簡単なステップでECサイトの構築や運営ができるShopify(ショッピファイ)は、世界中で170万以上のストアが利用しているプラットフォームです。
Shopifyには5つの料金プランがありますが、中小企業をはじめ、個人事業や大規模なEC事業まで対応できることもあり、「それぞれ何が違うのか?」「自社に最適なプランはどれか?」とお悩みではないでしょうか。
本記事ではShopifyの料金プランについて、比較表を用いて徹底解説します。プランを選ぶときに押さえるべきポイントも紹介していますので、参考にしてください。
Shopifyでは、「ライト」「ベーシック」「スタンダード」「プレミアム」「プラス」の5種類の料金プランが用意されています。以下がプラン一覧です。
※2022年1月時点の情報です。
次章から、各プランの詳細を解説していきます。
Shopifyの5つの料金プランのうち、「ベーシック」「スタンダード」「プレミアム」の3つの主要プランが中小企業向けの内容となっています。
※2022年1月時点の情報です。
ここではこれらの主要な3つのプランの特徴と、各プランに最適なビジネスをご紹介します。
3つのプランのうち最も安価なベーシックプランは、月額29米ドル(約3,300円)で利用できます。
低価格ながらオンラインストアの構築と無制限の商品登録が行えるなど、ECサイト公開に必要な機能がそろっています。クーポンやギフトカード発行などの機能も利用できるため、初めてオンライン販売を始める方でも集客に結びつけやすいでしょう。
「スタンダード」「プレミアム」の上位プランと異なるのは、スタッフアカウント数が2名までに限定されている点です。そのため、比較的少人数でECサイトの管理や運営を行うビジネスやストアにおすすめのプランといえます。
スタンダードプランの月額料金は79米ドル(約9,000円)です。ベーシックプランよりも月額料金が高い分、販売手数料やShopifyペイメント以外の決済利用時の追加料金が安く設定されています。
スタッフアカウント数は5名までで、スタンダードプランからはShopifyのプロフェッショナルレポート機能が利用できます。プロフェッショナルレポートとは、特定の商品の販売データや顧客レポートをもとに、新規顧客とリピーターの販売比較や国別の販売比較などができる機能です。
また、スタンダードプランでは、最大5つの場所の在庫管理・為替レート設定・2ヵ国語設定・国別のドメイン取得が可能です。そのため、5名以上のスタッフで管理や運用を行い、実店舗や複数の倉庫を有するビジネスおよび越境EC向けのプランとなっています。
プレミアムプランは月額299米ドル(約34,300円)と、主要プランの中では高額ですが、その分、販売手数料は3.25〜3.8%と最も安く設定されています。こちらのプランは、取引量の多いビジネスやストアにおすすめです。
プレミアムプランはプロフェッショナルレポートに加えて、カスタムレポートを作成できるのが特徴です。カスタムレポートとは、Shopifyの初期設定のレポートにGoogle広告などを用いた売上追跡レポートを追加したオリジナルのレポートで、マーケティング戦略の分析や改善に役立ちます。
また、配送業者を標準・速達・当日配送などから選択できる機能が備わっており、顧客が配送業者を選択すると最新の配送料が自動表示されます。
プレミアムプランは利用できるスタッフアカウント数が15名と多いため、大人数でマーケティングに積極的に注力したいストアや、ビジネス促進の機会を探しているEC事業者におすすめです。
続いて、個人や小規模ビジネス向けのライトプランと、大規模ビジネス向けのプラスプランをご紹介します。
ライトプラン(Shopify Lite)は月額9米ドル(約1,000円)で利用でき、Shopifyの料金プランの中で最も安価なプランです。ECサイトの構築機能はなく、商品登録やカート機能のみ利用可能です。
そのため、すでに運用しているWebサイト・ブログ・SNSなどに、Shopifyのカートボタンを設置して販売を開始するのに適したプランです。スクラッチからECサイトを構築する必要がなく、スピーディに販売が開始できます。
ライトプランにはレポート機能が付いていないため、運用データの集計などはできませんが、管理画面やShopify POSなどはベーシックプラン以上のプランと同じように利用できます。
まずは初期費用を抑えてオンライン販売に挑戦したいという方や、Webサイト・ブログ・ビジネス用SNSアカウントをお持ちの方におすすめです。
プラスプラン(Shopify Plus)の料金は利用規模に応じた変動制で、月額2,000米ドル(約23万円)からとなっています。通常の機能に加えて、以下の機能が利用できます。
メインストアと、追加9サイトの計10サイトまで無料で開設できる点がプラスプランの大きな特徴です。地域別や商品別など複数のECサイトを運営する大企業や、取引量が多くプロモーションや業務を自動化したい方に適しています。
また、プラスプランではプラットフォームの移行にも無料で対応しており、他のECシステムからShopifyへ乗り換える際は専任のエキスパートが対応するため、スムーズに移行できます。
Shopifyでプランを選ぶ際には、現在のビジネスの取引状況や今後の拡大目標に合わせて判断すると良いでしょう。具体的には以下のポイントに着目すると、利用したときに機能やコスト面で過不足が発生しづらくなります。
それぞれの詳細について解説します。
Shopifyの料金プランは、上位プランになるほど販売手数料が安くなります。ベーシックプランの販売手数料は3.4〜3.9%ですが、仮に3.4%だとすると、月100万円分の取引が行われた場合の販売手数料は34,000円です。
一つ上位のスタンダードプランでは販売手数料が3.3〜3.85%となり、3.3%で計算すると、同じ100万円の取引を行った場合の販売手数料は33,000円です。
このように、取引量が増えるほど、プランによっては負担する手数料の金額が大きく変わってきます。想定される取引額や売上規模に合わせてプランを選択するようにしましょう。
なお、Shopify公式の「Shopifyペイメント」以外の決済サービスを利用した場合、販売手数料の他に追加料金(2.0%〜)がかかります。こちらも取引額に応じて、Shopifyペイメントの導入を検討することをおすすめします。
Shopifyペイメントについては以下の記事でも詳しく解説しています。ご興味がある方はぜひご覧ください。
ECサイトの運営には、売上管理・在庫管理・マーケティングレポート作成・広告の費用対効果測定などさまざまな業務があり、複数名で運営しているケースも多いでしょう。
Shopifyのプラスプランではアカウントごとに「商品管理のみアクセス可能」など権限を設定できるため、ECサイトを複数名で運営する際に便利です。
利用できるスタッフアカウント数は、「ベーシック」が2名、「スタンダード」が5名、「プレミアム」が15名、「プラス」が無制限と、プランによって異なります。そのため、運営に携わるスタッフの人数や、管理体制に合わせて適切なプランを選ぶと良いでしょう。
Shopifyのすべてのプランに付いている「Shopify POS」は、ECサイトと実店舗の販売状況・在庫状況・顧客情報データの集計や管理を一括で行える機能です。こちらもプランによって利用できる機能が以下のように異なります。
【プラスプラン以外】
【プラスプラン】
主要な3つのプランでもShopifyの幅広い機能が利用できますが、プラスプランでは、より高度な機能が追加されます。ECサイトの他に実店舗も運営している方や、今後、実店舗もオープンする予定の方は、POS機能の充実度も考慮した上でプランを選択してみてください。
Shopifyを利用中に取引量や利用したい機能が変化した場合には、プランを変更する必要があります。プランは利用途中でも変更可能です。
変更方法は以下のとおりです。
Shopifyでプランを変更するタイミングは、各プランの月額料金と販売手数料の損益分岐点をもとに試算できます。
ベーシックプランとスタンダードプランは月額料金の差が$50で、販売手数料は0.1%の差があります。一方、スタンダードプランとプレミアムプランは月額料金の差が$220で、販売手数料は0.05%の差があります。これをもとに試算すると、プランを変更するタイミングは次のようになります。
このように、収益次第では上位プランへ変更したほうがコストを抑えられるため、運営しているECサイトの規模に合わせてプランを選択しましょう。なお、上記はShopifyペイメントで決済した場合の例となりますので、その他の決済方法が多いECサイトの場合は、都度変更のタイミングを試算してみてください。
ここまで、Shopifyの料金プランについて、主要な3つのプランを軸に解説してきました。Shopifyには5つのプランがあり、ビジネスやストアの規模に応じて以下のように特徴が分かれています。
ビジネスの取引状況や拡大目標に着目することで、最適なプランが選択できるでしょう。具体的には取引額に応じた販売手数料・利用できるアカウント数・POS機能といったポイントでプラン選びをすると、実装時に機能やコスト面で過不足が発生しづらくなります。
取引量や売上高の変化に応じてプランを選び直すこともShopifyでストアを運営する上で大切なポイントです。