチャネルにせよ、トータルのROIを知ることは重要です。会社に収益をもたらす可能性をリードの種類ごとに数値化するようなSLAシステムを確立しておきましょう。

Eメールマーケティングで獲得したリードの数を、種類ごとに割り出してください。それぞれの値は、収益の可能性や実績にどの程度つながっているでしょうか。こうした指標が出ていれば、Eメールマーケティングが明確な成果につながるチャネルであることを、上司やセールスチームに証明できます。

Eメールマーケティングの目標と指標との関係

Eメールマーケティングで達成したい目標はさまざまです。同じ業種でも会社ごとに違いますし、同じ会社でも時の経過と共に変わることがあります。しかしいずれにせよ、Eメールを送信したり結果を測定したりする前に、自社にとってのEメールマーケティングの目標を明確にしておくことが肝心です。

ここからは、主な指標について、個別の目標との関係を説明していきます。

購読者リストの成長率

サイトの訪問者やブログの購読者、無料ツールの利用者などを増やしたいという狙いは、一言で表せば、TOFU(Top Of The Funnel)を拡大したい、ということです。その場合は、購読者リストの登録者を増やすことことが目標となるはずです(関連記事はこちら:Want More Blog Traffic? Focus on Growing Subscribers)。

Eメールには、「ブログを購読」「週刊のメールマガジンに登録」といったCTAがあると思います。この目標を目指す場合に追跡すべき最も重要な指標は、当然ながら、購読者リストの成長率です。

HubSpotのブログ購読者数の推移

エンゲージメントが低い購読者

購読者リストの拡大を図り、その指標を追跡することはもちろん重要ですが、エンゲージメントが低い購読者を把握することも同じく重要です。いっそのこと、こうした購読者はリストから完全に削除してもよいと思います。

エンゲージメントが低い人に送ったEメール(グレーメール)は、全体のメール到達率に悪影響を及ぼす可能性があるからです。この送信元からのEメールはエンゲージメント率が低い、とメールソフトに判定されると、Eメールがそのまま「迷惑メール」フォルダに入るかもしれません。物理的には相手のメールボックスに届いていても、ユーザーの目に触れずじまいです。

HubSpotでは、マーケティングブログの購読者のうち25万人を、あえて登録解除に踏み切ったことがあります。このリストには、ブログの新規記事の情報をEメールで受け取るようオプトインで登録した人が含まれていました。

この登録解除の結果、購読者の総数は55万人から30万人に減りました。HubSpotが購読者の登録解除を行った方法とその理由についてはこちらからどうぞ(関連記事はこちら:Why We Unsubscrived 250K People From HubSpot's Marketing Blog & Started Sending Less Email)。

必要に応じて、同じような対応を取るべきかどうか考えてみてください。

新規リード数(またはリードの総数)

購読者数より、リードジェネレーションの拡大を図りたい場合には、リードジェネレーションのためのコンテンツをEメールで提示することになります。このコンテンツは、リードジェネレーションフォームに入力した人しかアクセスできません(関連記事はこちら:How to Generate and Close More Leads With Email Marketing)。

Eメールマーケティングの目標がリードジェネレーションであれば、日単位や月単位で獲得したリードの数を追跡しましょう。通算で獲得したリードの総数に着目するか、それとも新規に獲得したリードの数に着目するかは、各自の優先順位に応じて判断してください。

リードから顧客へのコンバージョン率

マーケティングファネルの中で、MOFU(Middle of the Funnel)やBOFU(Bottom of the Funnel)に重きを置きたい場合、つまり、既存のリードからの顧客化を増やしたい場合には、扱っているビジネスや製品/サービスと密接に関連したコンテンツをEメールで提示することになります。

CTAには、「デモを申し込む」「製品の動画を見る」「無料トライアルを開始」といった言葉が入っていると思います。この場合は、リードから顧客へというコンバージョン率の推移を追跡しましょう。

コンバージョンを増やすことが目標なら、コンバージョン率の推移を見るのは当たり前、と思う人もいるかもしれません。しかし、Eメールマーケターの中には、目標に定めた項目の達成度を確かめようとしない人が意外と多いのです。

目標に向かってどの程度進んでいるかを日々追跡するのに加え、月ごとの推移も丹念にチェックし、指標に変化がないか確認しておきましょう。

あまり意味がないEメールマーケティングの指標

Eメールマーケティングの指標の中には、追跡してもあまり意味がないものもあります。

開封率

意味:対象のEメールを開封した受信者の割合。

開封率を上げるべく、Eメールの件名に必死で磨きをかけているマーケターは多くいます。確かに、それ自体はプラスに働くかもしれませんし、大勢の人に開封してもらえるのは素晴らしいことです。しかし、本当に力を入れるべきは、開封率よりもクリックスルー率の向上です。

実は、開封率はあてにならない指標です。理由はいくつかありますが、最大の理由は、メールに埋め込まれた画像が受信されないかぎり、そのメールが「開封」されたとカウントされないことです。今日、多くのメールユーザーは画像を自動でダウンロードしないように設定しています。

そのため実際にはメールが開封されていても、画像が読み込まれない限り開封数に加算されないため、開封率は実際の数字より低くなる可能性があり、数字の正確性はあまり高くないと言えます。

メモ:値の推移を見る目的で使う限りにおいては、開封率も多少は意味がある指標かもしれません。たとえば、同じEメールリストで、先週と今週の開封率を比較する場合などです。不確定要素がある程度均一になることから、多少は洞察が得られるかもしれません。

購読解除率

開封率と同様、購読解除率もメールリストを評価するのには適していません。メールの受信に飽きあきした購読者で、わざわざ正式な購読解除手順を踏んでくれる人は多くありません。大抵はただ開封しなかったり、読むのを止めたり、メールをクリックするのを止めてしまうだけです。

ですから、購読者のエンゲージメントを測定するには、クリックスルー率とコンバージョン率の方がずっと効果的です。そこから、エンゲージメントが低い購読者に注目し、前に説明したとおり、どこかの時点で削除を考えるとよいでしょう。ただ、月間の購読解除率をチェックすることは、全体的なリスト成長率を算出するのには役立ちますから、ときどき確認するのを忘れないでください。

結論としては、追跡すべき指標を的確に見定め、Eメールごとのパフォーマンス、Eメールリストの実効性、トータルでの目標の達成度を的確に測定できるようにしておくことが肝心です。そこを外さなければ、Eメールマーケティングから効果が得られるはずです。

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編集メモ:この記事は、 2016年2月に投稿した内容に加筆・訂正したものです。Lindsay Kolowichによる元の記事はこちらからご覧いただけます。

元記事発行日: 2016年6月16日、最終更新日: 2019年10月29日

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