成果につながる会社紹介動画を作るには?

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水落 絵理香(みずおち えりか)
水落 絵理香(みずおち えりか)

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会社紹介用の動画は、認知度アップや採用活動における応募者数の増加など様々な効果を期待できます。ただ、動画自体の内容にこだわるのはもちろん、どのチャネルでどのように流通させるかまで考えないと成果に繋がりにくいでしょう。

成果につながる会社紹介動画を作るには?

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これから会社紹介動画を初めて制作する場合、どこから手を付けていいのかわからない方が多いと思います。今回は、認知度アップにつながる動画制作のポイントや、配信後の効果測定方法を解説します。

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    会社紹介に動画を活用するメリットとは?

    会社紹介に動画を活用するメリットとは?

    近年、さまざまなビジネスシーンにおいて、動画の活用が注目されています。Hubspotが行った調査では、マーケッターのほぼ半数が、2018年にはYouTubeとFacebookの動画の作成に投資すると報告しており、動画がマーケティング戦略リストのトップにランクインしました。

    出典:The Ultimate Guide to Video Marketing|Hubspot

    スマートフォンやタブレットなどの普及により、動画を取り扱うプラットフォームが増え、消費者はより気軽に動画を視聴できるようになりました。実際に、78%のユーザーが毎週オンライン動画を視聴し、55%が毎日動画を視聴しており(Hubspot調べ)、また10人中6人が「テレビではなくオンライン動画を視聴したい」と回答しています(Google調べ)。さらに、Twitterユーザーの82%は、Twitter内で動画を視聴しています。

    これらの結果からも、消費者にとって動画は、日常的かつ優先的に使用するコンテンツとなっていることがわかります。

    出典:55 video marketing statistics for 2020|Biteable

    出典:37 Staggering Video Marketing Statistics for 2018|WordStream

    こうした状況のなか、顧客の90%が「購入決定の判断材料に動画が役立つ」と答えている(depositphotos調べ)点にも着目すべきでしょう。動画は、それ自体に拡散力があり、消費者の目に留まりやすいコンテンツです。従来のオンライン広告とは異なり、動画は短時間でも一度に多くの情報が届きやすく、感情に響くアピールがしやすいツールといえます。文字で読むよりも、記憶に残りやすいのも大きなメリットです。

    マーケティング戦略の一環として導入されてきた動画ですが、今や、その活用シーンも広がり、ブランディングや採用活動など幅広い目的で利用されるようになりました。そのひとつが、「会社紹介動画」です。改めて、会社紹介を動画で配信するメリットを見てみましょう。
     

    企業の理念やビジョンを表現し、信頼度向上に

    動画を利用して会社紹介を行うことで、認知度アップできるだけでなく、企業理念やビジョン、社内風土といったブランド情報が拡散されやすくなります。こうした情報は、その企業だけが持つ独自のものであり、オリジナルのストーリーを提供することで競合との差別化も図りやすくなるでしょう。結果として、ブランド力が向上するとともに、企業に対する信頼度が高まることも期待できます。レッドオーシャンからの脱出するための一助になると同時に、ROIの向上にもつながります。
     

    採用活動はじめ様々な企業活動に利用できる

    近年、採用活動においても、会社紹介動画が大きな影響を与えています。SNSのひとつであるLinkedinの報告によると、「優れた企業ブランドは、離職率を28%軽減し、採用コストを半減できる」としています。会社紹介動画によってブランド力を強化すれば、コストを削減しながらも、求職者に向けてアピールを強化でき、応募率の向上も期待できます。

    出典:The Ultimate List of Employer Brand Statistics|Linkedin talent Solutions
     

    会社紹介動画は何に活用できる?

    会社紹介動画は何に活用できる?

    会社紹介動画は様々なシーンで活用できます。目的によって構成や手法も異なってくるため、具体的にどのようなシーンで利用できるのかを確認してみましょう。
     

    会社紹介動画の主な活用シーン

    主な活用シーンとしては、以下の4つが挙げられます。

    1. ブランディング

    動画を通して企業のビジョンやメッセージを紹介し、ブランド向上を期待する企業が多いのではないでしょうか。株式会社サイカが企業の広告宣伝担当者 約200人を対象に実施した調査(2019年5月)によると、動画広告に期待する効果は「製品のブランド価値向上・認知向上」という回答が8割以上でした。

    出典:企業の広告宣伝担当者200人超に聞いた 動画広告の活用実態アンケート調査  7割以上が動画広告の投資対効果の高さを実感  購買促進が目的の動画広告は2割に満たない

    2. 採用活動

    近年、増えているのが、採用活動における動画の活用です。求職者に向けて、就職後のベネフィットを提示したり、オフィス環境や社員の声といったリアルな職場状況を伝えたりできるツールとして動画が利用されています。

    3. 社内向け

    マーケティング戦略というよりは、社内に向けて会社紹介動画を利用するケースもあります。社内向け動画は、研修やマニュアル共有方法としてこれまでも多く活用されてきました。働き方が多様化する中、社内報やイベントを動画にして配信することで社員のモチベーションアップを期待したり、企業指針の確認やアップデート情報を提供したりするツールとしても使われています。

    4. プロモーション

    顧客や取引先に向けての会社紹介動画は、プレゼンの一環ともいえます。独自のプロモーション動画は、展示会に参加する人の足を止め、動画広告として新たな商品やサービスを紹介できるツールです。
     

    よく使われる3つの動画構成

    上記のような目的に合わせて、動画の構成もタイプを考えてみましょう。ここでは、代表的なものを3つまとめました。

    1. コンセプト重視メッセージ発信

    コンセプト重視で、ブランド訴求となるメッセージを、イメージを用いて伝える手法です。ブランドイメージとなる芸能人を採用したり、スタイリッシュな音楽とデザインを使って注目を集めたりと、ブランドのコアメッセージを伝える構成が多く見られます。ブランディングやプロモーションなどで使われることが多いでしょう。

    2. 事業概要の紹介

    会社紹介として、企業の概要や歴史、事業内容、ビジョンなどを詳しく紹介する手法です。文字やナレーションで構成されることが多く、採用シーンや社内研修においてよく活用されます。プレゼンの一環としても使いやすく、社内外それぞれの目的に合わせた構成が求められます。

    3. 社員や関係者へのインタビュー

    企業内部の雰囲気や環境を伝えやすいのがインタビュー形式です。採用シーンで活用されることが多く、企業代表者や役員、社員などへのインタビューをまとめることで、働くイメージを伝えています。そのほか、ブランディングやプロモーションを目的として、専門家へのインタビューを行ったり、顧客のリアルな声を届けたりするといったケースもあります。
     

    効果的な会社紹介動画制作のステップ

    効果的な会社紹介動画制作のステップ

    動画制作にはさまざまな手法がありますが、あくまでも目的を果たすための手段の一つとして認識しましょう。コストをかけて動画を制作するからには、その目的やコンセプトを再確認し、効果を出すための戦略を考える必要があります。効果的な会社紹介動画を制作するためのポイントを、9つのステップに分けてまとめました。
     

    ステップ1:目的を明確にする

    上述したように、会社紹介動画を活用できるシーンは幅広いものです。しかし、目的が明確でなければ、作成手法や構成にズレが生じてしまいます。まずは動画を制作する目的を明確にし、効果指標を決める必要があるでしょう。

    効果指標を定めるうえで、「視聴者にどのような影響を与えたいのか」、「どういったアクションを起こしてほしいのか」といったCTAのプランも欠かせません。誘導先が明確でなければ、最適な構成で作成することができないからです。

    ただし、誘導先のサイトやサービスのイメージが、動画の内容とミスマッチを起こしていると、動画の価値や評価が下がってしまうため注意が必要です。マーケティングやブランディングに向けた戦略の一環として、広い視点で動画の目的を考えてみましょう。加えて、目的に合わせたKPI設定も、初期段階で行っておくことが大切です。
     

    ステップ2:ターゲットを設定する

    目的と同時に、ターゲットの設定を行います。目的に合わせてToC、ToB、新規顧客向け、既存顧客向け、求職者向けなどの対象を定め、さらに具体的なペルソナ像を設定してみましょう。ターゲット設定をステップ2としていますが、場合によってはターゲット優先で、目的を定めるケースもあるでしょう。いずれにしても、目的とターゲットを一致させ、評価対象を明確にしながら、効果指標を検討する必要があります。
     

    ステップ3:コンセプトの確認

    認知度アップを前提とするならば、コンセプトの再確認は欠かせません。目的やターゲットが決まっていても、コンセプトがぶれてしまうと、企業イメージを損なってしまう可能性があります。

    動画制作はチームで行うものなので、認識を共有するためにも、改めてコンセプトを言語化してみましょう。
     

    ステップ4:プラットフォームを選ぶ

    目的、ターゲット、コンセプトなどが決まったら、ニーズに合わせたプラットフォームを選ます。YouTubeをはじめ、FacebookやTwitterといったSNSの利用だけでなく、オウンドメディアや自社サイトなどで配信する方法もあります。利用者層やサイトイメージに合わせたプラットフォーム選びが肝心です。
     

    ステップ5:メッセージの検討

    コンセプトに合わせて、動画で伝えたいメッセージを検討します。すでにあるブランドメッセージを使うのか、動画単体での訴求メッセージを新たに作るのかによって、構成や手法が異なります。CTAを考えながら、アクションにつながるメッセージを考えてみましょう。
     

    ステップ6:予算や配信タイミングを考える

    動画制作は、こだわればこだわるほど際限なくコストが上がるものです。限られた予算で制作するには、現実的なパラメータを設定する必要があるでしょう。外注か、自社制作かによってもコストが変わり、動画の質にも影響します。加えて、配信のタイミングにも注意が必要です。よりターゲットに届きやすいタイミングを検討し、逆算したスケジュールを立てるとともに、配信後はKPI達成にかける期間を考えたプラン作りを考えてみましょう。
     

    ステップ7:動画制作方法の検討

    動画制作の方法は大きく分けて、業者への外注か、自社制作のどちらかです。外注の場合には、業者の選定や比較検討を事前に行う必要があります。自社制作の場合には、必要な機材や使用ツール、制作手段などを検討し、リソースの管理を行う人材も確保しておくとよいでしょう。
     

    ステップ8:動画の構成、シナリオを作る

    ステップ1~4を加味して、動画の構成を考えます。かっこいい動画にするのか、面白い動画にするのか、シリアス、真面目な動画にするのかなど、方向性によって構成・シナリオが変わります。さらに、動画の長さも慎重に検討すべきです。シンプルにメッセージを伝える短い動画なのか、じっくりとストーリーを見せる長尺かなど、再生時間を考慮したシナリオを検討してみましょう。
     

    ステップ9:撮影、編集

    ここまでの準備を経て、やっと撮影や編集に進みます。実際の流れは、外注か自社制作かによって手順が異なるため、しっかりとスケジュールを立てて対応するのがポイントです。

    ただし、トータルで外注するのか、一部を外注するのかによってもコストやスケジュールが変わるため、状況に合わせたプラン作りを行いましょう。特に、自社制作の場合は、社内の人的コストやリソースを確認しながら進めるとよいでしょう。
     

    動画の費用対効果を考える

    動画の費用対効果を考える

    動画は制作したら終わりではありません。目的を定めて作る会社紹介動画は、長い時間とコストをかけて慎重に制作されるケースがほとんどであり、ブログコンテンツのように頻繁に更新されることは少ないでしょう。

    そのため、1つの動画に対する期待は大きく、費用対効果を考えながら、効率よくリードに届く配信方法やCTAを検討しなければいけません。同時にPDCAを回すための分析や、KPI測定を行うための具体的な期間と数値目標も必要です。費用対効果を高めるために、以下のような視点でポイントをチェックしてみましょう。
     

    自社で作るか、外注するか

    動画制作は、コストがかかるだけでなく、完成までの工程も多く複雑です。自社制作の場合は人的コストが大きな課題となり、外注時には業者の実績や制作レベルによって費用が異なる点が難しいところです。

    オープニングだけ、エンディングだけといったように、一部だけを外注する手もありますが、その場合は連携にかかる時間や手間も増えてしまうことを覚えておきましょう。

    費用対効果を考えるうえでは、金額だけでなくリソース面でのコストもしっかり計算する必要があります。
     

    効果測定のポイント

    動画は、消耗品として一時的なコストととらえるか、投資として戦略的に活用するかによって、その価値や意味合いが変わります。費用対効果を高めるには、投資としての思考が必要であり、効果測定を含めた運用プランが欠かせません。

    認知度アップを目的として効果測定を行う場合には、以下のような項目を参考にKPIやKGIを設定してみましょう。

    ● 視聴回数と再生率

    視聴回数は、最もわかりやすい指標でしょう。ただし、プラットフォームによって測定方法が異なるため、それぞれに合わせた指標を立てる必要があります。例えば、YouTubeの動画広告では再生時間30秒、Facebookでは3秒で視聴されたとカウントされるため、単純な比較ができないことを覚えておきましょう。また、視聴回数をインプレッション数で割ると再生率が確認できます。ユニークユーザー数の確認やサムネイル、タイトルメッセージなどの検証に役立ちます。

    ● 完全視聴率

    完全視聴率は、最後まで見てもらえたかどうかを確認する数値です。動画の長さや構成、CTAの出現パターンなどを検証する際の指標として活用できます。

    ● クリックスルー率/コンバージョン率

    クリックスルー率(動画内のURLやCTAボタンをクリックした割合)やコンバージョン率(問い合わせや資料請求など、ユーザーに取ってほしいアクションが実行された割合)では、目的に沿ったアクションにつながっているかどうかがわかります。動画の内容が目的とあっているか、CTAの文言や位置は適切かなどの検証材料として活用しましょう。

    ● その他、プラットフォームに設定されている効果測定サービス

    一般的な測定・分析値とは別に、プラットフォームによって独自の効果測定を設けているところがあります。例えば、Facebookではブランドリフト調査として、広告の印象付けを把握できる「推定広告想起リフト」があります。ブランドリフト調査とは、企業や商品、サービスなどの認知度や好感度などを示す効果指標で、ブランディング広告に接触したグループとそうでないグループを比較し、前者の購買意欲やブランドに対する認知度が向上しているかどうかを測るものです。

    Facebookだけでなく、LINEでは「ブランドリフトサーベイ」をオプションで追加でき、Amebaではモニターを抽出したアンケート調査ができるなど、それぞれの設定に合わせた調査が可能です。目標に合わせて活用を検討してみましょう。

    出典:Web広告のブランディング効果を図るブランドリフト調査とは?|BRANDINGLAB
     

    会社紹介の動画は、配信後の戦略もセットで制作しよう

    会社紹介の動画は、配信後の戦略もセットで制作しよう

    会社紹介の動画で成果をあげるには、制作目的を明確にし、ゴールにつながるCTAまで戦略的に考える必要があります。動画の効果測定は難しい面もありますが、一旦KPIを設定し、運用しながら「より重視するべき指標はないのか」「本質とずれた目標設定になっていないか」などKPI自体を適宜見直していくのが良いでしょう。

    ある程度予算を割く必要はありますが、動画制作を一時的なコストとみるか、投資と捉えるかで活用の幅は変わってくるはずです。

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