「1位を獲得したのに、なぜかアクセスが増えない」
「上司にPV減少を説明できず困っている」

もしこんな悩みを抱えているなら、それは施策の失敗ではなく、評価軸そのものが変わったことが要因かもしれません。AI検索の普及により、従来の「順位・PV・CV」だけでは、SEO・AEOの真の成果を測れなくなっています。
HubSpotのAEO(Answer Engine Optimization)実践ガイド
このガイドでは、HubSpotが実践するAI対応戦略と、AIエンジンに最適化されたコンテンツ作成の具体的手法をご紹介します。
- AIエンジンがコンテンツを評価・選択する仕組み
- AIトラフィックの27%をリードに転換するAEO戦略
- 全てのページで使える実用テンプレート・チェックリスト
- HubSpotのAEO実施の実例
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全てのフィールドが必須です。
本記事では、AI検索時代に求められる新しい評価軸と、実務で使える7つの成果指標を詳しく解説します。「AI検索での引用率(Share of Model)」「指名検索の増加」「エンゲージメントの質」など、これからのマーケティング成果をどう捉え、どう測定すれば良いのか--今日から実践できるロードマップとともにお届けします。
Q.AEOにおける効果測定の指標は?
AEOでは、検索順位やPVだけでなく、AI検索での言及・引用状況、指名検索の増加、ブランドの想起・信頼といった「質的な成果」を指標として捉えることが重要です。
Q.検索順位が上がっているのにPVが減るのはなぜですか?
ナレッジパネルやAI Overviewsなどの普及により、検索結果上で情報取得が完結するケースが増え、順位が高くてもクリックされない「ゼロクリック検索」が増加しているためです。
Q.SEOとAEOでは、成果の考え方はどう違いますか?
SEOは主に「サイトへの流入数(順位・CTR・PV)」を重視しますが、AEOでは「AIに選ばれるか」「ユーザーに想起されるか」といった認知・信頼の蓄積を主な成果として評価します。
Q.AEOの成果は最終的に事業成果につながりますか?
はい。AI検索での言及やブランド想起は、指名検索や商談化率の向上につながり、中長期的にCVや売上への貢献として現れます。
なぜSEOと成果のつながりは曖昧になっているのか
AI検索の普及は、コンテンツマーケティングの成果測定に大きな変化をもたらしています。従来の指標だけでは、施策の真の効果を把握できなくなっているのが現状です。
AI検索の普及で「検索→クリック→理解」の流れが変わった
従来のSEOでは、ユーザーは「検索→検索結果をクリック→サイトで情報を理解する」という流れで行動していました。しかし、AI検索の登場により、この行動パターンが変化しつつあります。具体的には、情報取得と検討という2つのフェーズが明確に分離されるようになりました。特に情報取得フェーズでは、クリックされない「ゼロクリック検索」が急増しています。
例えば、「○○とは」といった基礎的な情報検索では、AI Overviewsに表示される情報だけで完結してしまうため、サイト訪問が発生しません。その結果、検索上位でもPVが伸びない現象が起きており、従来の「検索結果で上位を取れば流入数も増える」という単純構造が変化しているのです。
Google Search Console上の順位計測がAI Overviewsを含む仕様に
Google Search Consoleで表示される順位は、AI Overviewsに掲載された場合も含まれる仕様になっています(2025年12月時点の仕様)。具体的には、AI Overviewsが検索結果の最上部に表示され、その中で自社コンテンツが引用元として使われている場合は「1位」として計測されます。この仕様により、従来以上に「1位なのにクリックされない」という状況が発生しやすくなっています。
参考:Google AI Overview(AIによる概要)の表示回数と検索順位、クリックはSearch Consoleにどのようにレポートされるのか?
こういった検索環境の変化に対応するために注目されているのが、AEO(Answer Engine Optimization:回答エンジン最適化)です。AEOとは、ChatGPTやPerplexity、Google のAI Overviewsなど、AI検索エンジンに対してコンテンツを最適化する手法を指します。
従来のSEOは、「検索結果で上位表示され、ユーザーにクリックしてもらうこと」を目的とし、順位・PV・CTR(クリック率)などの指標で効果を測定してきました。一方、AEOは「AIの回答内で引用・言及されること」を目指す考え方であり、AIでの言及率や指名検索数の増加といった、新たな評価指標が重視されるようになっています。
- SEO:順位・PV・CTR、など
- AEO:AIでの言及率・指名検索の増加率、など
このように、SEOとAEOでは評価指標が本質的に異なるため、それぞれを明確に分けて測定する必要があります。
AEO時代に求められる新しい「価値」の考え方
AEOの成果を正しく評価するには、従来とは異なる視点が必要です。「AIに引用されること」と「AIに推奨されること」は別の価値であると理解すること、そして成果の捉え方を「何人に見られたか」という接触量から「どれだけ記憶・信頼されたか」という質へシフトすることが重要です。
AIの回答内で「引用される」ことの価値
AEOの指標を知るうえで重要なのが、そもそも下記の2つの評価軸があると理解することです。
- AIの回答内で「引用される」こと
- AIの回答内で「選ばれる・推奨される」こと
両者は本質的に別の価値であるため、2つを切り分けて考えることで、施策の目的や投資判断がぶれにくくなります。
AIの回答内で「引用される」ことの価値
AI検索結果で自社の記事や情報が引用されることは、AIによる内容理解・品質評価を通過したことを意味します。つまり、検索エンジンだけでなく、AIという新たな情報流通経路でも「参考文献として信頼できる情報源」と認識された状態ということです。
FAQ回答、定義説明、比較軸の整理などは、主にコンテンツ設計・構造改善によって最適化できる領域です。この段階の成果は、主に「正確でわかりやすい情報を提供できているか」を測る指標として位置づけられます。
AIの回答内で「選ばれる・推奨される」ことの価値
一方で、AIに「おすすめの○○は?」と聞いた際に、特定のサービス名やブランド名が挙げられるかどうかは別の評価です。例えば、ChatGPTで「おすすめのCRMツールは?」と質問したときに「HubSpot」が言及されるかどうかは、単一の記事の出来ではなく、下記のような複合的なシグナルの結果として現れます。
- プロダクトの市場評価
- 導入実績や市場シェア
- 外部での言及・レビュー
- ブランドとしての一貫した発信
そのため、「AIに推奨される状態」は、コンテンツ施策だけで完結するものではありません。
| 観点 |
AIの回答内で「引用される」 |
AIの回答内で「選ばれる・推奨される」 |
|---|---|---|
| 定義 |
自社の記事や情報が参考情報として抜粋・引用されている状態 |
「おすすめの○○は?」と聞かれたときに、自社製品名が挙げられる・推奨される状態 |
| 意味すること |
AIにとって、内容の正確性・網羅性などが高く評価された証拠 |
AIにとって、内容の正確性・網羅性などが高く評価された証拠 AIが、各分野における代表的プレイヤーとして認識していることの表れ |
| 主に効く施策 |
コンテンツの設計・構造の最適化(FAQ、定義、比較表など) |
プロダクト・ブランド・市場でのポジション全体を強化する取り組み |
| 代表的なコンテンツ例 |
FAQ回答、用語定義、How-to記事、比較軸の整理記事 など |
導入事例や比較、レビュー記事、ポジショニング記事に関わるコンテンツ など |
| 主な評価シグナル |
情報の正確さ・一貫性- 構造化された見出しや要約- FAQ・定義・比較軸の整理度合い |
- プロダクトの市場評価- 導入実績・利用比率(市場シェア)- 外部レビュー・第三者からの言及- ブランドとしての一貫した発信・ポジショニング |
| 成果指標としての位置づけ |
「正確でわかりやすい情報を提供できているか」を測る指標 |
「AIにとって推奨すべきブランドとして認識されているか」を測る指標(コンテンツ施策だけでは完結しない) |
成果の捉え方を「接触量」から「記憶・信頼」へ
従来のSEOでは、「何人に見られたか」という接触量を重視してきました。しかしAEO時代には、「どれだけ記憶に残ったか」「どれだけ信頼を獲得したか」という質的側面がより重要になります。
数値的な露出よりも、ユーザーの認知や信頼という無形資産の蓄積を評価する視点が求められます。こうした背景を踏まえ、PVが減少した場合も、単純に「数字が下がった」と見るだけでなく、「評価軸が変わった」という構造変化を捉えることが重要です。
特に、組織内で状況を報告する際や、今後の施策を考える際には、制作したコンテンツが自社へどんな影響を与えているのかを、明確な指標をもって説明できることが大事です。
AEOの新たな成果指標
SEOとAEOでは評価軸が異なるため、施策やコンテンツの種類に応じて重視する指標を使い分けることが重要です。
| 施策・コンテンツ種別 | 重視すべきSEO指標 | 重視すべきAEO指標 |
|---|---|---|
|
基本解説記事(「〇〇とは」) |
検索順位、AI Overviews表示率 |
Share of Model(引用率)、ナレッジパネル掲載 |
|
導入事例・ホワイトペーパー |
オーガニック流入数、滞在時間 |
指名検索増加、CVR |
|
比較・検討コンテンツ |
エンゲージメント率、ページ/セッション |
商談貢献度、成約率 |
|
ブランド発信・PR記事 |
ソーシャルシェア数 |
Share of Voice、ブランドスコア |
- 例:「〇〇とは」のような基本解説記事では、検索順位よりも「AI検索で正しく引用されているか(Share of Model)」を重視する
- 例:導入事例は「流入数」よりも「指名検索の増加」「CVRの向上」で評価する
また、AEOの成果指標は「認知・露出」「想起・指名」「関与」「成果」の4段階に分けて整理できます。
■【認知・露出】AI検索・外部環境での存在感を測る指標
- AI検索での言及・引用シェア(Share of Model)
- ナレッジパネルとしての掲載状況
■【想起・指名】「思い出されているか」を測る指標
- 指名検索の増加数
- SNS・メディアでの言及数(Share of Voice)
■【関与】深く理解・検討されているかを測る指標
- エンゲージメント指標で見る訪問者の質の変化
■【成果】事業にどう貢献しているかを測る指標
- CVR(コンバージョン率)で見る訪問者の質の向上
- 商談貢献度から見るAEO施策のROI
それぞれの指標における主な測定方法・評価項目、評価ポイントを紹介します。
【認知・露出】AI検索・外部環境での存在感を測る指標
AI検索での言及数(Share of Model)
Share of Modelは、AIが生成する検索結果において、自社コンテンツがどれだけ引用されているかを測定する指標です。AI検索での引用は、AIによる品質評価を通過した証であり、検索エンジンとは異なる新たな情報流通経路での信頼性を示します。競合他社と比較した自社のシェアを把握することで、業界内でのポジショニングを可視化できます。
■主な測定方法
- 専用のモニタリングツールを活用
- 主要キーワードでのマニュアル検索と記録
- 定期的(週次・月次)な計測による推移の追跡
ツール導入のハードルを感じる場合は、まず簡易的なチェックとして、ChatGPT・Perplexityなどを使った手動検索も可能です。主要10キーワードで月1回チェックするなど、小さく始めるのも良いでしょう。大まかな目安時間として、手動チェックなら月30分程度、ツール導入後は月10分程度で測定が可能です。
■評価のポイント
- 特定のトピック領域での引用シェア
- 競合他社との比較
- 引用される文脈や位置づけ
同業界内できちんと自社が引用シェアを獲得できているかをチェックしましょう。なお、HubSpotのAEO Graderであれば、AIによるブランドの可視性、感情、競合的ポジショニングなどを簡単に分析できます。
ナレッジパネルへの掲載状況
自社がGoogle のナレッジパネル(検索結果の上部や右側に表示される情報ボックス)に掲載されているなら、構造化された信頼性の高い情報源として認識されている証です。ナレッジパネルに表示されることで、自社に関する正確な情報がユーザーに届きやすくなり、ブランドの権威性が視覚的に示されます。AI検索でも構造化データは重視されるため、AEO施策の基盤となる重要な指標ともいえます。
■主な測定方法・評価ポイント
- ナレッジパネルの表示率
- 掲載情報の網羅性と最新性
- 競合他社との掲載状況比較
【想起・指名】「思い出されているか」を測る指標
指名検索の増加率
自社名やサービス名での検索が増えているかを追跡し、ブランド認知の向上を測定する指標です。指名検索は、ユーザーが「どこかで見聞きした記憶」をもとに能動的に検索する行動であり、単なる「認知」から「選択」へと移行したことを示します。AI検索での言及は、時間差で指名検索の増加という成果にもつながるため、AEO施策の中長期的な効果を測る重要な指標です。
■主な測定方法
- Google Search Consoleでのブランドキーワード検索数の追跡
- Google Trendsでの検索トレンド推移の確認
- 前年同期比・前月比での増加率算出
- サーチリフト(AEO施策実施前後での指名検索増加率)による施策効果の検証
■評価のポイント
- 指名検索数の継続的な増加傾向
- 季節変動を考慮した前年同期比での成長率
- 新規施策実施前後での変化量
- 指名検索からのCVRの高さ
例えば、AI Overviewsに引用された後の1〜2週間で指名検索がどれだけ増加したかを測定することで、施策の直接的な効果を定量化できます。
SNSやメディアでの言及数(Share of Voice)
Share of Voiceは、SNS、業界メディア、ニュースサイトなどにおける自社名やサービス名の言及数を測定する指標です。AI検索結果に影響を与える「Web上での評判」を定量化でき、業界内での相対的な存在感や話題性を把握できます。言及の量だけでなく、ポジティブ・ネガティブといった感情分析を行うことで、ブランドイメージの変化も追跡可能です。
■主な測定方法
- ソーシャルリスニングツール(Brandwatch、Social Insightなど)の活用
- Google アラートやYahoo!リアルタイム検索での追跡
- 業界メディアでの掲載数の集計
■評価のポイント
- 言及数の推移(月次・年次での変化)
- ポジティブ/ネガティブの感情分析
- 業界内での相対的なシェア(競合との比較)
- 影響力の大きいメディアやインフルエンサーからの言及
HubSpotのMarketing Hubでも、SNSアカウントの一元管理が可能です。自社に関係する重要な発言をキャッチできます。
【関与】深く理解・検討されているかを測る指標
エンゲージメント指標
「深く読まれているか」「質の高い訪問者が来ているか」を示す指標です。AI検索で基礎情報を得たユーザーが、さらに詳しく知りたいと考えてサイトを訪問するため、エンゲージメントの質は従来より高まる傾向があります。滞在時間やスクロール深度などを測定することで、コンテンツがユーザーのニーズに応えているかを評価できます。
■主な測定項目
- 平均滞在時間:コンテンツがじっくり読まれているか
- ページ/セッション(1セッション当たりのPV数):サイト内を回遊しているか
- スクロール深度:記事の最後まで読まれているか
- 再訪率:リピートして訪問しているか
- ページ内でのユーザー行動:ヒートマップ
■評価のポイント
- 前月比・前年同期比でのエンゲージメント向上率
- 流入元別(AI検索経由、自然検索経由など)のエンゲージメント比較
- 高エンゲージメントユーザーのコンバージョン率
- 特定コンテンツでのエンゲージメント深度
- 関心度の高いテキスト・画像
「ゼロクリック検索」が加速している現在、エンゲージメント指標の重要性はさらに高まっています。わざわざサイトを訪問してくれる興味関心を持ったユーザーに対して高い体験価値を提供することが、AEO時代では欠かせません。
【成果】事業にどう貢献しているかを測る指標
CVR(コンバージョン率)
流入数が減少したとしても、訪問者の質が向上すればCVRは上昇します。AI検索で事前に情報を得たユーザーは、明確な目的を持ってサイトを訪問するため、コンバージョンに至りやすい傾向があります。
■主な測定項目
- 問い合わせ率
- 資料ダウンロード率
- サービス申し込み率
- ウェビナー申込率
- メールマガジン登録率
■評価のポイント
- 流入元別のCVR比較(AI検索経由と自然検索経由での比較など)
- 訪問者数減少時のCVR推移
- 各コンバージョンポイントでの改善率
- CVR向上による収益への貢献度
HubSpotでは、AIの進化により訪問者に合わせたパーソナルな情報提供が可能になることで、検討から購入への移行がよりスムーズになると考えています。
実際、HubSpotブログでは2024年以降、オーガニックトラフィックが大幅に減少しましたが、YouTube、ポッドキャスト、AI検索での引用・言及など、複数のチャネルを横断してユーザーとの接点を設計することで、サイトを訪れるユーザーの質が向上し、CVRを維持・向上させることができました。これは、流入数という「量」ではなく、訪問者の質とCVRを重視する戦略へと進化させてきた結果だと考えています。
商談貢献度
コンテンツが最終的な事業成果にどれだけ貢献しているかを測定する指標です。PVやCVだけでは見えない、実際のビジネス成果との関連性を明らかにします。特にBtoBビジネスでは、コンテンツ接触から商談化、成約までのプロセスを追跡することで、マーケティング活動のROIを正確に評価できます。
■主な測定項目
- コンテンツ経由の商談数
- コンテンツ接触有無での成約率比較
- 商談化までの期間短縮効果
- LTV(顧客生涯価値)への影響
■評価のポイント
- 特定コンテンツの商談貢献度ランキング
- コンテンツ接触回数と成約率の相関
- 商談化リードタイムの短縮率
- コンテンツマーケティング全体のROI
AEO効果測定を始めるためのロードマップ
AEOの効果測定は、すべての指標を一度に追う必要はありません。自社の状況や目的に応じて、段階的に導入していくことが重要です。
実践的な3つのステップを紹介します。
- Step 1:目的設定と現状把握
- Step 2:定点観測の仕組み作り
- Step 3:データ分析と施策への反映
Step 1:目的設定と現状把握
まずは、効果測定を行う目的を設定し、それに適した指標を選定します。例えば、認知拡大ならShare of Modelやナレッジパネル掲載状況、ブランド想起の強化が目的なら指名検索数やShare of Voiceなどを測定します。
【目的】
- 認知拡大:Share of Model、ナレッジパネル掲載状況
- ブランド想起の強化:指名検索増加率、Share of Voice
- 成果の質向上:CVR、商談貢献度を優先
目的を設定したら、自社の現状を把握しましょう。
【調査方法】
- 主要キーワード5〜10個でAI検索(ChatGPT、Perplexityなど)を実行し、自社サービスが引用・言及されているか確認
- Google Search Consoleで指名検索数を確認
- Google アナリティクスでエンゲージメント指標(滞在時間、イベント発生など)やCV数などの現状値を把握
- AEO Graderなどのツールを使って指標を確認
Step 2:定点観測の仕組み作り
選定した指標を継続的に測定するための仕組みを構築します。
【手動チェックの場合】
- 月1回、同じキーワードでAI検索を実行し、スプレッドシートに記録
- Google Search ConsoleとGoogle Analyticsのレポートを月次で出力
【ツール導入の場合】
- HubSpot(AIリファーラル機能)、Profoundなど、目的に合ったツールを選定
- 自動レポート機能があれば設定し、週次または月次でデータ収集
【簡易ダッシュボードの作成】
以下のような表形式で、指定した指標を可視化します。
例えば、「ブランド想起の強化」が目的の場合、以下のような指標を中心に管理しましょう。
| 主要指標 |
目標値 |
2026.02 |
2026.01 |
前月比 |
解釈 |
|---|---|---|---|---|---|
| 指名検索数 |
200回/月 |
140回 |
130回 |
+20回 |
順調に増加中 |
| Share of Voice |
競合比30% |
20% |
22% |
-2% |
言及数を増やす施策が必要 |
Step 3:データ分析と施策への反映
測定データをもとに、施策の効果を検証し、改善につなげます。
【月次レポートの作成と共有】
- 主要指標の推移(グラフ化)
- 前月比・前年同期比での変化
- 施策実施前後での変化
- 次月のアクションプラン
これらを1枚のレポートにまとめ、関係者と共有します。
【3か月ごとの振り返りと見直し】
- 当初設定した指標が適切だったか検証
- 新たに追加すべき指標がないか検討
- 目標値の再設定
まずはStep1から始めてみましょう。完璧なダッシュボードを作ることよりも、小さく始めて継続することが、AEO効果測定の成功の鍵です。
AEOにおける指標間の関係性とダッシュボード設計
ここまでAEOにおける指標について紹介してきましたが、その成果は単一指標だけでは正しく測れません。なぜなら、AEOの効果は「認知→想起→関与→成果」という一連のプロセスを経て表れるものであり、どこか一つの指標だけを見ても、全体像を把握することはできないからです。
例えば、「AI検索での引用が増えているから成功している」と判断するのは早計です。引用されていても、ブランド名が記憶されていなければ指名検索は増えませんし、指名検索が増えていても、サイト体験が悪ければコンバージョンには至りません。
重要なのは、各段階の指標が連動しているかを確認し、ボトルネックがどこにあるのかを特定することです。
- 指標の連動パターンと解釈例:
- Share of Modelは高いが指名検索が増えない → ブランド名の印象が弱い、または引用文脈が適切でない可能性
- 指名検索は増えたがCVRが低い → サイト体験やコンテンツの質に課題がある可能性
- エンゲージメントは高いがCVRが低い → CTA設計や次のアクションへの導線に課題
また、指標間の連動を把握するには、以下のように複数の指標を一元的に管理できるダッシュボードを設計し、成果状況を可視化することも重要です。
【簡易ダッシュボードの例(表形式)】
| 指標カテゴリ | 主要指標 | 目標値 | 現状 | 解釈 |
|---|---|---|---|---|
|
認知・露出 |
Share of Model |
競合比20%以上 |
15% |
引用強化が必要 |
|
想起・指名 |
指名検索増加率 |
前月比+10% |
+5% |
ブランド想起の強化が必要 |
|
関与 |
平均滞在時間 |
3分以上 |
3分30秒 |
良好 |
|
成果 |
CVR |
3%以上 |
2.5% |
導線改善が必要 |
複数の指標をダッシュボードで可視化できれば、「認知から想起への移行に課題がある」など、具体的なボトルネックが一目瞭然になります。単に「成果が出た・出ない」の一喜一憂で終わらせず、「どこを直せばもっと良くなるか」という改善ポイントが見えてくるはずです。
しかし、理想的なダッシュボードを作ろうとすればするほど、Google AnalyticsやSearch Console、AEOツール、SNS分析ツールと、さまざまな画面を行き来することになります。「データの集計だけで一日が終わってしまった」「数字をまとめるのに疲れて、分析まで着手できない」といった経験を持つ方も多いかもしれません。
大切なのは、データを集めることではなく、データを使って次のアクションを起こすことです。HubSpotのMarketing Hubなら、Webサイト、SNS、メール、広告など、あらゆるチャネルのデータを一か所に集約し、ダッシュボードで可視化できます。
AEOの効果測定に関するよくある質問
AEOの成果はGoogle Search Consoleで測れますか?
一部の指標(指名検索の表示回数・流入数など)は確認できますが、AI検索での言及やブランドの可視性までは把握できません。AEOでは専用ツールや定点観測を組み合わせた評価が必要です。
AEOに取り組むと、従来のSEOは不要になりますか?
いいえ。SEOはAEOの土台となる重要な施策です。構造化された良質なSEOコンテンツがあるからこそ、AIにも引用・評価されやすくなります。
AEOの効果が出るまでにはどれくらい時間がかかりますか?
施策内容にもよりますが、AEOは即効性よりも中長期的な効果が中心です。AI検索での言及や指名検索の増加など、段階的な変化を継続的に追うことが重要です。ただし、構造化データの構築や結論の明確化などによるAI Overviewsへの表示は、更新後に早めに効果が表れることもあります。
上司に「PVが減っても問題ない」と伝えたい場合、どう説明すれば良いですか?
PV減少を単独で報告するのではなく、「訪問者の質の向上」を示すデータとセットで説明することが重要です。例えば、「PVは前月比-15%ですが、CVRは+25%向上し、実際の問い合わせ数は+8%増加しています。また、指名検索も+18%増加しており、ブランド認知が着実に進んでいます」といった形で、質的な成果を数値で示すことで、評価軸の変化を理解してもらいやすくなります。
順位やPVに代わる「これからの成果」を捉え直そう
AI検索時代のSEO・AEOの成果は、従来の順位・PV・クリック率といった数値だけでは測れません。重要なのは、AIに理解されやすいコンテンツの構築、そして、ユーザーの記憶に残り、必要な場面で思い出され、信頼されるブランドを構築することです。
ただし、どれだけ評価指標が変わろうと、ユーザーを深く理解し、良質なコンテンツの提供が最も重要であることは、SEOもAEOも変わりません。本記事で紹介した「Share of Model」や「Share of Voice」といった指標も、あくまでユーザーに価値ある体験を提供できているかを測るための指針です。
新しい評価軸は複雑に見えるかもしれませんが、本質は「量から質」へのシフトです。多くの人に見られることよりも、適切な人に深く理解され、記憶されることが価値を持つ時代になりました。
指標を個別に追うのではなく、カスタマージャーニー全体の中で、どの接点が認知や理解、検討に寄与しているのかを組織として共有していく視点が欠かせません。SEOやAEOを通じて得られるデータを共通言語として活用することで、組織全体が同じ方向を向き、より良い顧客体験と持続的な成果につなげていくことができるでしょう。
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