現在は様々なWeb会議ツールが存在しています。なかでも代表的なツールと言えば、ZoomとSkypeです。世界的なコンサルティング会社のジェイ・ディー・パワーの日本支社は2020年4月にWeb会議ツールの利用状況を発表しました。Web会議ツールの利用者のうち、Zoomユーザーが30%、Skypeユーザーが25%でした。

自社の場合、どちらのWeb会議ツールが最適かすぐに判断できるでしょうか。本記事ではZoomとSkypeの機能の違いをまとめてみました。双方の特徴を理解し、状況に応じて使い分けていきましょう。

ZoomとSkypeのコンセプトの違いを理解しよう


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ZoomとSkypeの機能の違いを比較する前に、それぞれのツールのコンセプトの違いからみていきましょう。


Zoomは複数人が参加する会議を前提に設計されている

ZoomはWeb会議を想定して制作されたツールです。以下の流れで利用するのが一般的です。

  1.  Zoomを通して会議室を作成
  2.  作成した会議室にID(URL)が付与される
  3.  ID(URL)を会議の参加者に共有
  4.  会議の時間にURLをクリックすることで会議が開始

Zoomは、基本的には複数人での会議を想定した設計になっており、主催者さえ登録していれば、他のメンバーは事前登録なしでWeb会議に参加できます(ただし、登録しておいた方が便利に利用できるので、事前登録は済ましておくことをおすすめします)
 

Skypeは、1対1のチャットを前提に設計されている

Skypeは個人対個人の通話やチャットを想定して制作されたツールです。一般的には以下の流れで利用されます。

  1.  Skypeアカウント(ID)を作成
  2.  ホストは会議参加者のそれぞれのIDを事前に登録
  3.  個人のIDをもとにグループチャットを作成
  4.  会議の時間にSkypeのグループチャットを通して会議開始

Skypeの場合は、アカウント登録を行わないと利用できません。


ZoomとSkypeの機能を比較

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では、ここからZoomとSkypeの機能の違いを見ていきましょう。
 

ZoomとSkypeの機能比較

ZoomとSkypeの機能の違いを表にまとめてみました。
 

ZoomとSkypeの機能比較


ホワイトボード機能とブレークアウトルームは、Zoomの独自機能になります。
ホワイトボード機能とは、Web上にホワイトボードを表示させる機能です。ホワイトボードにはテキストの表示やドラッグで文字を書くこともできます。自由度が高いためブレスト会議時に有効です。

ブレークアウトルームとは、会議中に小さなグループを作成できる機能
です。
研修やセミナーではグループワークをする機会があるでしょう。それをオンライン上でも可能にします。グループワーク時にはブレークアウトルームを活用し、話がまとまったときにはまた元の会議に戻って成果を発表するような手順を踏めます。
 

Zoomのメリット・デメリット

Zoomのメリットとデメリットをそれぞれご紹介します。
 
メリット1. 誰でも参加可能
Zoomでは会議室のURLを作成して参加者に共有するだけのため、誰でも手軽に参加できます
Zoomの専用アプリを利用しなくてもブラウザ上で参加可能なため、事前に準備は不要です。
 
メリット2. 接続の安定性
ZoomはSkypeに比べて接続が安定しています。理由はデータ通信量の違いです。
データ通信量が多いと通信環境に支障が出て、ネット回線が不安定になる可能性があります。
その点Zoomでは、大人数での会議を前提に開発されているためにデータ通信量が少なく接続が安定するケースが多いです。
 
メリット3. 多くのユーザーが参加可能
Zoomは無料のプランでも100名まで参加可能です。有料のプランにすると最大1,000名まで会議に参加可能になります。

メリット4. 他のツールとの連携が可能
Zoomは単体で使用できるだけでなく、他の様々なツールと連携することが可能です。
連携することで、作業の手間を短縮したり、業務効率化につなげたりすることができます。

例えば、Googleカレンダーと連携すれば、Googleカレンダー上からZoomのミーティングを作成できるようになります。こうすれば何かしらの連絡ツールを使ってURLを共有する必要はなく、参加者はGoogleカレンダーのスケジュールからZoomのミーティングへ参加できます。

他にも、DropboxやSlack、HubSpotが提供するツール群などと連携することが可能です。
例えばHubSpotのツール群と連携すると、HubSpotに登録された見込み客へZoomビデオウェビナーの案内を送信できる、着席率などのプロパティをもとに見込み客をセグメントできるなど、顧客情報を用いた機能を利用できます。

これらのツールとの連携方法については、以下の記事をあわせてご覧ください。
Zoomとは?基本的な使い方・便利機能・メリット・他ツールとの連携を解説


ZoomとHubSpotの連携方法の詳細は、以下の記事にて記載しています。
HubSpotとZoomの連携機能を使用する


デメリット1. 費用がかかる
Zoomは無料でも十分な機能が備わっていますが、利用内容によっては有料プランに移行した方がよいケースがあります。
例えば、大人数の会議かつ長時間の会議が頻繁に行われる企業です。
 
Zoomの無料プランでは3名以上の参加者になると40分までの時間制限がかかります。時間制限を解決するためには有料プランに切り替える必要があります。つまり、費用が発生してしまいます。
 
デメリット2. 事前確認ができない
Zoomを通して会議参加者に事前に連絡する手段がないため、会議に遅れる場合やリマインドする場合の連絡手段は別のツールを使う必要があります。
 

Skypeのメリット・デメリット

Skypeのメリットとデメリットをそれぞれご紹介します。
 
メリット1. コミュニケーションの幅が広がる
チャット機能が備わっているため、コミュニケーションの幅が広がります。会議をするまでもなく、メールで形式的なやりとりをするのが面倒なときにチャット機能は便利です。
気軽に連絡がとれるためコミュニケーションの選択肢が増え、良好な関係も築きやすいでしょう
会議直前には、グループチャットに対してリマインドが簡単にできることも魅力です。
 
メリット2. 費用がかからない
Skypeは無料でほぼすべての機能を使えます。会議の時間は無制限で使えますし、パソコンなら画面共有もできます。Web会議をする上で、無料でも特に不便さを感じることはないでしょう。

ちなみに、Skypeの有料プランはSkypeから固定電話や携帯電話にかけたいときに契約が必要です。Skype同士の通話やチャットは無料で使えます。
 

デメリット1. アカウントが必要
Skypeはアカウントを保有している者同士でないと使えないのがデメリットになります。費用がかからないとはいえ、Skypeのアカウントがない人にわざわざ登録してもらうのは手間になります。
 
デメリット2. 大人数では接続に難有り
SkypeはZoomに比べてデータ通信量が多いこともあり、会議参加者が多くなればなるほど接続が不安定になりやすい可能性があります。
Web会議で相手の声が途切れて聞こえたり、画像が遅れて動いていたりすると良好なコミュニケーションはとれないでしょう。
 

ZoomとSkype、使い分けのポイントは?

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ZoomとSkype、それぞれをどのように使い分ければ良いか、見極める際のポイントを確認していきましょう。
 

事前に確認したいポイントは2つ

まずは事前に2点確認しておくことが必要です。

  •  会議の相手がSkypeのアカウントユーザーかどうか
  •  会議の利用人数は何名か

会議の相手がSkypeのアカウントユーザーかどうか
会議参加者がSkypeユーザーかどうかを確認しておきましょう。Skypeユーザーではない場合には、Zoomを使う可能性が高まるでしょう。
 
会議の利用人数は何名か
会議の参加人数も把握しておく必要があります。Skypeは25名までしか会議できないため、26名以上が参加する場合にはZoomを使うことになるでしょう。
しかしZoomの無料プランは3名以上では40分以上の会議ができないため会議内容を把握する必要もあります。
参加人数を抑えるか、会議の内容をコンパクトにするか検討しましょう。

これら2つのことを事前に確認するだけでも、ZoomなのかSkypeなのかは判断できます。その上で、次からはシチュエーションごとにどちらを使った方が良いのか見ていきましょう。
 

商談時は顧客に合わせる

Web会議ツールを提供しているエイネット株式会社が2018年6月に実施した「Web会議に関する意識調査」では、「Web会議システムを選ぶ上で最も重視する点」について全体の34.7%が「使いやすさ・操作性の良さ」を重視するという結果が出ています。
つまり、顧客満足度を高めるためには、普段から顧客が使い慣れているWeb会議ツールを利用して会議をするのが良いでしょう。

どちらのツールを利用することになっても良いように、自分自身がZoomとSkypeのツールに慣れておく必要があります。社内でZoomとSkypeの両方を日頃から使い慣れておきましょう。
 

両者の違いを理解し、参加者や状況に合わせて使い分けよう

ZoomとSkype、よく比較されますが、どちらが優れているというわけではありません。いかに利用シーンに合わせて活用できるかが重要です。

状況とは議事録を取りたいという自社側の都合のこともあれば、セキュリティ面を気にする顧客側の目線で判断する必要もあります。

前提状況を把握した上で、シチュエーションごとに適宜ZoomとSkypeを使い分けていきましょう。

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Zoomの使い方ガイド

元記事発行日: 2020年7月20日、最終更新日: 2023年8月23日

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