【完全ガイド】アドネットワークとは?生まれた背景・仕組み・メリットは?

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向井 拓真(Takuma Mukai)
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マーケティングに携わる方であればアドネットワークという言葉を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?

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しかし、実際には「アドネットワークを活用することで得られる効果」を具体的に把握できている企業は意外と少なく、ひたすらアドネットワークに広告投資を続けたが思うような効果が得られなかったといった話を耳にすることもしばしばです。

本稿では、アドネットワークという仕組みが生み出された背景を紐解きながら、アドネットワーク導入のメリット・デメリットを整理し、アドネットワークを活用することで得られる効果をご紹介していきます。

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アドネットワークとは?

アドネットワークは日本では2008年頃に登場したインターネット上における広告配信の仕組みで、さまざまなウェブやアプリなど広告配信可能なメディアを多数束ねて広告を配信するネットワークです。

一つひとつのメディアにおけるトラフィックは小さくとも、それらのメディアを束ねることによって全体を通じて大量のトラフィックを得ることが可能となる仕組みです。

では、このアドネットワークの仕組みはなぜ生み出されることになったのでしょうか?

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アドネットワークが生み出された背景

アドネットワークが生み出されるまで、インターネット上の広告配信で大量のトラフィックを得るために広告主は以下のような苦労をしていました。

【広告主側の苦労】

  • 自ら広告掲載可能なメディアを大量に探す時間・労力が必要
  • 大量の広告枠を確保するために、個別に広告掲載依頼するための膨大なマンパワーが必要
  • メディアの広告効果の比較検討が困難
  • メディアごとの広告管理が煩雑

また、広告を掲載するメディア側にも以下のような苦労がありました。

【メディア側の苦労】

  • スポンサーに対する営業活動や細かい交渉が必要
  • クライアントへの効果報告を1社1社行う労力が必要
  • メディアに一定数のPVが得られるまでは広告枠の魅力を有することが困難

このような広告側とメディア側の双方の苦労を取り除くために開発されたのが、アドネットワークです。

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アドネットワークの仕組み

それでは、アドネットワーク利用の流れを見ていきましょう。

  1. 各種アドネットワークのアカウントを開設
  2. キャンペーンの作成
  3. 広告グループの作成
  4. 広告の入稿

利用までに細かい操作が必要となりますが、非常に簡潔な作業で大量のトラフィック創出が可能となるのがアドネットワークの特徴です。

アドネットワークとDSPの違い

次にアドネットワークとDSPの違いについて、おさらいしておきましょう。

まず、DSPとはDemand Side Platformの略称で広告効果を最適化するためのツールです。具体的には、広告を見てほしいターゲットの属性に絞って広告配信ができるツールです。

DSPを利用することで以下のような形でターゲットをセグメントした広告配信が可能になります。

  • 釣具屋さんが広告主…ターゲットは釣りが趣味の人
  • 人材紹介サービスの提供企業が広告主…ターゲットは即戦力の人材採用を必要としている企業の人事担当者
  アドネットワーク DSP
機能 広告ネットワーク 広告配信ツール
主な課金方法

クリック課金が主流

表示課金が主流
主な目的 インプレッション クリック

アドネットワークとDSPの違いを分かりやすく表現するならば、アドネットワークは配信先の「媒体」を持っており、DSPは配信先の「人」を持っている、といったイメージとなります。

ただし、最近のアドネットワークはリターゲティングの機能が進化しており、DSPに近い要素を持ち始めていると言うこともできます。

アドネットワークのメリットとデメリット

それでは次に、アドネットワークを利用することで生じるメリットとデメリットを整理していきましょう。

メリット

アドネットワークの持つ主要なメリットは以下の2つです。

  1. 時間と手間をかけずに大量の広告配信が可能
  2. メディアではなく第三者が集計した信憑性の高い効果測定データが入手可能

デメリット

アドネットワークを利用することで生じる可能性のあるデメリットは以下の2つです。

  1. 自社の事業やプロダクトと関連のないメディアに広告が掲載される可能性
  2. 事業やプロダクトのブランドを毀損する可能性のあるメディアに広告が掲載される可能性

広告を掲載しないメディアを事前に選別できる仕組みなども生まれ、ブランド毀損のリスクは低下しつつありますが、特に自社のブランディングに対して繊細に活動を行う大手企業では、2を理由にアドネットワークの利用に踏み切れないケースがまだまだあるようです。

代表的なアドネットワークサービス

続いて、代表的なアドネットワークサービスの種類を具体的に見ていきましょう。

Google Display Network(GDN)

Google社が提供する世界最大規模のアドネットワークです。広告出稿はGoogle 広告から行うことができます。さまざまな広告フォーマットにも対応しており、使い勝手の良さとトラフィックで多くの広告主を獲得しています。

Yahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)

国内最大級のポータルメディアであるYahoo!JAPANをはじめ、exciteやAll About、NAVER(ネイバー)などの人気メディアに広告配信ができるアドネットワークです。インタレストマッチなどのターゲティング配信も可能で、多くの広告主を獲得しています。

 

Facebook Audience Network

Facebook Audience Networkとは、Facebookのターゲティング機能をそのまま活用しながらFacebookと提携している他のアプリに対して広告配信ができる仕組みです。配信先を「他のアプリ」と表現しましたが、有名所ではGunosyなどがあり、大規模アプリも提携先に含まれています。 Facebook広告の強みであるターゲティング機能をFacebookユーザー以外にも大幅に広げることができる広告配信の仕組みです。

 

nend(ネンド)

nendは、A8.netで有名な株式会社ファンコミュニケーションズが運営するクリック課金型の広告配信システムです。スマホの画面下部に固定した広告表示のできる「オーバーレイ広告」は、クリック率の高さから特に注目されています。

 

i-mobile(アイモバイル)

インターネットマーケティングを専業とするアイモバイルの運営するアドネットワークです。PCやスマホはもちろんのこと、マルチデバイスに対応しています。配信先メディアの情報を開示しており、メディアごとの成果を比較しやすい点が強みとなり、多くの広告主を獲得しています。

アドネットワークとの相乗効果が期待できるリターゲティングとは?

ここまでご覧いただいて、アドネットワークが自社LPやWebサイトに大量のトラフィックを得る上で非常に有用であることはご理解いただけたことと思います。

一方で「一人ひとりの潜在顧客に対して深くリーチするという意味では、アドネットワークが少し弱いのではないか?」という印象を持たれたのではないでしょうか。

ご想像の通りその点はアドネットワークの弱点と言えます。

しかしながら、その弱点を補う動きも活発化しており、さまざまなアドネットワーク提供企業が「膨大なトラフィックの獲得」の次なるメリットを提供できるよう工夫を凝らしています。その代表格と言える仕組みが「リターゲティング」です。

リターゲティングとは、自社のWebサイトを訪問したユーザーを特定し、そのユーザーに対して継続的に広告を配信する仕組みです。

一度自社サイトを訪れたユーザーは、何かしらの興味があり、自社サイトを開いたと考えることができます。このように自社サイトを一度訪れており「自社に何かしらの興味がある」ユーザーに対して、継続的に広告を配信できるのです。

リターゲティング広告で自社サイトを訪問したユーザーに継続的に広告を配信することは、属性が分からない不特定多数に対して広告を配信し続けるよりも効果が生まれやすいであろうことは想像に難くないでしょう。

まとめ

リターゲティングという行動ターゲティング広告の仕組みが搭載されたことで、アドネットワークの導入はさらなる進化を遂げました。

しかし、そんなアドネットワークも魔法の杖ではありません。

「時間と手間をかけずに大量のトラフィックを得る」という観点では非常に有用性の高いアドテクノロジーである一方で、「特定の対象に深くアプローチしたい」というニーズがあればアドネットワークよりもDSPが有用となるように、アドネットワークは万能薬ではないのです。

また、個人情報保護の観点からCookie取得に対する規制動向も大幅な転換期を迎える可能性が出てきています(詳細はこちらの記事をご覧ください)。もし、日本国内でもCookie情報の取得に対する規制がかかった場合、アドネットワークを始めとした広告配信システムも大幅な刷新を余儀なくされる可能性が出てきます。

広告配信の仕組みはさまざまで、その中でどの広告配信手法が「自社のビジネスにマッチ」しており、また「最も効果が見込める旬な手法なのか」を見極めながら選定していく必要があります。

そのためにも、常に最新のアドテクノロジーを研究し、トライアルアンドエラーを繰り返していくことが欠かせないのではないでしょうか。

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