5W1Hとは?ビジネスの現場で活用するには

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水落 絵理香(みずおち えりか)
水落 絵理香(みずおち えりか)

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5W1Hとはビジネスで情報共有や状況把握のためのフレームワークのひとつであり、When(いつ)、Where(どこで)、Who(誰が)What(なにを)、Why(なぜ)、How(どのように)の頭文字から呼称が付けられています。

5W1Hとは?ビジネスの現場で活用する方法を解説

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企業が直面する課題のほとんどは、さまざまな要素が複雑に入り組み、原因も解決策も容易に見つかりません。仮に解決策と思われるものが見つかっても、その解決策で他者を説得できるのか、良い結果を出せるのかがわからない場合もあります。

複雑な課題に対しては、適切に質問を設定し、情報を収集し、仮説検証の積み重ねが重要です。その場合に役立つのがクリティカルシンキングにおけるフレームワーク(考え方の公式)です。

5W1Hを使えば、課題を抜け漏れなく検討できて原因に深くさかのぼれるうえ、検討プロセスを整理できるので課題解決の再現性を高められます。

さらに、社内での情報共有においても、5W1Hに沿って行えば伝達がスムーズに行えます。

本記事では、5W1Hの基本からビジネス・マーケティングでの活用の仕方や実際の活用例までをわかりやすく説明します。

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    5W1Hとは?

    5W1Hとは?1

    5W1Hとは、ものごとの把握や情報整理に欠かせない6つの質問を指します。

    • When…「いつ」起こったのか?
    • Where…「どこで」起こったのか?
    • Who…「誰が」起こしたのか?
    • What…「何が」起こったのか?
    • Why…「なぜ」起こったのか?
    • How…「どのように」起こったのか?

    ビジネスの場では、状況の見える化や戦略立案のためのフレームワークとして活用されています。
     

    フレームワークとは?

    フレームワークとは、「考え方の公式」を指します。例えば、業務改善で活用されるPDCAや市場・競合分析で使われる3C分析もフレームワークの一種です。

    フレームワークには、「自社の強みと弱みを分析する場合にはSWOT分析を使う」というように特定のケースでのみ使われるものもありますが、さまざまな場面で応用できるものも多数あります。

    5W1Hは後者で、個人的な思考整理から組織の目標設定など、ビジネスのあらゆるシーンで広く活用されています。

    5W1Hとは?2

    5W1Hは、例えば左図のように、複雑な課題を各要素に切り分けて課題の本質を見極める場合でも、右図のように各要素を加えながら企画立案する場合でも適用可能です。
     

    5W1Hの6つの要素

    ビジネスフレームワークとして5W1Hを使う場合、いかに柔軟な問いに落とし込むかがカギです。ビジネスシーンで使いこなすために、各要素の働きと「いつ」「どこで」「誰が」「何を」「どうやって」という基本的な問いのバリエーションを紹介します。
     

    When

    Whenは対象となるものごとの起点や期間を明確にします。

    Whenのバリエーション

    日時、時間、期限、期間、納期、時期、スピード、頻度、タイミング、順番…など

    【Whenの応用例】

    • プレゼンテーションを行う日時
    • キャンペーン期間
    • 製品の納期
    • 製品のローンチ時期
    • 購買頻度
    • 提案するタイミング
       

    Where

    Whereは対象となるものごとの場面や環境を明確にします。

    Whereのバリエーション

    場所、場面、位置、市場、分野、環境、エリア、チャネル、プラットフォーム…など

    【Whereの応用例】

    • データの測定場所
    • 市場の動向
    • 顧客の通信環境
    • 重点エリア
    • 活用すべき販売チャネル
    • ソーシャルプラットフォームの動向
       

    Who

    Whoは主体となる人、対象となる人を明確にします。

    Whoのバリエーション

    自社、従業員、顧客、消費者、担当者、部署、責任者、チーム、競合、ターゲット、関連企業、パートナー、ペルソナ…など  (※対象をWhomとして分ける場合もある)

    【Whoの応用例】

    • 理想的な顧客像
    • 消費者の動向
    • プロジェクトの担当部署
    • 競合分析
    • ペルソナ分析
       

    What

    Whatは検討すべき仕事内容やプロジェクト、タスク、イベントや行動を明確にします。

    Whatのバリエーション

    内容、テーマ、中身、目的、結果、議題、課題、製品・サービス、コンテンツ、Webサイト、コンセプト、価値、ブランド、報告…など

    【Whatの応用例】

    • 調査結果
    • 製品に対するフィードバック
    • コンテンツの設計
    • Webサイトのコンバージョン率
    • ブランドイメージ
       

    Why

    Whyはものごとの原因や本質、目的を明確にします。Whyへの回答にさらにWhyを重ね、原因を深掘ることも可能です。 WhyとHowが組み合わさるとビジネスの目的と目的達成の手段が明確になるため、ビジネスシーンにおいて、WhyはHowと並んで重要な問いとなります。

    Whyのバリエーション

    なぜ、理由、原因、本質、目的、価値、背景、ゴール、理想、社会的意義、影響…など

    【Whyの応用例】

    • なぜニーズがあると考えるのか
    • 顧客の行動理由
    • 販売不振の原因
    • プロジェクトの目的
    • 顧客に提供できる価値
       

    How

    Howはこれから取るべき方法を明確にします。

    Howのバリエーション

    手段、方法、手法、テクニック、ステップ、手順、事例、媒体…など

    【Howの応用例】

    • 顧客へのアプローチ手段
    • 拡散手段
    • 販売テクニック
       

    5W1Hを用いるメリット

    5W1Hを用いるメリット

    5W1Hを使うメリットには、主に以下の3つがあります。

    • 適切な情報収集と課題設定ができる
    • 新しい視点で検討できる
    • コミュニケーションが円滑に進む
       

    適切な情報収集と課題設定ができる

    5W1Hを使えば情報が過不足なく集まり、目的と方法や対処すべき課題の内容が明確になります。

    企画書や提案書、報告書を作成する場合にも、5W1Hを使って項目や論点の漏れをチェックできます。
     

    新しい視点で検討できる

    5W1Hによって、「無意識の前提」が浮かび上がります。

    課題や議題を5W1Hに沿って書き出せば、「〇〇は~の時に使用するもの」「△△は~で使用するもの」という無意識に考えている内容前提が視覚化されます。

    例えば、WhenやWhereを具体的に「朝」「家で」と書き出せば視覚化できるため、「朝にしか使わないか?」「別の場面で使うことはありえないか?」「どんな機能があれば、別の時間帯でも使用できるだろう?」などという問いが新しく生まれます。そこから従来なかった新製品やサービスの創出につながります。
     

    コミュニケーションが円滑に進む

    普段から5W1Hで思考を整理していれば、とっさに意見を求められても、スムーズな受け答えができます。

    文書を作成する際にも、5W1Hをあらかじめ書き出し、それに沿って書き進めれば、途中の行き詰まりが防げます。

    また、5W1Hによって整理された情報は相手にとっても理解しやすく、コミュニケーションも取りやすくなるでしょう。
     

    5W1Hの使い方

    5W1Hは、以下のような場面での使用に適しています。

    • 会議
    • 研修
    • 文書作成
    • コミュニケーション

    5W1Hを用いる際は目的に応じて順番を使い分けましょう。聞き手の理解が促進されるため説得力が増します。

    ここでは、「新人研修の企画書を作成する」という例で5W1Hフレームワークを使ってみましょう。企画書の作成は以下の手順で行います。

    • ステップ1:新人研修に関する5W1Hをすべて書き出す
    • ステップ2:書き出した順番を変更する
       

    ステップ1:新人研修に関する5W1Hをすべて書き出す

    5W1Hのフレームワークを身につけるためにも、漏れがないよう順番に、具体化的に挙げていきましょう。初めに、When-Whereを具体化させるところから始め、Who-Whatで研修の中身を明確にします。Whyでは新人研修を開催する根拠を挙げ、最後にHowで研修方法を提示します。

    【例】新人研修の企画

    When…研修の日時

    Where…研修の場所

    Who…研修の対象

    What…研修の内容

    Why…研修を行う理由

    How…研修の方法
     

    ステップ2:書き出した順番を変更する

    企画書に落とし込む際は、企画会議やプレゼンテーション、提案の場など対象や目的に応じて順番を変えてください。最も伝えたい項目から始められるように組み立てましょう。
     

    なぜ必要かを訴えたい時

    研修がなぜ必要かを訴えたい時は、Whyから始め、理由に沿って全体を組み立てます。 以下に組み立て方の例を紹介します。実際に使う場合は、相手に伝わりやすいように簡単な説明も加えましょう。

    1. Why…「~」という理由で研修を企画する
    2. What…研修の内容は△△を行う
    3. Who…研修の対象は本年度の新人である
    4. How…理解が深まるよう、××という手段で研修を進めたい
    5. When…〇日頃を予定している
    6. Where…場所は~にて行う
       

    対象を明確にしたい時

    研修で対象が重要な場合は、Whoから始めて対象者を明確にします。 対象者を明確にする時の組み立て方の例を挙げます。

    1. Who…〇〇を対象にした研修を企画する
    2. What…研修の内容は△△を行う
    3. Why…今回の研修を〇〇に限定したのは「~」という理由からである
    4. How…理解が深まるよう、××という手段で研修を進めたい
    5. When…〇日頃を予定している
    6. Where…場所は~にて行う
       

    研修内容を強く打ち出したい時

    研修のテーマや内容が重要な場合は、Whatから始めてテーマを最初に明確にします。 Whatから始める場合は、以下のようになります。

    1. What…△△というテーマで研修を企画している
    2. Why…△△をテーマを選んだのは「~」という理由からである
    3. Who…研修の対象は本年度の新人である
    4. How…理解が深まるよう、××という手段で研修を進めたい
    5. When…〇日頃を予定している
    6. Where…場所は~にて行う

    その他、特別な場所で行う場合や、あえてこの時期に行いたいなどの補足したい理由がある場合にも、該当する要素を最初に持ってきて、なぜそうなのかをWhyで説明すると分かりやすくなります。
     

    ビジネス・マーケティングでの活用例

    ビジネス・マーケティングでの活用例

    汎用性の高い5W1Hはビジネス・マーケティングにも活用できます。
     

    活用例1 ペルソナの作成

    マーケティングにおいて、ターゲットの設定は施策や戦略立案の第一歩です。ターゲットを明確にする手法であるペルソナ(自社にとっての理想の顧客像)の作成にも5W1Hは有用です。

    ペルソナの作成は、顧客の抱える課題を明らかにし、ニーズを把握するために行われるもので、現実に即した人物像を設定します。最初にペルソナが誰かを明確にしたうえで、5W1Hのフレームワークに沿って掘り下げます。

    1. Who…どのような人物ペルソナなのか(性別・年齢、課題、目標、欲求、悩み、不安など)
    2. What…職業や役職、肩書は何か。目的や課題は何か。
    3. Where…どこに住んでいるか。どのような職場で働いているか(業界、会社の規模、地域など)。 どこで課題やニーズを感じているのか。
    4. How…課題にどのように取り組んでいるか。目的や不安にどのような方法で対処しようとしているのか。
    5. Why…ペルソナはなぜそのニーズや課題、目的を抱えているのか。
    6. When…いつ解決策を必要とするのか。
       

    活用例2 自社Webサイトの設計

    自社Webサイトを設計する場合には、ペルソナを利用して、最初にターゲットを明確化します。以下、5W1Hフレームワークに沿って検討します。

    1. Who…誰を対象とするのか
    2. When…ペルソナはどのタイミングでWebサイトに接触するのか
    3. Where…ペルソナはどのチャネルでアクセスするのか
    4. What…ペルソナは何を求めてアクセスするのか
    5. Why…ペルソナはなぜ興味をひかれる(関心を持った)のか
    6. How…ペルソナはどのようにWebサイト上で行動するのか
       

    活用例3 プロジェクトの立案

    プロジェクトの立案では、賛同を得る根拠として「なぜ、そのプロジェクトをしたいのか」という理由を示すWhyを最初に提示しましょう。

    1. Why…なぜそのプロジェクトが必要なのか
    2. What…そのプロジェクトは何をするのか。プロジェクトの目的は何か
    3. Who…対象は誰か
    4. When…いつ行うのか
    5. Where…どこで行うのか
    6. How…どのような方法で運営するのか
       

    5W1Hに2要素加えた「7W2H」とは?

    5W1Hを発展させたフレームワークに、Which、Whom、 How muchを加える7W2Hがあります。これらを追加すれば、より具体的な内容を伝えられるので、必要に応じて基本要素に追加しましょう。
     

    Which(どちらか)

    Whichは選択肢が複数ある場合の比較検討に用います。5W1Hの各要素にWhichを用いれば、内容や目的、手段などをより深掘りできます。

    【WhatにWhichの要素を加えた例】

    1. What(〇〇とは何か)
    2. Which(他のものとどう違うのか)
       

    Whom(誰を)

    WhoとWhomを分けて検討すれば、「誰が行う」と「誰に行う」を明確化させることができ、議論の対象がブレにくくなります。

    【WhoとWhomを分けた例】

    1. Who…プロジェクトを担うのは誰か?
    2. Whom…プロジェクトの対象となるのは誰か?
       

    How much(どれだけ、どの程度)

    How muchを用いると、金額や量、参加人数など数量の程度が明確になります。予算やコストを明らかにしたい場合に便利なフレームワークです。

    【HowとHow muchを分けた例】

    1. How…~の手段を取る
    2. How much…その手段を実行するには××のコストがかかる
       

    5W1Hを活用し、より良い価値を提供できる組織に

    5W1Hのフレームワークを使って情報を整理すると、自分が対処すべきことや方法を明確にすることができます。また、情報共有の相手から「報告がわかりづらい」「何を言っているのかわからない」と指摘される場合は、内容が5W1Hに乗っ取っているかを確認してみましょう。

    ビジネスやマーケティングシーンで5W1Hを活用すれば、クライアントや顧客に対してもより良い情報提供が実現できるでしょう。もちろん、社内においても会議のテーマやプロジェクトの立案、顧客分析のほか、トラブル対応にも活用できます。

    さらに、5W1HにWhichやWhome、How muchを加えた7W2Hを用いれば、情報をより具体化させられます。

    ぜひ、これらのフレームワークを用いてスムーズな業務やコミュニケーションを体感してください。

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