メールを一斉に送りたい、しかも今すぐ。欲を言えば、なるべく安く。

アドレスデータ販売業者に電話をするときのマーケティング担当者の考えは、だいたいこんなものでしょう。営業チームに渡す新しいメールアドレスが欲しい。ところがそんな必死の努力が、長期的にも短期的にも、仇となってしまうことがあります。

確かに、クレジットカード1枚あれば大量のアドレスデータを一瞬のうちに買えます。ところがこのデータがかなりの曲者。後々のEメールマーケティングにとてつもない負担を強いることになります。Eメールマーケティングは、包括的に様々な戦術が絡み合うインバウンドのマーケティング戦略で中核を担う重要なものですから、その影響は計り知れません。

変な話ですが、メールアドレスリストを買うのは、合法的なメールマーケティングの命取りになるのです。なぜでしょうか?それが本記事のテーマです。

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そしてもうひとつ、アドレスリストを買う代わりに、自分でマーケティング用のメールリストを獲得する、(クリーンかつ)効率的な方法も紹介します。 

アドレスリストを手に入れるには 

アドレスリストの落とし穴にはまらないよう、さっそく本題に入りましょう。まずは連絡先リストを手に入れるごく一般的な方法を3つ紹介します。

1)アドレスリストを買う

名簿業者に連絡して、住民登録やサイコグラフィックな情報から一定の条件を満たす人のメールアドレスデータを希望し、購入することができます。つまり、愛知県に住む成人5万人分の氏名とメールアドレスが書かれたリストを買う、のようなことになります。 

2)アドレスリストを借りる

名簿業者に連絡して、これこれこういう条件の人のリストはないかと尋ねます。ここまでは同じですが、リストは購入しません。借りるだけなので、実際にメールをどこの誰に送るのかこちらからは見えません。つまり、業者にメール送信作業の代行を依頼する必要があります。

3)オプトインのアドレスリストを自分で作る

オンラインでフォームに入力するか、直接手渡しでメールアドレスを教えてくれた人がいれば、そのアドレスへメッセージを送信できます。こうした人々は、ブログに新しい記事が投稿されたら通知して欲しいといった具合に、特定の内容のメールを期待して受け取りを希望します。このようにオプトインのメールアドレスが自発的に提供されるのは、あなたの言葉に聞く価値があると思われているからです。関心を抱かせることに成功し、メールを受け取っても大丈夫だと信頼を得た証しです。

アドレスリストを借りたい、買いたいと業者に相談すると、「このリストは全部オプトインのアドレスだから大丈夫ですよ」と言われたりします。つまり、リストに載っている個人は、かつて誰かから(当のその業者から?)メールで通知を受け取ることを進んで希望した人だという意味です。

そうは言っても、リストに名前がある人が、あなたからビジネスメールを受け取ることを希望したわけではありません。ここには決定的な違いがあります。このような「オプトインの」メールアドレスリストをメールマーケティングプログラムに使うのは賢明と言えません。その理由を次のセクションで詳しく説明します。 

なぜアドレスリストを買ってはダメか?

さて、先ほどアドレスリストの入手方法を2、3紹介しました。その3番目の方法、つまりオプトインの連絡先リストを自分で作成することが、なぜお勧めなのか説明します。

まっとうなメールマーケティング業者は売買されたリストでメールを送信することを許さない

メールマーケティングツールを今使っている、あるいは将来使う予定がある場合、まっとうな業者ならオプトインのアドレスリストの使用を強く勧めるはずです。「まっとうじゃない業者でも僕は気にしないよ」ですって?いえいえ、オプトインのアドレスリストの使用をユーザーに義務付けないメールサービスプロバイダが共有IPアドレスを使うと、メールの配信にまずいことが起こります。

なぜなら、不正な手段で入手したアドレスリストが1つあるせいで、同じ共有IPアドレスを使う他のユーザーのメールまで疑われるからです。送ったメールを確実に相手の受信箱に届けたいなら、メールマーケティングでフォースのダークサイドに墜ちないで、ジェダイマスターのヨーダのようにフォースを正しく利用することが肝心です。 

良いアドレスリストは売りに出ない

M&Aの真っ最中でもない限り、高品質のアドレスデータを買えるチャンスは訪れません。たとえ売りに出たとしても、そこにあるアドレスは、先に買って大量のメールを送りつけた他の業者のおかげで、とっくに散々な目に合わされているのです。かつては価値があったメールアドレスも、世界の果てまでスパムに追われる運命に…。

良いアドレスリストが手元にある。誰がそれを進んで外に出すでしょうか。他人の手に渡ればメールアドレスの価値が失われてしまうのに。考えてもみてください。あなたからメールを受け取りたいと自ら申し出た人のメールアドレスを売る?誰かと分かち合う?ありえません。

売買されたリストに載ってる人はあなたを知らない

先ほど触れた件を、もう少し突っ込んで分析してみます。借りるにせよ、買うにせよ、そういったリストのデータは、どこかのWebサイトで拾い集めたものに過ぎません。メールマーケティング用の連絡先を入手する方法としては汚いやり方だという点に、誰しも同意するでしょう。しかし、もしもアドレスが拾い集められたものでなく、まっとうな手段で集められたものだとしたら、どうでしょうか。業者は、これはオプトインのデータですと胸を張るでしょう。実に結構な話だと思いませんか。

とんでもない。リストにアドレスを載せた人は、特定の誰かからメールを受け取ることを希望しただけで、あなたの会社からではありません。たとえオプトインの登録プロセスで「弊社からの情報の受け取り、または弊社がお客様のお気に召すと判断した他社からのオファーの受け取りを希望されるものとします」といった文言が示されたとしても、受信者があなたの会社をまったく知らないことは事実として揺るぎません。

もちろん、あなたの会社からのメール受信を希望した覚えがないことも。そんなわけですから、かなり高い確率で受信者はあなたに「スパム業者」のレッテルを貼るでしょう。見ず知らずの、連絡を希望した覚えもない業者。その結果、さらにこんな問題も起こります。

メール配達率とIPレピュテーションが台無しに

スパムメールと闘う正義の組織があります。ご存知でしたか?ありがたい、と感謝すべきですね。組織は、ハニーポットと呼ぶ小さなものを仕掛けます。ハニーポットはサイトに埋め込まれたメールアドレスで、これが収穫され、メールが送られてくると、送信元がスパマーだとわかります。これと似たものにスパムトラップがあります。スパムトラップの目的は、スパム的な活動を特定することです。

スパムトラップが仕掛けられるのは、メールアドレスが古いか無効であることが原因でハードバウンスが起きるのに、一貫性のあるトラフィックが何度も送られてくるケースです。いかにも怪しいですね。その結果、このようなアドレスはスパムトラップに姿を変えて、ハードバウンスの通知を返すのを止め、代わりにメッセージを受け入れて、その送信元をスパマーとして通報します。

リストを買ったとして、そこに書かれたメールアドレスに過去どれくらいのメッセージが送信されたのかは不明です。ハードバウンスを起こしたアドレスがすでにリストから除外されていて、メッセージの送信元、つまりあなたがスパム業者扱いされずに済むのか。それについても確認のすべがないのです。

メールが配達されないばかりか、IPアドレスと会社の評判を傷つけるリスクまで負う覚悟はあるでしょうか。アドレスリストを買うか借りた後で初めてこの実態を知り、メッセージの送信相手を希望者に限定するよう改めたとしても、Sender Scoreを上げ、IPアドレスのレピュテーションを回復するには数か月(あるいは数年)かかるでしょう。

うっとおしいと思われないように

見ず知らずの会社からいきなりメールを受け取って、喜ぶ人がいるでしょうか。そんな会社で働くのが夢とか、そんなマーケティングをやりたいとか、誰も思いませんね。とはいえ、過去にメッセージの受け取りを希望しなかった人が、永遠にその立場を変えないとは断言できません。そこにチャンスがあります。

役に立つ情報、特別なオファーを突破口に、あなたの会社から最新の情報を受け取るのが得だと思っていただけるよう働きかけるのが、あなたの仕事です。しかし、自社の製品やサービスがこの人にぴったりだと絶対の自信があっても、メールで売り込むのが早すぎれば、信頼と将来の取引関係を自分から台無しにしかねません。

オプトインのアドレスリストを作ろう

となると、どんな手が有効なのか。インバウンドマーケティングのリードジェネレーションを使って自社のリストを育てましょう。リードジェネレーションに関する詳しい情報はこちらをご確認ください。

以下では、アドレスリストを着々と育む、コストパフォーマンス抜群のベストプラクティスを紹介します。

1)メールアドレスを進んで提供したくなるような特製コンテンツを用意する

ウェビナー、eブック、テンプレートなどは、人がその価値を認め、メールアドレスを登録してでも欲しがる長期的なプレミアムコンテンツの資産となります。ランディングページで紹介できる特製コンテンツがたくさんあり、バラエティに富んでいるほど、多くの人に魅力を感じてもらえるのです。

2)便利なツールを作る

eブックが苦手なら、ツールを作ってはどうでしょうか。手を替え品を替えがいつでもいいとは限りませんが、文章よりソフトウェアを書く方が得意ならツールも魅力的なオプションです。

たとえば、このサイトにもMarketing Graderツール(HubSpotの初のツールで、当初の呼び名はWebsite Grader)というのがあり、使うのは無料ですが、最初にメールアドレスの登録が必要です。この方法は、Blog Topic Generatorという最近のツールでも採用しました。

3)特製コンテンツをマーケティングチャネルで宣伝する

さて、メールアドレスを捕獲する特製コンテンツが用意できたら、たっぷり時間をかけてその存在を世界に知らせます。利用できるチャネルはたくさんあります。真っ先に頭に浮かぶのはソーシャルメディア、PPC、メールあたりでしょうが、実はブログほど人を長い間ずっと引き寄せるものは他にありません。こんなシナリオはどうでしょうか。

新しい特製コンテンツの宣伝として、自社開発のコンテンツを特集する記事をブログに投稿し、さらにこのコンテンツのランディングページにリンクするCTAを記事のすべてに貼り付けます。

さて、仮にブログ記事が約100ビュー/月を獲得し、訪問者が見込み客(リード)になる確率が約2%だとします。つまり、1件のブログ記事から毎月2人の見込み客が得られます。

さらに、毎月30件の記事をブログに投稿すると仮定。1回の投稿で2人の見込み客を期待できるので、月に60人を獲得できる計算です。これを1年間続けます。最初の月にブログに注いだ労力から1年を通して見込み客が得られます。その結果、1年後には毎月4,680人のオプトインの連絡先が入手できるようになります。720人(60人 x 12か月)ではないのは、ブログの効果が複式で増すからです。

HubSpotのリードジェネレーションの数値とグラフ

4)クリエイティブなメールマーケティングキャンペーンを展開する

たいていの人は、見込み客や連絡先を獲得できるチャネルとしてメールを見ていませんが、メールで受け取った情報を同僚や友人に転送して勧める人もいます。

受信者が簡単な手順でメールの内容を転送または共有できるようにすれば、連絡先データベースにアドレスを追加できます。CTAをメール本文に埋め込み、受信者が他人と共有できるようにしてください。紹介するコンテンツがとても便利なものであれば、この方法は特に効果的です。

連絡先データベースが既にかなり大きければ、古くて使えない連絡先も混ざっている可能性があります。

その場合は、エンゲージメントを見直すキャンペーンを実施してリストからゴミを取り除き、先ほど説明したスパムやIPの問題が起こらないように対策したり、あなたの存在を忘れていただけで売り込み先としてはぴったりの古い連絡先を眠りから覚ましたりすることができます。

こうしたキャンペーンを準備する方法に興味がある方は、以下のようなブログ記事をご確認ください。

いかがでしたでしょうか。嫌われない(かつ合法的に)リストを獲得することで、メールをはじめとしたリードナーチャリング施策もスムーズに進みます。メールアドレスを含めたリード情報の獲得手段をebook(下記バナーからダウンロードページに移動できます)や他のブログ記事でも紹介しています。

ご興味のある方はぜひご覧ください。

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編集メモ: この記事は、2012年5月に投稿された本記事はCorey Eridonによって執筆され、記事を翻訳、加筆、再執筆された記事です。元の記事をご覧になられたい場合はこちらからどうぞ。

元記事発行日: 2015年7月31日、最終更新日: 2018年10月04日