潜在顧客の信頼を獲得するのに苦労していませんか?
実際に契約・購入をしてもらうには、まず自社の製品やサービスが訴求しているだけの価値があることを明確に示す必要があります。
もちろん、「当社はXに関して業界随一です」「YやZにおいて、競合他社と大きく差をつけています」などとアピールすることはできるでしょう。しかし結局のところ、それらは売り込み文句にすぎません。
よく短納期・高品質・低価格のキャッチフレーズを聞きませんか?どの企業もその3つを推しますが、実際にどこがいいかわからないですよね?お客様も同じ状況で、売り込み文句としか捉えていません。そのため根拠を示し信頼を得る必要があります。その根拠となり最も効果的なのが導入事例(ケーススタディ)です。
導入事例を通じて、製品やサービスが既存の顧客にもたらした成果を紹介すれば、自社が提供できる価値を実証することができます。
そこで今回は、皆さんが適切な情報を提供することで潜在顧客の信頼を獲得できるよう、効果的な導入事例の作成方法を、順を追って説明したガイドにまとめました。
本当に価値のある導入事例を提供するには、しっかりとプランを立てて最適な顧客を選抜する必要があります。具体的には以下のような顧客を候補として検討するとよいでしょう。
依頼する顧客に、導入事例作成プロセスに協力してもらうには、クリアでオープンなコミュニケーションを行わなければなりません。つまり、最初の段階でこちらの期待するところを明確にし、しっかりとしたスケジュールを設定することが重要です。
導入事例作成プロセスが遅延する主な原因は、担当者に導入事例を承認する権限がなかったり、明確なスケジュールが設定されていなかったりするためです。ですから、事前にこうした点をしっかりと詰めておくようにしましょう。
遅れを出さないようにするためには、「自社から顧客に提供できるサポート」と「顧客に期待されること」のすべてを明確に記載したメールを送ってプロセスを開始するとよいでしょう。実際にどのようなメールを送ればよいのかは、以下のサンプルを参考にしてください。
サンプルメールを読まれて、おそらく「ケース スタディ リリース フォーム(Case Study Release Form)」 そして「サクセス ストーリー レター(Success Story Letter)」とは何かと思われたことでしょう。
まずケース スタディ リリース フォームですが、通常は以下のような内容を含めます。(ただこの文書は皆さんの事業規模、業務の性質、導入事例の用途によって多少変わってきます。)
次にサクセス ストーリー レターですが、これはサンプルメールにも書かれているとおり、導入事例作成プロセス全体の概要を記載したものです。文書では、導入事例に協力することで顧客が得られる利点を簡潔に説明すると共に、以下の各ステップを明確に定義することが重要となります。
最終的に導入事例のページを公開したら、顧客に共有のためページのリンクを送ります。その際、リンクを顧客の社内でも共有してもらうようお願いしてみましょう。
導入事例は自社の成果・能力だけでなく、担当者の成果でもあります。その素晴らしい成果をお客様社内で共有頂きましょう。社内で担当者の上がればお互いにwin-winの関係が築けます。
アンケートとインタビューを成功させるには、事前準備が重要です。単純な質問では誰の心にも響かない事例になってしまいます。「どのようなお客様」が「どのような課題」を持ち、「どのように解決したか」。
具体的なお話を聞くことで、同じような境遇・課題を持つお客様に響く事例になります。単に質問を準備するだけでなく、それらが「適切な質問」であるようにしてください。
アンケートは、以下のような質問で始めるとよいでしょう。
実際のインタビューで、成果が出るまでのストーリーをお聞きしましょう。次に、電話によるインタビューでは「インタビューの黄金律」に従うことをお勧めします。次に、電話によるインタビューでは「インタビューの黄金律」に従うことをお勧めします。
黄金律というと仰々しく感じられるかもしれません。
実際には非常にシンプルで、「自由回答形式の質問をする」、ただこれだけです。
「はい」か「いいえ」で回答できてしまう質問からは、説得力のあるストーリーを作り出すことはできません。「~について詳しくお聞かせください」「~について教えてください」のように、詳しい話を引き出せるような質問に常にフォーカスしてください。
インタビューの構成については、「顧客のビジネス」、「ソリューションの必要性」、「意思決定プロセス」、「ソリューションの導入」、「ソリューションの実施」、「結果」という6つのセクションに分けることをお勧めします。このようにセクションを分けることで、充実した包括的な導入事例をまとめるのに十分な情報が収集しやすくなります。
それでは各セクションを詳しく見ていきましょう。
収集したすべての情報を、いざ何らかの形にまとめるとなると、難しく感じる方もいるかもしれません。
どこから始めればよいのか? 何を含めるべきか? どうするのがベストな構成か? 疑問はつきません。
導入事例のレイアウトとして、HubSpotでは、以下の7つのセクションを組み込むことをお勧めします。
以下は、上記の導入事例(ケーススタディ)フォーマットを実際にテンプレート化したものです。
導入事例のレイアウトを決める際は、収集した情報をできる限り明確かつ簡潔に伝えることに努めましょう。さっと読めて理解しやすいようにしてください。そして最も重要となるのが、最後にCall-To-Action(CTA)を配置して、読者に製品やサービスの詳細を知る機会を提供することです。
あなたは結果を出し、顧客にコンタクトし、期待するところを明確にし、アンケートを実施して生産的なインタビューを行い、収集した情報を説得力のあるストーリーにまとめました。そのようにして完成したのが、セールスを促進する強力な「導入事例記事」です。
導入事例が最終的にどのような形になるかについては、HubSpotの導入事例(ケーススタディ)ライブラリから引用した以下のマーケティング導入事例をご覧ください。
インバウンドマーケティングでプッシュ型営業がほぼゼロ。新規顧客単価が2倍へ。
タイトルに説得力のある数字が含まれているため、ソウルドアウト株式会社がどのようにその数字を達成したのか、読者に知りたいと思わせることができます。
また、ソウルドアウト株式会社がインバウンドマーケティングを導入するまでどのような境遇にいたかを明確に説明しています。
パワフルな引用がいかに効果的で、導入事例全体の裏付けとなるかがお分かりいただけるかと思います。
動画の導入事例では、事前に収集した情報を説得力のあるストーリーにまとめプレゼンテーションをするような形で収録する必要があります。
導入記事なども効果を発揮する一方で、動画の力に注目も集まり、動画を活用して導入事例を紹介する企業が増加してきています。
HubSpot パートナー企業:株式会社タービン・インタラクティブ
動画の情報量はテキストなどの文字と比較し、圧倒的に密度と量が増加します。その情報量は、テキストと比較すると5,000倍にもになると言われ、どうして株式会社タービン・インタラクティブが導入に成功したのかを、視聴者に知りたいと思わせることができます。
もちろん、被写体となる方のプレゼン力であったり、表情などが視聴者に対して大きな影響を与えることもあります。パワフルなジェスチャーや豊かな表情がいかに効果的で、導入事例全体の裏付けとなるかがお分かりいただけるかと思います。
皆さんの会社では導入事例作成プロセスにどのようなアプローチで取り組んでいますか? 導入事例のプロモーションに何か特別なことは行っていますか? 以下のコメント欄で是非共有してください。
編集メモ:この記事は、 2015年5月に投稿した内容に加筆・訂正したものです。 Carly Stecによる元の記事はこちらからご覧いただけます。