急成長中の企業にとって、成長をさらに加速させるためのツールを選ぶのは簡単ではありません。

HubSpotのほか、私が携わった別の企業でも、マーケティングチームやセールスチームは、成長の後押しとなることを願って、あらゆるツールを試していました。その中には、実際に成長を支えたツールもあれば、むしろ完全な妨げになったツールもあります。その後HubSpotが、マーケティングチームやセールスチームに向けて、新しいグロースツールを開発するときには、そのギャップを埋めることを念頭に置きました。

企業を成長させる経験を通じて、私が得た重要な教訓が1つあります。成長に伴う問題の大半は、アイデアが悪いのではなく、その実行の仕方に問題があるということです。成長に主眼を置いてチームを結成し、優れたビジョンを掲げ、崇高な目標に向けてまい進したとしても、それだけで成長を達成できるわけではないのです。

HubSpot(ハブスポット)のMarketing Freeのお申し込みと詳細はこちらご覧になれます。

戦略を遂行していくためには、最初のコンタクトから、セールスやマーケティングの各プロセスを通じて、顧客のライフサイクル全体にわたって、カスタマーエクスペリエンスの1つ1つの段階を効果的に後押しできるようなツール群が必要です。

強固な成長の連鎖を促すツール群「グローススタック」の基盤としてまず必要なのは次の要素です。

  • CRMシステム:他の各種グロースツールの基盤となります。顧客データはすべてこの中に格納します。
  • マーケティングプラットフォーム:適切なオーディエンスを惹きつけたり、見込み客に転換したり、顧客化の過程でコミュニケーションを図ったりするために使用します。
  • セールスプラットフォーム:適切な対象者の特定、接触、顧客化を支えます。

成長の連鎖を促すツール群「グローススタック」を直ちに導入できる企業であれば、一体化された適切なツールを使って拡張やカスタマイズを加えていくことができますが、スタートアップ企業の多くは、まずは無料のツールから始め、完全な成長の連鎖を促すツール群「グローススタック」を少しずつ確立していくことになります。

今回は、グロースツールの中から、創業したばかりの先進的なスタートアップ企業にふさわしい選りすぐりの無料ツールを、HubSpotが開発したものと、当社で利用してお勧めのものとを織り交ぜてご紹介します。

私がお勧めする11の無料グロースツール

無料のCRMツール

1)HubSpot CRM

高層ビルを建てるには頑丈な基礎が必要です。企業の成長に置き換えて考えると、「頑丈な基礎」にあたるのは、CRM(カスタマー リレーションシップ マネージメント)ツールです。すべての業務の情報を整理して、手軽に分析できるのは、CRMがあればこそです。正直なところ、CRMがなければ、ビジネスの成長は不可能です。

CRMは、企業のデジタルシステムで中核に位置するソフトウェアです。セールスチームが行うすべての接触を管理し、見込み客や顧客の全データを格納して、組織全体のコミュニケーションを強化します。企業が成長するほど、CRMの重要性は高まっていきます。

しかし、従来のCRMシステムには、導入や利用が難しいものが数多くあります。時間とリソースに限りのある中小企業にとっては特に難題でした。セールスチーム自らが社内に導入するのが困難で、ビジネスの成長に貢献できません。そこで、我がHubSpotが開発した無料CRMをお勧めします。シンプルで使いやすいCRMです。セールス担当者ごとの経験値の違いを越えて、あらゆるセールス担当者の業務を効率化することができます。

HubSpot CRMの画面

マーケティング用の無料グロースツール

2)Trello

私は進捗を視覚化するのが大好きです。成長中のチームは、いくつものアイデア、プロジェクト、実験が同時進行しているのが普通です。その進捗状況を把握するのに最適なツールがTrelloです。アイデア、プロジェクト、実験の1つ1つをそれぞれ個別のカードとして登録し、メモの記録、担当者の割り当て、期限の設定などを行うことができます。

例えば、当社のマーケティング担当バイスプレジデント、Kieran Flanaganは、自らのグロースチームが行うすべての実験を、最初から最後までTrelloで管理しています。チームメンバーが米国と欧州の各地に分散しているにもかかわらず、Trelloを使うことで整然と結果を残すことができ、ビジネスの成長に大きく貢献していることは特筆に値します。

Trelloの画面

Trelloのブログにも、同社のスタッフが選出したグロースツールを紹介した記事があります。HubSpotからのインスピレーションによるものです。こちらからどうぞ。

3)Hotjarのヒートマップと訪問者行動記録

データは直観に勝ります。オーディエンスが何を欲しているかを本当に知りたければ、ウェブサイトの常連さんたちの思考回路に入り込んで、なぜサイトに来てくれるのかを探り出す必要があります。そこで最適なのがHotjarのツールです。

利用者がサイトのどの部分をどういう理由で利用しているかを探るという面で、Hotjarは最先端を走っています。利用者の共感を呼ぶサイトを構築し発展させていくための強い味方です。実はHubSpotは、Hotjarとのインテグレーション機能を立ち上げたばかりです(参照記事はこちら:Using Hotjar with HubSpot)。

Hotjarのアンケートの回答を、HubSpotユーザーのコンタクトタイムラインに表示できます。

ですが実は、Hotjarで私が特に気に入っている機能は、ヒートマップと訪問者行動記録です。サイト利用者が行ったクリック、タップ、スクロールなどの操作を視覚化できる機能です。これは企業にとって重要です。なぜなら、こうした操作の1つ1つは、サイト上での人々の行動や関心を反映しているからです。また、改善やテストの余地が大きい部分を割り出すうえでも役立ちます(テストは常に実施しなくてはなりません)。

Hotjarのヒートマップ

画像クレジット:Hotjar

4)Googleキーワードプランナー

トラフィックを増やすうえで鍵を握るのが検索エンジン最適化(SEO)です。ネット時代のビジネスの成長を支える大きな要素になっています。率直に言って、SEOは必須です。それも上手にこなさなくてはなりません。自分のサイトをGoogleで多くの人に見つけてほしかったら、狙いを定めるキーワードの優先順位を決められるキーワードツールが必要です。

優れたキーワードツールはいくつかありますが、第一歩としてふさわしいのはGoogleキーワードプランナーです。的確なキーワードを絞り込んだり、キーワードの競合度を把握したり、各キーワードの検索人数を調べたりできます。

Googleキーワードプランナーの画面

5)GrowthBot

ボットは、超クールというだけではありません。単純なプロセスを効率的にこなしたり、時間を節約したり、ビジネス上の疑問に対してインテリジェントな回答を得たりなど、ビジネス面の価値もあります。ボットに多大な関心を寄せている私は、今年かなりの時間を費やして、グロース担当者のためのチャットボット「GrowthBot」を開発しました。もともとは、私自身が欲しいと思ったから開発を始めたのですが、実際に使ってみた他の人も、これは便利だと言ってくれています。

GrowthBotの仕組みは、HubSpotやGoogleアナリティクスなどの多種多様なマーケティングシステムに接続して、情報を取得するというものです。これまで別の手段で得ていた情報をもっと便利に取り出したり、そんな情報があるとは知らなかった情報を引き出したりできます。例えば、「先月のオーガニック検索のトラフィックは?」「HubSpotが利用しているSaaS企業は?」「uber.comが購入しているPPCのキーワードは?」といった疑問があるときには、そのままGrowthBotに投げかければ、数秒で答えが返ってきます。

GrowthBotの例

6)HubSpot Marketing FreeのLead Flows

成長期のマーケティングチームが犯す大きな失敗は、サイトにトラフィックを呼び込む部分に時間と労力をかけすぎてしまい、そのトラフィックを見込み客に転換する部分がおろそかになるというものです。製品やサービスに関心を示してくれた人たちについて学習していかなければ、大事な見込み客を取りこぼし、売上の数字にも響いてしまいます。

多くのトラフィックがあるページに注目し、そのトラフィックを見込み客に変えられるよう、HubSpotの無料マーケティングツールに新たに加わったのが、Lead Flowsというツールです。邪魔にならないウィジェット(ポップアップ、バナーのドロップダウン、スライドイン)を、サイトのどのページにでも追加できます。最大の特長は、技術的なセットアップやコーディングが一切必要ないことです。既存のサイトに手を加えずに済み、掛け値なしに数分で作業が完了します。

HubSpotの無料ツール

7)Buffer

ソーシャルでは、お金を一切かけずにできることがたくさんあります。ソーシャルメディアはいわば増幅装置です。時間はかかりますが、フォロワーを構築していけば、丹精込めて作ったコンテンツを紹介して拡散させるための素晴らしい手段になります。

主要サービスを網羅したソーシャル メディア マーケティングを展開するうえで、Bufferは大いに役立ちます。Twitter、Facebook、LinkedIn、Instagram、Google+のアカウントを共通のプラットフォーム内に集結させ、文章、リンク、写真、動画を直ちに投稿したり、後で自動投稿するようにスケジュールを設定したりできます。

Bufferの投稿スケジュール画面

画像クレジット:Buffer

8)Canva

ビジュアルコンテンツを簡単に制作できるツールは重要な意味を持ちます。デザインに使える時間と予算に限りがある企業では特にそうです。サイト、Eメール、ソーシャルメディアの投稿など、どのようなマーケティングアセットで使うにせよ、わずかな時間で美しい画像を制作できれば、オーディエンスを引きつけるうえで効果的です。簡単な図式で言えば、ビジュアルが向上 → エンゲージメントが増加 → トラフィックが増加 → ビジネスが成長、となります。

Canvaを使えば、本職のデザイナーではない人でも、簡単かつスピーディーにビジュアルコンテンツを制作できます(私もその1人です)。

Canvaのデザイン例

画像クレジット:Entrepreneur's Organization

セールス用の無料グロースツール

9)join.me:無料の画面共有/ウェブ会議ツール

セールスチームが見込み客と簡単に接触を図ることができれば、顧客化につながりやすくなり、ビジネスの成長にとって大きな意味を持ちます。join.meはソフトウェアではありません。デスクトップまたはモバイルアプリを開くか、オンラインでログインするだけで、画面の共有やウェブ会議を開始できます。

ウェブ会議ツールは世に数多くありますが、速さ、信頼性、直感性、使いやすさという面で、join.meは特筆に値します。HubSpotのフリー版CRMでは、join.meの会議をコンタクトタイムラインから直接始められます。

Hubspotからjoin.meを開始

画像クレジット:join.me

10)HubSpot Salesのテンプレート

セールス担当者の中には、同じようなEメールを何度も繰り返し作成する作業で、時間を無駄に費やしている人も多いはずです。Eメールの作成プロセスを効率化しながら品質を高められる手段があれば、大きな価値があります。セールス担当者にとって、Eメールのパーソナライズ用テンプレートは、長い目で見れば何百時間という節約になります。HubSpot Salesのテンプレート機能なら、Eメールをパーソナライズするための無料テンプレートを、受信箱の中から利用できます。

このツールがセールスチームにとって特に有益なのは、誰でも使えるテンプレートをライブラリとして共有できることです。また、特定のテンプレートを使ったEメールのオープンやクリックの回数をデータとして集計することもでき、共有に値するアプローチの選別に役立ちます。

HubSpotのEメールテンプレート

11)HubSpot SalesのEメール開封追跡機能と通知機能

このEメール機能は、セールスチーム向けのみならず、個人用としても、私は特にお気に入りです。送信したEメールを受信者が開いたときに、デスクトップ通知が即座に届くというものです。誰が、いつどこで、どのデバイスからEメールを開いたかがわかります。過去のすべての通知や、特定のEメールに関するすべての通知を確認したい場合は、ストリームの履歴からわかります。

Hubspotのアクティビティストリーム

今回ご紹介した無料ツールは、スタートアップの段階からの成長と安定を目指す企業にとって第一歩となるものです。その先には、利用したグロースツールを統合して、真の成長の連鎖を促すツール群「グローススタック」を確立するという段階が待っています。

HubSpotの無料ツール群のご利用をお希望でしたらこちらの画像(↓)をクリックしてご利用ください。

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編集メモ:この記事は、2016年11月に投稿した内容に加筆・訂正したものです。Dharmesh Shahによる元の記事はこちらからご覧いただけます。

元記事発行日: 2017年1月15日、最終更新日: 2019年6月25日