世界の大学・企業の講義を無料受講できるMOOCとは?

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水落 絵理香(みずおち えりか)
水落 絵理香(みずおち えりか)

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グローバル化やテクノロジーの発展など、企業を取り巻く環境の変化により、人材に求められるスキルも継続的に変化しています。世界情勢が予測困難な時代において、企業が競争力を高めるためには、人材一人ひとりが自発的に新たなスキルの獲得に取り組むことが求められています。

世界の大学・企業の講義を無料受講できるMOOCとは?

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このような状況下で注目を集めているのがMOOC(ムーク)です。MOOCとは、大規模公開オンライン講座のことであり、世界の大学や企業によるオンライン講義が無料で提供されるサービスです。MOOCを活用すれば、ビジネスパーソンはオンライン上で質の高い講義を受講しスキルアップを図ることができます。企業としてもMOOCの導入は人材育成に有用でしょう。

本記事では、MOOCの特徴や仕組み、国内外の代表的なMOOCを紹介します。

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    MOOC(MOOCs)とは?

    MOOC(MOOCs)とは?

    MOOC(ムーク)とは、「Massive Open Online Courses」の頭文字を取った略語で、「大規模公開オンライン講義」を意味します。教育とテクノロジーをかけ合わせたEdTech(エドテック)の代表的な存在です。MOOCを使えば、誰でもどこでも世界の大学や企業が提供するオンライン講義を受講できます。従来の大学の講義のように、課題やテストが提供され、条件を満たせば希望に応じて修了証が発行されるのが特徴です。

    MOOCは、2011年秋にスタンフォード大学の教員たちが、3つの講義をインターネットで公開したことがきっかけとなって広まり、それぞれの講義には10万人以上の登録がありました。この反響を受けて、当時の教員たちはMOOCの代表格「Coursera」や「Udacity」を立ち上げました。

    その後、ハーバード大学やマサチューセッツ工科大学などの名門大学もMOOCを開始したことにより、世界中に広がりを見せています。
     

    MOOCの仕組み

    MOOCの仕組み

    上の図はMOOCの仕組みを解説したものです。

    MOOCの運営者が、講座を提供する大学や企業と提携し、動画コンテンツをプラットフォームで配信します。ユーザーはプラットフォームに登録することで、興味を持った講義を自由に受講できるようになっています。

    多くのMOOCは、企業向けプランの提供や修了証の有償発行などでマネタイズを行っているため、無料でのコンテンツ配信が実現しているのです。
     

    MOOCのメリット

    MOOCのメリット

    MOOCの活用には次のようなメリットが存在します。
     

    教育の機会均等の実現

    オンラインで講座が受講できる性質上、インターネット環境下にいるMOOCユーザーは、居住地や収入状況に関わらず、誰でも講義を受講できます。

    これまでに、モンゴルの15歳の少年がMOOCで優秀な成績を収めた結果、マサチューセッツ工科大学に学費免除で入学した事例があります。
     

    時間や場所の制約からの解放

    MOOCでは録画された講義が配信されるため、ユーザーは就業後やリモートワークの合間など都合のいいタイミングで受講できます。

    MOOCを活用することで、必要なスキルに関する講義のみを受講できるため、ビジネスパーソンにとって効率のよい学習が実現します。企業にとっても、社員研修や教材準備にかける時間、費用が削減できることもメリットと言えるでしょう。
     

    世界の大学や企業のさまざまな講義を受講できる

    現在、世界中の大学や企業がMOOCを通じて講義を提供しています。世界最大級のMOOC「Coursera」は、2022年時点で世界57カ国272の大学や企業とパートナーシップを結んでおり、提供コース数は9,665にもなります。

    講義ジャンルは、データサイエンスやデジタルマーケティング、マネジメントスキル、人文科学など多岐にわたるため、目的に合致したスキル開発が可能です。
     

    デジタル人材の育成

    2020年に行われた経団連による「人材育成に関するアンケート調査結果」では、(デジタル人材を)「社外から採用している」と回答したのが36.5%、「業務委託等で対応している」が38.7%と、計75.2%が自社にデジタル技術に関する専門性の高い人材がいないとの結果となりました。

    デジタル人材を抱えている企業が少ない原因の一つに、自社での人材育成が難しいことが挙げられます。MOOCは、AI(人工知能)やデータサイエンスなどのデジタル人材に必要な豊富な専門講義を提供しており、効率のよいデジタル人材の育成が期待できます。
     

    MOOC利用時の注意点

    MOOC利用時の注意点

    メリットが豊富なMOOCですが、利用時はいくつか注意点があります。
     

    英語での講義が主流である

    海外のMOOCは、英語での講義を中心に取り扱っています。一部には日本語字幕のある講義もありますが、英語を理解できなければ、海外のMOOCを十分に活用するのは難しいでしょう。
     

    自主的に学習する姿勢が求められる

    MOOCは無償かつオンラインで講義が提供されるため、ユーザーには自主的に学習する姿勢が求められます。 2018年に実施されたコロンビア大学の調査によると、海外の代表的なMOOCである「edX」と「Coursera」の修了率は15%未満となっています。学習意欲を維持できなければ、新たなスキルを身につけることは難しいでしょう。

    企業として人材の学習意欲を維持するためには、人事制度の見直しが役立つかもしれません。身に着けたスキルを活かせるように、評価制度の設置やポストの社内公募などを行いましょう。
     

    海外の代表的なMOOC4選

    海外のMOOCの特徴は、AI(人工知能)やデータサイエンスなどデジタル人材に求められる講座が豊富な点です。海外のMOOCでは、グローバルで起きているデジタル化の最新の知見を学べます。一方、英語中心のコンテンツとなるため、英語が苦手な方は受講できる講座が限られてしまいます。以下では、海外の代表的なMOOC4選を紹介します。
     

    1. Coursera(コーセラ)

    海外の代表的なMOOC4選1

    Courseraは、2012年にスタンフォード大学の2名の教授により設立されました。2022年時点でのユーザー数は8,700万人以上です。Google やIBM、Meta、スタンフォード大学など200以上の大学や企業の講座を配信しています。

    講義の多くは英語ですが、一部には日本語字幕に対応している講義もあり、提供科目は、人工知能やデータサイエンス、デジタルマーケティング、人文科学など多岐にわたります。
     

    2. edX (エデックス)

    海外の代表的なMOOC4選2

    edXは、マサチューセッツ工科大学とハーバード大学が2012年に共同で設立したMOOCです。160以上の企業や大学と提携しており、3,600以上のコースを提供しています。修了証の発行にこだわらなければ、無料で受講できるコースが多いのが特徴です。データサイエンスや経営学などのビジネススキルに関する講義のほか、人文科学系の講義も多数あります。
     

    3. Udacity(ユダシティ)

    海外の代表的なMOOC4選3

    Udacityは、2011年にスタンフォード大学の教授により設立されたMOOCです。Google やMeta、Amazon、Microsoftなどの大手IT企業による講義を配信しています。 AI(人工知能)やサイバーセキュリティ、データサイエンス、プログラミングなどに関する講義が充実する一方で、人文科学や語学系などの講義は少ない傾向にあります。
     

    4. FutureLearn (フューチャーラーン)

    海外の代表的なMOOC4選4

    FutureLearnは、2012年に英国のOpenUniversityが設立したMOOCです。2021年時点で、1,700万人以上が登録・受講しています。日本からは慶応義塾大学が講座を提供しています。

    ビジネスや歴史、自然学、芸術など受講できるコースは多岐にわたります。大きな特徴は、受講者がコメントできるフォーラムが用意されている点です。フォーラムを使えば、受講者同士でコミュニケーションを取りながら、学習を進められます。
     

    国内の代表的なMOOC4選

    MOOCは国内でもサービス提供が広まっています。以下では、国内の代表的なMOOC4選を紹介します。
     

    1. JMOOC(ジェイムーク)

    国内の代表的なMOOC4選1

    JMOOCは、2014年に開講され、これまでに累計149万人が利用している国内最大級のMOOCです。早稲田大学や東北大学などによる講義を提供しています。講座ジャンルは、AIやデータサイエンス、統計学、アート・デザイン、自然科学などさまざまです。マサチューセッツ工科大学やイェール大学などの英語講義が日本語字幕付きで配信されています。
     

    2. gacco(ガッコ)

    国内の代表的なMOOC4選2

    gaccoは、NTTドコモグループが運営する会員数95万人以上の国内MOOCです。東北大学や大阪産業大学、グーグル合同会社などの講座を提供しています。gaccoではデータサイエンスやAI、デジタルマーケティングなどを学べます。また、オンラインと対面授業を組み合わせた環境になっているのが特徴です。
     

    3. Schoo(スクー)

    国内の代表的なMOOC4選3

    Schooは、大人を対象にしたオンライン学習プラットフォームです。講義は生放送で実施されるため、講師とユーザーが双方向にコミュニケーションを図れる特長を有しています。講義ジャンルは幅広く、デジタルリテラシーやデザインスキル、AI、ビジネス基礎、リベラルアーツなどが学べます。2,000社以上が導入する法人プランでは、100種類以上の研修パッケージから自社に最適な研修の設計と実施が可能です。
     

    4. NewsPicks Learning(ニューズピックス ラーニング)

    国内の代表的なMOOC4選4

    NewsPicks Learningは、NewsPicksが提供するビジネスパーソンを対象にした有料オンラインプラットフォームです。大企業の次世代リーダーが講師を務め、業界の最前線で活躍するトップランナーによる質の高い講義を受講できます。

    主な講義テーマは、次世代マネジメントやDX(デジタルトランスフォーメーション)、SDGs/ESGです。ビジネスリーダーたちのインプット方法やプロフェッショナル対談なども用意されています。
     

    MOOCを活用し個人が自発的に学ぶ組織作りを

    グローバル化やIT技術の発展に伴い、現在では市場の移り変わりが激しくなっています。企業においても人材一人ひとりがスキルアップのために自発的に学べる環境が求められており、専門性の高いスキルを効率よく学べるMOOCは重要な役割を果たします。

    導入にあたっては、今回ご紹介したメリット、デメリットを検討し、人事評価制度の創設など、個人が学習意欲を維持できる環境を整えることが大切です。MOOCを積極的に活用し、自社の人材育成にお役立てください。

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