私たちが普段見ているほとんどのWebページは、「HTML」という言語によって作られています。
HTMLの知識を習得すれば、Webサイトへのブログの投稿やHTMLメールの作成など、あらゆるWebマーケティング施策に応用できます。
初心者の方がHTMLコードを記述する際には、「HTMLエディタ」の使用がおすすめです。HTMLエディタを使うことで、HTMLタグの設定やスペルチェックなどが簡単に行えるようになります。
本記事では、これからHTMLを学習しようと考えているWebマーケターに向けて、おすすめのHTMLエディタ14選を紹介します。無料で使えるソフトもあり、エディタを選ぶ際のポイントについても解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。
HTMLエディタとは、HTML形式に対応したテキストエディタ(編集ツール)のことです。タグが見つけやすく、コードエラーが自動表示されるなど、HTMLのコーディングを効率化するためのさまざまな機能が備わっています。
HTMLエディタは、Webサイト制作などHTMLコードを書く際の必須ツールといえるでしょう。
HTMLエディタを使用する主なメリットは、大きくは4つ挙げられます。
HTMLエディタにはコードの自動入力機能が備わっているため、記述時間の短縮が可能です。
Webページの多くはHTMLによって構成されていますが、そのコード量は膨大です。さらにスペルミスがあれば、エラーが生じてしまうため、どこの記述が誤っているか確認するだけでも一苦労です。
また、初心者によくありがちなのがタグの入力漏れです。たとえば、タイトルタグでは「<h2>見出し名</h2>」というように、開始タグと閉じタグは必ずセットで書かなければなりませんが、「>」が一つ欠けただけでも機能しなくなってしまいます。
HTMLエディタには自動入力機能があり、コードをすべて打ち込まなくても、自動予測変換によって候補となるコードが表示されます。さらに、閉じタグも自動入力されるため、入力漏れも防げます。
HTMLエディタは、HTMLだけではなく、スタイルシート言語やプログラミング言語など、複数の言語に対応しています。
Webページは、デザイン・装飾を加える「CSS」や、Webコンテンツに動きを加える「JavaScript」など複数言語の組み合わせによって構成されています。
そのため、見た目や機能にこだわったサイトを作ろうとするほど、言語同士の組み合わせが複雑になり、コーディングの難易度が高まります。
複数言語を扱えるHTMLエディタを活用すれば、わざわざエディタを切り替える手間がなく、コーディング時間の短縮に役立ちます。
HTMLエディタを使うことでコード全体が見やすくなり、記述ミスの減少に役立ちます。
HTMLは記述量が増えるにつれ構造が複雑になり、記述ミスが起きやすくなるものです。HTMLエディタを活用すれば、タグの要素名が赤色、属性名がオレンジ色、属性値が緑色といったように色分けされるため、視認性が向上します。
HTMLエディタにはプレビュー機能が備わっており、記述した内容に誤りがないか確認しながらコードの記述を進めることが可能です。
プレビュー機能があれば、わざわざWebブラウザを開く必要がなくなるため、作業時間の効率化につながります。細部の微調整もサクサクと進めることができるでしょう。
HTMLエディタは現在数多くの種類が登場しています。ツールによって機能や特徴が異なるため、「どれを選べば良いかわからない」とお悩みの方もいるでしょう。
ここでは、HTMLエディタの選び方を4つ紹介します。
HTMLエディタは海外製のツールが中心のため、日本語に対応しているエディタは限られます。英語が苦手な方は日本語に対応しているエディタを選ぶようにしましょう。また、エディタによっては、プラグインなどであとから日本語化できるものもあります。
ただし、HTMLの構文自体は英語なので、HTMLでよく使用するタグの意味は覚えておくと便利です。
エディタによって対応しているOSは異なります。OSにはMac・Windows・Linuxなどがあり、未対応のOSでエディタを使うことはできません。
HTMLエディタをダウンロードする際に対応しているOSが表示され、未対応の場合はそもそもダウンロードが出来ない仕様になっています。
HTMLエディタは、ダウンロード時にあらかじめ使える機能以外にも、プラグインと呼ばれる拡張機能をインストールすることで、機能の追加が可能です。
たとえば、日本語変換や、カラーコードの自動入力などHTMLのコーディング作業を効率化する機能を持つプラグインが存在します。プラグインが豊富なエディタを利用することで、自分仕様にカスタマイズできます。
HTMLエディタを選ぶ際は、そのエディタの使い方に関する情報が多いものを選ぶことをおすすめします。
ベテランのエンジニアでも、すべての機能を理解しているわけではなく、コーディングをしながら必要な情報を調べています。
そのため、使い方がわからない時に、調べればすぐに情報が得られるエディタがおすすめです。
ここからは、おすすめのHTMLエディタを紹介します。Windows・Macそれぞれに対応したエディタを紹介しますので、利用しているOSに合ったエディタを選んでください。
まずは、WindowsとMacの両方に対応したHTMLエディタを4つ紹介します。
動作も軽く大容量ファイルも容易に編集が可能。4GB以上の大きなファイルも扱えます。
複数言語のハイライト機能、リモートファイル操作、高度なファイル検索など、コーディングを効率化する機能が豊富。開発者やITエンジニアが直面するすべての課題を解決する強力なオールインワンソリューションです。
メリット
デメリット
価格
NoteTabは、HTMLコードの作成プロセスの高速化を実現するHTMLエディタです。
ツールバーからタグやその他のHTMLコードを挿入したり、コード入力中にオートコンプリート機能によりタグ挿入できるため、作業効率化に役立ちます。
さらに、多言語のスペルチェッカーと構文を強調表示するためのカスタマイズされた入力コントローラーにより、構文エラーの早期発見も可能な高機能エディタです。
メリット
デメリット
価格
AtomはGitHub社が開発したHTMLエディタで、プログラミング初心者から上級者まで幅広いユーザーに対応しています。
あらゆるプログラミング言語をサポートし、パッケージと呼ばれる拡張機能を活用することでコーディングをさらに効率化します。
オープンソースのため無料で利用でき、GitHub社の優秀なエンジニアが開発に参加しているため、将来的にさらなる機能拡張が期待されています。
メリット
デメリット
価格
Visual Studio Code(VSCode)は、2015年にMicrosoft社がリリースしたオープンソースのHTMLエディタです。
HTML・CSS・JavaScriptなどのWeb制作に必要な言語をはじめ、RubyやPythonなど、Webアプリケーション開発に利用されるプログラミング言語に対応。さらに、構文の強調表示や自動入力など、コーディングを効率化する機能も備わっています。
豊富な機能がありながら、軽量なので動作が軽快であることも大きなメリット。多くの開発現場で利用されている、実績豊富なテキストエディタです。
メリット
デメリット
価格
続いて、Windows OSに対応したHTMLエディタを3つ紹介します。
TextPadは、プレーンテキストファイルに最適な、シンプルで直感的に使えるWindows用エディタです。インターフェースは他のエディタと比較して、やや古い印象を与えるかもしれませんが、あえてシンプルに設計されていることがTextPadの特徴でもあります。
TextPadを使うことで複数ファイルの同時編集や、それらのファイル間でテキストをドラッグ&ドロップすることも可能です。また、テキストのブロックをインデントしたり、行を分割または結合したりといった、HTMLコーディングを効率化する機能が備わっています。
メリット
デメリット
価格
Notepad ++は、初心者プログラマー向けに設計されたオープンソースのテキストエディタです。Notepad ++は、HTML・CSSに加えて、75のプログラミング言語をサポート。
同時にロードして作業できるファイル数の多さと軽量性が大きな特徴です。大量のCPUパワーを使用していても読み込みに時間がかからないため、異なる言語・異なるファイル形式の同時編集が可能です。
メリット
デメリット
価格
サクラエディタは日本人が開発したオープンソースのテキストエディタです。海外で開発されたエディタが多い中、日本語ベースで仕様が構築されているため、誰でも使いやすいエディタです。
操作方法を解説するWebサイトも充実しているため、初心者にもおすすめです。
HTMLエディタとしての機能も充分備わっており、コードの強調や検索機能のほか、選択した文字の全角・半角、ひらがな・カタカナ変換なども可能で、コーディングを効率化できます。
メリット
デメリット
価格
次に、Mac OSに対応したHTMLエディタを4つ紹介します。
mi(ミ)はmac OS用に開発された国産テキストエディタです。日本語に対応しているため、エディタ利用が初めての方にも操作しやすいことが特徴です。
一見、普通のメモアプリのようなシンプルな見た目ですが、タグごとの色分けや分割表示、検索置換機能もあり、基本的なHTMLコーディングには充分対応できます。HTMLのほか、C言語にも対応しています。
非常にシンプルな設計になっているため、Mac利用者でHTMLエディタを初めて使う方であれば、まずはmiでコーディングを試してみてから他のエディタを検討することをおすすめします。
メリット
デメリット
価格
Sublime Textは、元Googleのエンジニアが開発したコードエディタです。HTML・CSSのほか、Javaなど複数のプログラミング言語と互換性を持ちます。
Sublime Textが多くの開発者に利用される理由は、非常に軽いソフトウェアであることです。たとえば、Atomは596MBという大きさに対して、Sublime Textはわずか43MBです。
また、Sublime Textは初期状態での機能が少なく、拡張機能を用いてあとから自由に追加していく仕様となっています。分割編集、複数選択編集など多くの機能を提供していますが、自分が使う機能だけを追加していけば良いので、無駄がなく快適な開発環境の構築が可能です。
メリット
デメリット
価格
CotEditorは、macOS専用の無料テキストエディタです。日本で開発された国産エディタなので日本語に対応。エディタを使うのが初めての方でも安心して利用できます。
CotEditorが選ばれる理由のひとつに、動作が軽いことが挙げられます。起動時やコーディング中もストレスなくサクサクと動きます。インターフェースも簡素で見やすいため、まずは必要最低限の機能でコーディングに慣れていきたい方におすすめです。
メリット
デメリット
価格
BBEditは、無料のプレミアムバージョンを提供するmacOS用HTMLエディタです。ファイル作成・インポート・編集、さらに複数ファイルに渡るテキスト検索と置換が簡単に行えます。
BBEditを使用することで、2つのテキストファイルを比較分析し、それらの間に欠落している構文や、類似のテキストを見つけることが可能です。
エディタとしての基本的な機能は備わっており、コードエラーのチェックやデバッグなども行えます。
メリット
デメリット
価格
最後に、PC上に作業環境を構築することなく、オンライン上で使用できるHTMLエディタを3つ紹介します。
JSFiddleは、HTML・CSS・JavaScriptのコーディング・動作確認、記述したコードの共有ができるオンラインIDEサービスです。
基本的な機能は無料で使える上、コーディングに必要な最低限の機能に抑えられているため、初心者の練習用ツールとしても人気があります。
作成・保存したファイルはGitHub(データをオンライン上で共有・公開するサービス)を使わず、URLだけで共有できる点も魅力です。
メリット
デメリット
価格
JS Binは、ブラウザ上で記述したコードの動作をリアルタイムでチェックできるオンラインサービスです。
エディタで書いたコードを貼り付けるだけで動作確認が可能なので、書いたコードの動作を確認したい場合や、動作に不具合が生じて、原因を調べたい場合などに役立ちます。
さらに、専用のURLを送るだけで自身が書いたコードをシェアできます。コードについて相談したい場合や、他の人にコードを引き継ぐ場合などに役立ちます。
メリット
デメリット
価格
CodePenは、ブラウザ上でHTML・CSS・JavaScriptなどのコードを記述し、リアルタイムで表示や動作を確認しながら開発を進められるオンラインエディタです。
記述したソースコードはWebサイトやブログに埋め込んだり、SNSでシェアできるため、初心者Webデザイナーやフロントエンドエンジニアのコーディングの練習ツールとしておすすめです。
基本的な操作は無料で利用できますが、有料会員になることでEmbedのカスタマイズ制限解除や複数人同時編集(無料版は2人まで可)など、さらに便利な機能を利用できます。
メリット
デメリット
価格
HTMLエディタとよく混同されるサービスにIDEがあります。IDEとは「Integrated Development Environment」の略で、日本語では統合開発環境と訳されます。
IDEはプログラミングに必要なソフトウェアを集結させ、プログラミングを効率的に行えるように整えた開発環境のことで、一言でいうと「何でもできるテキストエディタ」です。
IDEを使えば、HTMLコーディングが初めての方はもちろん、プログラミングや環境構築の知識が少ない人でも、短時間で作業を行うことができます。
IDEは、プログラムの構文チェックなど、HTMLよりも高度な作業が可能です。それぞれの違いを以下の表にまとめました。
HTMLエディタ | IDE |
---|---|
起動が早い |
起動するまで時間が掛かる |
動作が軽快 |
メモリを大量に消費するため動作が重い |
コーディング以外はできない |
デバッグやテストなど、あらゆる操作が可能 |
コーディング初心者から上級者まで幅広い |
主にエンジニア、システム開発者など上級者向け |
本稿ではHTMLエディタについて解説しました。HTMLエディタを使えば、効率的かつ誰でも簡単にHTMLコードの記述が可能です。
オートコンプリート機能(入力補完)が備わっているHTMLエディタを活用すれば、コード入力を素早く行えるため、コーディング時間の短縮につながり、作業効率が向上します。また、構文チェックやスペルチェック機能も備わっているため、初歩的なエラーを防くことができるでしょう。
今回ご紹介したように、HTMLエディタには、無料のものから有料のものまで数多くのサービスが登場しています。それぞれにメリット・デメリットがあるため、作業環境や自社の課題に合うと感じたエディタから導入してみてください。