《本記事は、Smart Selling Tools 創業者のNancy Nardinによる寄稿です》
IT業界のビッグバンによってSaaS（Software as a Service）モデルが誕生し、何百万ものソフトウェアソリューションがもたらされました。その中には、適切な価格で短期間に売上を伸ばすことを目的とした約1,000種類のセールス ソフトウェア ソリューション（英語）もあります。
これにより、企業はこれまでにないほどスムーズに営業担当者を支援できるようになりました。担当者が適切な見込み客に狙いを定め、効果的に働きかけ、価値を伝え、商談をまとめ、さらに取引を継続するのに役立つソリューションを活用することで、効果的かつ効率的な営業チームを作り上げることができます。当社Smart Selling Tools, Inc.が行った2019年のセールステック利用状況に関するベンチマーク調査（英語）では、3年間の成長率が30％以上という並外れた成長を達成した企業は、5つ以上の営業ツールを使用している割合が高いことがわかりました。5～14％とまずまずの成長率であった企業と比べると、その割合は3倍近くに上っています。
数あるセールステックの中で、CRMは中核的なセールスソフトウェアに位置付けられます。CRMを導入した上で、どのようなセールスソリューションを追加していくのかが重要です。一般的に、企業では特定の課題を克服するためのテクノロジーを導入することから始めます。たとえば、「アポイント件数を増やす必要があるから、メールの送信件数を増やし、通話記録を多く残せるソリューションを導入しよう」と考える企業が多いでしょう。
しかし、ある目的のためだけにソリューションを購入した場合はデメリットが生まれます。たとえば、営業担当者は複数のアプリにログインしなければならず、新しいアプリの操作も覚える必要があるため、生産性が低下します。アプリの機能が重複する場合は、無駄なコストが発生するでしょう。また、異なるアプリからデータを収集して照合しなければならなくなるため、レポート作成も困難になります。
こうしたことから、現在は「連携」と「相互運用性」が大きな決め手となっています。生産性の向上を目的としたテクノロジーを追加しようとしたのに、逆に生産性が低下してしまう要因が見つかったら、それは果たして正しい判断なのかを考えてみましょう。
また、連携されていないバラバラのアプリを導入するとトレーニングや学習の負担が大きく、その場しのぎの使用となるのが関の山です。最悪の場合、ユーザーの多くがモチベーションをなくし、使わなくなってしまいます。新しいアプリを使いこなせないとデータの信頼性が低下し、分析や意思決定に使用するレポートも信頼できません。利用率が低いと、費用対効果が必ずと言っていいほど悪くなります。営業担当者や営業マネージャーが実際に使用していないアプリから価値を引き出せることは、まずあり得ないでしょう。
そのため、連携して機能するテクノロジーを採用して、複数のサインオンや複雑な操作を必要とせずに、収益拡大に必要な機能を営業担当者が利用できるようにすることが非常に重要です。アプリエコシステムとは、そのような基準を満たすアプリをまとめたものです。このエコシステムが大規模であるほど、特定の課題を解決する選択肢が増えるだけでなく、生産性と効率の向上、データとレポートの質の改善、コスト削減も期待できます。
このようなエコシステムを活用することは、大企業の営業活動においてはいっそう重要です。実際、2019年のBlissfullyの調査（英語）によると、1,000人以上の従業員を抱える企業は、平均で実に203個のアプリを活用してビジネスを運営していることがわかっています。そこで、皆さんが自社に合ったテクノロジーツールを選別してSales Hub Enterpriseの機能を拡張できるよう、HubSpotの広範なアプリエコシステムでは数百もの便利な営業チーム向けの連携機能を公開しています。以下より、営業活動を促進する業務に欠かせない3つのカテゴリーと、それぞれに該当するアプリをご紹介します。
グローバル通話
営業リーダーにとって、営業担当者の業務プロセスの最適化を促進することは非常に重要で価値のあることです。1日の限られた時間の中で、CRMでコンタクト情報を管理している相手に電話で効果的にアプローチすることも、最適化の1つの方法です。営業担当者のお気に入りの通話ソフトウェアの機能を各レコードの画面に直接組み込み、毎回の通話データも確認できるようにすれば、営業プロセスを円滑に進め、リーダーへのレポートを合理的に作成できるようになります。
こうしたメリットをHubSpotのSales Hub Enterpriseで実現できるように、HubSpotアプリマーケットプレイスには40種類以上のグローバル通話アプリがそろっています。以下は、パートナー各社が提供している幅広いアプリのほんの一例です。
- MiiTel Phone（日本） — AIを活用したクラウドIP電話
- SuperReceptionist（シンガポール） — AIを活用したクラウドベースの通話とトラッキング
- FaleMais（ブラジル） — VOIPと仮想発信者
- Wildix（エストニア） — ブラウザーベースのClick to Call機能とVOIP PBX
- RingCentral（米国） — エンタープライズクラスのクラウド型双方向同期発信
セールスイネーブルメント
セールスイネーブルメントは、成約率を向上させるために必要なリソースを提供し営業担当者が自信を持って対応できるようにする、営業マネージャーやリーダーにとって可能性に溢れたカテゴリーです。大部分がコンテンツリソースで占められていますが、製品やサービスを効果的に顧客に販売するために役立つツールもあります。
HubSpotアプリマーケットプレイスで公開されている60種類以上のセールスイネーブルメント関連アプリは、競合情報の収集から営業報酬の管理まで幅広い課題に対応しています。HubSpotの既存機能を拡張したいとお考えの中規模～大規模企業の方に最適です。以下にお勧めの機能をご紹介します。
- Postal.io — ダイレクトメールの作成と配信
- Troops.ai — AI営業アシスタントソフトウェア
- InsightSquared — セールスアナリティクス（分析）
- Crayon — 競合情報分析
- PandaDoc — 営業提案書や契約書の作成とトラッキング
- Qwilr — インタラクティブな提案と見積もり
- Proposify — 営業資料の作成とトラッキング
会計・経理／簿記
非効率なCRMソフトウェアを使用していて最もストレスを感じる点は、データクレンジングがされていないことです。営業担当者や営業マネージャーにとって、正確な会計データや請求データがないのは大きな痛手となります。重要な数値の入力や見積書のカスタマイズを手作業で行っていると、販売サイクル全体が遅滞し、ミスや失注につながりかねません。
重要なビジネス上の意思決定の材料となる収益レポートをチェックする営業リーダーにとって、会計データや請求データはすべて最新で誤りのないものでなければなりません。
HubSpotでは、CRMと会計ソフトウェア間のデータ同期を強化するために20種類以上の会計・経理／簿記の連携機能を提供してきましたが、このたび、Sales Hub Enterpriseの強化とあわせ、新たに5つのアプリとの連携を追加いたしました。作成した請求データをHubSpotとお客様に合った会計システムの間で連携して追跡したり、請求システムから直接収益データをインポートしたりすることができる機能性の高いアプリをご用意しています。ご注目いただきたい強力な新アプリは以下のとおりです。
- QuickBooks Online — QuickBooks Onlineの請求書作成、レポート作成、自動化
- Xero（オーストラリア） — HubSpot内でのXeroの請求書作成
- NetSuite — HubSpot内でのNetSuiteの請求書作成
- Nubox（チリ） — HubSpot内でのNuboxの請求書作成
- ProfitWell — HubSpotへの収益データの取り込み
Sales Hub Enterpriseをお使いですか？ 注目の営業チーム向けアプリはこちらをご確認ください。また、まだお使いでない場合はこちらからSales Hub Enterpriseにサインアップしていただけます。
