LINE公式アカウントとは?基本機能や作成方法、活用事例を紹介

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水落 絵理香(みずおち えりか)
水落 絵理香(みずおち えりか)

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LINEのビジネス用アカウントである「LINE公式アカウント」を、集客や顧客とのコミュニケーションツールとして導入することを検討中の方も多いでしょう。

LINE公式アカウントとは?基本機能や作成方法、活用事例を紹介

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LINE公式アカウントは、法人・個人問わず簡単に開設できますが、基本設定のやり方や注意事項を押さえておくことで、より効率的に運用をスタートできます。

本記事では、LINE公式アカウントの概要や基本機能、アカウントの開設・基本設定の方法、活用事例まで徹底解説します。

LINE for Businessの基礎ガイド

LINE公式アカウントとは?

LINE公式アカウント(LINEオフィシャルアカウント)とは、 企業や店舗用のLINEアカウントのことです。基本的にはビジネス向けですが、法人に限定されているわけではないため、個人利用も可能です。

LINE公式アカウントでは、 LINEで「友だち登録」をしたユーザーに対し、メッセージやクーポンを配信できます。そのため、主に顧客や見込み顧客への継続的な情報発信や、コミュニケーションなどに用いられています。
 

LINE公式アカウントのメリット・デメリット

LINE公式アカウントのメリット・デメリット

すでに認知度の高いLINEアプリですが、LINE公式アカウントをビジネスに活用すると、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。それぞれ説明します。
 

メリット

LINE公式アカウントを利用するメリットとして、大きく次の3つがあげられます。

  • 他のSNSよりも利用者数が多く、年齢層も幅広い

総務省|平成29年版 情報通信白書

画像引用元:総務省|平成29年版 情報通信白書|SNSがスマホ利用の中心に

LINEは、日本国内で利用されているSNSアプリのなかで利用者数が最多となっており、年齢層も幅広いことが特徴です。そのため、 さまざまなターゲット層にアプローチするのに適しているツールといえます。

  • メッセージ開封率が高く、情報を届けやすい

LINEに特化したマーケティングツール「Lステップ」の公式サイトによると、一般的に「メルマガ」の開封率が約10~30%程であるのに対し、LINE公式アカウントの開封率は約60%だといいます。多くの人のコミュニケーション手段がメールからSNSへと変化した背景もあり、ユーザーにとって身近なツールのLINEを使った情報配信は、 ユーザーの利便性向上にも貢献します。

  • LINEの他サービスと連携してど独自の顧客体験を提供できる

LINEのビジネス向けプラットフォーム「LINE for Business」では、集客や業務効率化のツールとして「LINEクーポン」「LINEミニアプリ」「LINE Pay」なども提供しています。LINE公式アカウントとこれらのサービスを連携することで、 企業独自の顧客体験を提供できるため、他社との差異化など利点も多いと考えられます。
 

デメリット

LINE公式アカウントにはメリットが多くある一方で、デメリットになり得る点もあります。どのようなマーケティング手法であっても工夫や改善は必要なので、LINE公式アカウントのデメリットも把握したうえで、運用すると良いでしょう。

  • 友だち登録している人にしか配信できない

多様なコンテンツを提供できるLINE公式アカウントですが、友だち登録をしている人にしかコンテンツを配信できない点には注意しましょう。まずは、実店舗でのQRコード設置やSNS発信などによって「友だち」になってもらい、LINE登録者を増やす必要があります。

  • 1対1の個別チャットにはユーザーからのリアクションが必要

ユーザーのニーズを把握するには、チャットの活用が効果的ですが、チャットを開始するには、最初にユーザーからスタンプやメッセージを送信してもらう必要があります。そのため、ユーザーのリアクションや反応を促す施策もあわせて検討することが大切です。

  • ブロックされると配信できない

LINE公式アカウントは友だち追加しやすい反面、ブロックも簡単にできてしまいます。ブロックされるとコンテンツが配信できなくなるため、ブロック防止策も考えておきましょう。初回配信時に、友だち追加のお礼としてクーポンを配布するなどの方法があります。
 

LINE公式アカウントの基本機能

LINE公式アカウントの基本機能

画像引用元:LINE公式アカウント

LINE公式アカウントを本格導入する前に、何ができるサービスなのか確認しておきましょう。LINE公式アカウントの8つの基本機能について解説します。

  1. メッセージ配信
  2. VOOM投稿
  3. LINEチャット
  4. LINEコール
  5. リッチメニュー作成
  6. ショップカード発行
  7. クーポン発行
  8. データ分析
     

1. メッセージ配信

LINE公式アカウントの「メッセージ配信」は、 友だち登録しているユーザーへメッセージを配信する機能です。配信できるメッセージの種類は次の通りです。

  • テキスト
  • メッセージテンプレート
  • リッチメッセージ
  • 動画・音声メッセージ
  • クーポン など

それぞれ、次の配信方法が選択できます。

  • ステップ配信
  • 自動応答
  • オーディエンス配信
  • セグメント配信
  • タイムライン配信

メッセージの種類と配信方法の組み合わせ次第で、多様なアプローチが可能です。
 

2. VOOM投稿

「VOOM投稿」は、 画像や動画で記事を作成後に「LINE VOOM」上へ投稿する機能です。LINE VOOMとは旧タイムラインのようなサービスで、友だちの投稿だけでなくLINE VOOMでフォローしているアカウントの投稿を閲覧できます。

LINE VOOM管理画面の「VOOM Studio」にて、投稿の作成・分析・コメント管理などが可能です。
 

3. LINEチャット

「LINEチャット」は、 LINEのトークのように直接ユーザーとコミュニケーションができる機能です。自動応答やAI応答の設定もできるので、よくある質問内容を登録しておけば、ユーザーからの問い合わせ対応に活用できます。
 

4. LINEコール

「LINEコール」は、 ユーザーからLINE公式アカウントへ無料で電話をかけて通話できる機能です。ユーザーからの着信を店舗の電話に転送することも可能です。
 

5. リッチメニュー作成

LINEのトーク画面下部に固定表示される「リッチメニュー」の設定も、LINE公式アカウントで行えます。運用目的にあわせて適切な項目を固定メニューに設定することで、大きな誘導効果が期待できます。
 

6. ショップカード発行

LINE公式アカウントの「ショップカード」は、 デジタルのポイントカードをLINE上で発行・管理できる機能です。商品購入やサービス利用、または来店などのインセンティブとして、ポイントを付与できます。

ショップカード発行機能を使うことで、ユーザーはポイントカードを持ち歩く必要がなくなります。手軽に利用できる分、利用率の向上が期待できるでしょう。また、運用側はポイントカード発行の手間やコストを削減できる利点があります。
 

7. クーポン発行

「クーポン発行」は、 LINE上で使用できるクーポンを作成する機能です。作成したクーポンは、メッセージ、LINE VOOM、応答メッセージなどで配信・投稿が可能で、来店促進などに活用できます。
 

8. データ分析

さまざまな施策を試したら、成果を分析して改善し、新たな施策につなげることが不可欠です。LINE公式アカウントには、「データ分析」機能もあります。管理画面上で、 「メッセージの配信数」「開封率」「友だち追加数」「ブロック数」などの数値を確認可能です。
 

LINE公式アカウントの開設手順

LINE公式アカウントの開設は数分で完了します。パソコンとスマートフォンから開設でき、登録は無料です。

LINE公式アカウントの開設手順は次の通りです。

  1. LINE公式アカウントの開設ページへアクセスし、「LINE公式アカウント開設(無料)」をクリックします。
    LINE公式アカウントの開設ページ
  2. 「アカウントを作成」から、LINE公式アカウントを利用するための「LINEビジネスID」を取得できます。
    アカウントを作成
  3. 「LINEアカウントで登録」または「メールアドレスで登録」を選択します。
    LINEアカウントで登録
    「LINEアカウントで登録」を選択する場合はビジネス用とプライベート用のアカウントが紐づけられる点に注意してください。個人情報の取り扱いの観点から、本記事ではビジネス用のメールアドレスで登録することをおすすめします。
  4. 「メールアドレスで登録」を選択し、メールアドレスを入力して「登録用のリンクを送信」をクリックします。
    メールアドレスで登録
  5. 届いたメールのURLをクリックし、「名前」「パスワード」を入力し、認証ボックスにチェックを入れ、「登録」→「サービスに移動」をクリックします。
    登録
  6. 「ログイン情報」「アカウント情報」「業種」を入力して「確認」をクリックします。
    「ログイン情報」「アカウント情報」「業種」を入力して「確認」
  7. 内容を確認し、「完了」でLINE公式アカウントの作成が完了です。
    完了
  8. 画面下へスクロールし、「アカウント認証をリクエストする」または「あとで認証を行う」を選択します。
    アカウント認証をリクエストする
    ひとまず「あとで認証を行う」をクリックし、「情報利用に関する同意について」に「同意」すると管理画面へ移動します。 アカウント認証の有無に関しては、「LINE公式アカウントの種類とその違い」の見出しで解説しています。
  9. 管理画面の「LINE Official Account Manager」へログインできれば、アカウント開設完了です。
    LINE Official Account Manager

出典:LINE公式アカウント
 

LINE公式アカウントの基本設定

LINE公式アカウントを開設したら、基本設定を行いましょう。設定は次の5ステップで完了します。

  1. 基本情報の登録
  2. あいさつメッセージの設定
  3. 応答メッセージの設定
  4. メッセージ配信のテスト
  5. アカウントの公開
     

1. 基本情報の登録

LINE公式アカウントの管理画面「LINE Official Account Manager」の画面右上の「設定」から、「アカウント名」、アカウント名の下に表示される「ステータスメッセージ」、「プロフィール(営業時間、住所、プロフィール画像)」を設定できます。アカウント名の変更は、認証を行う前の「未認証アカウント」の状態でのみ変更可能です。

LINE公式アカウントの管理画面

設定
 

2. あいさつメッセージの設定

管理画面左に表示されるメニューバー「あいさつメッセージ」から、あいさつメッセージを設定します。「あいさつメッセージ」とは、友だち追加の際に自動的に配信される最初のメッセージです。アカウントの紹介文として、 友だち追加してくれたことへのお礼、どのようなメッセージを配信するアカウントなのかを記載すると良いでしょう。テンプレートも利用でき、必要に応じて自由に編集可能です。

あいさつメッセージ
 

3. 応答メッセージの設定

ユーザーからトークで話しかけられた際に自動で送信される「応答メッセージ」を設定します。キーワードを設定しておくと、キーワードと一致した際に自動応答メッセージが送信されます。

応答メッセージ
 

4. メッセージ配信のテスト

管理画面の左側に表示される「メッセージ配信」から「メッセージを作成」を選択し、「テスト配信」ボタンをクリックすると、テスト配信を実行できます。テスト配信の配信先は、「自分のみ」または「すべての管理者と運用担当者(管理画面を閲覧する権限があるユーザー)」から選べます。

メッセージを作成
 

5. アカウントの公開

続いて、アカウントを公開します。プロフィールタブをクリックすると、「プロフィールページ設定」画面が開きます。画面右上にある「公開」をクリックすると、アカウントが公開されます。

公開が完了しても、アカウントの認証ステータスが「未認証」のままでは、LINEの検索結果に表示されないなど公開アカウントの利用に一部制限が生じます。「認証済アカウント」になると、認証ステータスが「認証済み」になり、LINEの検索結果やおすすめへのアカウント表示・非表示を設定できるようになります。「認証済アカウント」は、画面右上の「設定」→「アカウント認証をリクエスト」から申請できます。

アカウント認証をリクエスト
 

LINE公式アカウントの種類とその違い

LINE公式アカウントの種類とその違い

画像引用元:【公式】LINE認証済アカウントの開設方法|特徴や機能、未認証との違い

LINE公式アカウントには、「認証済アカウント」と「未認証アカウント」の2種類があります。それぞれの特徴と違いを確認しておきましょう。
 

認証済アカウント

LINE公式アカウントの「認証済アカウント」とは、 LINEの審査を通過したアカウントのことです。認証されると、アカウント名の横に青色の認証バッジ(アカウントバッジ)が付与されます。また、設定によってLINEアプリ内のアカウント検索結果に表示させられるほか、請求書決済が可能になります。
 

未認証アカウント

「未認証アカウント」は、 LINEの審査不要で、個人・法人を問わず誰でも開設できるアカウントです。基本機能は認証済アカウントと変わらないものの、「認証バッジがない」「検索結果に表示されない」「請求書決済ができない」といった点が異なります。
 

LINE公式アカウントの料金プラン

LINE公式アカウントの料金プランは、2022年9月時点で次のように定められています。

LINE公式アカウントの料金プラン

画像引用元:料金プラン|LINE for Business

プランによって、「月額固定費」「無料メッセージ通数」「追加メッセージ料金」が異なります。予算や規模に応じて選択しましょう。

なお、追加料金を支払うと、オプションとして「プレミアムID」を取得できます。通常は英数字がランダムに羅列された「ベーシックID」が付与されますが、 プレミアムIDでは、希望の文字列を設定でき、IDでのアカウント検索が容易になるメリットが期待できます。
 

LINE公式アカウントに関する注意点

LINE公式アカウントに関する注意点

無料で運用をスタートできるLINE公式アカウントですが、利用の際にはいくつか注意点があります。
 

LINE公式アカウントを利用できないサービス・業種がある

医療系(例:オンライン診察)、出会い系(例:街コンイベント会社)、アダルト系(例:風俗店)のサービス・業種は、LINE公式アカウントを利用できません。事前に、LINE公式アカウントガイドラインを確認しましょう。
 

「認証済アカウント」はアカウント名を変更できない

LINE公式アカウントの「認証済アカウント」になると、アカウント名は登録後に変更できなくなります。ただし、リニューアルなどで屋号や商号を変更した場合であれば再審査によって変更が可能です。

また、「未認証アカウント」であっても、一度変更すると、その後7日間は変更できないので注意しましょう。

出典:LINE公式アカウントガイドライン
 

認証済アカウントの承認には審査期間を要する

LINE公式アカウントの開設自体は即時完了できますが、「認証済アカウント」の申請後の審査には、通常、土日祝日を除いた10日前後かかります。申し込みが多い場合は、通常よりも時間がかかることもあるため、利用時期が決まっている場合は早めに申し込みましょう。

出典:LINE公式アカウントの審査とは|認証済アカウント申請時の注意点
 

LINE公式アカウントの活用事例

LINE公式アカウントの活用事例

ここからはLINE公式アカウントの活用事例を3件ご紹介します。具体的な運用イメージの参考にしてください。
 

事例1:事前告知とリマインド配信でECモールからの売上アップ

小売・百貨店・ECのカテゴリーでの事例です。食品メーカーの有限会社味源は、メルマガの開封率やクリック率が低減していたため、販売促進の目的でLINE公式アカウントを導入しました。

ECモールごとにLINE公式アカウントを設定し、事前告知とリマインド配信を実施したところ、売り上げ5倍増を実現しました。

出典:LINE公式アカウントはメルマガの上位互換――売り上げ5倍を実現したEC企業の活用術(LINE for Business)
 

事例2:予約ポータルサイトで集客、LINEで顧客との関係構築

ファッション・美容・健康関連の事例です。ヘアサロンやネイルサロンを運営する株式会社ジャパンプロデュースでは、顧客と良好な関係を構築するためにLINE公式アカウントを導入しました。

新規集客は予約ポータルサイトで実施し、2回目以降はLINEミニアプリ経由での予約へ促すようにしたところ、今では友だち登録者が1万2,000人以上になり、そのユーザーの90%以上がLINEミニアプリを利用するようになるなど、リピート率や紹介客数の増加につながっています。

出典:友だち1万人!「LINEミニアプリ」でリピート増&キャンセル防止。奈良のローカルチェーン美容室・ジャパンプロデュースの成功戦略(LINE for Business)
 

事例3:自社サービスとLINE ID連携、ユーザー目線でのメッセージ配信で効果最大化

出版・エンタメ・ゲーム業界での事例です。電子書籍ストアを展開する株式会社ブックウォーカーは、新規会員登録のハードルを下げ、会員数を拡大するためにLINE公式アカウントを導入しました。

自社サービスのログイン機能にLINEログインを導入し、ログイン時に「友だち追加」をデフォルトとして設定したところ、友だち登録数が年間8倍に増加しました。

出典:1年で友だち獲得数は8倍!電子書籍ストアのLINE公式アカウント活用(LINE for Business)
 

LINE公式アカウントを自社のビジネス展開に活かそう

LINE公式アカウントは「アクティブユーザー数が多いLINEの機能を活用できる」「メッセージ開封率が高く情報を届けやすい」「独自の顧客体験を提供できる」など多くのメリットがあり、導入する企業や店舗が増えています。

導入の際には、本記事で紹介したアカウント開設方法や注意事項、活用事例などを参考に、自社のビジネス展開に活かしましょう。

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LINE for Businessの基礎ガイド

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