「リード」という言葉をご存知でしょうか?リードという単語自体には「手がかり」のような意味があり、営業やマーケティングの世界では「見込み顧客」という意味で使われています。

「リード(見込み顧客)を増やす」ということは、BtoBのマーケティングや営業を成功させる上で多くの企業にとっては欠かすことのできない目標の1つであり、質の高いリード=売上につながる可能性が高い、というのは日々の仕事の中で十分実感できるているかと思います。

つまり、単純に考えると、質の高いリードを継続的に生み出していくことが効率的にできるようになればなるほど、売上が上がる可能性は高くなります。

今回は、BtoB企業がインバウンドマーケティングで効率的にリードを獲得していくためのリードナーチャリングという考え方や、実践のポイントをご紹介します。

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リードを管理するためのライフサイクルステージ

リードとは見込み顧客であるとご紹介しましたが、もう少しこのリードという言葉の使い方を深掘りしていきます。リード(見込み顧客)とは「あなたの会社やその製品自体、もしくはその領域に何かしらの形で興味を示している人」という意味です。

日本語の「見込み顧客」という言葉と同じように、そのままでは示す意味がかなり広いことに注意が必要です。一度だけ会社のウェブサイトに訪問してメールマガジンに登録した人も、営業が商談を重ね、契約書にサインをする直前の人も含まれる可能性があります。

インバウンドマーケティングでは、リード(Lead)という1単語だけで「あなたの会社やその製品自体、もしくはその領域に何かしらの形で興味を示している人」を効率的に管理するのは難しいので、リードを状態別に分類します。

HubSpotでも、その1単語だけでは営業とマーケティング間はもちろん、何よりリードとのコミュニケーションに不便なので、興味の度合い(ライフサイクルステージ)に応じて次のように分類して管理しています。

HubSppotのライフサイクルステージ

リードの話が少し長くなってしまいましたが、リードの条件を社内で定義・分類できているBtoB企業は意外と少ないので、上図のライフサイクルステージを参考にしてみてください。

リードジェネレーションとは?

本記事のタイトルにもなっているリードジェネレーションとは、「あなたの会社やその製品自体、もしくはその領域に何かしらの形で興味を示している人」を「創出する(ジェネレーション)過程」という意味なので、「リードを獲得することとその過程」と捉えていただければと思います。

HubSpotでは「興味を示してくれている人」の判別として、提供してもらった情報やどのオファー(情報と引き換えにリードに提供するコンテンツ)に興味を示してくれたかを基準にしています。

インバウンドメソドロジー リードジェネレーション

インバウンドマーケティングの方法論において、リードジェネレーションは2番目の「Convert(転換する)」ステージに位置しています。

リードジェネレーションでは、自社のビジネスや製品・サービスに興味をもってくれそうな人を惹きつけ、Webサイトに訪問した人達をいかにリードに転換する(個人情報を取得する)かを突き詰めていきます。

以下では効率的にリードジェネレーションを行う上で重要な考え方を3つ紹介します。

1.リードを獲得できるオファーの「横幅」を伸ばす

よくお客様からのご相談で、「問い合わせを増やしたい」というものがあります。たしかに、お問い合わせをしてくれる方は興味度合いが高いケースが多く、質の良いリードの可能性が大きいのは確かです。

しかしながら注力すべきは、営業が商談できるようなリードを増やすことで、お問い合わせはその質の高いリードを生み出すための手段の1つに過ぎません。

また、情報を調査し、自ら問い合わせてくれるようなリードだけを待つのは、確率的に見てもかなり少ない(1%以下)ので、それだけでビジネスが成り立つことはめったにありません。

下図はよくあるBtoB企業のウェブサイトにあるオファー(リード情報を取得できるフォームが設置されているページ)をバイヤーズジャーニーに沿って棚卸ししたものです。

バイヤーズジャーニー お問い合わせ

資料請求やお問い合わせ、デモ・トライアルしかない状態では、

  • 自社の製品やサービスに興味がある(質問がある)
  • 営業と話がしたいと思っている

という非常に限られたリードしかWebサイトで得ることはできません。営業が商談できるようなリード(SQL)を獲得していく過程では、お問い合わせを行わないような99%のサイト訪問者(ペルソナ)の状況や関心に応じて、幅広い領域(認知段階や検討段階)にもオファーを増やす必要があります。(下図は認知と検討段階にオファーを追加した図です。)

バイヤーズジャーニー ebook

リードと判断するには個人情報が必要になるので、フォームに何かしらの情報が入力できるランディングページとオファー(ダウンロードできるコンテンツなど)を準備するのが基本の施策になります。

  • ebook
  • ホワイトペーパー
  • テンプレート(エクセルやパワーポイントなど)
  • カタログ
  • セミナー
  • ウェビナー(動画セミナー ※LIVE or 録画)

テレアポは電話をかける企業のリストと電話をかける人がいないとリードを作り出すことはできませんが、このようなオファーは、コンテンツの賞味期限が続く限り、一度作ってしまえば持続的にリードを生み出してくれます。

また、興味をもっていそうな人だけの情報がリード情報として集まるのでやみくもにアウトバウンド営業を行うよりも情報取得後のコミュニケーションの精度は格段に向上します。

実践のポイント:

上図のようなバイヤーズジャーニーを使って、
  1. 自社のオファーを整理(棚卸し)
  2. オファーが足りない段階を特定
  3. オファーが足りない段階にオファーを作成

という3つのステップを意識してみてください。実際にオファーを作る際に気をつけるべき重要ポイントはebookにもまとめています。

2.リードを獲得できるオファーの「縦幅」を伸ばす

横の次は縦です。横がカバーできたならどんどん縦にオファーを増やしていきます。どこの領域を増やすべきかを考える際には、

  • 数字として伸ばすべき領域
  • コンテンツの切り口が豊富な領域
  • 横のつながりが使える領域

を意識すると見つけやすいです。3点目を少し補足しておくと、たとえば真ん中の検討段階(Consideration)のコンテンツとして、「入門インバウンドマーケティングセミナー」がすでにある場合、決断段階(Decision)に「HubSpotを使ったインバウンドマーケティング事例セミナー」のようなつながりのあるコンテンツを作成し、検討段階にあるリードにご案内することができます。

バイヤーズジャーニー セミナー

このように横に加えて縦も意識してオファーを増やしていくと、リードを獲得していくスピードがどんどん上がっていきます。7,000社に対するHubSpotの自社調査でも、ランディングページの数を10から15に増やした場合、リードの数が55%増加したという結果もあります。

3.オファーへの「入口」を増やす

3つ目は、作成したオファーにペルソナが訪れる機会をいかに増やすかを考えます。

サイト内から訪問の機会を増やす

まずはサイト内における誘導を考えてみましょう。サイトを訪れた人が、オファーを発見しやすいように工夫する必要があります。

過去のブログ記事からの誘導

新規に作成したオファーに対して、過去記事に導線を設置しましょう。特にオファーのトピックに近い記事や集客力の高い記事などがあれば積極的に活用します。

他のページからの誘導

ブログ記事以外のページからも誘導を図るために、テキストリンクやバナーなどを活用してます。成果を可視化するために、どのテキストリンクやバナーの効果が高いかなどを計測できる状況(HubSpotのCTAやGoogle アナリティクスのイベント トラッキングなどを活用)を作っておきましょう。

オファーの一覧ページの作成

どんなオファーがあるかをサイト訪問者が簡単に見つけられるような一覧ページがあると、親切かつオファーを見つけてもらいやすくなります。

1つのオファーに複数のランディングページを作成

ランディングページ自体を増やして転換率と数のアップを目指す施策です。

複数の機能を所有する製品やサービスを扱っている企業が、機能ごとに解決できる課題などを反映したランディングページを複数準備しているのを目にすることがありますが、これによりサイト訪問者やリードの文脈に沿うような形でオファーを届けることができます。

サイト外から訪問の機会を増やす

次はサイト外からの活動を確認しましょう。そのオファーへ興味をもちそうな人=リードになる可能性が高い人をいかに集客できるかがポイントになります。

オファーのトピックに関連するブログを執筆

王道の手段ですが、オファーに関連するブログを書くのは良い手段です。もちろんSEOのキーワードを意識し、ブログ記事からオファーへの誘導(リンク・バナー)をしっかりと行います。書いたブログ記事はソーシャルメディアやメールでもプロモーションしましょう。

ソーシャルメディアで発信

FacebookやTwitterのアカウントでオファーを共有しましょう。企業アカウントだけでなく、マーケターや他のメンバーのアカウントでも積極的に発信できれば更に効果が期待できます。

広告を活用

検索広告やソーシャルメディア広告など、オファーに興味を持ってもらえそうな層へアプローチする際には広告も有効です。BtoB企業の場合は、ホワイトペーパーのダウンロードを広告として出稿できるサイトもあるので、そういった外部サイトを活用するのも1つの手です。

メールを活用

既存のコンタクト(リードやメルマガ購読者)に対してメールを通じてオファーの案内を行います。例えば、メルマガ購読者(Subscriber)には認知段階のオファーを案内してリードへの転換を促すなど、ライフサイクルステージに応じたリードジェネレーション施策を打ちやすいのもメールの特徴です。

リードジェネレーションを行う際の注意点

1.リードの「数」だけを追うオファーを作らない

リードジェネレーションを行うと、リードの数が目標になりがち(目標になること自体に問題はありません)です。マーケティングの目標がリードの数になったからと闇雲に数だけを追い求めては、マーケティングの本来の目的からズレてしまう可能性があるので注意が必要です。

極端な例ですが、ECサイト向けのシステムを販売している会社が「東京でおすすめのラーメンTOP100」というebookオファーを作ったとします。このebookの方が、「ECサイトにおける在庫管理の効率を上げる5つの手法と10の事例」というebookオファーより多くのダウンロードを発生する可能性もありますが、ビジネスにつながるリードを獲得できる可能性は後者の方が圧倒的に高くなると予想できます。

リードの定義が「あなたの会社やその製品自体、もしくはその領域に何かしらの形で興味を示している人」であることを常に頭に入れて、マーケティング・営業戦略に沿うオファーを作るようにしてください。

2.営業とリードの定義・目標・施策を共有する

本記事の前半で「リードという1つの言葉ですべての状態を表すのは難しい」といったのもこの注意点に関連します。下図をご覧ください。

営業とマーケティングにおけるリードの定義

ライフサイクルステージを活用して、リードを状態別に管理できていれば営業とのコミュニケーションもスムーズになります。また、リード側にとってもライフサイクルステージに応じた情報提供を受けられるので、迷惑を感じる可能性が減ります。

共に取り組むべきポイントの例:

  • 売上目標を達成するにはLead、MQL、SQLがそれぞれどれぐらい必要なのか
  • 各リードに営業とマーケティングがどのようにアプローチするのか(各々の役割分担)
  • そのリード(の状態)の定義を常に営業とマーケティングで一緒に考えているか
  • 各オファーとライフサイクルステージの関係は健全か
  • 両者の活動に対する相互フィードバックや意見を出し合える仕組みはあるか

営業とマーケティングの関係を強固にするためのテンプレート資料も用意しているので、ご興味のある方はぜひご覧ください。

リードジェネレーションで関係構築の第一歩を

横・縦・入口の3点からリードジェネレーションの基本的な考え方をご紹介しましたが、忘れてはいけないのは、リード(ペルソナ)の状況・自社のビジネス全体・マーケティングの観点からその3点を常に考える習慣をつけることです。

まだ意識的にWebサイトでリードジェネレーションに取り組んでいない方は、ぜひ一度オファーの棚卸しとバイヤーズジャーニーの横軸視点からリードジェネレーションの可能性を探してみてください。

オファーを作成する際には、抑えるべきポイントをまとめた『見込み客獲得をする30の秘訣〜重要なポイントの解説とその事例集〜』が参考になります。

すでに取り組んでいる方は横の抜け漏れや縦の強化をチェックしてみましょう。他にも営業とのコミュニケーションに改善の余地はないかを検討しリードジェネレーションと後工程の効率アップに取り組んでみてください。

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元記事発行日: 2016年10月30日、最終更新日: 2018年10月09日