Vimeoのライブ配信機能を利用したウェビナーでは、オフラインのセミナー同様にリアルタイムで見込み客や顧客に対して情報発信ができ、チャットや質問セッションによる双方向型のコミュニケーションも可能です。
また、Vimeoの配信では、広告表示がなく、パスワードや公開範囲設定などのセキュリティ面に強い点、動画販売による収益化ができる点からも、ビジネス目的での利用に最適です。本記事では、Vimeoでのライブ配信手順のほか、Vimeoにおけるストリーミング配信の特徴やライブ配信時の注意点を解説します。
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Vimeoでのライブ配信手順
Vimeoのライブ配信は、次の手順で進めます。
- Advancedプランでアカウントを作成する
- ライブイベントを作成する
- ライブイベントの詳細を設定する
- 配信先を選択する
- ストリーミング配信方法を選択する
- RTMP経由でストリーミング配信する
- ライブ機能を設定する
- ライブ配信を終了しアーカイブを設定する
1.Advancedプランでアカウントを作成する
Vimeoには、フリープランのほか、30日間の無料トライアルが可能なStarter、Standard、Advancedプラン、営業チームを通じて契約できる組織向けのEnterpriseプランが用意されています。ライブ配信は、AdvancedとEnterpriseプランで利用可能です。ここでは、Advancedプランでライブ配信をする手順をご紹介します。
まずは、アカウントを作成しましょう。
Vimeoのライブストリーミングプラットフォームにアクセスし、中央に表示される[スタート]をクリックします。
続いて、[Advancedプランを始める]をクリックしてください。
名前、メールアドレス、パスワードを登録し、[次へ]をクリックします。もしくは、Googleアカウントと連携させることも可能です。遷移先の画面で、支払い情報を入力し[登録]をクリックします。登録したメールアドレスに認証メールが届くので、内容を確認しましょう。
メール内にある認証用の[Verify email address]ボタンをクリックすると、本登録が完了します。
2. ライブイベントを作成する
ホーム画面の左サイドバーの[ライブイベント]をクリックします。
ライブイベントのページに遷移しました。
左サイドバーのナビゲーションには[イベント][スタイル][配信先]の3つのタブがあり、次の設定が可能です。
- イベント:共有URLやライブチャットの可否など配信の設定
- スタイル:プライバシーなど動画プレーヤに関する設定や終了画面などの画像設定
- 配信先:同時配信先となるSNSの設定
3. ライブイベントの詳細を設定する
ライブイベントのページの左サイドバー部分を拡大表示しています。番号の順に進めましょう。
①イベント名を入力する
鉛筆のアイコンをクリックして、イベント名を入力します。
②埋め込みコードを取得する
[イベント埋め込みコード][チャット埋め込みコード]の各ボタンをクリックすると、埋め込みコードが表示されます。外部サイトに動画を表示させたい場合は、取得した埋め込みコードを設定してください。
[レスポンシブ]を選択すると、各Webサイトに最適なサイズで埋め込みプレーヤーが表示されます。[固定のサイズ]を選択する場合は、任意の動画サイズを指定します。チャットも同様に設定しましょう。
プライバシー設定を行う場合は、設定後に埋め込みコードを取得してください。
③チャット、低遅延ストリーミングの設定を行う
ライブ配信中にチャットや低遅延ストリーミング機能を利用する場合は、トグルボタンをオンにしてください。
低遅延ストリーミングとは、視聴者への配信の遅延を低減するオプションです。Vimeoでは通常、15秒~25秒遅れて視聴者に配信されますが、このオプションにチェックを入れると、タイムラグを10秒以内に抑えることができます。
ただし、低遅延ストリーミング機能を利用すると画質が低下する可能性があります。視聴者と即時的なやり取りを行わない場合には、チェックを入れなくても良いでしょう。
④視聴のプライバシー設定を行う
Vimeoでは、詳細なプライバシー設定が可能です。ドロップダウンメニューからイベントに適した公開設定を行ってください。なお、視聴者はVimeoアカウント不要で視聴できます。
- 一般公開:誰でも視聴でき、検索結果に表示される
- 限定公開:動画URLを知っている人のみ視聴可能。検索結果に表示されない
- パスワード:動画URLとパスワードを知っている人のみ視聴可能。検索結果に表示されない
- Vimeoで非表示にする:Vimeoでは視聴できず、別サイトでの埋め込み再生のみ視聴可能。検索結果に表示されない
- プライベート:アカウント所有者のみ視聴可能。検索結果に表示されない
⑤動画の埋め込み場所を設定する
Vimeoでは、動画を再生する場所も制限可能です。動画視聴を許可されたユーザーによる動画URLの無断公開や外部サイトへの埋め込みによる拡散も制限できます。
動画埋め込み場所の設定は、次の3つです。
- すべてのサイト:誰でもどこにでも動画の埋め込みが可能
- いっさい許可しない:動画の埋め込みは不可。Vimeoでのみ視聴可能
- 特定のドメイン:動画を埋め込み先として50件までのドメイン・サブドメインを指定可能
⑥レーティングを設定する
公開配信の場合、「すべての視聴者向け」か「成人向け」かを選択します。EUをはじめとする一部の国では、規制があるためレーティングを設定していない動画の視聴にはVimeoへのログインが必要になります。忘れずに設定しておきましょう。限定公開の場合は、レーティングを設定する必要はありません。
動画にプロモーションが含まれる場合は、[この動画には広告が含まれています。]にチェックを入れてください。
⑦配信日時を設定する
ライブ配信を行う日を記入し、時間をドロップダウンメニューから選びます。
定期的に配信を行う場合には、[定期的なイベント]横のトグルボタンをオンにしてください。
⑧概要欄に動画の内容を記入する
概要欄に、動画説明を入力します。記入は任意ですが、動画内容が一目でわかるよう、簡潔に記載すると良いでしょう。
4.配信先を選択する
Vimeoのライブ配信は、FacebookやYouTubeなどのSNSを通じて、1度に最大10件まで同時配信を行うことができます。
一覧にある[ Vimeo OTT ]とは、視聴者に対してストリーミングサービスを提供できるオーバーザトッププラットフォームです。Vimeo OTTのサブスクリプション機能を利用すれば、有料のライブ配信も可能です。また、最下段の[RTMP]では、最大20件まで異なる同時配信先を指定できます。TwitterなどのSNSで同時配信をしたいときに選択しましょう。
5.ストリーミング配信方法を選択する
Vimeoライブ配信は、次の4種類のストリーミング配信方法から選択可能です。詳しくは次章で説明します。
- Vimeoでストリーミング(定期的なイベント)
- RTMP経由でストリーミング(定期的または1回限りのイベント)
- ウェブカメラでストリーミング(1回限りのイベント)
- Livestream Studio経由でストリーミング
ここでは、定期配信、または、1回限りのイベントに選択できる[RTMP経由でストリーミング]の設定方法をご紹介します。
6.RTMP経由でストリーミング配信する
この方法は、外部のエンコーダー(配信用ソフトウェア)を使用します。ここでは無料で利用できる Open Broadcaster Software(OBS)の「OBS Studio」を例に解説します。
Vimeoの配信先設定画面の右側に[ウェブカメラ][接続(RTMP)]のタブが表示されているので、[接続(RTMP)]をクリックします。
画面上に表示されるRTMP URLとストリームキーを取得しておきます。窓枠右側に表示される青色のコピーボタンを押すと、取得可能です。
同時に、[ライブ配信前にストリームをプレビュー]のトグルボタンをオンにしておきましょう。オフの状態では、OBS側のエンコードを始めると、Vimeoでも自動的に配信が始まってしまいます。
続いて、OBS Studioを開きます。[ファイル]>[設定]>[配信]へ進み、先程取得したストリームキーを入力します。
OBS Studioで、[配信開始]をクリックするとエンコードがスタートします。
Vimeoでもプレビューが表示されるので、正常に表示されているか確認しましょう。
7. ライブ機能を設定する
Vimeoには、ライブ配信中に視聴者とコミュニケーションできる機能が搭載されています。左サイドバーの[チャット]を使って対話したり、[アンケート]で視聴者に質問を投げかけたりしましょう。[質問セッション]は、視聴者からの質問を受け付ける機能です。
また、[ストリーム状態]では、配信のパフォーマンスを確認できます。
8. ライブ配信を終了しアーカイブを設定する
右上の[イベントを終了]ボタンをクリックすると、ライブ配信は終了します。OBS Studioなどの外部エンコーダーを使用している場合は、そちらから終了してください。
配信終了後、動画のプレビューページは自動的にアーカイブ設定ページに遷移します。
Vimeoのストリーミング配信の特徴
ここからは、Vimeoの4種類のストリーミング配信方法について解説します。
Vimeoでストリーミング
Vimeoに内蔵されているブラウザブロードキャスティングツールを使って、定期的なイベントをストリーミングする際に選択します。設定をカスタマイズでき、保存も可能です。
ライブイベントの設定後に、[プロダクションを管理]>[ブラウザ経由でストリーミング]を選択します。
遷移したブロードキャスターページで、ウェブカメラやマイクを設定します。スピーカーの追加やゲストスピーカーの招待も可能です。
RTMP経由でストリーミング
RTMP経由でのストリーミングは、定期的なイベント、または、1回限りのイベントのどちらでも選択できます。
定期的なイベントの場合は、ライブイベントの設定後に、[プロダクションを管理]>[エンコーダでストリーミング]へと進み、RTMP URLとストリームキーを取得します。
1回限りのイベントの場合は、ライブイベントの設定後に、[次へ]>[接続(RTMP)]を選択し、RTMP URLとストリームキーを取得してください。
エンコーダーにRTMP URLとストリームキーを入力し、エンコーダーから配信を開始します。エンコーダーによっては、ストリームキーのみを入力する場合もあります。
ウェブカメラでストリーミング
エンコーダーを使わず、ウェブカメラだけでストリーミングを行うシンプルな方法です。1回限りのイベントで選択できます。
ライブイベントを設定した後、右上の[次へ]から[ウェブカメラ]のタブをクリックしてください。
ウェブカメラとマイクを接続すれば、ブラウザからライブ配信を始められます。マイクやウェブカメラの機種によっては、外部エンコーダーが必要になる場合もあります。
Livestream Studio経由でストリーミング
[接続(RTMP)]タブをクリックすると、Livestream Studioのダウンロード用リンクが表示されます。これはVimeo専用のストリーミングツールで、AdvancedとEnterpriseプランで無料利用が可能です。ライブ配信やプレゼンテーションのストリーミングなど、数多くの機能が搭載されています。
Vimeoライブ配信の注意点
Vimeoでライブ配信を行う際には、次の2点にご注意ください。
- 適切な機器を用意する
- テスト配信を重ねる
適切な機器を用意する
Vimeoの特長のひとつに、1080pの高解像度での動画視聴やダウンロードが挙げられます。高画質を活かすために、安定したインターネット環境と、以下の機器を用意しましょう。
- エンコーダー
- エンコーダーに接続されたカメラ
Vimeoでは、Vimeoが提供するLivestream StudioやWirecast、OBS Studio、SlingStudioなどのエンコーダーを推奨しています。
テスト配信を重ねる
映像や音の乱れは、離脱の原因になります。安定したストリーミングができるよう、事前にテスト配信を行い、配信状況を確認しましょう。
[プロダクションを管理]画面の左サイドバー[ストリーム状態]から、ビットレートやフレームレートを確認しておきましょう。
Vimeoでライブ配信し、ウェビナーで顧客とのコミュニケーションを
Vimeoのライブ配信は、Advanced、Enterpriseプランで利用できる機能です。
ライブ配信にチャットやアンケート、質問セッションを導入すれば、見込み客や顧客とリアルタイムで双方向型のコミュニケーションができるようになります。また、公開範囲や動画の埋め込み場所を設定したうえでの限定配信やVimeo OTTのサブスクリプション機能を利用した有料配信も可能です。Vimeoのライブ配信をうまく活用すれば、顧客ニーズの発掘や関係構築に役立つでしょう。
本記事でご紹介した手順を参考に、Vimeoのライブ配信をご活用ください。