著作権とは?意味や権利と著作権侵害を防ぐ方法をわかりやすく説明

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水落 絵理香(みずおち えりか)
水落 絵理香(みずおち えりか)

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「著作権」という言葉は日常的に使われていますが、概念やルールを具体的に説明できる人は少ないのではないでしょうか。著作権侵害のトラブルを避けつつ、コンテンツを正しく利用するためには、著作権への正しい理解が必要です。

著作権とは?意味や権利と著作権侵害を防ぐ方法をわかりやすく説明

【無料ガイド】マーケターが知っておくべき著作権

著作権の基本や著作権違反に問われない引用方法、自社の著作権表示法などについて詳しく解説します。著作権と著作物の扱いに関する理解を深めておきましょう。

マーケターが知っておくべき著作権

本記事では、著作権の基礎知識や引用ルール、違反した場合の罰則、著作権者側でできる対策について、基礎からわかりやすく解説します。

著作権フリーのコンテンツの使用方法や、スクリーンショットの取扱方法などもご紹介するので参考にしてください。

マーケターが知っておくべき著作権

著作権とはどんな権利か?

著作権とはどんな権利か?

著作権は、知的な創作活動で何かを作り出した人に付与される「知的財産権(知的所有権)」のひとつです。

著作権がどのような権利であるかを知るために、まずは著作権の定義・発生要件、役割を確認していきましょう。
 

著作権の定義・発生要件

著作権とは、著作物や実演を保護するために著作者に与えられる権利です。

ここでいう著作物と実演については、著作権法 第1節 第2条にて次のように定義されています。

一 著作物 思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。
三 実演 著作物を、演劇的に演じ、舞い、演奏し、歌い、口演し、朗詠し、又はその他の方法により演ずること(これらに類する行為で、著作物を演じないが芸能的な性質を有するものを含む。)をいう。
出典:著作権法|条文|法令リード

無作為に作られたものではなく、創作的に表現された文芸・学術・美術・音楽が著作物にあたることがわかります。実演は、著作物を演技・演奏・口演などによって演ずることであると定義されています。

また、著作権は登録や申請の必要がなく、著作物が作られた時点で自動的に付与されます。

原則として、著作者が生存している間と死後70年間が有効期間とされています。(著作権法 第4節 第51条

なお、著作権に似たもので版権がありますが、著作権は著作物全般に関する権利であるのに対し、版権(出版権)は著作物のうち、図書の出版について定めた権利です。

1999年の著作権法の改正により、法律上、「版権」という言葉は廃止されました。

ただし、「copyright(コピーライト)」の訳語として「著作権や版権のこと」と訳される場合もあります。

参考:著作権制度に関する情報 | 文化庁
 

著作権の役割

著作権の役割は、著作権法によって次のように定められています。

第1条(目的)
著作物並びに実演、レコード、放送及び有線放送に関し著作者の権利及びこれに隣 接する権利を定め、これらの文化的所産の公正な利用に留意しつつ、著作者等の権利 の保護を図り、もつて文化の発展に寄与することを目的とする。
出典:著作権制度に関する情報 | 文化庁

著作権は、単に著作物を他人に利用されないようにすることだけが目的ではありません。

著作物や実演の公正な利用を確保し、他人の無断利用を制限することで、創作の促進や文化の発展につなげることを目的としています。
 

著作権を侵害するとどうなる?

著作権を侵害するとどうなる?

著作権には引用ルールが定められており、違反した場合には罰則があります

著作権違反(侵害)の例は次の通りです。

  • YouTubeなど動画コンテンツのネット配信
  • 記事・画像の無断複製
  • 音楽の無断使用
  • イラスト・ロゴの無断使用

違反した際の罰則の例として、次のようなものがあげられます。

  • 差止請求(著作権法 第112条):侵害の停止または予防を請求できる
  • 損害賠償請求(著作権法 第114条):権利の侵害として損害賠償請求が可能
  • 刑事罰の規定(著作権法 第119条):10年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金、またはこれらを併科

 

著作物の具体例と著作物ではないもの

著作物の具体例と著作物ではないもの

著作権の定義にあるように、すべての創作物が著作物に該当するわけではありません。

著作権法であげられている著作物の例は、次の通りです。

  • 言語の著作物:講演、論文、レポート、作文、小説、脚本、詩歌、俳句など
  • 音楽の著作物:楽曲、楽曲を伴う歌詞など
  • 舞踊、無言劇の著作物:日本舞踊、バレエ、ダンス、舞踏、パントマイムの振り付け
  • 美術の著作物:絵画、版画、彫刻、マンガ、書、舞台装置、茶碗、壺、刀剣等の美術工芸品
  • 建築の著作物:芸術的な建築物
  • 地図、図形の著作物:地図、学術的な図面、図表、設計図、立体模型、地球儀など
  • 映画の著作物:劇場用映画、アニメ、ビデオ、ゲームソフトの映像部分などの「録画されている動く影像」
  • 写真の著作物:肖像写真、風景写真、記録写真など
  • プログラムの著作物:コンピュータ・プログラム
出典:令和4年度著作権テキスト | 文化庁

これら一般の著作物のほか、小説の翻訳など二次的著作物、編集著作物、データベースの著作物、共同著作物も著作物に該当します。

逆に、定義にあてはまらない次のようなものは著作物ではないといえます。

  • 模倣品、ありふれた表現
  • アイデア
  • 工業製品
  • 事実の伝達にすぎない雑報や時事の報道

著作物に該当しないものは、理論上は自由に使えるものと考えられます。著作物なのか判断が難しい場合は、念のため作者に確認をするか専門家に相談しましょう。

 

著作物を引用する際の注意事項

著作物の利用には例外が設けられており、ルールの範囲内であれば著作者に許諾を得ることなく利用できる場合があります

家庭内や図書館などで利用する場合をはじめ、多くの例外がありますが、そのなかで著作物を引用できる条件の概要は次の通りです。

  • 公正な目的のための引用である場合
  • 国が行政のPRのために発行した資料などを説明の材料とする場合
  • 転載を禁止する旨が表示されていない場合

また、著作物を引用する際には、次の注意事項に留意する必要があります。

  • 引用する必然性があること
  • かぎ括弧をつけるなど、自分の著作物と引用部分が区別されていること
  • 自分の著作物と引用する著作物との主従関係が明確であること
  • 出所の明示がなされていること

著作物の引用ルールを守り、適切な利用を心がけましょう

参考:著作物が自由に使える場合 | 文化庁

 

コンテンツの盗用(著作権侵害)を防ぐためには

コンテンツの盗用(著作権侵害)を防ぐためには

コンテンツの盗用(著作権侵害)を防ぐためには、著作権者側が著作権侵害の防止策を把握しておくことが大切です。また、万が一に知らずに盗用にあたる行為をしないためにも、覚えておくべき3つの防止策をご紹介します。
 

「コピーライト ©」を表記する

コンテンツの盗用(著作権侵害)を防ぐためには、著作権の保持者を明確化し、無断転載の防止を促す必要があります

著作権の保持者を明確化するには、コピーライトマークを表記するのもひとつの方法です。コピーライトマーク自体が法的拘束力をもつわけではないものの、著作権によって保護されている印象を与える効果が期待できます。コピーライトマークの基本の書き方は、「 ©, 発効した年, 著作権者の氏名」の3つを表示する形式です。

 

著作権侵害の警告を行う

著作権侵害が疑われる行為を発見した場合は、著作権侵害の警告を行い、コンテンツの盗用を防止しましょう

例えば、YouTubeでは他のクリエイターの動画コンテンツを自分の動画で使用することは禁止されており、プラットフォーム内で著作権侵害の警告や申し立てを行うためのサポートを提供しています。

コンテンツを掲載しているプラットフォームやサービスでサポート体制がある場合は、そのサポートを利用すると良いでしょう。

自身で著作権侵害の警告を行うには、弁護士を通じて警告状を送付する方法や、都道府県警察のサイバー犯罪対策窓口へ相談するといった方法もあります。
 

盗用されていないかコピペチェックツールで確認する

Webサイトに掲載する文章などのコンテンツでも、著作権は発生します。別サイトの文章をそのままコピーすると盗用に該当するため、チェックが必要です。

コピペチェックツールは、主にあやまって盗用しないための防止策として利用されますが、第三者がコピーしていないかどうか、著作権侵害されていないかどうかの調査にも利用できます。

 

著作権に関するよくある疑問

著作権に関して多くの方が抱く疑問・質問にお答えします。
 

著作権フリーのコンテンツ(画像・画像・音楽など)の使用方法

著作権の保護期間(著作者の死後70年)満了となった場合、あるいは著作権者が著作権を放棄した場合、そのコンテンツは「著作権フリー」となります

著作権フリーのコンテンツは、「パブリックドメイン」とも呼ばれ、使用する際に著作権者の許諾を得る必要はないものの、利用規約が定められているケースが多いため注意が必要です。

例えば、「出典を記載すること」といった規約がある場合は、引用ルールなど規約に沿った使用を心がけましょう。

 

スクリーンショットは違法?

スクリーンショットとは、パソコンやスマートフォンなどのディスプレイの画面に表示されている内容を、画像ファイルとして取得したもので、キャプチャとも呼ばれます。

スクリーンショットは法律上「複製」にあたり、複製した画像を投稿する行為は、引用ルールを守らないと著作権侵害に該当し、違法になる可能性もあるので注意が必要です。

ただし、個人や家庭内など限られた範囲での利用は違法ではないものとされています。

個人利用の範囲を超えて、事業やビジネスの目的でスクリーンショットを使用する際には、引用ルールを守りましょう。

 

自社のコンテンツが盗用された場合は?DMCAについて

自社のコンテンツの盗用が発覚した際に、米国の著作権法「DMCA(デジタルミレニアム著作権法)」に即して対処するのもひとつの方法です。

DMCAは米国の法律であるため、通常、日本では適用されません。ただし、Googleのように米国に法人があるプラットフォームやサービスに関しては適用範囲となります。

問題のコンテンツへユーザーが流入し続け、機会損失が起きないよう、DMCAについて理解しておきましょう。

 

クリエイティブコモンズは自由に使用しても良い?

米国の非営利団体 クリエイティブコモンズ(cc)が提供する「クリエイティブコモンズ・ライセンス」は、著作者の意志を反映したうえで著作物の配布を許可するパブリック・ライセンスです。

クリエイティブコモンズ・ライセンスに該当するコンテンツは、原作者の氏名、作品タイトルなどを表示し、元の作品を改変しないなどの条件を守れば自由に使用しても良いことになっています。

クリエイターは次のようなプラットフォーム上で、クリエイティブコモンズ・ライセンスを選択できます。

  • Flickr:写真・画像共有コミュニティサイト
  • SoundCloud:音声ファイル共有サービス
  • YouTube:動画共有プラットフォーム
  • Wikipedia:多言語インターネット百科事典

 

著作権のルールとリスクを正しく把握しよう

著作権は、単に法律によってコンテンツの利用を厳しく取り締まるためのものではありません。公正な利用を促し、無断利用を制限することで、文化発展に寄与することを目的としています。

コンテンツのデジタル化にともない、DMCA(デジタルミレニアム著作権法)が制定されるなど、時代の流れに沿って著作権のルールや定義は柔軟に変化しています。

盗用などのトラブルを防ぎつつ、素晴らしいコンテンツを正しく流通させていくためにも、最新の著作権ルールやリスクについて正しく把握しておきましょう。

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