どんな役職であっても、業務の中で、画像や印刷物を作成しなければいけないタイミングがあるでしょう。しかし、「PhotoshopやIllustratorを使うのは難しそう」「そもそも自分にはセンスがないしなあ……」という思いから、なかなか着手できない方は多いのではないでしょうか。
そこでぜひおすすめしたいのがデザイン作成ツール「Canva」です。
Canvaには、プロの作ったデザインのテンプレートが数千種類も用意されており、それらを組み合わせるだけで手軽にセンスあるデザインを作成できます。何より、無料プランであっても非常に高機能な点が魅力です。
今回は、Canvaの基本機能や利用するメリット・デメリット、料金体系、実際の使い方まで解説します。
Canvaとは?
「Canva」は、オーストラリア発祥のデザインツールです。
既に用意されているデザインテンプレートをカスタマイズするだけでプロ並の高品質な作品が作れるとあって人気を集めています。2020年現在は150以上の国でサービスを展開しており、世界各国で利用が進んでいるようです。
Canvaの活用例
Canvaは、ドラッグ&ドロップ機能とプロ仕様のレイアウトによって、以下の通り、様々な活用例があります。
- SNSに投稿する画像作成
- ポスターやチラシのデザイン作成
- プレゼンテーション資料のテンプレート作成
- 電子書籍の表紙作成
- 名刺のデザイン作成
- Webメディアのアイキャッチ作成
- ロゴ作成 他
用途に関係なくデジタルなデザイン作成を全て行えるのが、Canvaの大きな特徴です。
Canvaのメリット4つ
Canvaを利用するメリットは、無料で、簡単に、高品質な素材を作成できる点にあります。もう少し詳しく見ていきましょう。
無料で使える
Canvaには有料版もありますが、無料プランであっても充実した機能が揃っています。
基本的な編集機能を利用するには、無料プランで問題ないでしょう。どんなものか知りたい場合は、お試し感覚でアカウント登録をしてみてください。
操作が簡単
Canvaは、PhotoshopやIllustratorをはじめとした他のデザインツールと比較すると、圧倒的に操作が簡単です。テンプレートを基準とした編集だからということもありますが、テンプレートを設定した後の細かな編集も手軽にできます。普段、WordやPowerPointといったツールが利用できていれば、仕様も似ているため充分に使いこなすことができるでしょう。
高品質なテンプレートが充実している
Canvaは、テンプレートが非常に充実しています。無料プランであっても利用できるテンプレートは約8000種類も用意されています。さらには、そのどれもがプロ作成のクオリティが高いものばかりです。
スマートフォンでも使える
Canvaは、パソコンだけでなくスマートフォンでも利用可能です。
専用のアプリをダウンロードすることで、パソコンとほぼ変わらない機能を使うことができます。
また、同じアカウントでログインしている場合は、パソコンとスマートフォンそれぞれで作成したデータの同期が可能です。自宅でパソコンを使って作成したデータを、外出先でスマートフォンを使って編集することもできます。
Canvaのデメリットは?
もちろん、デメリットもあります。少しずつ改善されてはいますが、人によっては動作の重さや編集の柔軟性に対してストレスを感じる可能性もあるでしょう。
画像を細かく編集できない
Canvaのデザイン編集は、既に搭載されているテンプレートを元に行います。そのため、どうしてもテンプレートに従わざるを得ないような操作仕様になっています。
特にデザインスキルに長けた方やこだわりをお持ちの方にとっては、テンプレートの枠から外れるような自由なデザインや編集ができないことに、不満を抱えてしまう可能性があるでしょう。
サイトの動作が重い
Canvaのもう一つのデメリットとしては、サイト全体の動作が重いことが挙げられます。
デザインの編集には、緻密かつ負担のかかる処理を要します。そのために、処理に時間がかかり動作が重くなってしまうのです。
このように動作が重いこと自体はデザインツールとして珍しいことではありませんが、慣れていない方や利用しているデバイスの性能次第では、動作が気になる方もいるでしょう。
Canvaの無料プランと有料プランの違い
Canvaは無料プランで十分に利用できますが、本格的に使うとなると無料で使える機能に制約を感じることもあるでしょう。その場合は、有料プランへの切り替えを検討してみましょう。
以下、Canvaの無料プランと有料プランでの違いをご紹介します。
テンプレートの数が大きく増える
有料プランになると、利用できるテンプレートの数が大きく違います。
無常プランで利用できるテンプレートが約8,000点に対して、有料プランでは約30万点です。桁が違いますね。これによって作成できるデザインが大幅に増えるほか、より自分のイメージにマッチしたテンプレートを見つけやすくなります。
データ保存容量が無制限に
有料プランになるとCanva上に保存できるデータ容量も大きくなります。
無料プランでは1GBまでと、これでも充分に多かったのですが、有料プランになると保存できるデータ容量が無制限になるのです。これによって制作作業に使うデータを全てCanvaに蓄積できます。自分のデバイス上で保存しておくべきものがなくなるので、デバイスの負担軽減にも繋がるでしょう。
ダウンロードできるデザインサイズが幅広くなる
実は、Canvaの無料プランでは作成したデザインをダウンロードする際に、出力されるサイズがA4のみと限られています。
有料プランにすることによって、その制限を外すことができるのです。作成したデザインを自由な形でダウンロードできるため、活用の幅が大きく広がります。
フォルダの作成が自由に
Canva上では、作成物や素材ごとに利用するファイルをフォルダの形でまとめることができます。無料プランを利用した場合、作成できるフォルダは2つという制限がありますが、有料プランになるとフォルダの作成上限がなくなります。これによって自由にデータをまとめて管理することが可能です。
チームでデータ共有できる
Canvaでは、自分のアカウントだけで納めて作業するだけでなく、複数のアカウントと連携することによってデータを共有し、チーム体制で作業することもできます。
この時、無料プランの場合は連携できるアカウントが10個であるのに対して、有料プランの場合は50個のアカウント連携が可能です。会社単位で利用する際などに、非常に適しているのではないでしょうか。
オリジナルテンプレートの作成・保存が可能
Canvaでは、既に用意されたテンプレートだけではなく、自分でオリジナルのテンプレートを作成することも可能です。
しかし、一度オリジナルテンプレートを作成したとしても、無料プランだと保存することができません。対して有料プランの場合は、オリジナルテンプレート作成後、次のデザイン作成時でも使えるように保存することができます。
企業やWebサイトのブランディングにそったデザインを作る場合などは、オリジナルテンプレートを利用することも多いでしょう。そのためにも、オリジナルテンプレートの保存機能は欠かせないものです。
Canvaの使い方は?
それでは、ここからはCanvaの具体的な使い方をご紹介します。
①「デザインを作成」をクリック
まずはCanvaのポータル画面右上に置かれたボタン「デザインの作成」をクリックします。
②デザインの種類を選ぶ
続いては、どんな用途でデザインを作成するのかを選択します。項目としては以下の通りです。
- ポスター
- プレゼンテーション
- Instagramの投稿
- 動画
- ロゴ
- Facebookの投稿
このほかにもカスタムサイズを選択することも可能です。
③テンプレートを選ぶ
デザインが決まったら、続いてはテンプレートを選びます。
作成するものの用途に合わせて、好きなものを選択しましょう。
④テンプレートをカスタマイズ
選択したテンプレートが、形に合わせて表示されたら、内容をカスタマイズしていきます。
文字の内容やフォント、色の編集だけでなく、写真や動画の追加なども可能です。
⑤できあがったデザインをダウンロードまたは共有
デザインが出来上がったら、ダウンロードもしくはリンクの共有ができます。
ダウンロードしたデータを使って、印刷や掲載をしてみましょう。
Canvaは日本語フォントが充実!
Canvaは国際的に利用されているツールながら、デザインの編集時に使える日本語フォントが非常に充実しています。編集画面のフォント選択画面から、細かな設定をまたフォントの一覧をみることができます。またフォント一覧の横には例となる文字も入力されているため、どれがテイストに見合うものなのかを想像しながら決めるこもが可能です。
Canvaと他ツールの連携
SNSとの連携
Canvaでは、Web版・スマホアプリ版どちらもInstagramやTwitter、FacebookなどといったSNSアカウントとの連携が可能です。これによって、Canvaでデザインしたものをその場ですぐに各種SNSへの投稿ができるようになります。
CanvaにSNSのアカウントを登録して設定をすれば、連携は簡単です。
HubSpotとの連携
Canvaでは、当社HubSpotのツールとの連携も可能です。
CanvaとHubSpotを連携すると、Canvaのデザイン編集をHubSpotのダッシュボード上で行うことができるようになります。HubSpotのブログ記事に使う画像や図などをCanvaを使って素早く作成し、そのままシームレスにHubSpotブログに反映できるようになります。
Canvaの商用利用について
いくら良いデザインが作れるといっても、商用利用できなければ意味がない、と感じる方も多いのではないでしょうか。
その心配は不要です。Canvaで作成したデータは問題なく商用利用できます。無料プランと有料プラン、いずれの場合でも関係なく商用利用でき、クレジット表記も必要ありません。
ただし、例えば素材に「Editorial Use Only」という表記があるものに関しては、教育現場での利用のみ許諾されているということで、商用利用はできないので注意が必要です。
自社ユーザーに適したクリエイティブ作成にCanvaを活用しよう
今回は、デザインツールCanvaについて、特徴やメリットデメリットなどをご紹介しました。Canvaの魅力は、手軽さ・簡単さと見た目の良さを両立している点にあることをお分かりいただけたでしょうか?
Canvaは、最初から高クオリティなテンプレートや素材が多数揃っており、それらを組み合わせるだけでプロ並の高品質なデザインができあがるので、非デザイナーにとって重宝するでしょう。
PhotoshopやIllustrator等の本格的なデザインツールと比べると、画像の細かい編集ができないといったデメリットもありますが、そもそもの製品コンセプトが異なるため、Canvaとは単純に比較できないのもまた事実です。
まずは、無料プランから実際に体験して使い心地を確かめて見ることをお勧めします。ブログのアイキャッチ画像やWebサイトに設置するバナーも気軽に作成できるので、ABテストもしやすくなります。どのようなクリエイティブが受け入れてもらいやすいのか日々検証して、ユーザーにとって見やすく、心地よいUIを目指しましょう。するABテストを実施しやすくなるでしょう。