コンテンツマーケティングがはじめてマーケティングの世界に登場した時、それは斬新で革新的な、従来のマーケティングの規範を覆すものでした。インバウンドマーケティングという考え方は奇抜なもののように感じられました。顧客に自分の意思でこちらに来させるだって?何年も営業電話やDMを実践してきたマーケターたちは、コンテンツを提供して読者に見つけてもらうのを待つことが売上につながるとは信じられませんでした。 

工夫とよく考えられた戦略との組み合わせで、インバウンドマーケティングはそれまで以上のリード数とコンバージョン率、リーチを実現しました。技術の進歩に加え、顧客とのコミュニケーションの場となるプラットフォームが増えたことも有利に働きました。コンテンツの量が増えたことで、消費者は自分の好きなやり方で新しい企業を見つけられるようになったのです。

この突然の成功によって、様々な企業が顧客に情報を提供し、見込み客のエンゲージメントを促し、業界全体の議論に貢献するコンテンツの制作をはじめました。人気の高まりによって、ウェブ上に公開されるコンテンツの量は急上昇しました。いくつものブランドが、消費者は驚くほどの速さでコンテンツを消費することができるようになっており、それまで以上の量の情報を吸収できるようになったと考え、コンテンツマーケティングという手法が賢いアプローチだということを信じはじめていました。 

チャネルが増えてもエンゲージメントが上がらない理由 

しかし、これは真実からはほど遠い思い込みでした。コンテンツの量が増え続けた一方で、エンゲージメント率は低迷していたのです。オプションが増えたからといって、消費量が増えるとは限りません。TrackMaven(トラックメイベン)が実施した調査(英語)では、前年比でコンテンツ制作量が34%増加したのに対し、エンゲージメント率は17%減少したことが判明しました。TrackMavenはこのエンゲージメント危機はテレビの番組数の増加と似ていると分析しています。

平均的な視聴者が選ぶことができるテレビチャンネルの数はここ数年間で劇的に多くなっているのに対し、視聴時間には変化が見られていません。この傾向から、オプションの数が増えても、コンテンツの消費量を限界以上に増やす人がいないことがわかります。

これからしばらくはコンテンツの量が減ることはないと予測されています。顧客のお気に入りの情報源になりたければ、コンテンツやメッセージ送信、カスタマージャーニーの強固な戦略が必要です。 

顧客のニーズを的確に把握できていればいるほど、コンテンツの種類を的確に絞ることができます。顧客に最も効果的に働きかける方法はいくつかありますが、その中でも特に素晴らしいのがパーソナライゼーションです。 

パーソナライゼーションを活用する 

パーソナライゼーションはマーケティングのあらゆるところで使われており、「重要である」と回答したブランドは94%、基本的なレベル以上で実施しているブランドは85%に上ります。ここでの一番の課題は顧客が不快に感じない形で使用することと、リアルタイムの結果を集計して即時に適用することです。

パーソナライゼーションを使用しているマーケターを対象に行ったアンケートでは、データの取得にかかる時間が長いと回答した人は40%、データが足りないと回答した人は39%、不正確なデータへの懸念があると回答した人は38%という結果が得られました。このような課題にも関わらず、マーケターたちは障害を乗り越え、コンテンツに生のデータを反映させることに成功しています。成功者は平均で19%の売上向上を達成しているようです。

コンテンツが自分にとって関連性があり、価値があると感じた消費者は必ず戻ってきます。特定の顧客層にとって関連性があり、価値のあるコンテンツを確実に提供するための1つの方法は、彼らが消費したり反応を示したりしているほかのコンテンツを調べ、コンテンツに何を求めているかを知ることです。 

また、バイヤージャーニーのタッチポイントをすべて特定し、収集された情報に合わせて最適化してもよいでしょう。例えば、LinkedInの投稿にコメントを残したりFacebook上で記事を共有したりする傾向のある顧客層なら、彼らがすでに関心を示している事柄について、こういったプラットフォームでリターゲット広告を表示するといった具合です。 

大きく変化する好みについていくのは大変です。まずはターゲットの読者層に見られる一貫した傾向を特定しましょう。基本的なパーソナライゼーションをマスターしたら、次は読者の習慣の中から最新のものを採用します。 

変化のコントロール

パーソナライゼーションとは、顧客が時間を過ごす場所や、クリックする確率が高いトピックを把握するだけではありません。追加のコンテンツをおすすめしてファネルの中に誘導することができるよう、顧客が関心のある事柄に関連するものを特定することも大切です。コンテンツジャーニーとパーソナライゼーションの使用におけるあらゆる過程で最も重要なのが、顧客にある程度のコントロール権を与えることです。

消費者のうち60%が、消費するオンラインコンテンツにパーソナライゼーションが関わっていることを認識している一方で、ブランドによるパーソナライゼーションの使用に対して「今よりも低いコントロール」を希望する人は29%、「今よりも高いコントロール」を希望する人は41%という結果になりました。顧客に提供できるコントロール機能には、プライバシー設定や、提供する情報やコンテンツジャーニーを自分で選べる任意の情報フォームなどがあります。幅広い読者層をターゲットとしている企業は、複数の読者プロフィールに合わせてコンテンツをカスタマイズする必要があるでしょう。

コントロール機能はパーソナライゼーションの効果を損なうことはなく、ただコントロール権を顧客に渡すというだけのことです。これにはメリットもあります。顧客に決定権を与えることで信頼と強固な関係が生まれ、透明性のあるパーソナライゼーションプロセスによってより効果的な結果を得ることができるのです。 

成功につながるコンテンツのタイプ

コンテンツを初めて公開したり、効果の低いブログ記事や投稿の数を増やす前に、まずは制作する価値があり、エンゲージメントにつながる可能性の高いコンテンツのタイプを見極めましょう。 

多くの企業がウェブ上に送り出している無味乾燥なコンテンツは避けたいものです。以下のフォーマットに従えば、エンゲージメント率の低下を防止するのに役立つはずです。

  • 短くわかりやすい。バウンス率はオンラインマーケティング界では致命的です。ほとんどの人が、オンライン記事の約50%しか読まずにそのページから移動してしまいます。ですが、ブログ記事の長さを平均的なブログの半分にすれば、滞在時間が長い訪問者が増え、コンバージョンの確率も上がります。 
  • 質問と答え。読者が疑問に思っていそうな質問をSNSで投げかける場合は、必ずその答えを提供するようにしましょう。どんなに小さな疑問でも構いません。読者をサイトへ誘導し、そこであらゆる疑問を深く掘り下げた答えを提供しましょう。どんなに小さな疑問でも構いません。 
  • コミュニティフォーラム。人は何よりも自分の意見を共有することが大好きです。コミュニティフォーラムがある企業のエンゲージメントが高いのはこのためでしょう。コミュニティを育て、ここでの会話をモニターすることでコンテンツ制作のヒントにもなります。 
  • ビジュアル素材やインタラクティブ要素のある素材は、一瞬にして見込み客の目を惹きつけることができます。うまくクリエイティブに取り入れて、注目の的になるような革新的なコンテンツを作ってください。 

上記のフォーマットにパーソナライゼーションによって得られたデータを融合させれば、皆さんのブランドと顧客との間に本当のつながりが誕生します。

コンテンツの増加によるエンゲージメントの危機を免れるには、顧客から自由意思で情報を提供してもらい、それをもとにより適したコンテンツを提供しましょう。風の変化に合わせて帆を調節するようなものです。それができれば、知性と知恵、創意工夫の力でマーケティングの海を渡っていけることでしょう。 

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元記事発行日: 2019/01/10 19:00:00, 最終更新日: