2018年のこの時期、ブログ記事「ハブスポットが一元管理型プラットフォームにこだわる理由(英語)」の公開を皮切りに、ハブスポットはサービスのプラットフォーム化に力を注いできました。
世の中は、変化しました。企業で使用されるソフトウェアの種類は減るどころか増えていて、そのすべてを連携させるのが必要不可欠な時代です。こうした現状においてお客様がさらなる成長を遂げられるよう、ハブスポットはすべてをまとめた「オールインワン」のスイートから、すべてを搭載した「オールオンワン」のプラットフォームへの移行を進めています。
お客様が成長のために必要とされるものをくまなく高い質で提供しご満足いただくには、チームワークが不可欠です。ハブスポットは愛されるプラットフォームを作り上げるべく、他社が開発した豊富なアプリや、お客様の社内または代理店で構築した独自のカスタムアプリなど、HubSpotを補完できるアプリを手軽に活用していただけるように取り組んでいます。お客様がこれらのアプリを簡単に組み合わせられるようにしたいのです。
増え続けるプラットフォームパートナー各社の協力の下、私たちは1年間でこのミッションに向かって大きく前進することができました。今回は、2018年におけるハブスポットプラットフォームのハイライトをご紹介します。
1. ディレクトリーに94の新しいアプリが追加され、プラットフォーム パートナー エコシステムが70%拡大しました。
優れたプラットフォームは、フライホイールのように回り続けます。顧客が増えれば開発者が集まり、開発者が多くのアプリを構築すれば顧客が集まってくる、その繰り返しです。顧客は多彩な機能を利用できるようになり、開発者はアプリを配信する先が広がります。
ハブスポットプラットフォームのフライホイールは加速しはじめています。ますます回転速度を上げており、創造力に富んださまざまな企業が新しい連携アプリをハブスポットのお客様に提供しているのを見ると、胸が躍ります。
2018年は94の公式アプリが新しくエコシステムに加わりました。17のカテゴリーにまたがる200以上の統合アプリが、お客様のビジネス成長を後押ししています。
2018年に特に充実したカテゴリーは電話です。このカテゴリー内だけでも、ビデオ会議、クラウドベースの電話システムやコールセンターとの連携、インバウンドおよびアウトバウンドSMS、音声対応のチャットボット、AIによる電話分析など、21のさまざまなアプリが提供されています。
エコシステムのアプリのうち、2018年に最も多くインストールされた人気のアプリベスト20をご紹介しましょう。
- Zapier -- 連携の自動化
- MailChimp -- Eメールとマーケティングの自動化
- Slack -- コラボレーションを促進するコミュニケーションツール
- WordPress -- 無料のコンテンツ管理システム
- SurveyMonkey -- アンケート収集
- Eventbrite -- イベント管理およびチケット管理
- Salesforce -- CRM
- Databox -- モバイルアナリティクス
- GoToWebinar -- ビデオ会議
- MagneticOne Mobile -- 名刺同期
- Automate.io -- 連携の自動化
- Hotjar -- ヒートマップ作成
- UberConference -- ビデオ会議
- Zendesk -- サポートチケット管理およびカスタマー サービス ソフトウェア
- Shopify -- Eコマースプラットフォーム
- Typeform -- オンラインフォームおよびアンケートの作成
- PandaDoc -- 電子署名
- Unbounce -- ランディングページの構築
- Import2 Wizard -- シームレスなデータ同期
- PieSync -- 連携の自動化
お気付きかもしれませんが、上記のほとんどは初期からのパートナーです。このように今も活躍が続いているのをうれしく思います。一方、新しいパートナーも急速に勢いを増しつつあります。2018年にエコシステムの中で最も成長率が高かったアプリのトップ10を見てみましょう。
- Import2 Wizard -- シームレスなデータ同期
- Typeform -- オンラインフォームおよびアンケートの作成
- Slack -- コラボレーションを促進するコミュニケーションツール
- Zoho Analytics -- 営業向けの分析レポートおよびダッシュボード
- GetSiteControl -- オンラインフォームおよびアンケートの作成
- CircleLoop -- 高度な電話機能
- OrgChartHub -- 組織図の作成
- Map My Customers -- マップ作成とデータ可視化
- Jira -- プロジェクト管理
- Skyvia -- クラウドアプリケーションとデータベースの同期
この他にもまだまだ多くの魅力的なアプリが控えており、2019年のうちに次々と登場する予定です。
また2018年には、Zoom、Slack、Shopify、Stripe、YouTube、Workplace by Facebookなど、ハブスポット社内のエンジニアが開発を行う数々のネイティブ連携機能も構築しました。
ハブスポットは、エコシステムの規模に比べてネイティブ連携機能の数を意図的に少なく抑えています。お客様にとって特に役立つと思われるいくつかの企業に、当社の開発者が時間を集中的に使えるよう数を絞っているのです。たとえば、Slackの新しい各種APIのローンチパートナーとして、SlackとHubSpotの緊密な統合を実現しました。Workplace by Facebookのローンチパートナーにもなりました。さらに、新しいYouTube連携機能も作成して、動画に関する有益な指標を測定できるようにしました。
ハブスポット社内で連携機能を開発するときには必ず、エコシステムの他のパートナーも同じ拡張ポイントを構築できるように方法を検討します。たとえば、Shopify連携機能を作成したときには、同時にEcommerce Bridge APIも作成し、パートナーがハブスポットの機能を使用してeコマースデータの同期や操作を行えるようにしました。インテグレーションパートナーであるUnificは、このAPIを利用して同社が扱うMagento、Shopify、BigCommerce、WooCommerceにお客様が接続できるようにしています。また、最近はZoomとの緊密な連携機能を追加しました。他のビデオ会議ソリューションのプロバイダーにも同じ方法でハブスポットのプラグイン機能を作成してもらえるよう、準備しているところです。
2. 95のAPIエンドポイントを新たに追加し、年次プラットフォーム パートナー デイの第1回を開催しました。
当社の製品チームは、開発者がさまざまな種類のアプリを構築し、ハブスポットのプラットフォームに連携できるよう、APIやUI拡張ポイントを積極的に公開しています。
2018年は、95のAPIエンドポイントを新たに追加し(合計で355になりました)、チケット、製品、行項目、CRMパイプライン、GDPR準拠のための機能などにプログラムからアクセスできるようにしました。Ecommerce Bridge APIとAnalytics APIを発表したことで、eコマースカテゴリーやアナリティクスカテゴリーの幅広いパートナーとのさらなる連携が可能になりました。また、新しいワークフロー拡張モデルも公開しました。これにより、パートナーはMarketing Hub、Sales Hub、Service Hubの各製品をまたぐワークフローの中で、自社ブランディングを施したネイティブ連携と同様のアクションをお客様向けにセットアップできるようになります。
昨年春には、ケンブリッジの本社で「プラットフォーム パートナー デイ」の第1回を開催し、60社を超える主要インテグレーションパートナーが一堂に会しました。これは、ハブスポットのエンジニアリングチームやマーケティングチームのメンバーと交流したり、今後の製品リリースに関する情報を入手したりできるほか、より良いアプリや連携機能をお客様に提供するためにハブスポットとパートナーがどのように協力していくべきか意見を交換したりできる年1回のイベントです。
現在、今春に開催する第2回のプラットフォーム パートナー デイに向けて準備を進めています。新しく開発した機能についてお知らせし、さらに大きなコラボレーションの機会を設けたいと思います。
— Barney Brown (@BrownBarney) May 10, 2018
3. お客様による連携機能の導入が記録的なペースで進みました。
お客様はHubSpotに多くのアプリを接続すればするほど、HubSpotを活用して大きな成長を実現できるようになります。お客様ご自身の顧客に一貫性の高い体験を提供すればするほど多くの成果を挙げられるのですから、さほど不思議なことではありません。
2018年には、お客様によるアプリの導入が記録的なスピードで進みました。現在、大半のお客様が少なくとも1つのアプリをHubSpotと連携させていて、お客様あたりの連携アプリの平均数は年50%以上のペースで急激に増加しています。HubSpotとの連携のためのアプリインストール数は数十万にものぼります。
この数字は、お客様がハブスポットのプラットフォームにメリットを感じていることの表れであり、私たちにとって大きな励みとなりました。また、お客様のアプリ導入が進んでいるのはプラットフォームパートナーにとっても喜ばしいことです。
4. プラットフォームパートナー、代理店、スタートアップ企業をつなぐことができました。
ハブスポットのプラットフォームパートナーには、さまざまなプログラムやコミュニティーを利用できるという、貴重な特典が提供されています。
たとえば、ハブスポットのグローバルネットワークには何千もの代理店やコンサルティング企業が参加し、クライアント企業がHubSpotを活用してビジネス成長を遂げられるよう支援しています。こうした代理店やコンサルティング企業がクライアントに提供する自社ソリューションにプラットフォームパートナーの製品を追加するケースが、以前よりも増えました。その結果、クライアントはより多くの機能を利用できるようになり、代理店やコンサルティング企業はサービスを拡充しながら市場展開を進める強固な基盤を築いています。
当社のマーケティングパートナーである代理店各社は、ハブスポットのプラットフォームを有効かつ革新的な方法で活用しています。たとえば、プラチナパートナーのNextinyは、ハブスポットのプラットフォームエコシステムから厳選したアプリで「テクノロジースタック」を作成し、定期的にクライアントに展開しています。Nextinyはこのスタックを利用して、クライアントであるJeeves Florida Rentalsの主要ビジネス目標を大幅に上回る成果を収めました。その功績が評価され、2018年のハブスポット インパクト アワードでは統合イノベーション賞を受賞しています。
こうしたマーケティングパートナーとエコシステムとの協力関係を促進するために、ハブスポットは2018年春に「Apps for Agency Services」プログラムを始動させました。これは基準を満たしたプラットフォームパートナーが、営業支援ツールなどの自社ソフトウェアを代理店が販売・サポートするのを支援し、社内使用のサブスクリプションを無償で提供するプログラムです。
「HubSpot for Startups」プログラムも盛り上がりを見せています。このプログラムでは、1,500社を超すアクセラレーター、インキュベーター、VC企業(Y CombinatorやSequoia Capitalなど)と協力して、スタートアップ企業向けに学習用資料やイベントプログラムを用意し、ソフトウェアを特別価格で提供しています。
2018年は、プラットフォームパートナーが新しいベンチャー企業と関係を構築しやすくなるよう条件を満たしたスタートアップ企業に対して特別割引を適用できる仕組みを構築しました。
プラットフォームパートナーとスタートアップコミュニティーの関係をさらに拡大することを目指して、当社のプラットフォーム マーケティング チームは、エコシステム内でスタートアップ企業に最もよく使用されているアプリを調査し、スタートアップ向けアプリと無料アプリ(フリーミアム版も含む)としてディレクトリーにまとめました。
昨年はプラットフォームパートナー、代理店、スタートアップ企業がつながったことでさまざまな成果が得られ、私たちも多くの刺激をいただきました。次の1年もさらに大きな成功を実現できるよう、全力で取り組んでいきたいと思います。
5. HubSpot Venturesを設立しました。また、エコシステム拡大を支援するプログラムへのAmazon Web Services(AWS)からの共同投資も発表しました。
プラットフォームのAPIの拡張や、拡張性の向上、パートナーによるアプリ配布の新しい手段の構築に取り組んだほか、エコシステム自体の成長に関する発表もいくつか行いました。
12月にHubSpot Venturesを設立しました。これは、スタートアップ企業に投資する約34億円規模の新しいファンドであり、「Help millions of organizations grow better」という当社のミッションと軌を一にしています。これまでの投資先にはBlissfully、Grow、Lorem、Privy、Terminusなどがあります。
同時にAmazon Web Services(AWS)とスタートアップ支援について3年間の協業を開始することも発表しました。これまで当社はAWS Activateメンバーの企業にHubSpot for Startupsの特典を提供してきましたが、今後はAWSもHubSpot for StartupsのメンバーにAWS Activateのメンバーシップと利用クレジットを提供することになりました。また、AWSはハブスポットのプラットフォーム パートナー プログラムに共同投資を行います。開発者向けにカスタマイズされたコンテンツを提供するなど、ハブスポットパートナーのエコシステム拡大をサポートします。
さらにプラットフォームパートナーへの投資という意味で、HubSpotを使ったことがなくHubSpotへの移行を検討中のすべての認定プラットフォームパートナーにも、HubSpot for Startups割引価格の対象を拡大しました。
2019年にさらなる発展を遂げるために
今年は、プラットフォームエコシステムについて大きな計画を立てています。お客様向けには、デジタルの強大な力をもっとビジネスに活かせるよう、アプリや連携機能をさらに提供していきます。最新の機能は、ディレクトリーの注目の最新機能カテゴリーにてご確認ください。
パートナー向けには、当社プラットフォーム上でビジネスを築き上げていただけるよう、より多くのチャンスを提供することに力を尽くします。昨年、当社の経営陣はサンフランシスコベイエリアの一流プラットフォーム企業を全員で訪問し、多くのことを学んできました。全体を通して重要な気付きとなったのは、「プラットフォームはそのエコシステムが成功しているかどうかで評価しなければならない」ということです。
2018年には、エコシステムを成功させるという任務のために、3人の新しいメンバーを採用し、チームに加えました。まず、グローバルパートナーおよびプラットフォームマーケティング担当ディレクターに就任したSamantha Cepposは、エコシステムを拡大し、エコシステムに変更や更新があった場合は必ずパートナーにお知らせがいくようにしています。次にElizabeth Ruscittoは、開発者リレーション担当ディレクターとして、開発者向けのドキュメント、ツール、サポートの改善を指揮します。最新資料のダウンロードや開発者ポータルへの無料登録はこちらから行えます。そしてHugh Durkinは、プラットフォーム パートナー サクセス担当ディレクターを務め、エコシステム内のパートナーのビジネス成長を後押しできるよう、プラットフォーム パートナー プログラムの構築に集中的に取り組みます。
アプリプラットフォームのパートナーシップへの参加にご興味をお持ちでしたら、プログラムの詳細をご確認ください。皆様と共にさらなる成長を遂げられることを心から願っています。