Eコマースやオンラインメディアにおいては、消費者との長期的な関係構築が重要になります。消費者と関係構築をしていく手段としてEメールアドレスを中心とした消費者情報を収集している事でしょう。
しかし、消費者のパーソナライズな情報を収集する上で企業中心の要求をしている企業も少なくありません。今回は、消費者から会員情報を収集する上で効果的な方法をご紹介します。
リードジェネレーション基礎ガイド
1. 会員登録する理由を提示しましょう
消費者は、対価なしに企業へパーソナライズな情報を提供しません。つまり、会員登録する理由がないEコマースやオンラインメディアにおいては、会員登録数は伸びません。また、Eメールを活用した関係構築においては、消費者を育成するという観点でまずは消費者と「つながる」事が重要になってきます。Eコマースにおいては、商品を購入する際に初めて会員登録を促すサイトも少なくありません。
そのようにしてしまうと、商品を購入するという明確な意思を持った消費者のみしか会員登録をしません。まだ消費者ではない潜在的な消費者とつながりを持つ事ができないという事はビジネスチャンスを逃している事になります。まずは、自社との「つながり」を醸成してから、ゆっくりと関係構築をしていく必要があります。
会員登録の理由を提示するにあたっては例えば以下のようなものが挙げられるでしょう。
- 会員になると初回購入が10%割引になります!
- 会員限定のお得なクーポン情報をお送りします!
- 会員登録で毎月50名に商品Aが当たります!
- 会員登録していただいた方に商品サンプルをお届けします!
- あなただけのパーソナライズ情報をお届けします!
このように、会員情報を消費者から頂く対価として、インセンティブを準備してください。また業態や業種によってもインセンティブによる会員登録促進の効果は異なりますので、自社においてもA/Bテスト等を通して最も効果的なインセンティブを検討する必要があるでしょう。
2. フォーム項目を最小限にとどめましょう
消費者についてたくさんの事を知りたいと思うのは当然の事です。また知っている事が多ければ、マーケティングに活用できる幅も広がります。ただし、消費者にとって会員情報の登録は非常にハードルの高いものとなります。また近年ではスマートフォンの普及によりスマートフォンからの会員登録をする消費者も増えています。
例えば、あなたはあるブランドのベッドに興味がありますがまだ購入しようという気持ちにはなっていません。いずれ購入する時のために、新商品の情報や、お得な情報を受け取りたいので、会員登録をしようとします。下記の2つの会員登録フォームではどちらのフォームで登録をしますか?
会員登録フォームA
氏名
メールアドレス
性別
住所
電話番号
生年月日
年収
職業
家族構成
会員登録フォームB
氏名
メールアドレス
住所
答えは明白でしょう。会員登録フォームBの方が会員登録数は多い事でしょう。
まずはメールアドレスを中心とした顧客とのコミュニケーション環境を構築する事を優先して会員獲得を行うのがベストプラクティスです。
(参照:http://www.invisionapp.com/)
3. 埋め込み型・ポップアップ型の会員登録フォームを設置しましょう
会員登録を誘導する上でサイト内でリンクのみの表示をしている場合は要注意です。発見されにくいと同時に遷移数も増えるため会員獲得をする上で毀損になる可能性があります。トップページにてヘッダー、ポップアップ、フッター等で埋め込み型会員登録フォームを設置しましょう。
デジタルマーケティングメディア「MarkeTimes(マーケタイムズ)」のニュースレター登録フォームのポップアップ型の会員登録フォームは、フッターの埋込み型の会員登録フォームと比較して約7倍の登録数があります。
一概には言えませんが、こちらもA/Bテストを繰り返しながら最適化を図っていきましょう。
重要なファクターは、本来会員登録をしてくれるであろう潜在的な見込み客の目に触れないままブラウザが閉じられてしまうことを回避するべきであるという事です。会員登録フォームがどれだけ離脱につながるのか、サイト自体のエンゲージメントにどのような影響を与えるかも含めて分析する必要もあるでしょう。
(参照:https://naturebox.com/products)
4. 個人情報保護ポリシーの説明、セキュアの証明をしましょう
顧客はこのデジタル社会において個人情報を企業に提供する事に対して年々警戒心を示しています。会員登録フォームを表示するページには、個人情報をどのように管理するかというポリシーの記載や、リンクを掲載しましょう。
また会員登録フォーム自体もセキュアであれば、その旨もアピールすることで顧客は安心して会員登録をすることができるでしょう。プライバシーマークの取得においては、個人情報保護方針等の記載が必要になってきますが、そうでない場合でも自主的に記載することで信頼性の向上にも繋がります。
(参照:https://www.conversioner.com/blog/9-best-practices-for-increase-registrations)
5. ソーシャル会員登録機能を設置しましょう。
ソーシャル会員登録により、会員登録作業が簡易化され、離脱率が減少、そしてコンバージョンの向上につながります。国内においても様々な導入ツールがありますので、一度検討してみると良いでしょう。
(参照:https://www.gyro-n.com/column/social-login/)
まとめ
会員登録フォームは、日々の試行錯誤により最適化されていきます。同じ改善策を講じても、ビジネスやサイトなどによっても効果は異なります。自社のサイトに最適な会員獲得方法を常に検討していく必要があります。短期的な効果だけでなく中長期的に獲得した会員が企業のかけがえのない資産になるかもしれないということを考えれば、放って置くわけにはいかないでしょう。いきなり全ての改善策を講じるよりも前に、一つずつスモールな改善を重ねていき着実に効果を上げていく方法をお勧めします。