Instagramは月間10億人を超えるユーザーに利用されており、その影響力には無視できないものがあります。B2B企業には派手な宣伝は関係ないと考える方もいらっしゃるかもしませんが、今年はほぼ間違いなく、そうも言ってはいられなくなるでしょう。
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現状では、非常に多くのブランドや有名B2B企業がInstagramを利用して、ブランド認知度の向上、オーディエンスとの関係構築、さらには新規顧客の開拓を促進しています。
今回の記事ではHubSpotパートナーの The B2B Marketing Lab(英語) から、すぐに実践できる簡単なヒントを紹介します。
これを参考に、皆さんの企業でもInstagram戦略をさらに次のレベルへ進めていただければ幸いです。
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B2B企業がInstagramを活用するメリットとは
ここでは、B2B企業がInstagramを活用する3つのメリットについてお伝えします。
認知度・イメージの向上
インターネットの発達により、顧客の60%が営業担当との商談前に、すでに製品の絞り込みをしており、そのうちの20%は購入を決定した段階で商談を行います。購買プロセスが短縮化したため、様々なタッチポイントで顧客とコミュニケーションを取り、信頼性や安心感を醸成することが重要です。
Instagramは、国内月間アクティブアカウント数が3,300万を超えており、B2B企業でも潜在顧客と接点を作れる可能性は十分にあります。
ブランディング
ブランディングとは、自社ならではの価値を顧客に届け、自社のファンになってもらうことを目的にした施策です。現代の消費者は、商品自体の価値だけではなく、理念や想いに共感できる企業を選ぶ傾向にあるので、ブランディングが注目されています。
ブランディングは、Webサイトや店舗などのあらゆるタッチポイントで行えます。中でも、写真や画像をメインにしたビジュアルで訴求できるInstagramは、ブランディングに有効なプラットフォームです。
文章よりもビジュアルの方が簡単に理解できるうえ、ビジュアルの方が記憶にも残りやすいです。Instagramを活用すると、ブランドの世界観や社員の声、ブランドの想いなどを効果的に伝えられます。
エンゲージメント向上
FacebookやTwitterなどのソーシャルメディアと比較すると、Instagramのエンゲージメント率は高い傾向にあります。エンゲージメント率が高くなるということは、自社サイトへの誘導や会員登録、商品購入に繋がりやすいということなので、様々なポイントでのコンバージョンに期待できます。
B2B企業がInstagramを活用する7つヒント
B2B企業がInstagram運用で効果を出すのは、容易ではありません。普通に投稿を続けても、なかなかフォロワーは増えないでしょう。単純に魅力的なコンテンツ投稿をするのではなく、戦略的に運営をすることが大事です。以下では、B2B企業がInstagramを活用するにおいて、意識したい7つのポイントを解説します。
B2Bならではの投稿内容を発信する
B2C企業とは異なり、B2B企業がInstagramで製品やサービスを紹介しても、多くのユーザーに興味を持ってもらうことは難しいです。そこで投稿内容に工夫を施す必要があります。
B2B企業の場合、下記コンテンツを発信するのがおすすめです。
- リーダーの声:企業のリーダーたちの声や考えを発信すると、ブランド認知度の向上や顧客との信頼関係構築に期待できます。
- 企業文化:ビジネスの舞台裏を発信すると、ブランドに人間味や親近感が加わり、顧客や潜在的な従業員にアピールできます。
- アナウンスメント:セミナーや新入社員の入社、社内イベント、製品発表などのあらゆるお知らせを行います。顧客やの興味を惹くためにも、動画や画像を用いてアナウンスをすることが望ましいです。
ユーザーが作成したコンテンツを活用して「今」をありのままに伝える
ストックフォトやカメラマンに頼んだプロモーション写真は使いません。今はリアルタイム感が重要です。Instagramでプロスペクト(潜在見込み客)やリード(見込み客)が求めているのは、企業の文化や製品を個人の視点から捉えた、嘘のないコンテンツです。
ライブ動画のようなリアルタイムのコンテンツは、編集を挟まずにそのまま配信されます。そのため、B2Bビジネスに不足しがちな人間的要素が加わり、オーディエンスや潜在顧客と裏表のない関係を構築するのに役立ちます。また、プロが作成したコンテンツは淡々とした冷たい印象を与えてしまいがちですが、顧客が知りたいのはブランドという看板の向こう側で実際に働いている人たちの姿であり、隠れたところにある本当の物語なのです。
多彩なコンテンツをすばやく公開する
Instagramにスマートフォンの写真や動画を投稿するのは、驚くほど簡単です。アプリケーションを起動して、投稿ボタンを押し、アップロードしたい写真や動画を選択するだけで、あっという間に投稿できます。
この利点を活かせば、コンテンツの作成にかかる時間が大幅に短縮されます。事前に計画を立てたり編集したりせず、いつどこにいても、さまざまなコンテンツをアップロードできます。多種多様なコンテンツを配信すれば、広範なオーディエンスへの宣伝やアピールになるだけでなく、自社のビジネスをあらゆる角度から紹介することにもつながります。1日中ずっとInstagramで画像を眺めたり、投稿を引用したりして過ごす必要はありません。
得意分野についての会話には積極的に参加する
ただ蚊帳の外から見つめているのではなく、自分からその輪の中に飛び込んでいきましょう。
あらゆるソーシャル メディア チャネルと同様にInstagramでも、フィードに画像や動画を投稿するのと並行して、幅広い会話に参加することを忘れてはいけません。投稿したコンテンツにコミュニティーのだれかから反応があったら、それに対して返信しましょう。また、コンテンツ作成と同じくらいの時間を取って、他ユーザーのプロフィールをチェックし、いくつかのコンテンツに目を通して気軽なコメントを残すこともお勧めします。
手間を惜しまずに働きかければ、相手もその気持ちに応えて向き合ってくれるようになります。
プロフィールのリンクを最大限に活用する
Instagramでは投稿のキャプションにウェブサイトのリンクを埋め込むことができませんが、プロフィールには1つだけリンクを追加できます。プロフィールに入力できる文字数はリンクを含めて最大150文字で、最新のブログ記事やコンテンツオファーへのリンクを張るのにぴったりの場所です。 Linktree(英語) などのツールを使用すると、複数のリンク(Linktreeでは最大5つ)が張られたページへのカスタムリンクを作成できます。このカスタムリンクをプロフィールに追加すれば、さまざまなリンクにユーザーを誘導できるようになります。
関連するリンクを追加してコンテンツを投稿したいときには、ストーリーズ機能が最適でしょう。投稿から24時間後に削除されてしまうという制限はありますが、リアルタイムに知ってほしいサービスや価値を公開できる、すばらしいツールです。
1つひとつの投稿で物語を伝える
Instagramでは、興味をかき立てるような物語を伝えている企業ほど、より多くのオーディエンスを獲得しています。自社に関心を持ってもらい、関係を構築したいと考えるなら、魅力的な画像や動画で一貫した物語を紡ぎ、他の雑音をすべて遮断する必要があります。
写真や動画を普通に投稿するだけでは、Instagramをフル活用できているとは言えません。ストーリーズ機能を活用すれば、スライドショーやコラージュを作成できます。写真や動画をいくつもつなぎ合わせることで、背景にある物語を表現し、自社の個性をオーディエンスにアピールしましょう。
意味のない指標は使わない
典型的な測定指標ばかりにこだわっていては全体像をつかめません。クリック数や「いいね!」が増えるのは確かに好ましいことではありますが、ねらいどおりのオーディエンスが自社コンテンツに興味を示しているかどうかは別の話です。その代わり、投稿にコメントをくれたユーザーの数や、直接コメントを送った結果新しくフォローしてくれたフォロワーの数といった実際のエンゲージメントを評価できる測定指標を重視しましょう。この2つの値を追跡すれば、現在どれくらいの成果が挙がっているか、自社の認知度はどれくらい向上したかを確認することができます。
国内B2B企業のInstagram運用事例
国内B2B企業でInstagramの運用に成功している事例をまとめました。
株式会社タムロン
株式会社タムロンは、一眼レフや監視カメラ用のレンズユニットなどの一般ユーザー製品から産業分野製品までを提供するレンズメーカー。グローバルに展開しており、売上の海外比率は70%を占めます。
Instagramでは、自社レンズを活用した写真を豊富に投稿し、その品質の高さを発信しています。「自分もこんな写真を撮りたい」とユーザーに思わせることで、購買意欲の醸成へと繋げることが可能です。プロフィールには、製品情報ページへのURLを設置することで、興味を持ったユーザーの誘導も行えています。
また、英語のキャプションとハッシュタグを活用し、売上の大部分を占める海外ユーザーにアピールしています。結果的に、B2B企業でありながらもフォロワー数は2.2万人(記事執筆時点)と大きな成功を収めています。
Sky株式会社
Sky株式会社は、業務系ビジネスシステムの開発やモバイル製品に組み込まれるソフトウェアの開発など、幅広い分野に渡ってシステム開発を提供しているIT企業です。
Sky株式会社は、Instagramでセミナーや製品などのプロモーションを実施しています。プロモーション投稿の最後には、コーポレートサイトへ誘導する文章を設置し、CTA対策もばっちりです。また、業務中の社員を見せることで、親近感の醸成に成功しています。
東京電力グループ(TEPCO)
東京電力グループ(TEPCO)は、Instagramで1.4万人(記事執筆時点)のフォロワーを集めています。主に、ダムや発電所の内部など一般の人々が見られない舞台裏を鮮明で美しい写真と共に投稿しています。また、キャプションでは設備の役割を詳しく解説しています。
身近にある電気の舞台裏を発信することで、多くの人々の興味関心を集めるのに成功しています。
海外B2B企業の運用事例
海外B2B企業でInstagramの運用に成功している事例をまとめました。
General Electric
General Electric(以下GE)は世界最大の総合電機メーカー。GEのInstagramフォロワー数は43.9万人(記事執筆時点)で、主に社員や企業歴史などのカルチャーをメインに投稿しています。
GEは世界的な知名度のある企業ですが、多くの人々はGEの詳細は知りません。だからこそ、Instagramでのストーリーテリングが有効です。企業の理念や想い、ストーリーが購買意欲に大きな影響を与える今、GEのようにInstagramでブランディングを行うのは効果的な施策となります。
HubSpot
弊社HubSpotはマーケティングやセールス、カスタマーサービス向けのソフトウェアを提供しております。英語版HubSpotのInstagramのフォロワー数は40.9万人(記事執筆時点)です。
HubSpotは、Instagramで製品プロモーションをしていません。その代わりに、顧客に価値ある情報をイラストや動画を用いて分かりやすく発信しています。
顧客に役立つ情報を発信し続けた結果、多くの方にフォローしてもらえるようになりました。
まずは自社の価値を届けたい顧客像を明確にし、顧客が抱える課題やニーズに応えるコンテンツを、最適な方法で届けるようにしてみてください。
SAP
SAPはビジネス向けのソフトウェアやアプリケーションを開発する企業。
17.9万人(記事執筆時点)のフォロワーを抱えるInstagramアカウントでは、動画を用いた製品紹介をしています。ソフトウェア製品などは画像投稿には向いていませんが、動画にすることで、顧客に価値や魅力を適切に伝えられます。
また、従業員やオフィスなどの舞台の裏側、企業ストーリーを投稿することで、親近感の醸成に成功しています。画像投稿が向いていない業種でも、SAPのように効果的に動画を使えば、Instagramマーケティングで成果をあげられるでしょう。
まずはInstagramを活用するべきかを判断しよう
B2B企業も運用次第では、Instagramで認知度向上やブランディング、エンゲージメント向上などの効果に期待できます。
まずはターゲットと認知度向上や売上アップなどの目的を明確にしましょう。目的を達成するために、Instagramが最適なのか吟味したうえで、自社リソースも考慮して運用開始の判断をしてください。
運用開始が決まれば、ぜひ記事で紹介したポイントや事例を参考にしていただければ幸いです。