対話型AIの基礎知識&活用方法を解説

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Flori Needle
Flori Needle

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2023年上半期で大きな話題となったChatGPT。公開からわずか5日間で、利用者数は100万人に達しました。

対話型AIの概要と活用方法

HubSpotが人工知能(AI)搭載ツール 「コンテンツアシスタント」と「ChatSpot.ai」をリリース→

ChatGPTは「対話型AI」の1つとして分類されます。現在多くの企業が、ChatGPTをはじめとした対話型AIツールをマーケティング業務に導入・運用しています。

本記事では、マーケターであれば知っておきたい対話型AIの基本知識を解説します。

 

テクノロジーの中核として、AI(人工知能)と機械学習が用いられています。対話型AIの一般的な例としては、バーチャルアシスタントとチャットボットがあります。

 

対話型AIとチャットボットの違い

対話型AIとチャットボットは一緒に語られることが多いため、この2つがどのように関連しているかを把握しておくことが大切です。

チャットボットは対話型AIの活用例の1つですが、全てのチャットボットに対話型AIが使われているわけではありません。ほとんどのチャットボットはルールベース型と呼ばれるもので、具体的な定型回答文や台本があらかじめ設定されており、それより複雑な会話には対応できません。

AIチャットボットは、さまざまな種類の会話や話題に対応でき、データを活用して最も精度が高い回答を提示できます。

 

対話型AIの仕組み

対話型AIを可能にしているのは、機械学習、自然言語処理(NLP)、自然言語生成(NLG)です。

対話型AIの仕組み

機械学習とは、対話型AIツールに知能をもたらす手段です。機械学習という名称ですが、そのプロセスは人による入力から始まります。まずは、学習すべき固有のデータセットを人間が機械に入力するのです。そうして機械が入力されたデータを学習し、関連性を理解することで、最終的に人と実際に会話ができる状態になります。

自然言語処理とは、あらかじめ学習したデータを基に、機械が人と会話をする際に相手が発した単語やフレーズを認識する機能です。続いて使われるのが自然言語生成機能で、人からの問い合わせに対して可能な限り最善の回答を編み出します。

対話型AIは、1つひとつの会話から継続的に学習するため、時間とともに質と精度がさらに向上していきます。

プロセス全体をまとめると、以下のようになります。

  1. 文字または音声(人が話した言葉やその他の一般的な音)でデータが入力されます。
  2. 入力されたデータは機械の自然言語処理機能によって解析され、どのようなことを意味するのか、応答はどのような内容が想定されるのかが特定されます。
  3. 入力内容が理解されると、対話型AIの自然言語生成機能によって、質と精度が最も高い情報が提示されます。

機械は全ての会話からデータを学習して知識を積み上げ、さらに精度の高い応答を生成するようになります。

 

対話型AIの活用例

マーケティング分野における対話型AIの一般的な活用例は、コンテンツ生成ツールです。インターネット上で話題になっていることを調査し、ブログ記事、Eメール、さらには広告コピーなどのコンテンツを生成します。

具体的な活用例の1つが、私たちHubSpotが提供するツールの1つである「コンテンツアシスタントです。このツールは対話型AIを活用して、文章コンテンツの作成を支援します。

書きたい内容をHubSpotに入力するだけで、コンテンツアシスタントが以下の内容を実行してくれます。

  • ブログ向けに、オーディエンスが関心を持っている話題の一覧を生成する
  • 執筆作業を開始するための構成案を作成する
  • 読者や検索エンジンに最適化された、簡潔で説得力のある文章を書く

AIコンテンツアシスタントは、HubSpot製品にはじめから組み込まれている機能です。

もう1つの活用例は、音声読み上げツールです。文章を自然に聞こえる音声に変換するもので、支援技術を利用する方々のアクセシビリティーを向上させます。ソーシャルリスニングやソーシャルモニタリングのツールにも自然言語処理機能が備わっており、インターネット上の会話の論調や意図を読み取って、ブランドに対する消費者の感情を把握するために使われています。

また、人事や採用関連のツールでは、履歴書や職務履歴書の記載内容からキーワードやフレーズを検出し、求人内容に合った理想的な候補者の特定が可能です。

その他の活用例としては、Google Homeなどのスマート ホーム デバイスや、AppleのSiriなどのバーチャルアシスタントが挙げられます。

この成長市場の最先端を進み続けるには、HubSpotのプレイリストであるThe Business of AI(英語)をご活用ください。ビジネスにおける今後のAIの活用例についてご紹介する番組を掲載しています。

 

対話型AIのメリット

上記の活用例を踏まえると、対話型AIによって企業にどのようなメリットがもたらされるでしょうか?
 

1. 時間を節約できる

対話型AIが消費者との会話を行い、適切な成果を生み出すことができるため、担当者は人による対応が必要な緊急性の高い問題に専念できます。

また、対話型AIによって大量のデータポイントを処理し、洞察や解決策を迅速に得ることができるため、データに基づいた意思決定を行えるようになり、データ処理の負担を解消できます。
 

2. データに基づく知見を得られる

対話型AIツールによって収集したデータは、企業が消費者について把握する上で有益な情報になり得ます。消費者が求めるものを認識し、よくある質問としてFAQページの更新に活用できることもあれば、自社に対するインターネット上の評判を詳しく把握できることもあります。
 

3. 購入を促進できる

対話型AIツールは、自然言語処理機能によって顧客の問い合わせ内容を理解し、ニーズや問題を把握して、製品やサービスをおすすめし、購入を促すことができます。
 

4. 自社に最適な顧客の解像度を高められる

対話型AIによって多くのデータポイントを分類し、理想的な顧客像をより具体的に理解しやすくなります。
 

5.ブランドのモニタリングを実施できる

上記の通り、対話型AIによってインターネット上の自社の評判を分析したり、よく使われているフレーズやキーワードを検出してブランドに対する消費者の感情を把握したりできます。マーケティング担当者が自力で無数のやり取りを調べる必要性が減るため、大幅な時間の節約になります。

ただし、この項目は、対話型AIの課題が存在する領域でもあります。人間による理解や認識が重要であり、その能力に匹敵するものはないからです。
 

対話型AIの課題

対話型AIはマーケティング担当者にとって最前線の話題ですが、全てのコインに裏表があるように、対話型AIにもメリットとデメリットがあります。そのため、常に全体像を把握することが大切です。

対話型AIの導入にあたって最もやってはいけないことは、人間によるモニタリングやコミュニケーションで引き続きメリットが得られる業務も対話型AIにやらせてしまうことです。

例えば、ツールによってインターネット上の会話をモニタリングすることはできますが、人間なら分かる微妙な点を機械は察知できないことがあります。また、人事向けツールでは、求人への応募書類を特定のキーワードやフレーズでふるいにかけて自社に最適な候補者を特定することはできますが、人間が書類を確認する場合、履歴書に指定のキーワードが含まれていなかったとしても、理想的な候補者にふさわしい経歴があることを読み取ることができます。

他にも以下のような課題が挙げられます。

  • 言語入力:方言やスラング、さらには周囲の雑音も、機械による言語入力処理の能力に影響を与える恐れがあります。
  • プライバシー:対話型ツールでは、プロセスの向上のため、データが収集され保存されます。しかし、顧客の個人情報が入力された場合、セキュリティー侵害やデータ漏えいによって安全性に対する懸念が生じる恐れがあります。
  • 人類と文化の発展:機械学習には、人類の文化的発展を踏まえて学習し続けるための絶え間ない進歩が求められます。文化に関する一般的な知識から、公開されたばかりの映画の上映時間といった具体的な情報まで、学習していく必要があります。

 

対話型AIに関する統計

AIは今この瞬間も発展を続けている分野です。まだ導入するか決めかねている方や、まずはもっと詳しく知りたいと考えている方のために、知っておくべき重要な統計データをご紹介します。

  • 対話型AIの世界市場規模は、2030年までに320億ドルに達すると予測されています(Allied Market Research(英語))。
  • ボイスコマース(音声で行うオンラインショッピング)の市場規模は、2023年までに4倍の194億ドルに達すると見込まれています(Juniper Research(英語))。
  • 音声アシスタントの数は、2024年までに84億に達する可能性があります(Statista(英語))。
  • 米国の成人1億2,600万人が、音声アシスタントを月1回以上使用すると予測されています(eMarketer(英語))。
  • 消費者の5人に1人が、毎日、ウェブチャットかアプリ内チャットを利用しています(Vonage(英語))。
  • マーケティング担当者の62%が、人工知能をマーケティング戦略に活用していると回答しています(Statista(英語))。
  • 職務でオートメーションを活用しているマーケティング担当者は、活用していない担当者と比べて、マーケティング戦略が効果的だったと回答する可能性が高くなっています(HubSpotブログの調査(英語))。
  • 2021年に最も多くの企業に導入されたAIの種類は、自然言語処理でした(Stanford University AII(英語))。
  • 特に優れた成果を上げているAIシステムは、10回の感情分析のうち9回で正しい結果を出力しています(Stanford University AII(英語))。
  • 限られた情報から一番もっともらしい結論を導き出しているのは、仮説的言語推論です。人間の精度の基準値が92.90%であるのに対し、AIシステムは91.87%となっています(Stanford University AII(英語))。
  • AIの利用が増えている一方で、2019年以降、AIに関するリスク軽減策には大幅な増加が見られません(McKinsey(英語))。
  • 米国人の15%は人工知能がもたらす影響について懸念よりも期待を示しており、46%は懸念と期待が同じくらいであると回答しています(Pew Research Center(英語))。

HubSpotではこの他にもマーケティングやセールスに役立つ資料を無料で公開していますので、ぜひこちらからご覧ください。

 

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