ECサイトを構築する上で、決済方法は重要な要素のひとつ。どの決済方法を導入するかによって売上の数字も変わってきますし、顧客にとってもECサイトの使いやすさに直結する問題です。

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クレジットカード決済や銀行振り込み、コンビニ決済、そして近年ではモバイルの送金・決済サービスが普及したことで、消費者は数多くの選択肢から自分にあった決済方法を選べるようになりました。

では、ECサイト側はすべての決済方法を導入すべきかというと、そうではありません。決済方法が多すぎるとその分、ECサイトの運用コストがかさみますし、決済方法ごとに手数料も変わるため、利益率の計算も複雑になります。

ECサイトの決済方法を、どのような基準で選定すればよいのでしょうか。今回はそれぞれの決済方法のメリットやその選び方をご紹介します。

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ECサイトに複数の決済方法を実装するメリットとは?

ECサイトに複数の決済方法を実装するメリットとは?

ECにおけるサイト上の最終的なゴールとは、お客様に商品を選んでいただき、その購入手続きを完了していただくこと。そこで必要不可欠なのが実店舗におけるレジと同じ存在である「決済機能」です。レジのないお店が存在しないように、決済機能がないECサイトはありえません。

決済方法が多様化した現在、複数の決済機能をECサイトに設置しておくことが当たり前になってきています。では複数の決済方法を設置することで、どのようなメリットがあるのでしょうか。

購入前の離脱を防ぐ

誰でも1度は、ECサイトに自分がよく利用する決済方法が設置されていない場合、すぐに離脱してしまった経験があるのではないでしょうか。あるアンケート調査によると、普段最も利用する決済手段が対応していない場合、物販サイトで62.5%、デジタルコンテンツサイトで51.5%のユーザーが購入しないという結果になったそうです。
(参考:『利用したい決済手段が対応していなければ50%以上のユーザーが 購入せず!ECサイトにおける決済手段の利用実態調査結果を公開 』SBペイメントサービス株式会社)

その理由として、これまでと違う支払い手続きや個人情報の入力の手間が面倒であると感じられてしまうためだと考えられます。消費者にとって、決済方法が増えるほど個人情報の流出リスクが高まりますし、すべてを管理する手間もあります。

そのため、消費者は自分がよく使う決済方法がない場合、購入までの手間と購入へのモチベーションを天秤にかけてしまい、前者のほうが大きいと判断すれば離脱してしまいます。

決済サービスのキャンペーンやポイント還元の恩恵が得られる

決済サービスのキャンペーンやポイント還元の恩恵が得られる

クレジットカードやキャリア決済サービスなどでは、ポイント還元キャンペーンやマイル変換サービスを用意しています。複数の決済手段を導入することによって、多くの消費者がそういったキャンペーンを活用するために消費しようとするため、結果的に顧客満足度と売上の向上に繋がります。しかも、そういったキャンペーンのためにECサイト側が何かコストを支払う必要は基本的にはありません。

「楽天ポイント」「Tポイント」「WAONポイント」など、決済サービスごとに提供するポイントによって様々な恩恵を受けることができます。それらは「〜〜経済圏」と呼ばれることもあります。

利用される決済方法が多様化

クレジットカードやデビットカード、プリペイドカード、電子マネー、QRコード決済など、キャッシュレス決済の波とともに多様化するECの決済方法。各企業、各プラットフォーマーがそれぞれの決済システムを開発し、還元率や各種キャンペーンなどでしのぎを削っています。

この決済方法の多様化の背景には、まず企業戦略が挙げられます。「〜〜経済圏」のような形で消費者を囲い込むことで、ブランドとの接点を最大化することができ、手数料やサービス利用料など、さまざまな形で収益を上げられます。

また、昨今では、顧客の購買データを取得できることも大きな要因のひとつです。消費者の行動データの中でも、購買に関するデータの価値は高く、趣味や嗜好などを把握し、最適なレコメンドやマーケティングを行うことが可能となります。

もう一つの理由が消費者の生活スタイルの多様化です。スマートフォン中心の若年層にとっては、QRコード決済や各種大手プラットフォームと紐付いたオンライン決済は非常に便利なサービスです。一方で、ステータスの1つとして見られるクレジットカードは社会人や働き手の世代にとっては欠かせない決済手段。また、現金を重視する方にとっては、代引きやコンビニ払いは安心できる決済手段です。世代や所得水準によって、その決済方法も変わっている現状があります。

オンライン決済か、オフライン決済か

多様化する決済方法の中でも、最も支払い頻度が多い方法として上げられているのが、クレジットカード決済です。総務省の調査によると、対象の66%がインターネット上の購入で「クレジットカードで購入したことがある」と回答しました。

オンライン決済か、オフライン決済か

出典:平成 29 年度通信利用動向調査(総務省)

その一方で、興味深いことに決済方法の2位と3位が現金によるオフライン決済となっています。このことから、オンラインでの支払いに距離を置きながらもECサイトを利用し、決済には現金で支払いたい消費者も一定数いるということが分かります。ECサイトを構築するうえでは、こうした市場のニーズについても把握しておくべきでしょう。

では、それぞれの決済方法のメリットやデメリットはどのようになっているのでしょうか。オンライン決済とオフライン決済の2パターンに分けて解説していきます。

オンラインで完結する決済方法

オンラインで完結する決済方法

クレジットカード決済

日本のインターネット決済で最も普及している決済方法がクレジット決済です。ほとんどのECサイトには標準で実装されており、ECサイトを構築する上で必ず導入すべきだと言えます。

クレジットカードブランドでは、

  • VISA
  • Mastercard
  • JCB
  • AMEX(国内ではJCBと提携)
  • DINERS(国内ではJCBと提携)

の5大国際ブランドが有名です。

複数のブランドカードで利用できるようにすることで、大きな機会損失を抑えることができます。クレジットカード決済によるメリットは大きく以下の通りです。

  • 一括払い、分割払い、リボ払いなど、支払い回数を自由に選ぶことができるため、高額商品の購入による負担が減る。
  • 各クレジットカードブランドやカード発行会社が提供するポイントシステムによって、消費を喚起しやすい。また、ポイントキャンペーンが行われることも。

その一方で、クレジットカード決済のデメリットとして、「チャージバック」があります。例えば、盗難や情報流出による不正利用が起きた場合、購入者を守るためにクレジットカード会社がその代金の売上を取り消すシステムになっています。

一方で、EC事業者は売上代金を返金しなければならず、また商品を発送してしまった場合はその分の損害が発生することになります。そのため、ECの運用費用にはチャージバックによる損失分はあらかじめ想定して計上しておくべきでしょう。特にアパレルや家電等の転売されやすい商材の場合は、チャージバックリスクが高く、チャージバック保険や3Dセキュアの導入などの対策を検討すべきと言えます。

インターネットバンキング決済(銀行振込決済)

インターネットバンキング決済(銀行振込決済)

インターネットバンキング決済とは、銀行・郵便局のオンラインバンキングにログインして支払いを行う方法です。金融機関にログインするだけで代金の支払いが完了する手軽さと、即時引き落としという、現金感覚で決済を行える点がメリットです。近年ではネット銀行の数も増えてきており、オンラインで口座から引落すことも一般的になっています。

携帯キャリア決済

携帯キャリア決済とは、各携帯キャリア(docomo/au/SoftBank)のIDとパスワード認証で決済を行い、月々の携帯利用料金に商品代金を合算して決済する方法です。商品代金と携帯電話の利用料金とをまとめて支払いをすることができ、基本的にスマートフォンを契約しているユーザーであれば利用できるため、利用ハードルが低い手段だと言えます。そのため、クレジットカードを持つことができない低年齢層のユーザーからの利用も見込めるでしょう。また、各キャリア決済ごとに利用促進のキャンペーンを行うことが多いことも特徴です。

その一方で、手数料の高さがデメリットになっています。クレジットカード決済と比べて高い決済手数料となっており、事業者にとっては負担となります。また、低めの利用限度額が設定されていることもデメリットです。未成年者の利用も想定されているため、消費者保護の観点から安心であるといえますが、事業者からすると高額単価が見込めません。

そのため、単価が低く、若年層といったクレジットカードを持たない消費者向け、スマートフォンと親和性が高い商材が向いています。具体的には小物や雑貨、雑誌の定期購読などが挙げられます。

ID決済(Amazon Pay、楽天Pay、LINE Pay、PayPal、メルペイ)

ID決済とは、実店舗のQR決済と同じ要領でIDとパスワード入力のみで決済が完了する方法です。簡単に支払えることが大きな特徴であり、キャッシュレス化とQR決済の浸透を受け、利用者数が増加しています。また、クレジットカード決済と比べると、少しだけ手数料が高い程度であることも魅力です。(プラットフォームごとに変化します)

提供サービスのほとんどが大手プラットフォームと紐付いていることも特徴で、ポイント還元の恩恵を得られるという利点も。また、Amazon Pay等では、購入者の氏名やメールアドレスなどの購入者の顧客情報が提供されるため、購入後のメルマガ送付等のマーケティング活動に活用できることも大きな魅力です。

それぞれのプラットフォームごとに消費者の属性や向いている商品が変わってくるため、一口にID決済と言ってもさまざま。自社商品にあったプラットフォームを選ぶことが重要です。

オフラインでの決済方法

オフラインでの決済方法

銀行振込

EC事業者が指定した口座に、商品代金を銀行口座から振り込むシンプルな支払い方法です。口座を持っていれば振り込みを行うことができ、高齢者層にも分かりやすいことが特徴です。特別な機能を導入する必要性が薄く、導入のハードルが低いというメリットがある反面、商品の発送前に入金確認の手間が必要であったり、入金消し込み作業が発生したりと、一定の運用リソースが必要になります。また、入金が遅れたり、入金周りのトラブルは自社で解決する必要があることもデメリットであると言えます。

コンビニ決済

文字通り、全国のコンビニエンスストアで商品代金を現金で支払える決済手段のこと。クレジットカードを持っていない若年層や高齢者層の顧客を取り込むことができます。また、銀行振込とは違い、24時間いつでも支払いが行える点は便利です。 また、代金の支払いを確認した後に商品発送ができるため、代金未回収や商品キャンセルリスクを軽減できます。

代金引換

配送を行うセールスドライバーが、商品の配送時に購入者から商品代金を預かる決済手段が「代金引換」です。

商品の引き渡しと代金回収を対面で直接行うため、回収率は100%となります。また、EC事業者にとっての悩みでもある「返品率」も、「代金引換」では1~2%台となっています。最近では現金だけでなく、クレジットカードや電子マネーを支払いに使えるようになったことで、顧客の利便性も大きく向上。高齢者層の顧客やオンライン決済に慣れていない顧客向きの商材であれば、積極的に導入を検討すべき決済方法です。

自社ECサイトに合った決済方法の選定を

自社ECサイトに合った決済方法の選定を

キャッシュレス決済の浸透とともに、ECサイトでの決済方法は多様化しています。やみくもに決済方法を導入してしまうと、それぞれの売上管理が煩雑になり、ECサイト立ち上げ初期には大きな負担となってしまいます。

自社の商品を届けたいお客様がどのような決済方法を求めているかを考え、決済手数料や導入コストと相談した上で、済方法の導入を決めていきましょう。

決済方法は後から追加もできますし、もし不要になれば機能を外せばよいので、まずはクレジットカードやコンビニ払い等の必要最低限の決済方法を導入し、顧客の属性やリクエストを確認しながら決済手段の拡充を行う方法がおすすめです。

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ネット通販を成功に導くECサイト構築チェックシート

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元記事発行日: 2020年10月22日、最終更新日: 2020年10月22日

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