One to Oneマーケティングとは?具体的な手法&国内企業の成功事例3選

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水落 絵理香(みずおち えりか)
水落 絵理香(みずおち えりか)

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今、注目されているのが見込み客ひとりひとりのニーズや購買履歴に合わせたコミュニケーションを行うOne to Oneマーケティングです。

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見込み客へ効率的にアプローチできる点に加え、ひとりひとりに合った情報を届けることができます。データに基づいてターゲティングするためデジタルと相性がよく、コストを抑えながら高い効果が期待できます。

今回は、One to Oneマーケティングに期待される効果や代表的な手法、成功事例などを紹介します。

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One to Oneマーケティングとは?

One to Oneマーケティングとは、見込み客ひとりひとりのニーズや購買履歴に合わせたコミュニケーションを行うマーケティング手法です

かつては新製品をテレビCMや雑誌広告を活用することで、認知拡大していく手法が主流でした。同じ商品を大量に販売したい場合には、不特定多数に同一の情報を伝えるマスマーケティングが適していますが、商品や情報が溢れる時代にこのようなマスマーケティングは最適とは言えません。

そのため興味関心や購買履歴から、見込み客を絞り込む必要が出てきました。見込み客に対して、より最適な内容・頻度でコミュニケーションをとることで、購買につながりやすくなります。One to Oneマーケティングは、マスマーケティングと比較すると低コストで始められるため、限られた予算の事業においても導入しやすい手法です。
 

One to Oneマーケティングの3つの効果

One to Oneマーケティングの3つの効果 

One to Oneマーケティングを行い、ひとりひとりに合わせた情報を届けることで、3つの効果が期待できます。

  • コンバージョン率の改善
  • 顧客単価のアップ
  • 利用期間・頻度の改善

具体的な内容について、以下より詳しく見ていきましょう。
 

コンバージョン率の改善

見込み客が興味・関心を持っている情報が届くため、商品・サービスに対する関心を高められます。
 

顧客単価のアップ

One to Oneマーケティングは、データを活用してセグメント分けを行います。ひとりひとりにとって有益な情報をタイミングよく提示することで、顧客単価の改善が期待できます。
 

利用期間・頻度の改善

過去に購入履歴がある休眠顧客に対してクーポンを送付するなどの販促施策を行うことで、再び購入意欲を醸成することが可能です。
 

One to Oneマーケティングの実現に必要な要素

One to Oneマーケティングの実現に必要な要素

One to Oneマーケティングに取り組むにあたり不可欠なのが顧客データです。

Webサイトにおける行動履歴、ユーザー登録情報などに加え、購買履歴、アンケート情報などが対象となります。

さらにこれらのデータを活用するためにはMA(マーケティングオートメーション)ツールやWeb接客ツールなどのテクノロジーを取り入れる必要があります。

MAツールやWeb接客ツールを活用するうえで欠かせないのが「シナリオ」です。事前に設計した「ペルソナ」や「カスタマージャーニー」に基づいたシナリオを用意することが重要になってきます。
 

【ペルソナとは?】

商品・サービスを利用する具体的な人物像を具体化することで、顧客ニーズを明確にし、また社内でイメージを共有しやすくします。

【カスタマージャーニーとは?】

設定したペルソナが商品・サービスを購入・利用するまでの考え方や行動を時系列で表したものです。ペルソナの動きを可視化することで、重要な顧客接点を発見し、適切な施策を実施するのに役立ちます。
 

One to Oneマーケティングでよく利用される手法は?

One to Oneマーケティングで実際に利用されている手法として、ここでは代表的なものを4つ紹介します。

  1. リターゲティング広告
  2. リコメンデーション
  3. ダイレクトメール
     

1.リターゲティング広告

自社のWebサイトの閲覧履歴があるアカウントに対して配信するWeb広告を「リターゲティング広告」と呼びます。例えば、自社のAという商品ページを閲覧したアカウントに対して、別のニュースサイト上でAの広告を配信することで、繰り返し商品をアピールすることができる手法です。
 

2.リコメンデーション

リコメンデーションとは、過去の閲覧履歴や購買履歴を元に分析してユーザーの興味や嗜好に適していると思われる情報を表示する手法です。
 
 

3.ダイレクトメール

One to Oneマーケティングは、実は多くの企業が既に取り組んでいる分野でもあります。個人に送付される宣伝用の印刷物や電子メールであるダイレクトメールは代表的でしょう。従来は一斉配布・配信が主流でした。しかし、技術進化が進んだ今は、個別最適化されたダイレクトメールの配布・配信が可能となっています。
 

One to Oneマーケティングの成功事例

One to Oneマーケティングの成功事例

ここからは、One to Oneマーケティングで成功した国内企業の事例を3つ取り上げます。【どのようにターゲットを絞り】【どんな情報を届けたか】に注目してみてください。
 

きめ細やかなメール配信でOne to Oneマーケティングを実現した世田谷自然食品

健康食品で知られる世田谷自然食品では、MAツールの「Aimstar」を導入し既存顧客へのメール配信を実施しています。同社のビジネスモデルは定期販売を主軸にしているため、保有する顧客リスト向けに購入商品やデモグラ情報でセグメントすることが可能です。これらのデータを活かして顧客の興味やタイミングに合わせたメール配信が行われています。

さらにメールを見た顧客がリンクをクリックし、実際に購入に至ったかどうかといったデータを取得しています。これをMAツールで分析することで、施策の評価および改善に役立てています。

MAツールのメリットは主に2つあります。ひとつは、手作業で行っていた作業を約半分にできたことです。もうひとつは、今まで技術的・手間的に難しかった誕生日メールやステップメールの配信が可能になったことです。同社では従来、作業に充てていた時間をクリエイティブの改善に充てられるようになりました。

参考:スプリームシステム株式会社 公式サイト「 導入事例 世田谷自然食品様 」より
 

ダイレクトメールを活用した「カゴ落ち対策」で、購入率を改善させたディノス・セシール

通販大手のディノス・セシールは、紙のダイレクトメールを活用したOne to Oneマーケティングを実施しています。ECサイトで商品を買い物カゴ(カート)に入れたまま放置している状態を「カゴ落ち(カート落ち)」と呼びます。同社では、そのような状態に対して、ダイレクトメールを送付することで効果を上げています。

これはカゴ落ち情報を抽出して、最短24時間以内に「カートに入っている商品内容を印刷して発送する」というものです。 ポイントは、Aさんがカートに入れた商品とBさんがカートに入れた商品は異なるため、ひとりひとり印刷内容を変えている点です。

これはデジタル印刷を用いることで実現しています 。ダイレクトメールを受け取った顧客は、受け取っていない顧客よりも購入率が約20%アップしています。

同社はこの取り組みによって、日本郵便が主催する「全日本DM大賞」で第33回のグランプリを受賞しています。

参考:ネットショップ担当者フォーラム「 パーソナライズDMでCVRは20%UP、ECユーザーへの小冊子DMでレスポンス10%UP――ディノス・セシールのDM活用法 」より
 

CRMとMAツールを連携し、営業活動の最適化を実現した日経新聞

日本経済新聞社では、「日経テレコン」などの情報サービスを販売しています。しかし製品ごとに部門が分かれており、製品横断型のマーケティングが困難という課題を持っていました。

同社が解決方法として選んだのが、運用中の顧客管理システムSalesforce CRM「Sales Cloud」にMAツール「Pardot」を連携させることでした。これによって顧客の属性情報や行動履歴を活用したマーケティングが行えるようになりました。

同社では、顧客リストを職種ごとにセグメントしたのちに見込み客に対して最適化したコンテンツのメールを配信してホワイトペーパーのダウンロードへ繋げています。また顧客情報や契約情報でセグメントした後、見込み客が興味を持ちやすい内容についてメール配信しています。手作業だった部分を自動化することで、営業活動の最適化が実現しました。

参考:株式会社セールスフォース・ドットコム「 複数の情報サービスを横断できるMAツールとしてPardotを採用 」より
 

見込み客ひとりひとりに合わせたコミュニケーションを行おう

One to Oneマーケティングは、見込み客ひとりひとりに合わせてコミュニケーションを行う手法です。MAツールやWeb接客ツールなどの活用によって、従来はできなかった「ニーズや購買履歴に合わせた絞り込み」が実現し、見込み客にとって有益な情報が提供されることからコンバージョン率や顧客単価のアップが期待できます。

MAツールなどを導入することで手動では難しいメッセージの出し分けや個別クーポンなども手軽に始められます。つまり、ヒューマンエラーを減らし、担当者の負担を軽減すると同時に、顧客ひとりひとりに合わせたコミュニケーションが実現できるのです。

まずは、自社で保有しているデータの整備や新たにデータを取得するしくみも同時に整えていきましょう。データ活用の準備を進めながら、見込み客ひとりひとりに合わせたコミュニケーションの実践を検討してみてはいかがでしょうか。

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