複雑な物事を白黒だけで判断するのは簡単ですが、実際はそこまで単純ではありません。
スター・ウォーズを例にとってみましょう。ダース・ベイダーは有名な悪役ですが、初めから悪者だったわけではありません。また、シリーズの終盤に向けてわずかながらも良心を垣間見せ、皇帝の手にかけられそうになるルークを救いました。このように、ダース・ベイダーは善と悪の要素を併せ持つ複雑なキャラクターなのです。
広告にも同じことが言えます。以前のHubSpotでは、企業がお金を払って広告を掲載したところでオーディエンスの邪魔になるだけだと考えていました。しかし、オンライン広告は常に変化しており、状況は複雑化しています。
いまだに質の低い広告はたくさんありますが、新しいタイプの広告も登場しています。それは、オーディエンスにメリットをもたらす可能性があり、オーディエンスが求める情報へと導き、魅力的なコンテンツをそのトピックに興味のあるオーディエンスに届ける広告です。つまり、インバウンドな広告が出現しているのです。
実は、私たちも初めから広告のこの性質に気付いていたわけではありません。HubSpotのお客さまに教えてもらったのです。
HubSpotのお客さまに学んだ広告の可能性
HubSpotのお客さまの53%が広告を利用しています。その目的はインバウンドの取り組みを強化するためです。検索やソーシャル広告を利用することで、顧客に転換する見込みのあるオーディエンスを効果的にターゲティングし、適切なコンテンツを配信することができます。
広告が優れたコンテンツになれば、強力なインバウンドマーケティング戦略を実施する上でマイナスになるどころか、プラスの効果が生じます。
5年前にはこの方法は通用しませんでした。オンライン広告のほとんどが質の低いものだったからです。ディスプレイ広告は「最先端」でありつつも、無作為に表示される迷惑な広告がほとんどでした。
しかし現在、Google、Facebook、Twitter、LinkedInのおかげで状況は一変しました。フォーマットが選択可能になり、ネイティブ広告で通常のコンテンツと自然に融合できるようになりました。また、ユーザーが楽しめて便利だと感じるような動画広告やモバイル広告も登場しています。
また、これらの企業はユーザーにとって有益な広告を出せば相応のメリットが得られるシステムを作っています。たとえば、LinkedInとGoogleでは広告の品質やユーザーとの関連性が評価されます。この測定指標により、最も質の高いコンテンツが最も関連性の高いユーザーにマッチングされるようになります。つまり、素晴らしいコンテンツ、関連性の高いランディングページ、役立つ広告を提供できる広告主は、そうでない広告主に比べて少ない支出で上位に位置づけられるのです。
また、関連性の高い役立つ広告には効果が表れる（英語）ことも直にわかりました。HubSpotはリードの獲得を目標にしているので、パフォーマンスの非常に高いコンテンツをピックアップし、LinkedInで有望な新規オーディエンスにプロモーションしてみました。選択したコンテンツがリード獲得に効果があることはすでに実証されていましたが、LinkedInで関連性の高いプロフェッショナルな新規オーディエンスにそのコンテンツを配信することで、他のプラットフォームと比較して400%多くリードを獲得することができました。必要とするユーザーにコンテンツを届けることで、当社のビジネスにおいて納得できるリード獲得単価で質の高いリードを獲得できたのです。
HubSpotが広告の活用を支援
しかし、広告には依然として大きな問題があります。それは、うまく活用するのが難しい点です。Unbounceは、広告主の98%が広告に無駄な支出をしている（英語）と推定しています。
なぜでしょうか？ 継続的に収益を上げるような素晴らしい広告を出すことは、マーケティング担当者にとって難易度が高く、コストもかさみます。また、ソフトウェアに圧倒され、学習もままならず、ROIの測定においても迷走しています。
以上のような状況を鑑み、HubSpotは広告に対する見方を変え、広告の活用に役立つ機能を提供することにしました。
そこで、HubSpotに追加されたのが広告効果測定ツールです。私たちは質の高い広告が増えることを切に願っています。マーケティング担当者が広告にかけた時間、労力、資金に見合うだけの成果を手にできるよう、ぜひお役立ていただきたいと思います。
その実現に向けて、HubSpotは広告業界の大手2社、LinkedInとGoogleと提携しました。この2社とのパートナーシップにより、広告を活用しながらインバウンドな手法で有望なオーディエンスにリーチし、関係を築けるようになります。LinkedInのスポンサードアップデートを例に挙げましょう。HubSpotの広告管理ツールを使えば、オーディエンスのフィード内に関連性の高い役立つ投稿を配信することができます。オーディエンスの邪魔になることはありません。
つまり、お客さまの声に耳を傾け、白でも黒でもないグレーを受け入れたのです。適切な発想と戦略、そしてツールをうまく活用すれば、広告は目障りでイライラするものにはなりません。
広告の世界を良い方向に変えていくことは簡単ではありません。しかし、ダース・ベイダーでさえも、マスターに背いて皇帝から息子のルークを救うまでには時間がかかったので、私たちもじっくりと取り組んでいきましょう。
