オンライン英英辞典のDictionary.comによると、マーケティングという単語は、「the action or business of promoting and selling products or services, including market research and advertising(市場調査や広告宣伝を含む、商品またはサービスを宣伝および販売する行為または事業)」と定義されています。

私と同様にマーケティングの仕事に携わっていて、毎日マーケティングという言葉を目にしたり使ったりしていても、その意味を簡潔に説明することは難しいことでしょう。マーケティングという言葉は大きな意味の広がりを含んでおり、簡潔な定義を決めることができません。

そのため、最初に紹介した辞書の定義はいまいちなように感じられます。

たとえば、「販売」という言葉が含まれているせいで、販売や営業との区別が曖昧です。また、私はこの「広告」という言葉から、『マッドメン』(1960年代のニューヨークの広告業界を描いた米国のテレビ ドラマ シリーズ)のブレインストーミングのシーンをイメージしてしまいます。

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しかし、深く掘り下げてみると、実はマーケティングの範囲が広告宣伝や営業と大きく重なっていることに気付きました。マーケティングは、ビジネスの始めから終わりまで、あらゆる段階にかかわる活動なのです。

では、マーケティングが商品の開発や売り込み、流通の過程で不可欠な要素となるのはなぜなのでしょうか? それは、よく考えればわかるように、マーケティング担当者こそが消費者のペルソナの実状にもっとも詳しい存在だからです。マーケティング担当者は、フォーカス グループ インタビューの実施、アンケート調査、オンラインでの購買行動の研究などを通じて、「消費者にとって、自社とのやり取りに望ましい場面、タイミング、方法とは?」という根本的な問いについて考えながら、常に消費者の研究や分析を行っています。

現代のマーケティング(英語)がその産声をあげた1950年代は、商品の宣伝に活字以外のメディアが使われるようになった時代でした。一般家庭にテレビが普及し、そのすぐ後にインターネットの利用が広がるにつれ、マーケティング担当者は複数のプラットフォームにまたがる大々的なキャンペーンを展開できるようになりました。そして、ご存じのとおり、企業が消費者に商品を販売して最大の成果を得るための戦略を細かく調整するうえで、マーケティング担当者の存在はその重要性を増してきました。

今ではマーケティングキャンペーンを展開するチャネルが何十種類もあります。では、21世紀にふさわしいチャネルとはどれなのでしょうか?

マーケティングの種類

マーケティングキャンペーンを実施するチャネルは、顧客がどのチャネルを頻繁に利用しているかによってまったく変わってきます。市場調査を実施して、ブランド構築に最適なマーケティングのタイプや、各タイプにおける最適なツールの組み合わせを判断するのがマーケティング担当者の役割です。現代に効果的なマーケティングには、次のような種類のものがあります。この中には、長い間使われ続けているものもあります。

  • インターネットマーケティング:オンラインで展開された解熱鎮痛薬「エキセドリン」のキャンペーン(英語)をきっかけに、ビジネス上の目的のためにインターネットでの存在感を高めるというアイデアが生まれました。このアイデアそのものが、本質的に一種のマーケティングであると言えます。
  • 検索エンジン最適化(SEO):ウェブサイト上のコンテンツを最適化して、検索エンジンの結果に表示されるようにするための方法です。検索を利用して、特定の業界についての情報収集をしていることが伺えるユーザーを惹きつけるために使用します。
  • ブログマーケティング:ブログはもはや個人の投稿者だけが利用するものではありません。業界に関する記事を投稿したり、インターネットを利用して情報収集をしている潜在顧客の関心を集めたりすることを目的として、今では各ブランドがブログを公開しています。
  • ソーシャル メディア (SNS) マーケティング:Facebook、Instagram、Twitter、LinkedInなどのソーシャルネットワークを利用して、自社に対するユーザーのイメージを時間をかけて構築することができます。
  • 印刷物マーケティング:新聞や雑誌の購読者についての情報が入手しやすくなったため、企業は顧客の購読している出版物に、スポンサーとして今でも記事や写真などのコンテンツを出稿しています。
  • 検索エンジンマーケティング:このマーケティングは、先ほど説明したSEOとは少し異なります。ユーザーの目に留まりやすくなるように、企業は検索エンジンの検索結果ページに有料でリンクを掲載することができます(この仕組みは「クリック課金(PPC)」と呼ばれています。以下のセクションでその具体例を紹介します)。
  • 動画マーケティング:かつてはコマーシャル動画しかありませんでしたが、今では主要な顧客層に娯楽や情報を提供するために、バリエーション豊かな動画の作成と公開に資金を投じるようになりました。

マーケティングと広告宣伝

マーケティングは、商品開発、市場調査、商品の流通、営業戦略、広報活動、カスタマーサポートに関与しており、商品販売プロセスのあらゆる段階で欠かせない要素です。また、オーディエンスを特定してコミュニケーションを取り、ブランドのメッセージを広く発信して、時間をかけてブランドロイヤルティーを構築するために、多数のプラットフォームやソーシャル メディア チャネルを利用し、組織内のチームが連携する場合があります。

一方、広告宣伝はマーケティングを構成する要素の1つに過ぎず、上で説明した包括的な目標の一環として、商品やサービスの認知度を高めるために行う戦略的な取り組みであり、通常は出費を伴います。つまり、商品を販売するためにマーケティング担当者が使用する唯一の方法というわけではありません。

たとえば、以下のような例を考えてみましょう(最後にクイズがあります)。

ある企業が、新商品の発売にあたり、その商品を顧客層に宣伝するキャンペーンの実施を検討しているとします。この企業が選んだチャネルは、Facebook、Instagram、Google、そして自社のウェブサイトです。これらをすべて利用して、四半期ごとにさまざまなキャンペーンを展開し、リード獲得につなげます。

新商品の発売を宣伝するにあたり、ダウンロードできる形式の商品ガイドを自社のウェブサイトで公開し、Instagramに新商品のデモ動画を投稿すると共に、自社のウェブサイトにある新商品のページにトラフィックを誘導するGoogleの検索連動型広告を有料で利用します。

さて、以上のプロセスの中で、どれがマーケティングで、どれが広告宣伝に該当するでしょうか?

...

広告宣伝に該当するのは、InstagramGoogleです。一般的にInstagramは広告チャネルではありませんが、ブランディングのために使用すると、商品をそれとなく宣伝できるフォロワーの獲得につながる場合があります。またGoogleは、今回の例では、まさに広告宣伝のために利用しています。この企業はクリック課金型広告(PPC広告)と呼ばれるGoogleの広告スペースを購入し、自社の商品の特集ページにトラフィックを集めています。これは典型的なオンライン広告です。

では、マーケティングに該当する部分はどこでしょうか? 答えは全部です。この企業では、顧客を中心とした取り組みに合わせて、InstagramやGoogleの広告、そして自社のウェブサイトを調整しながら3つのパートで構成されるマーケティングキャンペーンを実施することで、オーディエンスを特定し、そのオーディエンスを対象としたメッセージを作成して業界全体に配信し、最高の成果を得ることができました。 

マーケティングの「4つのP」

1960年代、米国のマーケティング研究者であるE Jerome McCarthyは、マーケティングにおける「4つのP」(英語)を提唱しました。この「4つのP」は、Product(製品)、Pricing(価格)、Place(流通)、Promotion(販促)という4つの要素の頭文字を取ったもので、

ビジネスの各段階にマーケティングがどのように関与しているかを示しています。

Product(製品)

たとえば、自社で販売したい商品のアイデアを思いついたとして、次にすべきことは何でしょうか? ただ商品の販売を始めてもうまくはいかないでしょう。

それよりも必要なことは、マーケティングチームで市場調査を行い、ターゲットとするオーディエンスはどのような層か、その商品に適した市場はあるか、売上を伸ばすにはどのようなメッセージをどのプラットフォームで発信すればよいのか、成功の可能性を高めるために商品開発者はどのような修正を行うべきか、フォーカス グループ インタビューの参加者が商品についてどのように感じており、どのような疑問や懸念を抱いているかなどの重要な点をはっきりさせることです。

マーケティング担当者は、以上の点を踏まえて、フォーカス グループ インタビューやアンケート調査の回答者から寄せられた懸念を自社内で伝えることで、新商品に対する需要を理解し、商品の質を向上させることができます。

Price(価格)

マーケティングチームは、競合他社の商品価格をチェックしたり、フォーカス グループ インタビューやアンケートを実施したりして、理想的な顧客が購入意欲を抱くような価格の設定を行います。値段が高すぎれば、安定した顧客層を失うことになり、逆に値段が低すぎれば、収益が悪くなります。マーケティング担当者が業界調査や消費者分析を行うことで、適切な価格帯を判断できます。

Place(流通)

マーケティング部門が自社の顧客についての理解と分析に基づいて、商品の販売方法や販売地域を提案するのは非常に重要なことです。小売店での販売よりもeコマースの方が効果的だと考えることもあれば、その逆もあります。あるいは、国内か海外かを問わず、商品を販売するうえで最も有望な地域について提案することもあります。

Promotion(販促)

読者の皆様が最初から期待していたのはこの「P」かもしれません。販促とは、商品に対する認知度や関心を高め、最終的には売上の向上につなげるために、マーケティングチームが実施するオンライン広告や印刷物の広告、イベント、割引などを指します。この段階では、広報キャンペーンや広告、ソーシャル メディア プロモーションなどの手法が用いられます。

今回ご紹介したマーケティングの定義や「4つのP」の考え方が、皆様がマーケティング目標を理解し、それを明確化するうえでお役に立てば幸いです。マーケティングはビジネス活動のあらゆる領域と重なっています。そのため、ビジネスの効率化を促し、成果を拡大するためには、マーケティングをどのように活用すればよいのかを理解することが重要です。

 

the anatomy of inbound marketing(インバウンドマーケティングを徹底図解)のCTA

 

元記事発行日: 2019年4月29日、最終更新日: 2019年4月29日