請求業務は毎月発生する定型の業務ですが、その処理は請求内容の入力、請求書の承認、請求書作成、発行、送付とやることが多くあります。請求書の送付方法が郵送であれば、宛名を入れて、切手を貼るといった細々とした作業も必要です。
【無料】kintoneの活用ガイド
アプリの作成方法やスペース、ポータル、拡張機能についてもわかりやすく説明しています。導入を検討している方、導入事例を知りたい方は、ぜひ本ガイドをご覧ください。
このような時間も手間もかかる一連の作業をkintoneを活用して自動化すれば、作業にかかる時間を大幅に削減できる可能性があります。本記事では、kintoneを使ってできることから、請求に関わるおすすめのプラグイン、kintoneを使って請求管理を行うメリットとデメリットを解説します。本記事を参考に、自社の抱える請求業務の悩みがkintoneで解決できるかチェックしてみましょう。
kintone基本 & 活用ガイド
kintoneの主なメリットや導入事例をわかりやすく解説
- kintoneの概要
- アプリの機能を紹介
- スペースと拡張機能の解説
- kintoneの主な用途と導入事例
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全てのフィールドが必須です。
kintoneで請求書を作成・発行する方法
kintoneは、標準機能では複数のアプリをまたいでデータを統合することができません。そのため、請求書を作成する際には、いったんデータをExcelなどに転記してから請求書を作成・印刷するなど、手作業が発生してしまいます。
ただし、kintoneの機能を拡張することで、異なるアプリをまたいで請求書の作成が可能です。さらに、kintoneの標準機能ではできない請求書発行も、プラグインの導入によりスムーズに行えるようになります。
kintoneの請求書に関するおすすめ無料プラグイン
先述したとおり、kintoneの標準機能では、複数のアプリのデータを統合できないため、プラグインを活用しましょう。無料で導入できるおすすめのプラグインは、「請求書作成プラグイン」です。
出典:請求書作成プラグイン
売上アプリ・入金アプリ・顧客管理アプリ・請求管理アプリの4つのデータを統合して出力するため、普段からkintoneでこの4つのアプリを使用して管理している場合におすすめです。
kintoneの「請求書作成プラグイン」を使った作成手順
ここでは無料プラグインの「請求書作成プラグイン」を使った請求書作成の手順を紹介します。
【使用するアプリ】
- 売上アプリ
- 入金アプリ
- 顧客管理アプリ
- 請求管理アプリ
- 売上アプリに次の項目を設置
- ルックアップフィールド(請求先)
- 日付フィールド(売上日)
- 数値/計算フィールド(売上額/消費税額)
- 入金アプリに次の項目を設置
- ルックアップフィールド(請求先)
- 日付フィールド(入金日)
- 数値/計算フィールド(入金額)
- プラグインをインストールするアプリに次の項目を設置
- ルックアップフィールド(請求先)
- 日付フィールド(売上/入金日)※サブテーブル内フィールド
- 文字列フィールド(内訳)※サブテーブル内フィールド
- プラグイン設定画面を開き、各フィールドを指定
- レコード一覧画面で請求書を出力したい期間などを指定し、[請求書作成]ボタンを押下
- 請求書が作成される
kintoneの請求書に関するおすすめ有料プラグイン
kintoneで請求業務を行う際に入れておきたい、おすすめの有料プラグインを6つ紹介します。無料のプラグインは基本的にレコード画面を印刷する形なので、帳票らしさに欠けますが、有料プラグインは帳票として印刷できるのがメリットです。
次から、請求書作成からメール送信までの手順別に分けて、おすすめのプラグインを紹介していきます。
請求データの連携・請求書作成に関わるプラグイン
まずは、請求データの連携、請求書作成に関わるおすすめのプラグイン3つを紹介します。
- 請求管理ロボ
- マネーフォワード クラウド for kintone
- BtoBプラットフォーム 請求書×kintone
請求管理ロボ
出典:請求管理ロボ - kintone(キントーン)- 拡張機能
請求書発行・送付・入金の消込・催促・会計までの一連の請求関連業務を自動化できるプラグインです。kintoneとのシームレスな連携、複数決済手段対応、リアルタイムの消込結果反映など、業務の効率化と正確性向上に貢献します。手作業による請求業務の煩雑さとミスを軽減し、業務プロセスを迅速かつ効率的に実行できるでしょう。
- 【初期費用】400,000円~
- 【月額】90,000円~(kintoneとの連携構築も含む)
マネーフォワード クラウド for kintone
出典:マネーフォワード クラウド請求書 × kintone コネクター
kintoneとマネーフォワード クラウドのデータ連携を実現するプラグインです。ワンクリックで取引先・品目などのデータを請求書に連携でき、データ転記の手間やミスの削減につながります。
入金ステータスもワンクリックで連携できるため、経理担当者に確認せずとも、kintoneでリアルタイムの確認が可能です。入金状況が一目で把握できるので、未入金があっても迅速に対応できるのも魅力です。
- 【初期費用】要問い合わせ
- 【年額】184,800円/1企業
※2025年3月31日で提供終了
BtoBプラットフォーム 請求書×kintone
出典:BtoBプラットフォーム 請求書 × kintone - kintone(キントーン)- 拡張機能
請求書のデータ連携ができるプラグインです。46万社以上(2020年9月時点)の企業が利用している信頼性の高いプラットフォームで、kintoneとのワンクリック連携が可能です。kintoneで生成した請求書を連携でき、そのまま電子発行や郵送代行などの方法で取引先に送付できます。
請求書を受け取る側では、BtoBプラットフォームで請求書を受け取り、そのままkintoneにデータを流すことができるため、kintoneと会計ソフトと連携すれば一連の作業がスムーズに行えます。また、リモートワークにも適し、バックオフィス業務の効率化をサポートしてくれるでしょう。
- 【プラグイン料金】300,000円
- 【保守料金】75,000円/年
※BtoBプラットフォーム請求書の料金は別途必要
※受取側は要問い合わせ
帳票出力に関わるプラグイン
kintoneの標準機能のみでは帳票出力ができないため、帳票出力を可能にするプラグインを2つ紹介します。
- プリントクリエイター
- RepotoneU
プリントクリエイター
出典:プリントクリエイター - kintone(キントーン)- 拡張機能
プリントクリエイターを活用すれば、kintone上の情報を帳票として出力できるようになります。kintoneに登録されたレコードがワンクリックで一括出力可能なので、業務効率化につながります。
どのプランも出力枚数は無制限で、レイアウトや用紙サイズの変更、管理機能の利用が可能です。また、契約するプランによっては、QRコードやバーコード出力も可能で、イベント管理や物品管理にも便利です。
■ライト
【月額】6,000円
【年額】68,400円
■スタンダード
【月額】9,000円
【年額】102,600円
■プレミアム
【月額】14,000円
【年額】159,600円
■プロフェッショナル
【月額】30,000円
【年額】342,000円
※すべてのプラン、1ドメインにつき1つのプランの契約
RepotoneU
出典:レポトン - kintone(キントーン)- 拡張機能
kintoneで管理している請求書などのデータをPDFやExcel形式で出力できるプラグインです。クラウド連携型とプラグイン完結型の2種類が用意されています。
クラウド連携型は月額費用で、プラグイン完結型は導入時に費用はかかりますが、それ以降は費用がかかりません。
■クラウド連携型(帳票は月に10,000枚まで出力可能)
【月額】16,500円
【年額】188,100円
■プラグイン完結型(買い切り)
【Excel】220,000円
【PDF】107,800円
【Excel&PDF】275,000円
請求書発行後のメール送信に関わるプラグイン
最後に、請求書発行後のメール送信に関する便利なプラグインを紹介します。
- kMailer
kMailer
出典:kMailer - kintone(キントーン)- 拡張機能
kMailerは、kintone内のデータを活用して、個別および一斉のメール送信を自動化できるシステムです。既存のメールアドレス(Gmail、office365など)からメールを送信でき、メールの送信履歴も確認可能。テキスト引用や添付ファイルを含むメールにも対応しており、添付ファイルはパスワードで保護されています。
メルマガ配信といったマーケティング施策から請求書送付などの経理まで、幅広い用途で利用されているプラグインです。
■スタンダードコース
【月額】15,000円
【年額】171,000円
■プレミアムコース
【月額】24,000円
【年額】273,600円
kintoneで請求管理を行うメリット
kintoneを活用するメリットとして、プログラミングのスキルや知識がなくても、マウス操作で簡単にシステム構築が可能な点が挙げられます。
kintoneを導入している企業の業種や部門はさまざまで、IT部門以外でも幅広く利用されています。実際、導入担当者の93%がIT部門以外(2020年12月時点)というデータも出ており、請求管理においても現場の担当者自らシステムを構築できる点は魅力です。
ここでは、kintoneを用いた請求管理の具体的なメリットを5つ解説します。
- 請求書作成が簡単
- データのグラフ化が可能
- 請求書発行時のメール送信の自動化が可能
- 請求の抜け漏れを防げる
- 入力業務の負担が減る
請求書作成が簡単
kintoneでは、プラグインを導入することで、kintoneアプリ内のレコード情報を使ってワンクリックで簡単に請求書が作成できます。各アプリで入力したデータを請求書などの帳票に流用し、自動作成が可能です。発行した請求書データは自動保存される機能もあり、過去の請求書を探す際にも便利です。
データのグラフ化が可能
kintoneでは、ワンクリックでデータをグラフ化できる機能があり、データ分析のためのレポート作成が必要なときに重宝します。グラフを自分で作るのは手間と時間がかかるものです。kintoneでグラフを作成すれば、分析のためのデータ整理に費やす時間を短縮できるでしょう。
請求書発行時のメール送信の自動化が可能
kintoneでは、請求書を出力して自動保存を行ったタイミングで、レコード内に登録されているメールアドレスに請求書を自動的に送信してくれます。
この機能を活用するには他のアプリとの連携やプラグインの導入が必要ですが、手動でのメール送信にかかる手間やミスを軽減できるので、活用する価値は充分あるでしょう。請求書作成から送信までのプロセスをスムーズに進めることができ、業務効率も上がります。
請求の抜け漏れを防げる
kintoneを使うことで、請求の抜け漏れを防ぐことも可能です。kintoneに搭載されているプロセス管理の機能を請求書管理に適用することで、請求の進捗やステータスが確認できます。例えば、請求書の作成中や送信済みなどのステータスを設定することで、どの段階まで進んでいるかが把握でき、漏れが生じにくくなります。
さらに、kintoneにはリマインド通知機能も備わっているため、通知条件を事前に設定しておけば安心です。例えば、請求書が作成中のまま一定期間経過した場合など、関係者に自動的に通知がいきます。請求の進捗を見逃す心配が減るため、より確実に請求管理ができるでしょう。
入力業務の負担が減る
複数のアプリの連携やプラグインを導入してデータをkintoneで一元管理することで、一度入力したデータを請求書などの帳票に利用できます。ワンクリックで帳票発行が可能になるので、入力業務にかかる時間の大幅な削減につながります。
kintoneで請求管理を行うデメリット
kintoneを導入すれば、時間的コストやミスの削減につながり、効率的に業務を遂行できるようになりますが、次のようなデメリットも存在します。
- プラグイン導入のコストがかかる
- 内容によってはプログラミングの知識が必要になる
詳しく見ていきましょう。
プラグイン導入のコストがかかる
kintoneは非常に便利なツールですが、カスタマイズや機能拡張にはプラグインの導入が必要です。企業規模や必要な機能に応じて、プラグイン導入やカスタマイズの開発にかかる費用が発生します。特に中小企業にとって、コストが負担となることがあります。プラグイン導入前に、十分な予算と費用対効果の検討が必要です。
内容によってはプログラミングの知識が必要になる
kintoneのカスタマイズには、プログラミングの知識が必要な場合があります。プラグインは、さまざまな企業の課題を解決するために設計されたプログラムですが、必ずしも自社に合った機能がすべて備わっているとは限りません。もし既存のプラグインだけでは自社の課題を解決できない場合は、JavaScriptやCSSを使用して、カスタマイズ(独自開発)をする必要があります。
自社でプログラミングスキルを持たない場合、開発者を雇用したり、外部サービスを利用したりしなければならず、追加のコストがかかることもあります。カスタマイズの際には、スキルとコストのバランスを考慮することが重要です。
kintoneで請求書作成を自動化して作業の効率化を図ろう
kintoneは請求書業務の効率化に貢献するツールです。請求書の作成・発行からメール送信まで、一連のタスクも短時間でできるようになります。データ転記の際の手入力によるミスの軽減にもつながるなど、多くのメリットがあります。
kintoneやプラグインを導入するには一定のコストがかかりますが、煩わしい業務から解放され、請求業務をスムーズに進めることができるのは大きな魅力です。ぜひkintoneを活用して、業務の効率化を実現しましょう。
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