このような経験はありませんか? あなたは冬の寒い日に仕事から疲れて帰宅し、食卓に湯気が立ちのぼるおでんの鍋が並べられたのを見て、とても幸せな気分になります。
そして、おいしそうな熱々のおでんを皿に取り、箸を付けようとしたその瞬間に電話が鳴るのです。仕方なく電話に出ると、どこかの会社のマーケティング担当から「○○さんのお宅ですか? 本日は携帯電話のとってもお得な新サービスのご紹介を...」という甲高い声が聞こえてきます。
この非常にイラッとくる瞬間を思い出していただいたのは、これからインバウンドの手法による見込み客獲得について、詳しく解説しようと思っているからです。インバウンドの手法を導入する企業は、このように不愉快で迷惑な電話でせっかくの楽しい夕食を台無しにすることなく、見込み客を効果的に獲得できます。
この記事ではまず、見込み客とは何かについて説明し、インターネットを利用した見込み客獲得、および見込み客獲得が必要な理由について解説します。続いて、見込み客の質を評価する方法と、見込み客を獲得する方法について説明した後、インバウンドによる見込み客獲得が、お金を払って見込み客を購入するよりもはるかに効果が高い理由についてお話ししたいと思います。
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インバウンドマーケティングとは?
「インバウンドマーケティング」とは、自社と消費者双方にメリットをもたらす「価値あるマーケティングプロセス」を構築する手法です。
インバウンドマーケティングのベースには「Providing value before extracting value(価値を相手から受け取る前に、こちらから価値を提供する)」という考え方があります。これは、見込み客が抱える課題やニーズに答える、価値のある情報を提供し満足していただいて惹きつけ信頼関係を築くという思想です。
インバウンドの考え方が注目されている要因には、売り手側の働き方や環境の変化などが挙げられるでしょう。従来は「無計画なDMの配信」「電話帳に記載されている番号に無差別に電話する」といったアプローチ手法もありましたが、労働力不足と業務効率化が叫ばれている現状には適さない手法です。
インバウンドマーケティングは見込み客に価値を提供しながらアプローチするため、売り手と買い手の双方がメリットを得られる点が大きな魅力です。
インバウンドマーケティングについて詳しく知りたい方は、ぜひこちらの記事もご覧ください。
→インバウンドマーケティングとは?
アウトバウンドマーケティングとの違い
アウトバウンドとインバウンドの最大の違いは「相手のニーズを理解し、満足いただくことを優先するかどうか」です。「相手のニーズを汲むことなく、一律で同じコンテンツを配信する」「自社商品を売り込むことを優先する」のは、どのような施策であってもインバウンドとは言えません。
逆に、相手のニーズを理解し、応えるような情報を届け、関心を持っていただいたことを起点に関係性を構築していける施策であれば、どのような手法であればそれはインバウンドマーケティングと呼べます。
インバウンドマーケティングを実践するために踏むべき3つのステップ
インバウンドマーケティングを実践するためには、以下の3つのステップを踏む必要があります。
- Attract(惹きつける)
- Engage(信頼関係を築く)
- Delight(満足させる)
それぞれ詳しく見ていきましょう。
Attract(惹きつける)
自社の知識や経験を生かして、コミュニケーションとの糸口になるコンテンツを作成します。ただし、ウェブサイトに誘導するのは「リードになる可能性が高く、顧客として満足させられる相手」でなければいけません。
ターゲットの見込み客が求めている情報を最適なタイミングで提供できる「価値あるコンテンツ」を用意しましょう。
Engage(信頼関係を築く)
見込み客が抱えている課題や目標を理解して最適な解決策を提示し、長期的な信頼関係を構築する段階です。ここでは、ブランドロイヤルティーを高めるために、特定のオーディエンスを対象とした広告やコンテンツをSNSで配信します。
ウェブチャット、メッセージングアプリなど、見込み度の高い顧客が選択したチャネルで長期的な関係を構築することも大切です。
Delight(満足させる)
見込み客の期待を上回る価値や体験を提供して満足してもらい、自社ビジネスのプロモーターに転換する段階です。
顧客の記憶に残れば周囲に共有してもらえる可能性も高まり、新たな「Attract(惹きつける)」の段階に繋がります。インバウンド手法は循環型のモデルなので、新たな成長につながる3つのサイクルをスムーズに回転させることが重要です。
見込み客とは何か
見込み客とは、基本的には、企業の製品やサービスに対し、何らかの方法で(たとえばフォームに個人情報を入力するなどして)興味があるという意思を示した人を言います。
つまり、個人情報を購入して手当たり次第にセールスの電話をかけるのではなく、すでに何らかのやり取りをした人に対してコンタクトを取る場合に、企業は見込み客を必要とします。
たとえば、車の修理を自分で行う方法について知りたいために、ある自動車修理会社のウェブサイトでアンケート調査に答えたとします。しばらくしてその会社からメールが届き、車の修理に関してどのようなサービスを提供しているか、説明されたと想像してみてください。
自分がその情報を必要としていることを知っている会社から、そのようなメールを受け取るのであれば、聞いたこともない会社から突然電話をかけてこられたときのように、迷惑だと感じることもなく、むしろありがたいと思うのではないでしょうか。
また、自動車修理会社の側でも、アンケート調査で集めた情報を利用してコンタクトを取るのであれば、相手の要件に合わせてパーソナライズしたメールを、潜在顧客に送ることができます。
見込み客獲得とは
見込み客獲得とは、企業との接点がまだない人や、潜在見込み客を惹きつけ、先ほどお話しした見込み客に転換するためのプロセスのことを言います。
では、見込み客を獲得するために何をするのでしょう。この質問に、「見込み客を獲得できるようコンテンツを作成する」と答えると、マーケティングに馴染みのない人のほとんどが「何だろう?」という顔をします。
ですから私は次のように答えます。「多くの人が自分の会社に興味を持ってくれるよう、常に新しい方法を考えています。送った相手が本当に喜ぶようなコンテンツを作成し、それによって会社への興味を徐々に高めてもらって、やがてはこちらからのコンタクトを楽しみに待つようになってもらいたいのです」
このように答えれば、きちんと理解してくれます。確かに、これこそが見込み客獲得だと思います。潜在顧客の興味を少しずつ惹きだし、購買までの道のりを進んでもらうためのプロセスが、見込み客獲得なのです。
見込み客獲得が必要な理由
まだ接点のない人や潜在顧客が、企業やサービスへのオーガニックな関心を示すことで、企業との関係を開始すると、企業の側も、これをきっかけに潜在顧客たちとの関係を開始します。これにより、潜在顧客は非常に自然かつ便利な方法で、製品やサービスの購入について時間をかけて検討ができます。
インバウンドマーケティングの手法全体で見ると、見込み客獲得はその第2段階に位置します。第1段階で顧客層を惹きつけ、彼らが訪問者となって見込み客に転換できるところまで進めた後、見込み客獲得が発生します。下の図からわかるように、潜在顧客が顧客化し、推奨者になるまでのプロセスで、見込み客獲得は非常に重要な位置を占めています。
見込み客に転換するとは
先ほど説明したように、見込み客とは企業の製品やセービスへの関心を示した人のことを言います。では、誰かが興味を示したと、どうすれば知ることができるのでしょうか。
通常、誰かが個人情報を入力すると、その人は見込み客に転換したと見なされます。たとえば就職先を探している人が、ある求人に応募するために申し込みフォームに入力したり、買い物客がクーポンをダウンロードするために個人情報を送信したり、何らかの教育的なコンテンツ(ガイドブック、キット、podcast、ツール、トライアルなど)を入手したい人がフォームに入力するなどの手続きによって、見込み客に転換します。
見込み客に転換したと見なすための方法はいくつも存在しますが、一般的な例を以下に紹介します。これらを見れば、誰かが見込み客に転換する際に収集する情報の量も、あるいは、その人の企業に対する興味のレベルも、それぞれに異なることが理解できると思います。
- 求職への申し込み: 求人を行っている職に応募したい人が、申し込みフォームに非常に多くの個人情報を入力して送信します。それによって、募集している職への高い興味を示していることがわかるので、人材採用担当部署は、その人を見込み客と見なせます。
- クーポン: 求職への応募とは異なり、インターネットで偶然クーポンを見つけた人からは、それほど多くの情報を入手できません。ですが、そのクーポンに十分な価値があると思った人は、クーポンを入手するために、名前やメールアドレスを入力することがあります。この2つの情報だけでも、企業はその人が自分たちに関心を示してくれたと評価できます。
- コンテンツ: クーポンをダウンロードした人は、その製品やサービスに対して、直接興味を示したと考えられますが、コンテンツ(ガイドブックやウェブセミナーなど)の場合はそうはいきません。その人が企業に対してどのような関心を示しているかを本質的に理解するために、より多くの情報を入手する必要があります。その人が製品やサービスに本当に興味を持っているかどうか、そして、その人の要件が製品やサービスにマッチしているかどうかを理解することが、営業担当を支援するために必要になります。
これら3つの一般的な例を見ただけでも、見込み客獲得が企業によって、あるいは個人によっても大きく異なることがわかると思います。誰かが自社の製品やサービスに対して本当に興味を示しているかを判断するためには、多くの情報が必要になるでしょう。ただし、どれだけ情報を集めればよいかもまた、企業によって違ってきます。
ここで、Episerverによる例を紹介します。同社はウェブコンテンツの調査報告書を使用して、見込み客獲得を行っています。下の画面で6つの個人情報を収集している部分に注目してください。
Episerverが要求している個人情報は以下の6つです。
- 氏名: 見込み客になる人とやり取りするために必要な基本情報です。
- メールアドレス: メールアドレスがあれば、Eメール マーケティング キャンペーンを通じて、見込み客になる人とやり取りができます。
- 企業名: 業種を調べたり、見込み客になる人が自社の製品やサービスを利用してどのような価値を得られるかを考えたりできます。(主にB2B企業)
- 役職: 企業での役職を知ることで、その人とどのようにやり取りすればよいかを理解できます。役職が違えば、提供するコンテンツに対する見方や期待も変わってきます。(主にB2B企業)
- 国: 見込み客になる人を評価するために必要な位置情報であり、(場合によっては)営業担当の適切な部署に割り振るために使用します。
- 都道府県: 見込み客になる人を評価するために必要な位置情報であり、(場合によっては)営業担当の適切な部署に割り振るために使用します。
情報を収集するためのテクニックや、見込み客獲得フォームで質問すべき項目を決める方法について詳しく知りたい方は、こちらのブログ記事をご覧ください。ですがその前に、見込み客を獲得する方法について基本的な内容を説明したいと思います。
見込み客を獲得する方法: 見込み客獲得に必要な要素
先ほど、見込み客獲得がインバウンドマーケティングの手法全体のうち、どの部分に位置するかをお話ししましたので、見込み客獲得のプロセスに必要ないくつかの要素について、以下で説明したいと思います。
訪問者: 訪問者はウェブサイト、ブログ、SNSなどのマーケティングチャネルによって企業を発見します。これらのどのチャネルにも必ず必要なのがCTA(Call-To-Action)です。
CTA(Call-To-Action): ウェブサイトの訪問者に対して何らかの行動を呼びかけるために使用する画像、ボタン、あるいはテキストを言います。見込み客を獲得したい場合は、ランディングページへの移動を呼びかけるCTAが使用されます。
ランディングページ: 訪問者が特定の目的のために移動して表示するウェブページです。ランディングページはさまざまな目的で使用されますが、最も多いのは見込み客獲得に必要なフォームを表示することです。
フォーム: 通常はランディングページで使用されますが、ウェブサイトのあらゆる場所に配置することができます。(先ほどのEpiserverの例のように)いくつかのフィールドを並べて構成され、オファーと引き換えに個人情報を収集するために使用されます。
オファー: ランディングページで提供(オファー)される、価値のあるコンテンツ(およびその他の何か)を言います。オファーは、訪問者が自分の個人情報と引き換えに入手したいと思うほど、十分に価値の高いものでなくてはなりません。
それぞれの要素が互いにどうつながっているかが理解できましたでしょうか。
(無料の見込み客獲得ツールをお探しの方は、HubSpot Marketing Freeをお試しください。これを利用すると、コンタクト情報を収集するためのフォームをウェブサイトに設定するほか、既存のフォームから情報を収集することもできます。設定方法は非常に簡単です)
これらの要素をすべて用意し、EメールやSNSやブログなどのチャネルを使用して、訪問者をランディングページに向かわせてください。そうすれば、(下の図にあるように)見込み客の獲得が可能になります。
見込み客をお金で買うべきではない理由
マーケティング担当もセールス担当も、購買ファネルを見込み客でいっぱいにしたいと思っています。しかもなるべく短い期間で。それなら、お金を払って見込み客を買えば簡単ではないでしょうか。
見込み客を購入することは、もちろん費用はかかりますが、オーガニックな方法で見込み客を獲得するよりもずっと簡単で、時間も手間もかかりません。ではなぜ、見込み客を購入するべきではないのでしょうか。
この疑問の最も重要なポイントは、その見込み客たちが、リストを購入した企業について何も知らないことです。彼らはどこかよそのウェブサイトで、何かを入手するために登録を行って「オプトイン」したのであって、リストを購入した企業から何かを得ようとしたわけではありません。
したがって、見込み客に送信するメッセージは、すべて不要なものとなり、好意的に受け取られることはありません。迷惑な行為以外の何ものでもないのです。(冒頭の、おでんを食べようとしたときにかかってくる電話を思い出してください。受け取りたくもない人からメールが届いたときも、同じ気分になると思いませんか?)
メールを受け取った見込み客が、その企業のウェブサイトを訪問したこともなく、コンテンツや製品、サービスに興味を示したこともなく、あるいはまったく関連のない企業だったとしたら、ただ迷惑なだけで、双方にとって何のメリットもありません。
オプトインしていない企業からメールを受け取ると、ほとんどの人はおそらく、そのメールをスパムとしてマークするでしょう。これは企業にとって非常に危険です。なぜなら、その人の受信トレイにメールが表示されなくなるだけでは済まないからです。
Eメールプロバイダーは、スパムとしてマークされたメールを除外するようフィルタリングしています。送信したメールを、一定数以上の人がスパムとしてマークすると、その送信者は「ブラックリスト」に登録されます。
ブラックリストは他のEメールプロバイダーとも共有され、一度登録されたが最後、そこから抜け出すのはほぼ不可能なほど難しいと言われています。さらに、Eメールの到達率や、IPレピュテーションも低下してしまいます。
ですから、見込み客をお金で買おうなどとは決して考えず、必ずオーガニックな方法で獲得しましょう。
見込み客獲得の傾向と基準値
自分たちの会社はウェブサイトへのトラフィックも見込み客も獲得できている、という方にお聞きします。その獲得数は、同じ業界で他の企業と比較してどうですか。どの程度の見込み客を獲得すれば十分と言えるでしょうか。
見込み客獲得のための戦略によって効果が出ていることを確認するためには、業界の基準値に注目する必要があります。そこで私たちはQualtricsと協力し、北米と欧州にあるさまざまな業種の企業から900名のマーケティング担当にアンケート調査を行って、そのデータを基に、ウェブサイトの訪問者、見込み客、有望な見込み客、顧客、および収益に関してレポートを作成しました。
たとえば、収益目標を達成できなかった企業について調べてみると、74%が、自社の訪問者や見込み客やMQL(マーケティング活動によって獲得した見込み客)や有望見込み客の数を確認しておらず、70%の企業は、ひと月に獲得する見込み客の数が100人未満と回答しています。また、ひと月に2500人以上の見込み客を獲得している企業はわずか5%でした。
業界別に見た、見込み客の獲得費用
見込み客1人あたりの獲得費用が最も低かったのは、メディアおよび出版業界で、11ドルから25ドルでした。一方で最も高かったのは、ソフトウェア、ITおよび情報サービス、広告代理店、金融サービスの各業界で、見込み客1人あたり平均で51ドルから100ドルという結果となりました。
年間収益の金額別に見た、月ごとの見込み客獲得数
当然かもしれませんが、収益の大きい企業ほど、見込み客も多く獲得しています。この傾向は下のグラフで、収益が最も高いグループと最も低いグループで顕著に表れており、年間収益が25万ドル以下の企業の82%が、ひと月に獲得する見込み客の数を100人以下と回答する一方、年間収益が10億ドル以上の企業で見込み客の数が100人以下と回答した企業は8%しかいませんでした。
月ごとの見込み客獲得数
ひと月に獲得する見込み客の数が500人以下と答えた企業は全体の58%で、1,000人以下と答えた企業は全体の71%でした。ただし、先ほどと同じように、やはり収益の大きい企業ほど、月ごとの見込み客獲得数も多くなっています。
下は、月ごとの見込み客獲得数を企業の規模別に見たグラフです。
見込み客獲得に使用するソフトウェア
見込み客を多く獲得している企業は、ソフトウェアを効果的に使用して見込み客を管理していることがわかりました。下のグラフにあるように、46%がGoogleドキュメント、41%がマーケティング自動化ソフトウェア、そして37%がCRMソフトウェアを使用しています。(HubSpotのユーザーの方たちへ:Googleドキュメントは、HubSpot MarketingおよびHubSpot CRMの両方と統合が可能です)
見込み客獲得キャンペーンのためのヒント
見込み客獲得キャンペーンと言っても、さまざまな要素に変更を加えながら行うため、どの部分が上手く機能し、どの部分に調整が必要かを調べるのも簡単ではありません。
ツールを適切に使用して見込み客を獲得する
先ほどのアンケート調査の結果にもあったように、見込み客を非常に多く獲得している企業は、ソフトウェアやツールを効果的に使用して見込み客の管理を行っています。つまり、見込み客を多く獲得するためには、ソフトウェアやツールを正しく選んで使用することが非常に重要です。
どのくらいの数の人が自社のウェブサイトを訪問しているかわかりますか?訪問者の名前やEメールアドレスをご存知ですか?人々がどのページを訪問し、どのページへ移動し、見込み客に転換するためのフォームに入力を行う前後で何をしているか、調べることはできますか。
これらの質問に「はい」と答えられない方は、ウェブサイトの訪問者とつながりを持てず、苦労している可能性が高いと思います。これらはすべて入手する必要のある重要な情報であり、見込み客獲得ツールを使用すれば必ず入手が可能です。
見込み客獲得に必要なCTAやフォームといった、ウェブサイトの各要素の作成に役立つツールおよびテンプレートを、以下にいくつかご紹介します。
- CTA テンプレート: PowerPointでカスタマイズ可能な無料のCTA(Call-To-Action)テンプレートが50点以上含まれています。ウェブサイトのCTAを作成する際のガイドラインとして利用できます。
- HubSpot Marketing Free: HubSpotによる無料のマーケティングツールで、見込み客の獲得や、コンタクトの理解に役立つ機能を利用できます。ウェブサイトにある既存のフォームからデータを取得し、そのコンタクト情報を既存のデータベースに追加します。また、ポップアップやバナー、スライドインを表示できる機能(リードフロー)もあり、ウェブサイトの訪問者が瞬時に見込み客に転換することを可能にします(日本語対応もしていますので興味がある方はこちらから)。
- Hotjar: ユーザーの要件や関心事、ウェブサイトでの行動を、ヒートマップ、訪問者のレコーディング、フォームの分析、フィードバックフォーム、アンケートなどの多彩な機能を利用して理解できる素晴らしいツールです。
- フォームデータ収集ツール: ウェブサイトのフォームから送信されたデータを収集する目的で使用します。これを使用すると、ウェブサイトのどのフォームから送信されたデータであっても、1つのデータベースに見込み客としてまとめて登録できます。HubSpotのユーザーの方は、HubSpotを使用してフォームを作成し、ウェブページに組み込むことが可能です。HubSpotをお持ちでない方は、Contact Form 7、JetPack、あるいはGoogle Formsなどのツールを使用してフォームを作成してください。HubSpot Marketing FreeのCollected Formsでは、これら他のツールで作成したフォームからでも、データを自動的に取得することが可能です。
購買サイクルの段階ごとに素晴らしいオファーを作成する
ウェブサイトの訪問者がすべて、今すぐ営業担当に問い合わせをしたり、製品のデモを試したりしたいと思っているわけではありません。購買ファネルの最上部あたりの人は、おそらく無料のガイドブックやブログ記事などのコンテンツを必要としているでしょう。
また、企業や製品についてある程度知識があり、ファネルの下の方にいる人であれば、無料トライアルやデモなどに興味を示すかもしれません。ですから、ファネルの各段階に適したオファーを作成し、それを提供するためのCTAをウェブサイト全体に表示することが重要です。
もちろん、見込み客に有益な情報を提供し、育成してファネルの下の方へ移動できるような、価値の高いコンテンツを作成するには、かなりの時間が必要であることは間違いありません。だからと言って、まだ購入する意思のない訪問者に何も提供しないでいると、訪問者がウェブサイトに戻ってこなくなる可能性があります。
パーソナライゼーションを使用して見込み客への転換率を高めたい場合は、スマートCTAを作成し、ウェブページやブログ記事に使用するとよいでしょう。スマートCTAとは、訪問者(あるいは見込み客や顧客)が、購入ファネルのどの部分に位置するかを自動的に検出し、それに応じて最適なCTAを表示する機能です。スマートCTAを使用すると、通常のCTAより42%も多く訪問者を転換できるという調査結果もあります。
CTAを専用のランディングページにリンクさせる
当然だと思う方もいるでしょう、ですが、オファーに対してそれぞれ専用のランディングページを用意しないマーケティング担当がどれほど多いかを知ったら、驚いてしまうに違いありません。訪問者が何らかのオファーを入手するためにCTAをクリックしたら、そのオファーに対して専用のランディングページが表示されるようにするべきです。
CTAをクリックして、たとえばホームページが表示されるというのは間違ったやり方です。(オファーをダウンロードするためではなく)企業や製品について詳しく説明するためにCTAを使用する場合であっても、それをクリックした人が必要としている(企業や製品の情報が表示された)専用のランディングページを表示しましょう。
CTAを使用するのであれば必ず、その人を見込み客に転換するためのページにリンクさせる必要があることを覚えておいてください。
効果的なランディングページの作成方法について詳しく知りたい方は、ハブスポットによる無料のガイドブックをこちらからどうぞ。
SNSを戦略的に使用する
SNSをTop of the Funnel(ファネルの最上層)に最適と考えているマーケティング担当の方も多いようですが、見込み客の獲得にも、非常にコスト効果が高く便利なツールとして、SNSが使用できます。ただしそのためには、戦略的にSNSを使用する必要があります。
それにはまず、効果が非常に高いオファーのランディングページにリンクする投稿を、Facebook、Twitter、LinkedIn、およびその他のSNSで定期的に作成してください。その投稿をクリックすることで、どのようなランディングページが表示されるかを明確に示すことが、訪問者を混乱あるいはがっかりさせないために重要です。下の画像はハブスポットによるFacebook投稿の例です。
あるいはブログの効果を分析し、どの記事が見込み客を多く獲得しているかを確認して、それらの記事へのリンクをSNSで頻繁に投稿するのもよいと思います。
SNSを使用して見込み客を獲得する方法として、コンテストを実施するのも効果的です。楽しいコンテストを企画してフォロワーを喜ばせれば、彼らから非常に多くの情報が収集できるため、双方にとってメリットの大きい方法だと思います。
最後に、SNSの各プラットフォームで使用できる機能を活用して、見込み客を獲得することもできます。たとえば、FacebookにはFacebookページの最上部に簡単なCTAボタンを配置できる機能があり、これをクリックしたフォロワーを直接ウェブサイトに送れます。下はCanvaによるFacebookページの例です。
また、Twitterには「リードジェネレーションカード」があり、これを使用してツイート内で直接(Twitterから出ることなく)見込み客を獲得できます。ユーザー名、メールアドレス、Twitterのユーザー名がカードに登録され、見込み客に転換されるまでに、ユーザーに必要な操作は、[Submit]ボタンをクリックするだけです。
(HubSpotのユーザーの方たちへ:Twitterのリードジェネレーションカードは、HubSpotのフォームとの連携が可能です。)
以上、見込み客を獲得する方法について説明しました。見込み客獲得には、無料で使用できるHubSpot Marketingのツールをお勧めします。これを使用してフォームやランディングページを作成し、ウェブサイトに配置すれば、訪問者の個人情報や、転換を促す効果的なコンテンツの種類などの情報を、簡単に収集することが可能になります。
この記事で説明した内容は、まだほんのさわりの部分でしかありません。価値の高いオファーを作成し、CTA、ランディングページ、フォームを用意して、いくつかのチャネルを選びながらオファーの宣伝を行ってください。営業担当と密に連絡を取って、有望な見込み客を途切れなく渡せるようにしましょう。
そして何と言っても、テストを継続的に行うことが非常に重要です。インバウンドによる見込み客獲得のプロセスに含まれる、一つひとつの作業を、細かく丁寧にテストすることにより、獲得する見込み客の数が増加し、収益の向上が期待できるはずです。