私たちは皆、自社と接触があった人が1人残らず順序通りまっすぐに購入への道のりを進んでくれることを望んでいます。
初めてサイトを訪れた訪問者が、その場でフォームを記入してeBookをダウンロードし、そのままセールス担当と話すことを希望し、数分後にセールス担当がこの見込み客に接触すると、見込み客からあっという間に顧客となって、クレジットカードを差し出してくれたら...。
しかし、現実には見込み客が歩むバイヤージャーニーはそれほど直線的ではありません。サイトを訪れたものの、何もせずに去る人は大勢います。
仮に、その人たちが見込み客になる可能性があったとしてもです。そして2カ月程経ってから、その企業の最新のブログ記事を見つけeBookをダウンロードするかもしれません。
そして、そのまた数日後に別のブログ記事を読んでみます。さらにその1週間後、その見込み客はようやくセールス担当と話してみようと考えます。
さらに数週間にわたるミーティングや話し合いの後、やっと購入を決断します。
つまり、最終的に購入するという結果は同じでも、そこに至るまでのプロセスには紆余曲折があるのです。マーケターはこの紆余曲折のプロセスを通して、見込み客を導き、見込み客化しなければなりません。その方法の1つとして効果的なのがリターゲティング広告です。
インターネット広告 基礎と運用・効果測定ガイド
〜効率的なインターネット広告の運用を実現させる秘訣とは?〜
- HubSpotが提供する資料
- 資料はすべて無料
- ビジネスに役立つ情報満載
- ダウンロード後すぐに閲覧可
今すぐダウンロードする
全てのフィールドが必須です。
リターゲティングとは?
典型的なバナー広告と異なり、リターゲティング広告は以前に自社のサイトを訪れたことがある人やすでにデータベースに含まれている人(見込み客や顧客)をターゲットとするオンライン広告です。
リターゲティングを使用したことがない方もどうぞご心配なく。本記事ではリターゲティングの基本的な仕組みを解説し、より高いマーケティング目標を達成するためにどのように活用すれば良いのかを説明していきます。
さらにFacebookでリターゲティング広告を実行する方法についても説明します。では早速始めていきましょう。
リターゲティングのメリット・デメリット
リターゲティング広告という言葉は聞いたことはあるけれど、実際にどのようなメリットやデメリットがあるのかはご存じでしょうか。リターゲティング広告で見込み客を獲得し、マーケティングを成功させるためには、リターゲティング広告のメリットやデメリットをしっかりと把握しておくことが必要です。そこで、まずはリターゲティング広告のメリットとデメリットについて説明します。
【リターゲティング広告のメリット】
- 見込み客へ再アプローチできる
- コンバージョン率が高い
- ターゲットを絞った配信ができる
【リターゲティング広告のデメリット】
- 新規客の開拓には向かない
- 扱い方を間違えると逆効果になる
【メリット1】見込み客へ再アプローチできる
自社のウェブサイトに訪れたことがあるユーザーは、自社の製品やサービスに何らかの興味を持っている人であると考えられます。
一般的に、最初のサイト訪問で商品の購入などのコンバージョンに結びつく人は、約1割といわれています。残りの9割の訪問者の離脱理由は以下のようにさまざまです。
- とりあえず情報収集が目的で、すぐに購入するつもりはない
- ほかの商品と比較検討をしたい
リターゲティング広告では、上記のような見込み客に対して再アプローチができる大きなメリットがあります。
【メリット2】コンバージョン率が高い
メリット1で説明したように、リターゲティング広告は一度自社の商品やサービスの情報に触れている見込み客に対してアプローチできます。もともと購入意欲がある見込み客に対してアプローチできるため、一般的な広告よりもコンバージョン率が高くなるメリットがあります。
【メリット3】ターゲットを絞った配信ができる
リターゲティングでは配信するユーザーを絞って広告を配信できることもメリットです。
例えば、広告を配信する対象をウェブサイトの訪問者全員ではなく、特定の商品ページを訪問したユーザーのみに絞るなど柔軟な配信が可能です。そのため、興味のない人への広告配信を制限でき、結果として広告の費用対効果が高くなります。
【デメリット1】新規客の開拓には向かない
リターゲティング広告は、潜在的な見込み客への訴求効果は高い一方で、新規客の開拓には向かないというデメリットがあります。
リターゲティング広告は一度サイトに訪れた人を対象とするため、一般的な広告に比べて配信するユーザーの母数が限られてしまうからです。
新規客を開拓しなければ、いずれは見込み客が枯渇していってしまい、リターゲティング広告の効果も低くなってしまいます。そのため、リターゲティング広告を運用する場合には、一般的なディスプレイ広告などもあわせて運用することをおすすめします。
【デメリット2】扱い方を間違えると逆効果になる
リターゲティング広告では、ウェブサイトを訪れた人にアプローチできますが、すべての人が潜在的な見込み客とは限りません。また、商品の購入を検討しているけれど、少し時間をおいて考えたい人もいるでしょう。
そういった人たちに対して、しつこく広告を出し続けてしまうと印象が悪くなり、検討対象から外れてしまうなど、かえって逆効果になってしまう可能性があります。
リターゲティングの種類
リターゲティング広告の種類は主に以下の3つです。
- ディスプレイ向けリターゲティング
- 検索型リターゲティング
- 動画リターゲティング
それぞれどのようなリターゲティング広告なのかを見ていきましょう。
ディスプレイ向けリターゲティング
ディスプレイ向けリターゲティングは、もっとも一般的なリターゲティングです。特定のウェブサイトや商品などのページに訪問したユーザーを追跡し、広告を表示させます。
詳細な仕組みについては、あとで紹介する「ピクセルベースのリターゲティング」で説明します。
検索型リターゲティング
検索型リターゲティングは、Googleでは「検索広告向けリマーケティング(RLSA)」と呼ばれているリターゲティング広告です。
ディスプレイ向けのリターゲティングのターゲットと、検索キーワードを組み合わせて広告を配信します。
自社のウェブサイトに訪れたユーザーが特定のキーワードで検索を行ったときに、検索結果に広告が表示されるという仕組みです。そのため、ディスプレイ向けリターゲティングよりも、配信対象を絞り込むことが可能です。
動画リターゲティング
動画リターゲティングは、YouTubeなどインターネット上で動画を見ているときに表示される広告です。自社の動画を視聴したユーザーなどを追跡して広告を配信できます。プラットフォームによっては、ディスプレイ向けリターゲティングや検索型リターゲティングと連携できるものも存在します。
リターゲティングキャンペーンの仕組み
リターゲティングは主に2種類に分かれます。ピクセルベースとリストベースです。この2つは仕組みが若干異なり、キャンペーンのゴールに応じてそれぞれ異なるメリットがあります。
サイト訪問者に対して行うピクセルベースのリターゲティング
これがおそらく最も一般的に行われているリターゲティングでしょう。ユーザーが自社サイトを訪れたら、そのユーザーのブラウザに、ピクセルと呼ばれる小さなJavaScriptを設定します(Cookieとも言います)。
ユーザーが別のサイトを閲覧するために自社サイトを去ると、このCookieからリターゲティングプラットフォームに通知が送られ、ユーザーが自社サイトで訪れていたページに基づいて広告が表示されます。
ピクセルベースのリターゲティングのメリットは、タイムリーであること(訪問者はサイトを去った後ほぼすぐにリターゲットされます)、訪問者が閲覧していたページに特化していること、そして行動ベースであることです。
逆にデメリットは、キャンペーン中に一度に働きかけられる人数が限られていることです。
なぜなら、どれだけのユーザーがサイトを訪れどのページを閲覧して去るかに広告表示が左右されるためです。また自社サイトの多数のページにJavaScriptを実装するのは複雑になったり時間がかかることもありえます。
自社データベースに対して行うリストベースのリターゲティング
また、既存の連絡先リストを分類して、さらに対象を絞ったリターゲティング広告を打つことも可能です。広告の打ち方ですが、リターゲティングキャンペーンの対象としたい連絡先のリスト(メールアドレスのリスト)を何らかのプラットフォーム(通常はFacebookやTwitterといったSNS)にアップロードします。
そしてこのプラットフォームがリストにあるメールアドレスを使用しているユーザーを特定し、それらのユーザーに対してのみリターゲティング広告を表示します。
リストベースのリターゲティングはピクセルベースの方法より一般的ではありませんが、単にユーザーの行動だけに基づくのではなく、どのリストにどのメールアドレスを含めるかを決めることができるので、より細かくカスタマイズされた広告表示が可能になります。
デメリットとしては、ユーザーがあなたに教えたメールアドレスと同じメールアドレスを各種SNSでも使用しているとは限らないということです。
実際これはよくあることで、MediaMathによると、メールアドレスの一致率はプラットフォームにより70~80%から20~30%まで幅があります。ですからこの種類のリターゲティングで成果を出すにはかなり大きなリストが必要となります。
またリストの管理とアップロードは自社で行う必要があるので、リストベースのリターゲティングはピクセルベースほどタイムリーではなく自動化できる部分も少ないと言えます。
リターゲティング広告の運用方法と費用
リターゲティング広告のメリットやデメリットを知ったところで、実際にリターゲティング広告の運用方法や運用にかかる費用が気になるのではないでしょうか。
そこで、リターゲティング広告を運用する際のポイントやリターゲティング広告にかかる費用についてご紹介します。
リターゲティング広告の運用で大切なもの
リターゲティング運用において、リターゲティング対象となるターゲティングリストは非常に重要です。ターゲティングリストはさまざまな条件を組み合わせることで、複数のリストを作成できます。
たとえば、ウェブサイトへ訪問してから経過した期間や訪れたページ、訪問回数などでリストを分けられます。
また、購入した商品やショッピングカートから離脱してしまったユーザーごとにもリストを分けることができるでしょう。
リターゲティング広告を効果的に運用するためには、さまざまな条件で作成したリストに含まれるユーザーが、何を求めているのかを把握し、適切な広告を配信することが大切です。
リターゲティング広告にかかる費用
まず、リターゲティング広告の料金形態は大きく以下の2つに分けられます。
- クリック課金型広告(CPC配信)
- インプレッション課金型広告(CPM配信)
クリック課金型広告は、表示された広告がクリックされると費用が発生します。一方、インプレッション課金型広告は、広告が表示されるたびに費用が発生する料金形態です。
当然ですがクリック課金型とインプレッション課金型では、広告単価が異なります。
また、広告単価は広告を出そうとしているジャンルによっても大きく異なります。競合他社が多いジャンルの場合には、広告単価が高くなるため、予算を多めに設定しなければ広告が表示される回数が減ってしまい、十分な効果をあげられません。
一方で、競合が少ないジャンルであれば広告単価が安いため、少ない予算でも十分な効果が期待できるでしょう。
リターゲティングで達成すべきゴールはどちらか
ここまでで、リターゲティングの基本的な仕組み、セグメント化できるオーディエンスのタイプが分かりました。
ではリターゲティングで目指すべきゴールとは何でしょう? リターゲティングキャンペーンを実施するにあたり検討すべきキャンペーンは2タイプあります。
アウェアネスをゴールとするキャンペーンと、コンバージョンをゴールとするキャンペーンです。
アウェアネス(”気づき”を与える)
アウェアネス(”気づき”)キャンペーンは、サイト訪問者を再度エンゲージし、関連性の高いプロダクト、機能、ニュースなどを伝えたい場合に有効です。
このタイプの広告には通常ピクセルベースのリターゲティングが使用されます。
アウェアネスキャンペーンの明らかな弱点は、自社ブランドに対してまだ深くエンゲージしていない人たちに対して、汎用的な広告を表示することになる点です。
対象となるオーディエンスは、連絡先データベースに存在しない人たちであり、そのため他のタイプのキャンペーンに比べクリックスルー率は低いことが予想されます。
しかしキャンペーンのゴールは、あくまで見込み客に自社のビジネスを認識してもらうことなので、測定するメトリクスとしてはインプレッション数やエンゲージメントで十分でしょう。
通常アウェアネスキャンペーンは、より有効なゴールである「コンバージョン」への布石として実施します。
コンバージョン(見込み客化)
コンバージョンゴールとは、その名の通り広告をクリックしてもらい、次のステップ(例えばランディングページのフォームの記入など)に進んでもらうことをゴールとすることです。
コンバージョンキャンペーンは、ファネルにおける次のステップが明確な特定のリストを対象として実施すると効果が上がります。測定すべき典型的なメトリクスとしては、ウェブサイトのクリック数、フォームの提出数、見込み客獲得単価(CPL)が挙げられます。
コンバージョンキャンペーンが優れているのは、ファネルのさまざまな層で使用できる点です。
例えば見込み客を獲得するのにはピクセルベースの広告を使うことができます。この場合広告をランディングページにリンクし訪問者の情報を収集します。あるいはリストベースの広告を使って既存見込み客の質を高めることも可能です。
限られた情報しか提供していない見込み客に対してのみ広告を表示し、より長いフォームにリンクして追加情報を収集するのです。
さらに有望見込み客となった見込み客をファネルの最下部へと近づけるためにリターゲティングすることもできます。
例えばeBookをダウンロードした見込み客に対して、プロダクトの無料トライアル申し込みのリターゲティング広告を打つことなどが考えられます。
どのようなゴールにしろ、ポジショニング、内容、コンバージョンプロセスの次のステップ(それがオファーランディングページであれ、ウェブサイトページであれ、情報収集リクエストであれ)と、対象とするリストを整合させることが重要です。
前述のようにリストベースのリターゲティングにおける一致率(各プラットフォームでメールアドレスを使って同一ユーザーを特定すること)は低いことが考えられますから、ファネル最上部を大きくする取り組みを行い、連絡先リストを大きくして、リターゲティングの取り組みを強化する必要があります。
リターゲティングのプラットフォーム媒体とツールを選定する
リターゲティングをするプラットフォームは多数存在し、PerfectAudience、AdRoll、Retargeter、Bizoなど、ウェブやSNSでリターゲティングを行うためのサードパーティプラットフォームは無数にあります。
またFacebook、Twitter、LinkedInといった特定のプラットフォームでリターゲティングを実行することも可能です。
こうしたプラットフォームはそれぞれ異なりますが、ソーシャルメディアで広告を表示するものと、ウェブ上のそれ以外の場所で広告を表示するプラットフォームでは、それぞれ異なるメリットとデメリットがあります。
まずソーシャルメディアリターゲティングですが、上記の3大SNSでは人々がコンテンツに対して共有、返答、意見交換する可能性が高く、リターゲティングがうまく機能しやすい傾向があります。
またウェブ上の誰でも投稿可能な(テキストがほとんどない)小さなウェブバナーと違い、SNSでは実際の企業アカウントから広告が投稿されているのがユーザーの目に入るという利点があります。
一方で、ウェブリターゲティングはインプレッション数の向上に効果があります。対象となるオーディエンスを限られたプラットフォーム上だけなく、インターネット全体を通して追いかけ広告を表示できるためです。
では、リターゲティングプラットフォームのうち、ウェブリターゲティングで代表的な「Google」と代表的なソーシャルメディアリターゲティングプラットフォームの「Facebook」についてご紹介します。
Googleではリターゲティングのことを「リマーケティング」と呼んでいますが、呼び方が違うだけで、リターゲティングと変わりはありません。Googleのリマーケティングの特徴は、利用できる広告の種類が多いことや、Googleアナリティクスなどの分析ツールと連携できるなど機能面も充実していることです。
Googleで利用できるリマーケティング広告には、以下の5つがあります。
- 標準のリマーケティング
- 動的リマーケティング
- 検索広告向けリマーケティングリスト
- 動画リマーケティング
- 顧客リストに基づくリマーケティング
ここからは、それぞれのリマーケティング広告の詳細について説明していきます。
標準のリマーケティング
標準のリマーケティングは一般的なリターゲティング広告です。「リターゲティングの種類」で紹介したディスプレイ向けリターゲティングと同義です。
標準的なリマーケティングでは、自社のウェブサイトにアクセスしたことのあるユーザーをCookieなどで追跡します。そして、ユーザーがディスプレイネットワークのサイトやアプリケーションを利用しているときに広告が表示される仕組みです。
動的リマーケティング
動的リマーケティングは、標準のリマーケティングよりもターゲットを絞り込むことが可能です。動的リマーケティングでは、ユーザーが自社のウェブサイトやアプリケーションで見た商品やサービスに関連する広告を表示されます。
検索広告向けリマーケティングリスト
検索広告向けリマーケティングリストも、リターゲティングの種類で紹介した「検索型リターゲティング」と同じ仕組みです。
自社のウェブサイトに訪問したユーザーがGoogleで検索を行ったときに、検索結果に広告が表示されます。
動画リマーケティング
動画リマーケティングは、自社のYouTube動画やチャンネルを視聴したユーザーが、YouTubeを利用しているときに広告が表示される仕組みです。
YouTubeのほかにも、ディスプレイネットワークの動画やウェブサイトを閲覧しているときにも広告が表示されます。
顧客リストに基づくリマーケティング
Googleのカスタマーマッチという機能を利用すると、見込み客のリストなどのターゲッティングリストをGoogleにアップロードできます。
顧客リストに基づくリマーケティングは、アップロードしたリストに含まれているユーザーがGoogleにログインして、Googleなどのサービスを利用すると広告が表示される仕組みです。
Facebookでは「カスタムオーディエンス」と呼ばれるリターゲティング広告が利用できます。カスタムオーディエンスでは、見込み客のターゲッティングリストのユーザーを対象に広告を配信できるほか、Facebookで「いいね」をしてくれたユーザーへ広告を出すことも可能です。
その他
GoogleやFacebook以外にもリターゲティングを行えるプラットフォームはいくつか存在します。
- Yahooでは「Yahooリスティング」でリターゲティング広告が運用可能
- Criteo(クリテオ)では「ダイナミックリターゲティング広告」でリターゲティング広告が運用可能
Googleのリマーケティング広告など、プラットホームによって呼び方は異なりますが、すべて追従型のリマーケティング広告です。
Facebookでリターゲティングコンバージョンキャンペーンを設定する方法
素晴らしいキャンペーンは実際にどのように設定すればよいのでしょう? リターゲティングキャンペーンを設定し、成功度を測定する方法を順を追ってみていきましょう。
例としてHubSpotのリマーケティングキャンペーンを設定することにします。有望見込み客を無料トライアルに進ませるため、データベースでマーケティングオートメーションに関心があることが分かっている見込み客に対して、模擬のFacebookリターゲティングキャンペーンを設定します。以下、キャンペーンの設定手順です。
1)リストを作成する
まずリターゲティングの対象とする見込み客のリストが必要です。HubSpot(あるいは任意のマーケティングソフトウェア)で、1) ライフサイクルステージ、2) 最近ダウンロードしたコンテンツから推察される関心のあるトピック、という2つの条件に基づいてリストを作成します。このリストが十分な大きさであれば、次のステップに進むことができます。
もしリストが小さい場合は、セグメント化の属性を見直すか、実装するリターゲティングの種類を再考する、あるいはその両方を行ってください。
2)リストをFacebookの広告マネージャにアップロードする
リストが作成できたら.CSVファイルでエクスポートし、Facebookに直接インポートして、リストのメールアドレスをFacebookプロフィールと照合します。(メールアドレスをSNSやウェブ上の別の場所で照合するためのサードパーティプラットフォームは他にもありますので、リストのアップロード/照合にはお好きな方法をお使いください。)
Facebookの広告マネージャのオーディエンスから、オーディエンスを作成 > カスタムオーディエンス > カスタマーリストの順に選択すると、エクスポートした.CSVファイルまたは.TXTファイルをアップロードしてカスタマーリストを作成することができます。
カスタマーリストはユーザーID、電話番号、メールアドレスでソートすることが可能です(メールアドレスでのソートをお勧めします)。カスタマーリストには後から簡単に識別できるよう、一貫性のある命名規則に従って適切な名前を付けましょう。
リストが完全に準備できるまで数時間かかることを見込んでください。すぐに広告を作成しようとすると、リストのメンバーが読み込まれない可能性があります。
3)リンク先URLを決定する
Facebookで新しいキャンペーンを作成するには、Facebook広告ホームページの緑色の「広告を作成」ボタンを押します。次に「ウェブサイトへアクセスを増やす」「ウェブサイトでのコンバージョンを増やす」などキャンペーンの目的を選ぶ画面が表示されます。
どの目的を選ぶにしろ(クリックスルーを増やすには最初の2つのうちどちらかを選ぶことをおすすめします)、UTMトラッキングコード(URLの末尾に追加される短いテキストで各キャンペーンに起因するクリック数やコンバージョン数を特定し各キャンペーンの成功度をトラッキングするためのもの)を含めるのを忘れないでください。
例えば「リターゲティング」というキャンペーンを作った場合、無料トライアル用のURLは以下のようなものになります。
http://offers.hubspotm/free-triall?utm_campaign=retargeting&utm_medium=social&utm_source=facebook
プロモートしたいURLを入力したら、次はURLのすぐ下にあるテキストボックスで任意のキャンペーン名に変更します。普段キャンペーンに使用しているような命名規則を使ってください。特に同時に複数のキャンペーンを実行しているような場合、適切な名称にすることでトラッキングしやすくなります。
4)広告をセグメント化する
この時点で、先にアップロードしておいたカスタムオーディエンスを選択し、対象としたい地域を設定することができます。地域は「AND関数」設定になっています。つまり、世界中の見込み客が含まれるリストに対して「米国」のみを選択した場合、米国の見込み客にしか広告が配信されません。
またバイヤーペルソナに基づいて、関心、行動、年齢、その他のデモグラフィック情報でセグメント化しさらに対象を絞ることも可能です。ただコンバージョンキャンペーンでは、すでに自社のプロダクトに関心を持っている特定のリストにリターゲティングしていますから、さらにFacebookのデモグラフィック情報を追加するのは得策ではないでしょう。
5)予算を設定する
キャンペーンを開始する前に、有料施策に関してはチャネルごとに予算を決めておくべきです。Facebookキャンペーンでは、まず通算予算(キャンペーンの期間と金額)を設定し、モニタリングして必要に応じて調整してください。
初心者の方は、詳細オプションの入札価格を「ウェブサイトのクリック数に最適化する」にしておくとよいでしょう。またこの時点で広告セットに名前を付けることが可能です。これは同一キャンペーン(例:同じランディングページにリンクされている)の異なる広告セットに対して異なるリスト、内容、予算などを設定したい場合に便利です。
6)広告を作成する
各広告には最大6枚の画像を設定することが可能です。ですからどの画像が、オーディエンスのクリックおよびコンバートに最も効果的かをテストすることが可能です。画像下部の見出しは最大25文字、画像上部の広告テキストは最大90文字に限られているため、明確で簡潔なポジショニングが非常に重要となります。また広告右下に「今すぐ購入する」「詳細を見る」「ダウンロードする」などのCall-To-Action(CTA)含めることが可能です。
Facebook広告における重要事項:
- 画像サイズは1200×628ピクセル
- テキストが占める面積は20%以下
- 動画と誤解される「再生ボタン」が表示されている静止画は承認されない
- 詳細オプションにて、ニュースフィードリンクの説明文を最大200文字記入し広告を説明することができる
- 初期設定では、デスクトップのニュースフィードに加え、デスクトップの右側広告枠、モバイルのニュースフィード、パートナーモバイルアプリに広告が表示される。キャンペーンをどこで見てもらいたいかによって、いずれか、またはすべてのオプションをオフにして、デスクトップニュースフィードだけで表示することも可能
すべての設定が終わったら、画面右下の緑色の「注文を確定する」ボタンをクリックします。
7)進捗をトラッキングする
おめでとうございます。以上でコンバージョンをゴールとしたFacebookリターゲティング広告が作成できました。ここからはウェブサイトのクリック数、リーチ、CTR(クリックスルー率)、CPC(クリック単価)、当初のゴールを達成するのにかかった費用をトラッキングしていきます。
Facebook広告のホームページを見れば、Facebookリターゲティングキャンペーンのパフォーマンス概要を一目で確認することができます。さらに深くメトリクスを確認したい場合は、広告セットへ行くとクリック数や1日当たりの費用といった情報を確認することができます。またこの画面から予算、スケジュール、内容の追加など、広告の編集を簡単に行うことができます。
HubSpotのユーザーの方たちは、リンク先URLのパフォーマンスを見ることで、特定のリターゲティングキャンペーンの閲覧数、クリック数、フォーム提出数を確認することが可能です。
リターゲティングは見込み客をエンゲージさせ、すでに関心を示している人と交流するのに最適の方法です。リターゲティングキャンペーンを企画するのは簡単なように思えるかも知れませんが、広告のコピーや内容を作成する前に、いくつかの要素をしっかり定義しておかなければなりません。リストの作成、ゴールの設定、キャンペーンタイプの設定、実行するプラットフォームの選定、そしてコンバージョンパス全体の結びつけには十分な時間をかけてください。
皆さんはリターゲティングキャンペーンを実施されたことはございますか? 他に何かおすすめのヒントはありますか?