Facebookのリーチは、企業に対するユーザーの好感度を測る重要な指標です。SNSマーケティングの効果を高めるには、リーチとは何かを正しく把握し、数字を増やす施策を押さえることが重要です。リーチを高めなければ、せっかく時間をかけて作成した投稿もユーザーに届かず、期待する効果を十分に得られません。
本記事では、Facebookのアルゴリズムからリーチを増やす施策を8つ紹介します。リーチの多い有名企業の投稿例も紹介するので、あわせてチェックしてください。ユーザーのニーズに合った投稿を積み重ねて、自社の認知度を高めていきましょう。
Facebookでオーディエンスを特定してリーチする方法
Facebookでのマーケティング活動の成果を高め、費用対効果を最大化する方法を解説します。
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- 目的に応じた広告の選び方
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Facebookのリーチとは?
FacebookでSNSマーケティングをする際に、重要となる指標のひとつが「リーチ」です。リーチとは、SNSの投稿を閲覧した人数の総称であり、大きく分けて3種類あります。
また、マーケティング用語の中にはリーチと混同しやすい言葉も存在します。それぞれ意味の違いを押さえつつ、リーチの定義を確認しましょう。
オーガニックリーチ・ペイドリーチ・投稿リーチの3種類がある
Facebookのリーチの各種類は表のとおりです。
リーチの種類 |
特徴 |
オーガニックリーチ |
Facebookページの無料投稿を閲覧した人数 |
ペイドリーチ |
Facebookページの有料投稿を閲覧した人数 |
投稿リーチ |
Facebookの投稿を1回以上閲覧した人 |
オーガニックリーチでは、さらに口コミと口コミ以外の2つに分けられます。
- 口コミ…友達が「いいね!」やフォローなどのアクションをしたために投稿が表示され、閲覧に至った人数
- 口コミ以外…投稿を閲覧した人数を指すが、上述のアクションによる表示を含めない
リーチ、インプレッション、エンゲージメントの違いは?
SNSの投稿の指標には、リーチと似ているものがいくつかあります。代表的な指標が、インプレッションとエンゲージメントです。これらの特徴も押さえましょう。
指標の名称 |
特徴 |
インプレッション |
Facebookの投稿が画面に表示された回数 |
エンゲージメント |
投稿におけるリアクション(いいね!・シェア・コメント・写真やリンクのクリック)の合計値 |
特に、リーチとインプレッションは初心者にとって見分けづらい数値です。リーチは投稿を閲覧した人数、インプレッションは表示された回数と対象が異なっているため、しっかり違いを理解しておきましょう。
リーチを確認する方法
では、実際にリーチを確認する方法について紹介します。PCとスマホでは確認する手順が異なるので注意しましょう。それぞれ解説していきます。
PCからの確認方法
PCから確認するには、まず管理者パネルを開きます。ページを開くと、左側に[インサイト]と書かれた項目が現れます。
[インサイト]をクリックしたら、[結果]→[Facebookページのリーチ]と進みます。
上図のように数値とグラフが表示されます。正確なリーチを確認したいのであれば、[結果のレポートを見る]と書かれたボタンをクリックしましょう。
上記のように表示されれば、日付ごとの正確なリーチが確認できます。
スマホからの確認方法
スマホから確認するには、右下の[メニュー]のボタンをタップし、[ページ]の項目から自身の運営しているページへアクセスします。
さまざまな項目が表示されるため、その中から[概要]を押しましょう。
下にスクロールしていけば、[インサイト]の項目が表示されます。真ん中に[投稿のリーチ]と書かれており、数値はこちらで確認できます。
[すべて見る]を押せば、インサイトに関するデータが画面に現れます。
ページインサイトは、あらゆる状況でのデータを把握する際に役立つページです。覚えておきましょう。
リーチを増やすためにFacebookのアルゴリズムを理解しよう
Facebookの投稿でリーチを増やすためには、そもそものアルゴリズムを理解しなければなりません。やみくもに記事を作成するのではなく、Facebookの仕組みに合わせることがコツです。ここでは、代表的なアルゴリズムについて4点説明します。
(アルゴリズムについての引用元:Metaビジネスヘルプセンター)
1.コンテンツタイプなど投稿内容の測定
Facebookのアルゴリズムは、コンテンツタイプの投稿内容から測定が行われます。
一般的には、各ユーザーが普段閲覧している投稿やページを元に、そのユーザーの興味や関心が分析されています。そして関連度が高いユーザーへと投稿が表示されるため、「内容の測定」が行われるのです。
2.いつ誰が投稿したのか関係性の考慮
「いつ」投稿されたのかもFacebookのアルゴリズムに考慮されています。投稿日が古いほどユーザーへ表示されにくくなり、新しい投稿程優先して表示されるのが基本です。
加えて、「誰が投稿したか」もFacebookのアルゴリズムにおいて重要です。先述したように、閲覧する人にとっての興味や関心に近い投稿は優先的に表示するように作られています。リーチを増やすためには、同じような趣向を持っている人との繋がりが欠かせません。
3.反応が起きる可能性および有意義な投稿であるかの推定
Facebookのアルゴリズムは、ただ機械的に投稿を表示するか否かを決めているわけではありません。内容を確認し、どの程度ユーザーからアクションをもらえるかを予測しています。主なチェックポイントは以下のとおりです。
- ほかのユーザーが投稿にコメントを残す確率
- ユーザーが時間を割いてまで投稿を閲覧する確率
- 動画を投稿した場合は最後まで再生される確率
- ほかのユーザーが「有意義な投稿である」と判断する確率
このような判断材料を総合的に見ながら、ストーリーで表示させる決定を下します。当然、有意義な投稿だと認識されなければ、リーチは減少します。
4.関連度スコアを測定
コメントや投稿の閲覧以外にも、Facebookが評価するポイントは多々あります。実際に投稿されたコンテンツをみて、アルゴリズムが分析結果をまとめた数字が「関連度スコア」です。同じく、該当する要素を一覧で並べてみましょう。
- 投稿がクリックされる確率
- いいねやシェアされる確率
- 投稿が虚偽広告に該当していないかどうか
- 品質の低いウェブサイトにリンクが掲載される確率
Facebookは、こうした手順を何度も繰り返しながら関連度スコアを作成します。投稿する際には、これらの要素が評価ポイントになっていることを意識しておきましょう。
リーチを増やすために試してほしい8つの施策
リーチを増やすためには、Facebookの投稿内容をしっかりと決めることが重要です。ここでは、リーチを増やすために試してみるべきポイントを8つ紹介します。一度に全てを盛り込むのは難しいかもしれませんが、一つずつ実践してみましょう。
1.ユーザーに役立つ情報を発信する
Facebookで投稿する際には、ユーザーに役立つ情報を提供しなければなりません。特にアルゴリズムが重視している内容は、新しい発見や明日から使えるノウハウが含まれているコンテンツかどうかです。つまり、投稿を読んだユーザーに利益があるような内容が望ましいとされています。
Facebookでマーケティングをするには、記事の品質が極めて重要です。リサーチを入念に行い、多くのユーザーが有意義だと感じる投稿を目指しましょう。
2.インサイトを確認してユーザーがアクティブな時間帯を分析する
多くのユーザーに投稿を見てもらうためには、インサイトの確認も欠かせません。インサイトとは、リーチやエンゲージメントなど投稿者が確認できるデータを指します。数値を確認しつつ、どの時間帯に閲覧数が伸びているのか記録しましょう。
興味や関心次第で、アクティブな時間帯が変わる可能性も十分にあり得ます。憶測で数値を定めるのではなく、確認した数値を元に投稿するタイミングを決めてください。
3.投稿頻度が多い場合は少し減らしてみる
Facebookの投稿は、頻度があまりにも多すぎると効率が悪くなります。なぜなら、同じ人のコンテンツばかりが表示されてもユーザーは飽きてしまうからです。どれだけ品質を高めても、第三者が読む気にならなければリーチは次第に下がってしまいます。
もし、1日に複数回投稿している場合は、投稿頻度を減らすのも検討してみましょう。基本的には1日1投稿を目指し、頻度が多くなったと感じたら休みを入れます。ネタ切れにもつながってしまうため、ときには我慢も大切です。
4.写真投稿を動画に変えるなど工夫する
リーチを上げるためには、投稿方法にも目を向けなければなりません。例えば、毎日の投稿が写真のみだとユーザーが飽きてしまう危険性があります。リーチを伸ばす上では、動画投稿を混ぜるなど工夫を加えましょう。
5.ユーザーのアクションを促す一文を追加したりアンケート形式の投稿を行う
ユーザーに楽しんでもらうコンテンツを作るには、行動を促すような仕組みづくりが重要です。例えば、「興味や関心があったらシェアしてください」と記載すると、ユーザーがシェアをするという行動を起こしやすくなり、より多くの人に届けられることが期待できます。YouTubeで「チャンネル登録お願いします」と残す行為と同じです。
ほかにも、アンケート形式の投稿を行うとユーザーから「いいね!」やコメントなどをもらいやすくなります。Facebookのコンテンツ作成では、投稿を読んだ後のユーザーの行動にも注目しましょう。
6.クーポンを配信したりアンケートを実施する
上述したとおり、リーチを伸ばすためには行動を促すメッセージがカギを握ります。言い換えれば、ユーザーにも参加させる工夫が必要です。
例えば、Facebookの投稿で定期的にクーポンの配信やアンケートの実施を行うとします。コンテンツを読んだユーザーは、これらのサービスに参加しようと今後も投稿に注目する可能性が高まります。
ただ勉強になる内容で構成するのではなく、読者が行動に移せるような具体的な仕組みが重要です。
7.Facebook広告を利用する
コンテンツのリーチを上げるために、Facebook広告の利用も検討しましょう。Facebook広告を使うことで、より効率的にリーチを向上させられます。特にFacebookは実名制のSNSであるため、高い精度で狙った層にアピールが可能です。
広告を利用するには事前に予算を定める必要があります。課金方法は2種類あり、広告1クリックごとに料金が加算されるクリック課金、広告が1,000回表示されるごとに課金されるインプレッション課金があります。
予算や戦略に応じて使い分けましょう。Facebook広告の具体的な特徴や仕組みは以下のリンクで詳しく解説しています。
8.インフルエンサーや専門家とタイアップする
Facebookの投稿の注目度には、インフルエンサーや専門家とのタイアップも大きな影響を与えます。タイアップとは、第三者との共同作業で利益を得る手法です。著名人と協力することで、リーチを大きく伸ばすことが期待できます。
ただし、タイアップも広告と同様に費用が発生することもあります。金額は企業や人によって変わりますので、事前に確認して準備しましょう。
ユーザーの反応が多いFacebookページをリサーチしよう
ここまで、Facebookのリーチ数を伸ばす方法について紹介しました。ここからは、実際にユーザーの反応が多い事例を見ていくことで、自社で実施する投稿の参考にしましょう。以下に有名企業のケースを4つ紹介します。
チェックしておくべき企業1:ポカリスエット
ポカリスエットは、ユーザーにとって勉強になるコンテンツを定期的に配信しています。優しく語りかけるような温かいメッセージが特徴です。イベントや特別な日を織り交ぜて紹介しており、水分補給が必要な夏は積極的な投稿を行っています。
また、ポカリスエットによるFacebookの投稿では、さまざまなキャンペーンを紹介しています。「いいね!」やコメントを残すだけで簡単に応募できます。
チェックしておくべき企業2:東京ディズニーリゾート
東京ディズニーリゾートのFacebook投稿では、東京ディズニーランドや東京ディズニーシーのイベント情報を取り上げています。投稿には、積極的に写真や動画を用いていることが特徴です。視覚的に訴えかけることで、季節ごとに変わるイベントの魅力を最大限に引き出しています。
さらに、行動を促進するようなメッセージを投稿に添えることで、ユーザーが東京ディズニーランドやディズニーシーに足を運びたくなるような工夫を施しています。Facebookでも、こうしたファンづくりには余念がありません。
チェックしておくべき企業3:花王
花王は、フードロスや環境問題をテーマに、生活のノウハウをFacebookで発信しています。絵文字や記号を積極的に使った、明るい雰囲気の投稿が特徴です。投稿頻度も多く、イベントがあるときは写真を豊富に使っています。
日常生活にも役立つ情報を提供しているため、勉強する上でも非常にありがたいコンテンツです。写真の中にも編集でメッセージを入れており、極めて見やすい構成になっています。わかりやすさの観点では、参考にするべき内容です。
チェックしておくべき企業4:キルフェボン
写真をうまく使用して情報を提供している企業として、キルフェボンが挙げられます。こちらの企業では、Facebookで旬のフルーツを使ったスイーツについて紹介しています。テキストの文字数も比較的多く、商品の魅力を具体的にアピールしている点が特徴です。
キルフェボンでは、完成したケーキやタルトをさまざまな角度から写真で撮影しています。不定期で動画も投稿しており、商品の出来栄えのよさをストレートに伝えられているのがポイントです。
Facebookでリーチ分析を行い投稿の改善をしよう
Facebookのリーチ分析の仕組みと増やすためのコツを説明しました。Facebookは一度の投稿で入力できる文字数も多く、比較的自由が利くSNSです。
Facebookは、有名な企業も数多く利用しています。まずは、成果を出しているコンテンツを参考にすることが大切です。Facebookのリーチを伸ばし、自社の認知度を高めるように改善していきましょう。