教育者でありコンピューターの先駆者であるAlan Kay氏は、「未来を予測する最良の方法は、自らそれを創ることだ」と述べています。

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スタートアップやスケールアップなどの成長企業で働いていれば、未来を「創る」試みとは、ひらめきや発見の瞬間を待つことではなく、事前に計画を立て、滞りなく実行し、優れた連携を行うことです。そして、その構成要素が簡単に揃うものではないことも実感できるはずです。完璧な条件を整えるなど、到底無理な話です。

ここで、私が率いるオペレーションチームが重宝している、将来に備えるためのシンプルなフレームワーク「リズム オブ ビジネス」をご紹介します。予定されている主要なイベント、マイルストーン、アクティビティーを視覚的にマッピングし、全チームが数か月先の計画、つまり「リズム」を把握できるようにしたものです。

HubSpotのレベニューオペレーション(RevOps)チームの一員として、「リズム オブ ビジネス」を理解することは、成功に不可欠です。

私たちチームの目標は、顧客と接するチームの摩擦をなくし、摩擦のない顧客体験を提供できるようにすることです。RevOpsモデルは、オペレーション担当者の間の壁を取り除き、中心的なチームとして一元化し、ビジネスを支えるシステムとプロセスを使って連携できるようにして、成功へと導きます。その結果、重複する業務が排除され、反復可能なタスクが自動化され、システムの不具合の対処ではなく、顧客体験の改善に積極的に時間を使えるようになります。

RevOpsモデルが顧客中心にチームを編成するように、「リズム オブ ビジネス」フレームワークは、事業年度の重要なイベント(=大きな影響力を持ち、実行することに価値があるイベント)を中心に全社が連携できるようにします。RevOpsと「リズム オブ ビジネス」を併用すると、それぞれの要素の総和以上の成果が得られます。

この考え方と手法を組み合わせれば、内部のオペレーションモデルが複雑になっても、継続的な成長を実現して顧客満足度を向上させることができます。

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「リズム オブ ビジネス」を活用するようになったきっかけ

私が「リズム オブ ビジネス」モデルを初めて採用したのは、Amazonで働いていたときでした。1年間の重要なマイルストーンを記録する習慣をつけ、その年に起こった「重要なイベント」をカレンダーに書き留め、色分けしました。年次のキックオフイベントは青色で、大規模な顧客向けイベントはオレンジ色で強調する、といった具合です。

その際、使っていたのは印刷された壁掛けカレンダー。古いと思われるかもしれませんが、そのおかげで年間を通じてひと目で予定が把握できました。Amazonで企画、戦略、営業支援を担当していたころ、前年のカレンダーを見直して、自分のチームにとってうまくいったイベントもあれば、もっと準備期間を設けるべきイベントもあったことに気付きました。つまり、今後12か月間の計画をもっと綿密に立てる必要があると実感できたのです。

そして、翌年のカレンダーに予定を書き込む際に、過去12か月の教訓を生かして、推測でしかなかったものを、情報に基づいて本質的に構造化できました。

このようにチームの1年を構成することで、他のほとんどのチームよりも早くスタートを切れただけでなく、仮説を見直し、それを検証し、将来のために防御可能なデータに基づいた戦略を立てるのに必要な時間を確保できました。その結果、最適な良い投資を追求し、その投資から大きなリターンを得て、その後もさらに大規模な投資を行えるようになりました。このプロセスは、フライホイール形式で、その推力を利用しています。

2018年に、私はこの「リズム オブ ビジネス」のアプローチを携えてHubSpotに入社しました。HubSpotはそれまでも順調に成長してきましたが、拡大への新たな局面を迎えようとしていたタイミングだったため、ホワイトボード全体を眺めて1年の動向を考えることでオペレーションモデルを改善するチャンスでした。これにより、適切なタイミングで計画策定を開始することができ、年間を通じて大きなマイルストーンに備えることができました。

「リズム オブ ビジネス」を構成する3つの要素

HubSpotでは年次の計画サイクルを設けていますが、最近、チーム間で齟齬が生じている部分があることが分かり、それによって社内で摩擦を引き起こしていたことを認識しました。社内に摩擦が生じると、あっという間に顧客体験に悪影響を及ぼします。

例えば、エンジニアリングチームと製品チームは、他のチームが求めているものをきちんと定義しないまま、年間計画を次の段階へと進めていたことがありました。このような分断により、少なくとも計画を再検討するための会議に多くの時間を費やすことになります。最悪の場合、効果的ではなく、まとまりもない戦略を実行することになりかねません。私の知るほとんどのオペレーション担当者は、寝る間も惜しんで働き続けることになってしまいます。

そこで、私たちは「リズム オブ ビジネス」モデルに切り替えることで、この齟齬を解消しました。どんな規模の成長企業でも取り入れやすい3つの簡単なステップを実行したのです。

1. マイルストーンをマッピングする

HubSpotの私のチームが「リズム オブ ビジネス」を採用して最初に行ったことは、他のチームがいつ年間計画を立てているのか、重要なマイルストーンがいつ発生するのかを紙のカレンダーに書き込むことでした。

他のチームの重要なマイルストーンの日付から逆算して、自分たちの成果物の期限を設定し、完了後に、そのカレンダーをデジタルで社内に配布しました。その結果、自分たちの活動と優先順位を他のチームと一致させることができ、その後1年間の戦略をしっかりと構築できました。

2. 長期的な視点で考える

翌年のリズムを視覚化して把握することと同様に、長期的な計画を立てることも大切です。HubSpotでは最近、3~5年間の計画を立てましたが、これはシステムの観点からも非常に有用です。整合性のある一貫した明確なビジネス戦略を構築できます。また、適切な時期に適切なシステム投資を行っていることを確認する機会にもなります。

このように先を見据えていなければ、各チームがばらばらの課題や戦略を追求し、部門ごとに方向性が異なったり、投資が分散したり、連携されていないテクノロジーを寄せ集めて使用することになったりする可能性があり、顧客体験に深刻な悪影響を及ぼします。

3. テーマごとに分類する

その年の重要なマイルストーンを洗い出し、テーマや期間ごとに分類しておくと役立ちます。これにより、チームは業務を頭の中で整理し、年中いつでも自分たちの活動の包括的なビジネス目標に集中できるようになります。HubSpotがテーマごとにマイルストーンを分類している例をご紹介します。

第1四半期:キックオフ期間

1年の始まりに目標を設定し、チームメンバーが目標を明確に理解し、意欲的に取り組めるようにします。

第2四半期:リサーチ期間

ビジネスを俯瞰的に見て、ビジネスチャンスを探り、長期的な計画を立てます。うまくいっている取り組みを調べ、これまで意識していなかった未来について考え、ビジネスに影響を与える可能性のある外部要因を見極めます。3~5年後に発生し得るトレンドを考えることができるので、私が好きな期間です。そして、その考えは第3四半期で企業に反映されます。

第3四半期:構想期間

翌年の計画を立て、達成したい大きな取り組みと、見送るべき機会を特定します。これらの選択は、第2四半期の「リサーチ期間」で得た学びを考慮し、長期的な成功を見据えた短期的な判断を下すのに役立ちます。

第4四半期:計画期間

1年の締めくくりとして、次年度の目標、投資、売却などを決定し、充電する時間を確保します。

「戦略」よりも「連携」を

「リズム オブ ビジネス」フレームワークにより、HubSpotのRevOpsチームでは、全てのチームが、今年の優先事項だけでなく、将来のビジョンについても認識を共有できるようにしています。これにより、顧客対応チームのためのプロセスの作成、システムの構築、データの整理が効果的に行われ、摩擦のない顧客体験を提供できる体制を整えられます。

当社の最高経営責任者(CEO)のヤミニ・ランガンは常々「連携なくして成功なし」と強調しており、この言葉は、HubSpotのRevOps担当者にとって、その年のリズムに乗るためのモットーとなっています。結局のところ、成功は戦略を実行できるかどうかにかかっており、実行できるかどうかはどれだけ連携が取れているかに大きく左右されます。成長企業においては、特に影響の大きい部分です。

企業で「リズム オブ ビジネス」に取り組むには、カレンダー(紙、デジタル、メモリーベースのいずれでも可)を振り返って、前年の重要なマイルストーンの日付を書き留めることから始めましょう。そして、各マイルストーンの計画の開始時期を記録し、チームの準備が十分であったか、あるいは翌年はもっと時間や情報、サポートが必要であるかを判断します。

こうしたシンプルな計画を構築すれば、チームに来年のリズム オブ ビジネスを明確に伝えることができるでしょう。そうすることで、未来に備えるだけでなく、未来を創ることができるのです。

関連資料

「リズム オブ ビジネス」モデルで未来を可視化したい方は、自社がこのモデルを採用しているかどうかを確認するか、リズム オブ ビジネス モデルを構築する方法を探ってみましょう。また、HubSpotで使用している『Playing to Win: How Strategy Really Works』という書籍もお薦めです。

この書籍は、全員が使用する用語やフレームワークを統一するのに役立ちました。実際には、具体的な用語やフレームワークは、全員が同じものを使用していればそれほど問題にはなりません。そうすることで、コミュニケーションや意思決定を迅速に行い、短期間で結果を生み出すことができます。

Brian Garveyは、HubSpotのカスタマーサクセス戦略およびオペレーション担当バイスプレジデントとして、戦略的オペレーションチームを率いて、カスタマーサービスの戦略、計画、分析、継続的なオペレーションの開発に取り組んでいます。LinkedInでBrianをフォローしてください。

HubSpotではこの他にもマーケティングやセールスに役立つ資料を無料で公開していますので、ぜひこちらからご覧ください。

 

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元記事発行日: 2021年9月27日、最終更新日: 2021年9月27日