リスティング広告とは、検索エンジンの検索結果の上部に表示される広告のことです。リスティング広告の成果を高めるには、LPの役割を理解したうえで、作成のポイントを押さえることが必要です。また、リスティング広告で思うような成果が出ていないのであれば、ユーザーのニーズに合っていないLPになっているかもしれません。
本記事では、リスティング広告におけるLPの役割や、LPが必要なケースと不要なケースを解説します。相乗効果を高めるLP設計・改善のポイントや3つのLP事例もご紹介しますので、参考にしてください。
リスティング広告は、検索エンジンでユーザーが特定のキーワードを検索した際に、その検索結果に表示される広告です。一方、広告をクリックした後に表示されるページのことをLP(ランディングページ)と呼び、活用することで商品・サービスに興味を持ったユーザーに対して効果的なアプローチが可能になります。
LPの詳細は、こちらのページで詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。
リスティング広告におけるLPの役割は、検索エンジンを通じてユーザーが特定のキーワードを検索した際に、そのニーズに適した情報を迅速かつ適切に届けることです。
そもそもユーザーは、何かしらの悩みや疑問を解決するためにキーワードを検索しています。リスティング広告は、解決の入り口としてユーザーとの接点を生み出し、先に続くLPでニーズに合った情報をユーザーに届けます。
ユーザーのニーズが顕在化したタイミングで、LPを通じてユーザーの悩みや疑問に対する解決策を提示できると、商品・サービスにより興味をもってもらいやすくなるでしょう。
LPには、商品やサービスの販売、リストの収集など、ユーザーに特定の行動を促す役割もあります。
LPでユーザーのニーズを満たし、悩みを解決できる情報やコンテンツを提供することで、商品やサービスの購入、問い合わせなど、ユーザーを解決策に導くための行動へつなげることができます。
ユーザーへの理解を深めることも、リスティング広告におけるLPの重要な役割です。
ヒートマップなどの分析ツールを使うと、ユーザーがどこまで読んだか、どこで離脱したかなどの行動データを収集できます。得られた行動データを基にLPを改善すれば、ユーザーのニーズにより適した情報提供や構成作成が可能になります。さらに効果的なLPへと改善することで、コンバージョン率(CVR)の向上も期待できるでしょう。
LPには、リスティング広告の品質スコアを高める役割もあります。
リスティング広告の品質スコアは、クリック率やキーワードの関連性以外に、LPの内容も評価の対象となります。LPの内容がユーザーの検索ニーズを満たしユーザーの役に立つものであれば、ユーザーエクスペリエンスが向上し、結果として、リスティング広告の品質スコア向上にもつながるでしょう。
LPはリスティング広告において重要な役割を果たしますが、必ずしも必要とはいえません。ここでは、リスティング広告でLPが必要なケースと不要なケースを解説します。
リスティング広告でLPが必要になるのは、主に次のケースです。
新商品や新サービスの提供を開始した直後では、専用サイトが用意できていないこともあるでしょう。そのような場合には、LPが必要になります。LPは1ページで完結するため作成の工数が少なく、Webサイトよりも短期間かつ低コストで作成できるため、スムーズにリスティング広告の運用を開始できるでしょう。
Webサイトの修正や改善では、ある程度の時間を要します。一方、LPではコピーやデザインなどを容易に変更できるため、状況に応じて訴求内容を調整したい場合はLPが最適です。
同じ商品やサービスでも、検索キーワードごとに検索ユーザーのニーズに合わせた訴求へと繰り返し改善すれば、CVRの向上が期待できるでしょう。
LPはホームページと異なり、基本的に1ページで完結します。そのため、期間限定・特別オファーなど特定の内容に特化したキャンペーンとの相性が良いのが特徴です。キャンペーン内容に特化した構成やデザインでLPを作成すれば、より効果的な訴求を実施できるでしょう。
キャンペーン終了後は、広告の遷移先を常設のLPやホームページに戻すだけで良いため、運用の手間もかかりません。
リスティング広告でLPが不要になるのは主に次のケースです。
販売したい商品やサービスが複数ある場合や、比較後に購入してほしい場合には、LPは不要です。LPは1つの商品やサービスに特化して訴求することが得意であり、複数の商品やサービスの紹介には向いていないためです。
複数の商品やサービスを比較して購入してほしい場合には、LPではなくホームページやオウンドメディアで記事を公開する方法がおすすめです。
通常のホームページで販売したい商品やサービスの情報を十分に伝えており、問い合わせや資料請求などの導線が整っている場合、LPは不要です。また、社内の人材や環境が整っておらずコストを抑えたい場合は、既存ページの活用も効率的です。
ただし、ホームページはLPに比べて離脱される可能性が高い点には留意が必要です。1ページで完結するLPと異なり、ホームページはサービスページや料金ページなどに情報が分散されているためです。
ランディングページとホームページの違いについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
リスティング広告の運用目的が商品やサービスの販売ではなく、認知拡大やブランディングの場合もLPは不要です。通常、LPは問い合わせや購入など、ユーザーに特定の行動を促すことを目的として作成します。
一方で、認知拡大やブランディングでは潜在顧客や見込み客に対して有益な情報を継続的に提供して信頼関係を構築することが重要になり、LPの運用目的に沿わないためです。
認知拡大やブランディングを目的とする場合は、企業理念や社会への取り組みなどの多面的な情報を発信できるホームページのほうが適しているといえます。
ここではリスティング広告と相乗効果を高めるLP設計・改善のポイントを10個解説します。
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リスティング広告と相乗効果を高めるには、ファーストビューでユーザーを引きつけることが重要です。ファーストビューとは、広告をクリックして最初に表示されるLPの冒頭部分を意味し、その印象によって離脱率は大きく変わります。
ファーストビューでユーザーに興味を持ってもらえなければ、その先に有益な情報があったとしても、ユーザーはスクロールせずに離脱してしまいます。明確なキャッチコピーや魅力的なデザインなどで、ユーザーの興味をかき立てましょう。
LPでは、ベネフィットを明確に伝えることが重要です。ベネフィットとは、ユーザーがその商品やサービスを購入することで得られるメリットや未来像のことです。
ベネフィットを伝える際は、企業目線で商品やサービスの特徴や機能を説明するのではなく、ユーザー目線に立つことが大切です。その商品やサービスを使うことで、ユーザーの抱えるどのような悩みを解決できるのかを考えたうえで、わかりやすく伝えましょう。
特に、リスティング広告のLPはディスプレイ広告やSNS広告用のLPと異なりユーザーの悩みや課題が明確であるため、直接的な解決策を提示することが重要です。
リスティング広告のキーワードとLPの内容を一致させることも大切です。ユーザーの離脱を防ぐためにも、リスティング広告の遷移先となるLPには、ユーザーが求める情報を掲載する必要があります。
また、キーワードとLPの関連性が低いと、品質スコアにも悪影響を及ぼしてしまいます。
CTA(Call To Action)のボタンをわかりやすく設置することも大切です。CTAとは、問い合わせ・資料請求・購入するなど、ユーザーに行動を促す、申し込むためのボタンのことです。LPは縦長の構成で情報量も多いため、ユーザーの離脱を防ぎ、行動を促すために適切な位置にCTAボタンを設置する必要があります。
CTAボタンは、ファーストビューの直下、LPの途中、最後尾など、ユーザーの興味が高まりやすいところに複数設置しましょう。また、CTAボタンの色、サイズ、デザインなどを最適化して目立たせることで、クリックされやすくなります。
入力フォームの最適化(EFO)もLP設計・改善に欠かせません。入力フォームの内容がわかりづらかったり項目が多すぎたりすると、ユーザーが商品やサービスに興味を持っていても離脱する可能性が高まるためです。
EFOでは、郵便番号を入力すると住所が自動入力される入力補助機能や、プルダウンメニュー、チェックボタンを活用して入力の手間を減らすことが効果的です。また、別枠で入力の進捗状況を可視化すれば、ユーザーの不安やストレスを軽減でき、離脱を防止できます。
入力フォームの最適化(EFO)についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
多くの場合において、ユーザーは購入や申し込みをする際に何かしらの不安や疑問を抱えているものです。LPでは、ユーザーが抱える不安や疑問を理解し、先回りしてそれらを解消することが重要です。
具体的には、導入事例、お客様の声、FAQなどを掲載すれば、ユーザーは安心感を得られます。その結果、商品・サービスの購入、申し込みなどの次の行動に移ることができるでしょう。
「興味はあるけれど決定打がない」「今すぐ申し込むべきか迷っている」など消極的なユーザーには、行動を後押しするようなポジティブなコピーが効果的です。例えば、期間限定割引、返金保証あり、キャンペーン実施中など、今すぐ購入しないともったいないと感じてもらえるコピーを加えると良いでしょう。
決断をサポートすることで、ユーザーは購入までの行動をスムーズに進めやすくなります。また、ユーザーにとってメリットとなるオファーができれば、押し売りにならずにユーザーの行動を後押しできます。
近年、スマホやタブレットの普及が進み、モバイル端末からのインターネットアクセスが増えています。総務省が発表した「令和6年版 情報通信白書」によると、個人でのインターネット利用率は、スマホでは72.9%、PCでは47.4%にのぼります。そのため、LPはPC用デザインだけでなく、スマホ用やタブレット用のデザインも用意する必要があります。
モバイルに適したデザインでなければ、文字が小さくて読みにくかったり、タップしにくかったりと、ユーザーに不便を感じるでしょう。そこで、LPを作成する際はモバイル対応のレスポンシブデザインを採用し、作成後はPCに加えてスマホなどからも表示を確認することが重要です。LPをレスポンシブ対応させることは、広告の品質スコアにも影響します。
LPのページ読み込み速度の向上も、リスティング広告との相乗効果を高め、また広告の品質スコアを上げるために不可欠です。ユーザーがリスティング広告をクリックしても、LPの読み込みが遅ければ、ユーザーはストレスを感じて離脱してしまい、結果的に広告の成果につながらないためです。
なお、ページの読み込み速度を上げるには、コードの圧縮や、画像サイズの最適化が効果的です。
LPは作成して終わりではなく、運用から得られたデータを基に改善を続けることが大切です。
異なるバージョンのLPを用意し、訪れたユーザーに対してLPを切り替えることでユーザーの反応を比較できるA/Bテストや、ヒートマップツール、アクセス解析ツールなどを活用して、ユーザーの行動データを分析しましょう。改善点を繰り返し修正することで、さらに価値を提供できるLPに仕上げられます。
LPの設計や改善には、成功事例を参考にするのがおすすめです。ここでは、3つの事例を基に、LPの設計ポイントを解説します。
出典:楽楽精算
経費精算システム「楽楽精算」のLPは、ファーストビューが印象的な事例の一つです。商材により課題を解決できることを伝え、スムーズな行動を促しています。
【ファーストビュー】
【CTAボタンの工夫】
【ユーザーの行動促進】
出典:Zendesk
カスタマーサービスツールの「Zendesk」のLPもファーストビューを工夫し、さらに設計面ではユーザーの手間や心理的負担を軽減しながら行動を促している事例です。
【ファーストビュー】
【CTAボタンの工夫】
【ユーザーの行動促進】
出典:Fondesk
電話代行サービスの「fondesk」のLPでは、サービス紹介に加え、無料トライアルや資料ダウンロード、チャットボットへの質問など、ユーザーが取るであろうあらゆる行動をサポートしているのが特徴です。また、次のような設計上の工夫をしています。
【ファーストビュー】
【CTAボタンの工夫】
【ユーザーの行動促進】
リスティング広告をきっかけに成果を得るには、LPを効果的に活用することが重要です。LPでユーザーのニーズを満たす提案や悩みを解消できる解決策を提示できれば、ユーザーにより良い価値を提供できます。
本記事でご紹介したLP設計・改善のポイントをおさえながら、ユーザーに安心して商品の購入やサービスの申し込みをしてもらえるように改善を重ねていきましょう。
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