B2B企業がインバウンドマーケティングの予算獲得への反対意見を乗り越える方法

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戸栗 頌平(とぐり しょうへい)
戸栗 頌平(とぐり しょうへい)

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会社にマーケティング予算の確保を拒否されると、非常に気持ちが下がります。会社がマーケティング自体に意味があると信じているのかということすら疑問に感じるでしょう。事実、会社は信じていないかもしれません。

B2B企業がインバウンドマーケティングの予算獲得への反対意見を乗り越える方法

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少し古いですが2014年の研究では、マーケターのうち9割はマーケティングの実施や費用対効果に関するトレーニングを受けていないことがわかっています。また同じ研究で、自身のマーケティング活動がビジネスに効果を出していることを、会社の経営陣に証明することに苦しんでいるマーケターが全体の8割を占めるとも報告されています。

インバウンドマーケティングに投じた費用が測定可能な結果として戻っていることを経営陣に証明できないで、マーケターは顧客を惹きつけるために必要な予算を確保できるのでしょうか。

以下は、最高経営責任者(CEO)がインバウンドマーケティングに対してよく言う不満と、それに対するお勧めの対応策です。

不満1-わが社のマーケティングはお客様のニーズを中心にしていない

不満2-マーケティングに投資した分の収益が戻ってきているように見えない

不満3-アウトバウンドは結果が見えるので、そちらにもっと予算を割く

この記事では、会社の指導者がこぞって資金を出したがるようなインバウンドマーケティングのキャンペーンを作り出す方法を紹介します。そもそもあまり予算がないという場合は、小規模で始めなければなりませんが、それでも必ず正しい方向には進めるはずです。

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    不満1の対処法-B2B顧客に集中する

    顧客中心のコンテンツを作成する

    あなたのインバウンドマーケティングは、顧客のニーズに焦点を合わせていないために、適切なアクティビティを作り出せず、希望の結果を引き出せなかったのかもしれません。今すぐに、顧客中心のマーケティングを取り入れましょう。

    マーケティングが顧客中心になればなるほど、デジタルコンテンツマーケティングの重要性が増します。これはデジタルコンテンツマーケティングが、顧客との関係を深め購買行動へと促す手段として有効だからです。

    B2Bマーケティングの世界には、コンテンツマーケティングが溢れかえっています。過度な宣伝を行い、個人の見込み客に対しまるで個人ではなく企業に接しているかのように話しかけます。

    顧客も見込み客も、商品を宣伝するメッセージを大量に受け取ることは望んでいません。B2B顧客に集中すれば、顧客のニーズが理解でき、マーケティングを顧客に合わせていくことができるでしょう。

    ブランドエンゲージメントによって信頼度が高まれば、顧客もあなたの話を聞くようになります。ですが注意してください。この段階がインバウンドの努力のしどころでは決してありません。

    自分自身に聞いてみてください。あなたが作っているインバウンドコンテンツは、あなたが顧客に見てほしいものですか?それともあなたのB2B顧客が見たいと望むものなのでしょうか。

    バイヤーペルソナが顧客中心のマーケティングの鍵

    顧客に集中するということは、見込み客の理解をすることを意味します。そしてそれは、商品を購入してくれる個人に合わせたコンテンツを作成することにつながります。

    そうしてターゲットオーディエンスに集中すると、コンテンツがより多くのエンゲージメントを得ることで、インバウンドマーケティングが結果を出し始めます。

    顧客中心に変えることで、ブランドも利益を得られるようになります。正しく行うことができれば、信頼性だけでなく顧客からの支持も得ることができます。

    ブログ記事、ウェブサイト作業、ソーシャルメディア、動画、SEOなどのインバウンドマーケティングに対する予算が、一夜にして膨れ上がることはありません。

    顧客中心のマーケティングがもたらす利益を経営陣が見れば、マーケティングに対しより多くの予算を割きたくなるでしょう。

    どのように主張を伝えるか:

    多くのB2B企業が、相手の企業に話しかけているようなトーンでコンテンツを作成します。あなたのチームには、インバウンドマーケティングで大切なのは、人を惹きつけることだと十分に伝えてください。

    それを実現するには個人の顧客に語りかけ、ビジネス上の苦労についてばかりでなく、顧客の課題に言及するようなインバウンドコンテンツを作り上げることが大切です。

    バイヤーペルソナを作成し、あなたのインバウンドマーケティングは顧客中心であることをチームにはっきりと伝えてください。次にペルソナを細分化して理解する手法を取り、さまざまな段階にいるバイヤーが潜在客としてエンゲージしたくなるようなコンテンツにするための提案をチームで考えてください。

    顧客中心のマーケティングではっきりと違いを見せるには、マーケティングメトリクスを確実に理解する必要があります。オンラインマーケティングの結果は定量化することができます。

    訪問者数、定期購読者数、コンバージョン率など、決定権者がリアルタイムで結果を確認できるようになれば、簡単に戦略の調整を行い、結果をいつでも最大限に持ってゆくことができます。

    あなたのインバウンドの取り組みが、ペルソナを中心としたコンテンツを好むより多くのターゲットを惹きつけ始めていることをCEOや経営陣に見せられたら、インバウンドのROIについての重要な話し合いを始める準備が整ったと言えるでしょう。

    不満2の対処法-B2BインバウンドマーケティングのROI

    CEOは最終的な収益に注目します。ですから、インバウンドマーケティングのROIを強調することが重要です。

    ハブスポットが年次で行うレポートState of Inbound 2014によると、投資対効果検討書を作成し、マーケティングプランが財務上道理にかなっていることを示す必要があると書かれています。

    年間250万円未満の予算をもらっていたマーケターのうち、43%は確実に2015年予算の拡大を実現し、31%は同レベルの予算を安定させています。

    もしあなたが予算を減らされた残りの8%のうちの一人であったら?ROIの結果の悪さが原因でしょう。

    マーケターが費用対効果を示すことができない理由について、以下にまとめます。

    • マーケティングの分析結果を入手できない
    • マーケティングの分析結果の入手はできるが内容が理解できない
    • リードを獲得するためのキャンペーン追跡やアトリビューションモデルを行っていない
    • 追跡やアトリビューションを行わないため、効果的なキャンペーンがわからない
    • リードが営業に渡されると、その後のリードの動きがわからない。

    どのように主張を伝えるか:

    どう調査よると、数人程度の小規模の会社では62%が月に約1万円の予算をコンテンツマーケティングに使用しており、45%がコンテンツにより広告費を削減できたと言っています。

    このようにコンテンツ作成が経済的に良い結果につながる事実を示す調査に注目が集まれば助けになります。そこに実際の結果も添えることができれば、さらに多くの予算を得られるでしょう。

    インバウンドがブランドエンゲージメントの増加につながることを示せば、CEOはインバウンドに対し前向きな気持ちを持つかもしれません。けれども結局は、あなた自身のインバウンドマーケティングが売り上げを増加させているという明確な根拠を示さなければなりません。

    インバウンドが組織にとって価値を生み出していると示すことができれば、ブログ、SEO、ソーシャルメディア、コンテンツ作成などの戦略に使用するマーケティング経費に正当性を持たせることができます。

    まずはあなたのアナリティクスダッシュボードを完全に把握するところから始めてください。マーケティングツール内で必ずキャンペーンのタグ付けを行います。

    そしてマーケティングからのリードがタグ付けされ、あなたの顧客リレーションシップマネージメント内で追跡が可能となるよう力を注いでください。

    いくらか自己学習が必要かもしれませんが、売り上げのどれがインバウンド活動から得られたものかを識別できるようになれば、そういった努力にも十分価値があります。

    不満3の対処法-マーケティングと営業の力を組み合わせる

    もしアウトバウンドが収入源であるというのならば、なぜ会社はアウトバウンドにもっと予算を割かないのでしょう?インバウンドとアウトバウンドは相反するものではないということを実証してみせましょう。

    営業チームとマーケティングチームは、共生関係であるべきです。インバウンドとアウトバウンドのマーケティングを統合できれば、両方の費用対効果を向上させることができます。そうすれば、マーケティングの費用対効果を経営陣にはっきりと見せつけられます。

    インバウンドマーケティングとアウトバウンドマーケティングを関連付けて実行すれば、リードジェネレーションプロセスの改善や販売サイクルの短期化が実現します。

    どのように主張を伝えるか:

    こちらも同調査によると、営業とマーケティングがタッグを組んだ結果、顧客保持率が36%向上し、販売成立率が38%上昇したと報告されています。

    マーケティングと営業が上手く連携できれば、MQL(Marketing Qualified Lead:十分のマーケティングコンテンツに接触をしているリード)、SQL(Sales Qualified Lead:営業がアプローチしても問題ないと判断できるリード)などに関して共通の認識を持てるとともに、これらに到達する適切なパスを確立できます。

    マーケティングチームは、リードを営業に任せるタイミングを理解し、その後はインバウンドのリードを最適な形でフォローするよう、営業チームをサポートすることができます。

    マーケティングと営業の連携が効率化すれば、マーケティングは営業に対しSQLにつながるインバウンドMQLを渡すことや、リードをコンバートする際に必要となるコンテンツと営業の販促資料を営業チームに提供することができます。

    営業チームはこのサポートに感謝するでしょうし、CEOや経営陣は営業がマーケティングリードからの売り上げを伸ばしていることに気づくでしょう。

    まとめ

    インバウンドマーケティングの成功は、マーケティング分析の数字が証明してくれます。トラックリンクとアナリティクスアトリビューションモデルを適切に行っていれば、リードの起点がわかり、あなたのマーケティング活動にリードを取り戻すことができます。

    マーケティング自動化ツールを使用することも、CEOと経営陣にマーケティングの真の価値を証明するのに非常に効果があります。

    マーケティングをより顧客中心にし、マーケティングの費用対効果を測定する方法を改善し、営業とマーケティングの連携を強化できれば、CEOはインバウンドマーケティングへの投資に一歩を踏み出しやすくなるでしょう。

    インバウンドマーケティングをあなたの会社の経営陣に宣伝するために、あるいはインバウンドマーケティングとアウトバウンドマーケティングの連携を強化させるために、どのような取り組みをしていますか?

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